この記事を読んで違和感を感じた点は、
『(被害者の)沢村さんは3年前、「元夫からDVを受けている」と署に相談。署は立川容疑者から事情を聴いて注意した。その後トラブルの相談はなかった。1年後には沢村さんから立川容疑者と連絡が取れず心配しているという内容の相談があったという。』
というところで、被害者はいったん警察にDV被害を相談して警察は加害者に注意したが、その後、被害者と加害者は復縁して被害者側から加害者に接近したように見える。
事実この通りであるならば、警察その他の第三者にはどうしようもないだろう。
これからDVはどんどん増えると思うが、宮川・速見事件での世論総擁護から考えると、世論はDVに甘いので対策は難しいと思える。
宮川・速見事件は明確な暴力の行使が第三者に目撃されているのに、被害者の宮川が加害者の速見を庇ったので、暴力を取り締まろうとした塚原のパワハラという扱いになった。
宮川・速見事件で日本の世論は、好きならば暴力はOK、愛情があるんだからDVには該当しないという判断だった。世論は暴力を取り締まろうとした塚原をパワハラで断罪した。
それと同じことが一般人にも起きるならば、誰も他所様の家庭のDVに口出しは出来ない。
暴力は止めなさいと注意したり警察に通報したら、逆に自分の社会生命が終わりかねないので、見て見ぬフリをするしかない。
見たのに通報しないとそれはそれで後で糾弾されかねないから、そもそも見ないようにしないと危ない。そういうバイアスが掛かってしまうと、DV根絶はまず無理だろう。
恐ろしいのは、日本の世論が宮川・速見事件でこれだけ全面的にDV男とそれを庇う女を擁護したにも関わらず、擁護した人達にはDVを肯定した自覚はないこと。
自覚がないので反省はなく、結果的にDVを容認する流れが続くはず。
非婚化傾向で結婚した世帯の絶対数は減ってきているにも関わらず、DV事件が記事になる頻度は上がった。統計的にもDVは増えているそうだ。
つまり恋愛・結婚におけるDV発生率は大幅に上がっていると言える。仕事などの公式な関係ではセクハラ・パワハラ・暴力行使は厳しく規制されるようになったが、プライベートに関してはむしろ暴力はエスカレートしている気がする。
公の場とプライベートでの暴力の取り扱いの差が開いたと言える状況で、そうなると公の場での身分が非正規な立場の人ほど、暴力に関わることが増えると思える。この夫婦は妻は派遣で夫は無職。
警察がDVを注意したのに、被害者から加害者に接近した感触があるので、警察のDVへの介入もやり方を考えないといけないだろう。DV被害者が日によって気分でDVのボーダーラインを変えているようだと法制度はDVに対応出来ない。
■3年前にDV相談、35歳女性が刺され死亡 元夫を逮捕
(朝日新聞デジタル - 09月14日 23:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5289937
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