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野村修の仕事

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コミュ内全体

詳細 2013年12月4日 09:23更新

行ってきたよ。野村修(以下野村さんと呼ぼう)のところへ。君がしびれを切らしているといけないから、とりあえず、今日の報告をしよう。昨日のうちにTELしておいたので昼すぎ(今日は土曜)に、研究室にいくと、弁当を食べながら、2、3の本を用意して待っていてくれた。電話のとき、声から想像したのと、ちょっとちがった人だった。といっても、たいていそんなもんだよね。髪の毛は少し長めで、赤いネクタイをしめていた。なかなか気さくな人で、初対面にしては、ずい分話をした。結論をかいておこう。
1、『亡命者の対話』の中にでてくる<<南京虫駆除の会>>の原語スペリングと性格……原語については火曜日までに調べておいてくれることになっている。性格については、ブレヒトが、そのようなものを作ろうといっていたくらいで、それほど深い意味はないらしいが、『亡命者の対話』を貸してくれたので今読んでいるところだ。読み了えたら、また知らせることにするね。
2、ブレヒトを漫画的に描いたものがないか……今のところは同封したものぐらいだ。野村さんも捜してみてくれるといっているが、割りに少ないようだ。特に大きいものは。知っている人(どっかの大学の先生らしい)が前に、ブレヒトの劇に使うのに、描いたものが、あるらしいのだが、いかにも絵をうつしてかいたものという感じですすめられないとのこと。漫画ではないが1976年あたりのドイツ・リアリズム展にも、たしか1枚ぐらいあったのではともいっていた。コピーをとった本を参考までにあげておこう。
BERTOLT BRECHT←コピーの小さいほう
IN SELBSTZEUGNISSEN UND
BILDDOKUMENTEN
DARGESTELLT VON
MARIANNE KESTING
(ROWOHLT)
BRECHT←大きいほう
Eine Bildbiographie
KURT FASSMANN
(KINDLERS KLASSISCHE
BILDBIOGRAPHIEN)
ところで、コピーで拡大はできないらしいね。そのへんはどうするつもりかな。
研究室に入ると、まず、本棚をみわたしてみた。ドイツ語の原書が多いから、ごく一部しかわからないけどね。まず思想運動、社会評論、新日文などが目についた。ふつうの本は、あまりおいてなかったが、花田の「映画的思考」、高橋悠治の「たたかう音楽」などがあった。日本にはブレヒトのような詩をかく人がいるだろうか。野村さんは小熊秀雄という人をあげた。戦前の人らしいし、僕は知らなかった。童話などをかいていた人だとのこと。そう云ったあとで、長谷川四郎をあげた。野村さんは長谷川四郎をたいへん気に入っているようだ。しかし、長谷川四郎は、ここのところ、からだの具合が悪く、殆ど書いていないらしく、心配していた。全集は3000部とかいっていたが、ああよく古本屋でみるところから、よほど売れてないんだね。学芸書林の世界文学の発見は、ぜんぜん売れなかったそうだ。おもしろい本だといっていたし、特にスペイン人民戦争の巻はほめていた。他にどんな本の話がでたかというと、いうまでもなく、『中国服のブレヒト』‐「メ・ティ」の話にうつったが、いま、日本ででている訳は誤訳が多いらしい。『風の神の琴』(長谷川四郎訳詩集)‐これは2、3日前に古本屋でみつけたのだが、野村さんに聞くと、いいらしい。ブレヒト、エンツェンスベルガー他は忘れたが、そうそう、ロルカが入っていた。例によって印刷されていない余白のほうが多いような本で、おまけにせりか書房から出ているので、高いが、ぜひ欲しい本だね。限定1000部で、番号が判でおしてあった。2軒でみたが、1軒は2000円の定価、残りは1600円だった。それから、ブレヒトはハーセク(野村さんはハシェクをこう呼んだ。)が好きだったんだって。だから、シュベイクの絵も入れておいたよ。トレーナーのデザインも、シュベイクのさし絵ぐらいはっきりした、版画みたいのがみつかると助かるのにね。ハーセクの作品は、ドイツあたりでも、シュベイクしか翻訳されていないらしい。『ハシェクの生涯』もすすめてくれた。ヤノーホは『カフカとの対話』でもわかるように、カフカの弟子のような人だって。あと、ブレヒトの全集は日本ではでないだろうかということを聞いたのだが、版権がわれてしまっているので、むずかしいだろうといっていた。やるとすれば、白水社か晶文社ではないか。今のところは、『ブレヒトの仕事』と『戯曲選集』(まちがっているかもしれない)で、殆どの作品は読めるそうだ。『ブレヒトの仕事』は絶版だといっていたけれど。京都の駸々堂にはあったよ。この日はこのくらいで、インスタント・コーヒーを飲んでから帰った。

いま、イノダのコーヒーを飲みながら、つづきを書きはじめた。さっきは電話をくれてありがとう。久しぶりに声を聞くのは嬉しいからね。ところで、まず、訂正をしておかないといけない。うっかり『ブレヒトの仕事』が新刊であったなんて云っちゃったけれど『ブレヒト作業日誌』の誤り。びっくりさせてごめんなさい。それから、さっきしゃべったことはこのまえの手紙(No.1〜4)と重複が多いけど、がまんして読んでくださいよ。
ところで、先日、寺町通りの古本屋をのぞいていたら、大学別左翼教授総覧』なる、みるからにひどそうな本があった。何ていう出版社か忘れたが、他にどんな本がでているかと思って、しまいの方みると、『労働運動から企業を守る』とか、とにかくひどい。もしや、と思いぱらぱらと頁をくってみると、野村修の名が見えた。高原さんはのってなかったけれどね。しかし実にくだらないことが、かきならべてあった。いつ、日共の××に執筆したとかね。これによれば、野村さんは、新日文の幹事をやっていたらしい。例によって、過激派を支持したなどともあった、それから『亡命者の対話』を君が、まだ読むというより、見ていないということが、わかったので、いうけれど、とにかくおもしろい。中のレイアウト(こう呼んでよいのか自信がない)も気に入ったよ。中村宏という僕の知らない人が
やっているようだ。1963年に初版がでてから、増刷していないらしいから、古本屋でぜひみつけてほしい。僕も捜してみるけど。野村さんには、さっきも云ったとおり、火曜にまた会うことになっているので、それからまた手紙をかくことにするよ。

僕の一日について話そう。きょう(日曜)は、昼すぎまで寝ていた。起きると遅い朝食をとり、このままでは1日がもったいないもったいないような気がしたので、大原まで散歩にでかけることにした。ちょうど、君から漬物をたのまれていたので、それもついでに買えるしね。一度、山を越えて大原まで行ってみたかったんだ。1時間半ほどのハイキングはちょうどよい運動になったよ。しかし、帰りのバスがすごかった。いつでも、そんなもんだけれど、特に、このシーズンの日曜の人出といったらない。途中でおりるのは僕だけだったから、苦労しちゃったよ。とにかく、漬物は2、3日したら別便で送ることにする。
  
あまり一度に書くと、話がつきてしまいそうだから、きょうはこのへんでやめよう。また手紙くださいよ。
             1979.12.9 24:30 下宿で

以上は、いまは亡き友、鈴木雄一に頼んで野村修に会いに行ってもらった折りの、かれからの手紙の冒頭です。

ブレヒトの翻訳で素晴らしい訳を残したドイツ文学者、野村修の仕事をふり返りたいと思います。
あくまでも野村修の仕事にシンパーシーを持つ人たちのコミュニティにしたいのです。
京都大学で直接に教えを請うた人たちにこそ参加していただきたいのです。

野村修略歴
1930年 千葉県市川で生まれる
1953年 京都大学文学部独文科卒業
1998年 没

訃報(1998年4月24日「朝刊新聞」大阪 29頁 社会面)
野村修氏 死去=京都大名誉教授、梅花女子大教授、現代ドイツ文学専攻
野村修氏(のむら・おさむ=京都大名誉教授、梅花女子大教授、現代ドイツ文学専攻)23日午前1時、肝不全のため京都府長岡京市の病院で死去、67歳。
葬儀・告別式は25日正午、京都市東山区五条橋東3の390の公益社ブライトホールで。喪主は妻いく子(いくこ)さん。
ブレヒトやベンヤミンなど現代ドイツの思想家・作家を紹介。知性や社会についての著作が多く、学生運動にも理解を示した。

野村修の著書(翻訳・共著を含む)
『詩?』 私家版 1955年
『ブレヒト詩集』 飯塚書店 1959年
『亡命者の対話』 現代思潮社 1963年
『マルクス その思想の歴史的・批判的再構成』 カール・コルシュ 未來社 1967年
『ブレヒト・ノート』 晶文社 1969年
『暴力批判論』 ベンヤミン著作集1 晶文社 1969年 高原宏平との共訳
『ハバナの審問』 エンツェンスベルガー 晶文社 1971年
『スヴェンボルの対話』 平凡社 1971年
『ベルトルト・ブレヒトの仕事1 ブレヒトの政治・社会論』 河出書房新社 1972年 共訳
『ベルトルト・ブレヒトの仕事2 ブレヒトの文学・芸術論』 河出書房新社 1972年 共訳
『ベルトルト・ブレヒトの仕事3 ブレヒトの詩』 河出書房新社 1972年 共訳
『ベルトルト・ブレヒトの仕事6 ブレヒトの映画・映画論』 河出書房新社 1972年 共訳
『書簡II 1929-1940』 ベンヤミン著作集15 晶文社 1972年
『ヴォルフ・ビーアマン詩集』 晶文社 1972年
『スペインの短い夏』 エンツェンスベルガー 晶文社 1973年
『書簡I 1910-1928』 ベンヤミン著作集14 晶文社 1975年 
『ベンヤミンの生涯』 平凡社 1977年
『わが友ベンヤミン』 ゲルショム・ショーレム 晶文社 1978年
『新しい天使』 ベンヤミン著作集13 晶文社 1979年
『ブレヒト青春日記』 晶文社 1981年
『家庭用説教集』 晶文社 1981年 長谷川四郎との共訳
『亡命者の対話』 晶文社 1981年
『バイエルン革命と文学』 白水社 1981年
『ボードレール 新編増補』 ベンヤミン著作集6 晶文社 1982年 共訳
『タイタニック沈没』 エンツェンスベルガー 晶文社 1983年
『霊廟』 エンツェンスベルガー 晶文社 1983年
『ブレヒト愛の詩集』 晶文社 1984年
『ビーアマンは歌う』 晶文社 1986年
『人間好き ディドロについての対話』エンツェンスベルガー 晶文社 1987年
『子どものための文化史』 ヴァルター・ベンヤミン 晶文社 1988年 小寺昭次郎との共訳
『ブレヒトの世界』 御茶の水書房 1988年
『彗星のように 20世紀を生きた三人の女性』 平凡社 1990年
『ヨーロッパ革命の前線から』 ラリサ・ライスナー 平凡社 1991年
『ドイツの詩を読む』 白水社 1993年
など(続く)

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