イタリアンコメディを代表する映画監督マリオ・モニチェッリは、昨年95歳で亡くなるまで60本以上の長編作品を世に送り出してきました。イタリアでは誰もが知る名匠ですが、日本での公開は「ゴールデンハンター」(原題 “Casanova ‘70”, 1965年)や「女たちのテーブル」(原題 “Speriamo che sia femmina”, 1986年)など数本で、その名は広く知られてはいません。この度日本の皆様にぜひ、笑いやユーモアに満ちたモニチェッリの世界を堪能していただきたく、傑作のなかから5本を選んで上映会を開催することにしました。
La grande guerra 大いなる戦争(イタリア・フランス、1959年、135分) 出演:ヴィットリオ・ガスマン、アルベルト・ソルディ、シルヴァーナ・マンガーノ 第一次世界大戦中、前線に送り込まれたローマ出身のオレステとミラノ出身のジョヴァンニ。食糧難、強行軍のなかで、恐怖と戦いながら、無事に帰還することだけを願っていた。悲劇と喜劇、ネオレアリズムとロマンチシズムが交錯する作品。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞、アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。
Il Marchese del Grillo デル・グリッロ侯爵(イタリア・フランス、1981年、135分) 出演:アルベルト・ソルディ、パオロ・ストッパ、フラヴィオ・ブッチ 19世紀初頭のローマ。ナポレオン軍の進軍が懸念されるなか、侯爵のオノフリオ・デル・グリッロは、享楽的な暮らしを送っている。侯爵の快楽と悪ふざけに満ちた言動は、法王や閉鎖的な彼の家族の困惑を引き起こすが、本人はいかなる状況をもユーモアと大胆不敵な方法でくぐり抜ける。侯爵を通して貴族社会をユーモアと皮肉で描いた作品。