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2011年06月25日09:35

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Angie

 2011年現在、「アンジー」と言えばアンジェリーナ・ジョリーのことを思い浮かべる人が多いと思うけど、1973年に「アンジー」と言えば、誰もがローリング・ストーンズの名曲“悲しみのアンジー”を思い浮かべたに違いない。

 この楽曲に登場するアンジーさんは、ファンの間ではデヴィッド・ボウイの前妻であるアンジェラのことだと長らく囁かれていたが、実際はそうではなかったと後になってキースが明かしたらしい。なんてことはない、単にアンジーという言葉の響きが良かったのでタイトルに採用したとのこと。

 ストーンズのバラッドとしてはいささかウェット過ぎる気がしないでもないが、どこか演歌的な曲調なのもあって、日本では特に広く受け入れられたそう。たしかに男と女をめぐる「悲喜こもごも」は演歌の主要なモチーフではある。
 ただ、この曲の魅力を真面目に言うなら、ニッキー・ホプキンスが相変わらず素晴らしくセンチメントなピアノを弾いているのと、なんと言ってもミック・ジャガーのあの艶めかしいボーカルに尽きるのではないだろうか。ワイルドで、セクシャルで、それでいて男性的なマッチョイズムとは異なる中性的な歌声は、ある意味ロックンロールの本質を体現しているとさえ思う。

 あと私事で恐縮ですが、10年ほど前に務めていた会社の上司に連れられたフィリピン・パブにて、“悲しみのアンジー”を熱唱した恥ずかしい思い出があります。
 僕についた女の子が「生涯で一番好きな曲だから歌って」とリクエストしてきたのだ。なんで日本に荒稼ぎに来ている貧しい国のティーンがこんな昔の曲を好きなのかは知る由もないし、そんなことはお構いなしに僕はマイクを渡されていた。
 もちろん僕はミックみたいに歌えるわけもなく、つたないイギリス訛りを真似して歌う“悲しみのアンジー”は、それはそれは聴くに耐えない代物だったと思う。でも意外なことに、評判は上々だった記憶がある(褒められたことはわりに覚えている)。なんてことはない、夜遊びを知らない自分がただリップ・サービスに乗せられてハメを外したってだけの話。
 すっかり調子に乗った僕は、その後は上司をほったらかしてストーンズのナンバーをガンガン入れていった気がする。「接待飲み」という重要業務を知るのは、もう少し先のこととなる…。


自分には絶対出せないような声だからこそ憧れる。
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