Gérard Grisey [ ジェラール・グリゼー ](1946年6月16日 - 1998年11月11日)
作曲をパリ音楽院でオリヴィエ・メシアンに、同時にパリ・エコールノルマル音楽院でアンリ・デュティユーに師事。また1972年にはドイツのダルムシュタット夏季現代音楽講習会でカールハインツ・シュトックハウゼン、ジェルジ・リゲティ、イアニス・クセナキスに学ぶ。同年ローマ賞を受賞し、滞在先のローマのメディチ荘でジャチント・シェルシと会い、倍音や音響現象に強い興味を抱くようになる。
音楽を音波として捉え、そこに含まれる倍音のスペクトルに注目し、大変論理的な作曲をした。そのため彼や彼のまわりの作曲家はスペクトル楽派と呼ばれる。同志のトリスタン・ミュライユ等と共に演奏団体アンサンブル・イティネレールを組織し、自作や仲間の音楽を広く紹介した。1986年よりパリ音楽院の作曲科教授を務め、多くの学生を教えた。日本人の生徒には夏田昌和、金子仁美、鈴木純明などがいる。1998年に突然死去し、多くの作曲家や現代音楽ファンに惜しまれた。
代表作に「音響空間」、「タレア」、「錯綜のイコン」、「テンプス・エクス・マキーナ」「時の渦(ヴォルテックス・テンポラム)など。
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