AKB48の横山由依卒業コンサート「横山由依卒業コンサート~深夜バスに乗って~」が11月27日、神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールで開催され、会場に集まった4500人と、オンライン配信で見守る多くのファンが彼女の門出を祝った。

AKB48史上で最高難易度のダンス『根も葉もRumor』

1曲目は『少女たちよ』、そして『ゼロサム太陽』、『ALIVE』とギアを上げ、フルバージョンをファンの前で披露するのは初となる『根も葉もRumor』。誰よりも汗をかいてパフォーマンスしてきた横山らしい激しいスタートに、向井地美音は「容赦ないセットリストありがとうございます」と思わずひと言。

伊豆田莉奈は現在CGM48の劇場支配人として後輩を育成している続いて『フライングゲット』、『恋するフォーチュンクッキー』など、横山が総選挙で選抜メンバー入りした曲を歌う。そして宮崎美穂が「ゆかりあるメンバーに来てもらいました」との紹介に、「サワディーカー」と登場したのは、タイのチェンマイにあるCGM48で活動する後輩の伊豆田莉奈。ファンのズッコケ感があったが、実はかつて横山の家に泊まり、部屋を掃除していた間柄ということが明かされた。

昔と変わらない笑顔でポーズを決める川栄李奈そして横山は小栗有以、山内瑞葵というフレッシュなメンバーとともに『セーラーゾンビ』を歌い、終わりのタイミングで花束を持って登場したのは、今や朝ドラ&大河ドラマ女優として活躍する川栄李奈。グループを卒業して以来、なんと6年ぶりの登場。そんな川栄、卒業コンサートで踊る横山を見て、現役時代に汗だくでリハをする横山に焦り、自分の体を水道水で濡らしてごまかしたというエピソードを思い出したそう。

ひさしぶりに4人が揃ったノイエ。今後も活動する姿が見たいファンから鉄人のように思われていた横山だが、過労で倒れたことがあるという。それが大島優子、指原莉乃、北原里英とユニット『Not yet』で活動していた時期。そんな彼女の卒業を祝うべく"ノイエ"の3人がステージに。指原は「末っ子だった由依ちゃんの卒業、感慨深いです」、大島は「あなたのことは心配していません。これからも輝き続けて下さい」と言葉を送った。

横山のために書かれた卒業曲『君がいなくなる12月』を歌う最後のスピーチで横山は、「秋元先生がAKB48を作ってくださらなかったら、私は今、ここにはいません。AKBがない人生は想像できないくらい、私にとって本当に大切なものです」と振り返る。卒業コンサートに出たメンバーがコロナ禍で少数だったこともあり、「メンバー全員とステージに立つことができなくて、それがすごく申し訳ない気持ちでいっぱいです」と話しつつ、すべてのメンバーに向け「今のこのAKB48で、今のメンバーの中で卒業できるのが、本当に幸せだなって思えるのはみんなのおかげです」と感謝の言葉を述べた。

2009年にAKB48の9期生としてグループに加入した横山。地元の京都からレッスンのために深夜バスで東京へ通い、努力が認められ同期では一番早く正規メンバーに昇格。極度の緊張によってステージ上で震える姿が話題となった選抜総選挙。NMB48との兼任時代やユニットでの活動、そしてAKB48グループ総監督の時代。彼女の波乱万丈の12年間を振り返ったコンサートだった。