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2006年04月21日19:13

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The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars/David Bowie

ボウイとの出会いは何年前だったか…。グラム期あたりとベルリン三部作あたりの2枚のベストを、夢中になって聴いていた時期がありました。
僕はグラム期(70年代初期)の方が好みだったので、最近になってしばらく離れていたボウイを聴いてみようと、ようやくジギー・スターダストを手に取ってみたんです。
これはボウイの代表作どころか、70年代を代表する傑作とまで言われてますから、僕があれこれ言う必要はないですが…マジに傑作中の傑作でした(゜<>゜;)

この作品は、架空の人物であるジギーが架空の世界に降り立ってなんたら…という物語形式になっていて、所謂コンセプト・アルバム。しかし僕は英語が分からないのでストーリーはどうでもいい(コラ!)。というか、歌詞を見なくても物語の起承転結と、内包するエモーションは読み取れる。
とりあえずそれだけで充分。全体の流れが完璧だから!

この完璧な流れに乗ると、知っている曲も新鮮な表情で響いてきます。
"Rock 'n' Roll Suicide"って改めて泣けるよなぁ…。
"Lady Stardust"ってこんなにソウルフルでロマンチックだったっけ?
ベストでは気付けなかった曲の本質がくっきり浮かび上がってきたようで、嬉しい発見です。
(時が経って、自分の感性が変化してそう感じただけかもしれないが)

サウンドの特徴としては、ピアノとギターとストリングスを前面に押し出していて、意外とトラディショナルな楽器編成であることに注目したい。
それなのに唯一無二の世界観を打ち出せられるのは、三種類の楽器が高水準の表現で結実しているからだろう。今聴いても瑞々しいと感じるアレンジは多い。そしてなんと言っても、ボウイのあの表現力豊かで切ない声が、場面に応じた雰囲気を決定付けている。

この作品は宇宙を感じる。実際的なでっかい宇宙ではなく、君と僕とを結ぶ空間のような観念的な宇宙。
そしてそんな宇宙がいつか消えてしまうかもしれない、と感じた時の儚さ。やりきれないような、儚さ。
素晴らしい。


僕は活動期間の長い大御所を聴こうとする時、ついついベストに手を出す癖があります。ベストを隅々まで聴いて「良いとこ取り」しちゃった感覚になり、満足した気になってしまう。ほとんどの代表曲は聴いてしまったから、他のを聴いてもこれ以上の感動は得られないだろうと思い込み、そんな気持ちがオリジナル・アルバムに触れる機会を遠ざけていた。
全くの間違いでした。
「オリジナルを聴かないとアーティストの本質は分からない」という、当たり前のようなことを改めて思いました。

それと、ボウイ以外にもベストにハマってそれっきりの大御所さん達がいっぱいいることに気付いた。ストーンズ、ツェッペリン、エルヴィス・コステロ、ディラン…。
これからは、ちゃんとオリジナル・アルバムを聴こう。
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