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鳥田宗吾

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詳細 2010年11月13日 11:01更新

彫金・象嵌師の伝統工芸師 鳥田宗吾をひたすら応援し尊敬するコミュ。

通称トリッピー


高岡銅器の産地は分業化が進んでおり、原型・鋳造・仕上げ・研磨・着色・彫金・象嵌(ぞうがん)などの分野でそれぞれ連携を取り合って製品を作っている。 
 

鳥田宗吾。昭和15年生まれ。第一回日本伝統工芸士会作品展で特選をもらった経歴を持つ。好きなお酒は「立山」。



◆親の仕事を手伝って
鳥田宗吾(とりたそうご)は昭和15年生まれ。父親が高岡銅器の象嵌(ぞうがん。素地に溝などを彫り、その形に合わせて他の金属をはめ込むこと)の仕事をしていた関係もあり、子どもの頃から銅器の制作現場で仕事を手伝っていた。中学卒業と同時に親元で修行を始める。親が象嵌時に合金を使っているのを見て、合金の魅力にとりつかれ、以来約45年、高岡銅器の制作に携わってきた。「象嵌は手間がかかるから誰もやらん。でも私はやる。」鳥田さんがこう語るのには訳がある。「高岡にはとにかく細かい細工ができる技術があり、そういう細工をすることが高岡銅器の特徴ではないでしょうか。」高岡銅器に対する誇りと、伝統の技を受け継いでいる使命感が感じられる。
 
 
◆金属の色の違いだけで色彩を表現
鳥田さんが得意とする象嵌は、土台となる銅に溝を彫り、そこに金や銀などの金属を入れる。「メッキと違い、一度入れたら絶対に取れない。」と鳥田さんは力を込める。一見すると金色や銀色の細い線がただ描いてあるだけのように見えるものが、象嵌によって金属が埋め込まれていると分かったときには、本当に驚くばかりである。さらに驚くことに、描かれた絵はどれもきれいな色が付いているが、その色は金属が持つ色だけで表現されているのである。「金に銀を混ぜると青金、金に銅で赤金、銅に金で赤銅、銅に銀で四分一」など合金の種類によって色が変わるのである。「作っているときはそんなに色の違いはないんです。最後に薬品に入れて酸化させるとパッと色が出てくる。その時が一番楽しいですね。」と鳥田さんは目を細めて語った。

 
◆アイデアは自然を見て
鳥田さんは飾り皿や壺、香炉などに絵を描き、それを象嵌で表現する。その図柄を考えることから仕事の内である。「最近は魚のサヨリを題材にいくつか描いたけど、これは釣りに行った時にサヨリがエサに群がる様子が面白くて図柄にしたんです」と作品を見せてくれた。サヨリが群でぐるぐると回っている絵が生き生きと描かれている。島田さんの作品を見ていると「金属=冷たい」というステレオタイプは打ち崩されてしまう。「絵ができたらほとんど完成です。後はこつこつと象嵌するだけ。」と語る鳥田さん。高岡銅器の象嵌には絵を描く技術も高いレベルが要求されるのである。
 

◆現物を見れば分かる
「まあ、一つ作るのに3〜4カ月はかかるかな。」それだけに一つの作品の値段は高い。しかし「現物を実際に見てもらえれば、その良さは分かると思います。決して高すぎることはありません」と自分の仕事に自信を持っている。銅器生産が全国シェアの90%を占める高岡は、その技術も他の追随を許さない。高岡のなかで揉まれて付けた自信は、実績が裏打ちされているので心強い。特に合金技術とその色を引き出す酸化技術に関しては、他の産地ではまねができないといわれている。
 
 
◆心にゆとりを
「私が作っているようなものは、ちょっと心にゆとりがないと手が出ませんわな。でも興味がある人はいつでも見に来て欲しい。見ないと分からないことが多いから。」鳥田さんの最近お気に入りの色は「緋金(ひきん)」。淡い赤みを帯びた金に近い銀色と表現すればいいのだろうか。不思議な柔らかい色をしている。これがまさに「見ないと分からない」ものである。この色はぜひ、心にゆとりを作り、直接自分の目で見た方がいい。
 
 

こぼれ話 

象嵌(ぞうがん)の秘密

土台となる銅に溝を彫って、そこに金や銀の金属を埋め込む象嵌の技術は大変高度なもの。象嵌された部分の断面図をとったとすると、溝の底の部分が広く口のほうが狭くなっていて、その溝に金や銀が埋まっているのです。職人さんが「絶対に取れない」というのもわかりますね。さらに、埋め込まれた金属の上に重ねて埋め込むこともあり、これを「鎧象嵌(よろいぞうがん)」といいます。
金属の埋め込みが終わると最後は薬品に浸けて酸化皮膜を付け、色を付けますが、このとき重要な役割を果たすのが大根おろし。薬品に浸ける前に大根おろしで全面を洗うと金属の色がきれいに出るのだそう。一体誰が発見したのでしょうか。先人が試行錯誤を繰り返したことが想像できます。
 

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2006年5月18日

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カテゴリ
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