このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
ソウル大学校、Rebikoff-Niggeler Foundation、ハーバード大学による研究チームが2019年11月に発表したロボットは、深海魚から発想を得ており、折り畳まれた状態から大きく膨らむユニークなものだ。
システムは、深海魚フクロウナギ(ペリカンウナギ)からインスピレーションを得ている。小さい身体のフクロウナギは、それに見合わない大きな顎、そして頭を風船のように膨らます動作が特徴だ。
本研究では、フクロウナギの特徴である伸縮可能な折り畳みフレームのデュアルモーフィング原理を模倣。ミウラ折りなどで折り畳まれたソフトロボットは小さく薄い状態から、空気圧を注入し展開すると10倍以上に膨れ上がる。終われば元に戻るように縮む。
この特性を活用した事例として、物をつかむソフトグリッパーや空気圧の強弱による歩行、ロボットの先端にカメラを取り付け水中で撮影するなどが紹介されている。
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