『悪女(わる)』育児と仕事の両立に悩むワーママの苦悩 麻理鈴の“図々しさ”が変化の鍵に

『悪女(わる)』人を変える麻理鈴の図々しさ

「何かを選んだら、何かを諦めなきゃいけないなんて、誰が決めた? あなたは他の人とはちがう。全部手に入れなさい」

 『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系)第8話。たくさん欲しいものがある自分は、“わがまま”なのだろうか……と悩む麻理鈴(今田美桜)に、峰岸(江口のりこ)が冒頭の言葉を投げかけた。

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~

 たしかに、「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがあるくらいだ。何かを得るためには、何かを諦めなければならない。そう思いながら生きている人も、たくさんいるはずだ。備品管理課で、麻理鈴とともに働くことになったメンバーたちも、折り合いをつけながら仕事をしていた。

 今回スポットが当たった社員は、二児の子育てに奮闘するマミコ(桜井ユキ)。前クール放送のドラマ『真犯人フラグ』(日本テレビ系)で、文字通りの怪演を見せた桜井が、育児と仕事の両立に悩む等身大の役柄に挑戦した。『G線上のあなたと私』(TBS系)や、『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)など、何かを秘めているキャラクターを演じることが多かった彼女が、本作ではいわゆるごく普通のワーキングマザーを演じている。

 マミコは、もともと企画開発部にいたが、育休と産休を立て続けに取ったことで居場所を失い、備品管理課に異動してきた社員。育児と仕事の両立が大変なことは分かっているけれど、母である以外のアイデンティティがほしい。そう思ってがむしゃらに働いても、結局は“母”としての自分に縛られている。残業をすれば、「いいの? お子さん、ほったらかして」と心配され、仕事のメールをしていると、「スマホばっかりいじっていると、子どもがかわいそうよ」と言われてしまうのだ。

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~

 ふと、立ち止まると「これって、私が主役の人生なのかな?」と虚しさに襲われる日々。子どもを育てるのが“夢”だったはずなのに、それが“現実”となると、ちがう道を選んでいたら……なんて考えてしまう。彼女は、その想いに蓋をするために、必死で笑顔を作ってきたのだろう。「全部、自分が選んだ人生なんだから、仕方ない」と言い聞かせて。

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