写真1・絶賛発売中だそうです
写真2・蒸気船「アルクトゥス Arcturus」号の前に集合した義勇兵大隊
写真3・ケーメリ=ナジ・イムレ大隊長
BT-42写真集発売記念ということで,便乗してフィンランド・ネタを.
【質問 kérdés】
ソ・フィン戦争において,ハンガリーはフィンランドにどんな支援をしたのか?
Milyen támogatást Finnországba Magyarország nyújtott a Téli háborúban?
【回答 válasz】
ハンガリー政府は公式にはフィンランドを支援しなかったが,秘密裏に支援する方法を模索し始めた.
誰の目から見ても分かり易い侵略戦争であった上,ハンガリーのエリート層には反共・反ソの傾向があったからである.
非政府組織がフィンランド支援組織を立ち上げ始め,ハンガリーは,金銭的な寄付,兵器供与,義勇兵派遣によってフィンランドを支援した.
ハンガリー・フィンランド協会は12月初め,「兄弟の兄弟」「フィンランドの子供のためのハンガリーの母親」という名で全国的な募金組織を立ち上げた.
募金と衣類援助はハンガリー赤十字社によって行われ,この援助物資の輸送も同社が行った.
ビタミンCを発見したことでノーベル賞を受賞した生理学者セント=ジェルジ・アルベルト Szent-Györgyi Albert は,賞金全額をフィンランドのために寄付した.
テレキ・パール伯爵首班の内閣は冬戦争中,摂政ホルティ・ミクローシュの認知を得て,100万ペンゲー分の兵器・装備を,英国やイタリアの船でフィンランドに送った.
・対空砲36門とその砲弾10,250発
・迫撃砲16門とその砲弾32,240発
・小銃300丁と小銃弾52万発
・対戦車銃30丁とその弾丸3,300発(ポーランド陸軍から提供されたもの)
・手榴弾30万個
・地雷3,654個
・ヘルメット93,680個
・軍用トランシーバー223台
・弾帯26,000
など.
12.16には義勇兵募集が始まり,募集チラシがばらまかれた.
冬戦争中,約25,000人のハンガリー人男性が義勇兵に応募.
応募者は厳選の上,主としてブダペシュト,ナジカニジャ,デブレツェン周辺から18〜30歳の350人が選抜された.
選ばれたのは未婚で,既にハンガリー国内での兵役を終えており,犯罪歴がなく,共産主義者でもない者だけだった.
1.10から1か月に渡る軍事訓練が行われた後,ケーメリ=ナジ・イムレ Kémeri Nagy Imre(写真2)を指揮官とする大隊を編成.
この義勇兵大隊には現役将校24名,予備役将校52名,軍医2名,従軍牧師2名を含む人員346名から構成されていた.
部隊組織として派遣してほしいというのがフィンランドからの要請だったからだ.
これ以外にも,全く個人的に冬戦争に身を投じたハンガリー人もいた.たとえば ピリティ・マーチャーシュ Pirityi Mátyás 少尉はフィンランド空軍に加わり,20回以上の出撃をこなした.
ベーカーッシ・ヴィルモシュ Békássy Vilmos 准尉は戦闘中,ボスニア湾上空で行方不明となっている.
セペッシ・ゲーザ Szepessy Géza はベルリンの軍事技術カレッジ留学中,4人の仲間と共にフィンランドに渡り,戦闘中に負傷している.
では,ハンガリーを出国した義勇兵大隊はどうなったか?
それは次回の講釈で.
【参考ページ Referencia Oldal】
http://live.warthunder.com/post/455504/en/ ※写真1引用元
http://index.hu/documents/kulfold/hungarianvolunteersbook.pdf ※写真2引用元
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