大阪・大正区には爬虫類に触ることができる珍しいカフェ存在する。「爬虫類きっちゃ アゲイン」という店がそれで、2012年に西日本初の爬虫類カフェとしてオープンした。
また、爬虫類に直接触れることができる店はそれまでになかったため、その先駆けとして爬虫類好きには名高い有名店なのである。

今回、大阪に住む知人から「アゲイン、面白いお店だから絶対行った方がいいですよ!」とゴリ押しされ、お店に足を運んでみることにした、ちなみに先に申し上げておくと、私は爬虫類が特別好きだというわけではなく、いや、むしろ少し苦手な方だと思うぐらいで、かなりビビりながらお店に向かった。そんな観点からのレポートになることを事前にお断りしておきたい。

巨大な亀がお出迎え


JR大正駅からバスで10分ほど。沖縄出身の方が多く住み、「リトル沖縄」とも呼ばれる平尾エリアに程近い「小林」に「アゲイン」はある。お店の前について驚いた。いきなり巨大な亀がいる。

触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

ムシャムシャと野菜を食べている亀が横目に、まずは店内へ。所狭しと並ぶゲージが気になりつつも、とりあえずはドリンクをオーダー。このお店は、入場料+1ドリンク+おやつorおつまみがついて1,000円で好きなだけいていいシステム(とはいえそれほど席数がないので、他のお客さんに気を遣う必要はありそう)。私は緊張をほぐすために生ビールをいただいた。
触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

一息ついてふと横の水槽をみると体調150cmにもなるという「サルバトールモニター」というトカゲと目があい、思わず「うお!」と声が出てしまった。
触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

うろたえているところに「アゲイン」の店長・クマさんがいらっしゃったのでお話を伺う。

触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた


――初めてきて、爬虫類にもそんなに慣れていなくてドキドキしているのですが、ここには何匹ぐらいの爬虫類がいるんでしょうか?

「160匹ぐらいいます。店舗スペース以外にもゲージがたくさんありますから」

――このお店はそもそもどういう経緯でオープンしたのですか?

「この場所にもともとあったお店が閉店してしまって、空きスペースになっていたところに爬虫類好きが集まってきて、爬虫類を持ち寄るようになって。だけど、爬虫類は温度を保ってあげるのが大事なんで電気代がものすごいかかるんですよ。今で月10万ぐらいはかかってます。なのでその維持費としてお金を出し合うようになって、見にくる方も多かったので、どうせなら入場料をもらってお店としてやろうということになりました」

――店長はもともと爬虫類がお好きだったんですか?

「いや、動物全般が好きだったんですけど、爬虫類は結構後になってからで、最初はイグアナを飼いました。このイグアナがめちゃくちゃ凶暴で、うまく飼えなくて、それに懲りて5年ぐらいは爬虫類は飼ってなかったんですが、またそこから徐々に」

――お店が2012年にオープンしてからも店内の爬虫類の数は増えているんですか?

「どんどん増えてます。
この店には爬虫類を飼ってる人がたくさん集まってるんで、繁殖に成功して生まれた子を譲ってもらったりとか。まだまだ欲しいですね」

卓上には「アゲイン」にいる爬虫類の生体リストが置かれているのだが、パラパラめくっていると「触れます」という種類と「触れません」という種類が存在する。
触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

――この触れる触れないの違いは何なんですか?

「噛むとか、爪が鋭いとか、凶暴かどうかとかですね。産地によって気性が違ったりするんでね」

ついに爬虫類に触ってみる


ちなみに店長が持ってきたのは「レッドテグー」というトカゲ。かなり大きい。この生体は触ってOKな方なので、おそるおそる触らせてもらう。
触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

頭の上の方はひんやりして硬く、ほっぺたはかなりプニプニして柔らかい。
なんというか、思ったより嫌な感じはせず、結構心地よい触感だ。いける!つんっと触るぐらいならいける!

次に、「フトアゴヒゲトカゲ」を店長が持ってきた。こちらは体長20cmほどなので、意を決して手に乗せてもらう……。
触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

怖さと、近くでみる「フトアゴヒゲトカゲ」の不思議な見た目になんとも言えない気持ちに。表面はトゲトゲしているのだが、感触としてはソフトで、そのトゲっぽい部分も触ってみると案外柔らかい。この種は飼育用にもかなり人気だそうで、専門の雑誌が出ているほどなのだとか。

触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた


そうこうしていると、表で食事していた大きなカメ「ケヅメリクガメ」がのそのそと店内へ戻ってきた。「食べ終わると戻ってくるんです」と店長。
触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

ぼーっと見ていたら店長が「乗っていいですよ」という。マジっすか!と思いながらこんな機会もめったにないしなと思い直し、乗る。
触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

店長が前に野菜を置くと、それを食べようとして私を乗せたままグイグイ動く。カメの力すごいな。
「ヘビに噛まれてもそんなに痛くないですが、カメは噛む力がすごいんで気を付けないと小指とか持っていかれます」とのこと。怖い!

「アゲイン」のお客さんは女性がほとんど


私が入店して以降、結構ひっきりなしにお客さんがきて、しかも女性の姿が目立つ。実際お客さんのほとんどは女性だそうで、この日いらしていた女性客は「爬虫類が大好きなんですけど、家で飼うと友達を呼べなくなるからここに来てるんです」といっていた。爬虫類ファンは私の思う以上にたくさんいるようだ。

その後も、サソリを手に乗せて持ってきてくれたり、ヘビに触らせてくれたりととにかくサービス満点な店長。
触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

触れる爬虫類カフェの先駆け「アゲイン」にビビりながら行ってきた

短時間でかなり爬虫類を身近に感じられるようになった私であった。

「アゲイン」では爬虫類の飼い方について気軽に相談に乗ってくれるとのこと。飼育法の書籍もたくさん揃っており、最初は分からないことだらけの飼育についての相談の場としても利用できそうだ。「思ったより怖くなかったです。魅力が少しわかった気がします」という私に対し、「飼っちゃいますか?」とほほ笑む店長に一瞬考えさせられつつ今回はお店を後にしたのだった。

「爬虫類きっちゃ アゲイン」
住所:大阪府大阪市大正区小林東3-16-11
営業時間: 12:00~22:00(ラストオーダー21:30) 
定休日:水曜日

(スズキナオ)