何故なのかよく分からないんだが、病院などに行って具合の悪い人を見ていると妙に元気になってくる。特に大きな病院のロビーなんかでぼんやりと病人たちの集団を見ていると、わけもなく力がみなぎってきて本当に元気になる。これはずいぶん前から不思議に思っていたこと。
本なども、具合の悪い人や病気の人の話などを読んでいると元気になってきたりする。漱石の「思い出す事など」なんかは漱石が吐血して気を失うところとか読むといきなり元気になったりする。また、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」でゾシマ長老がどんどん具合が悪くなっていくところなどもイイ。
こういうのは要するに、周りの人達が具合が悪くなっていくと種としての保存本能のようなスイッチが入り、種として全滅させないために自分が元気になって何とかしようみたいな、そんな装置がDNAに埋め込まれているということなのかな。
いや、実は単に僕の性格が悪いだけなのかもしれない。僕はどういうわけか、周りの人達に同調するのではなく、反対の方向に動きたがる。なので集団行動が苦手だ。
ところでこれ、逆に考えると、元気な人ばかりの場所では元気が無くなるってことなんだろうか。あまり自覚したことは無いけど。考えてみると僕はだいたいいつも元気が無い。僕の周りはみんな元気だという証拠なのかな。いいんだか悪いんだかよく分からないな。
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