私はある国の政府を代表してIPCCに参加した海洋化学者
にCrowley and North の本の121ページの図6.14を見せて彼の意見を伺ったとき、彼がボストーク氷床から推定された過去16万年間の大気温度と大気中の二酸化炭素濃度の時間的変化のグラフについて地質学者の見解とは異なる見解(つまりこのグラフを無意味なものとして)を私に説明したことを思い出します。私は「なぜ彼が御用学者や政治家のような発言を私にしたのかが気になりました。(注1)
(注1:過去16万年間の気温変化とCO2濃度変化のグラフの解釈は「気温変化が先でCO2濃度変化が後であることを認めると、二酸化炭素のみが地球温暖化を引き起こす唯一の原因ではない」と結論しなければならないということです。これはCrowley and Northの本の主張です。(Crowleyクラウリーはgeologist,地質学者と言ってよい)
つまり、確かに二酸化炭素は温室効果ガスである。しかしボストーク氷床の観測データが主張していることは、過去100年間の大気温度の上昇を大気中の二酸化炭素のせいにしてはいけない」ということです。この文献は 著者Crowley and North :本の題名 Paleoclimatology「古気候学」, Oxford Monographs on Geology and Geophisics, No.16, Oxford University Press(オックスフォード大学出版社), p.121, Figure 6.14)