作家の三島由紀夫が自らの小説を基に監督、主演などを務めた映画「憂國」(昭和41年公開)のネガフィルムが東京都大田区の三島邸から見つかりました。
映画「憂國」(「憂国」とも)とは、
三島由紀夫原作・脚色・製作・主演・監督。いっさい科白なしの35mmモノクロ、上演時間28分の短編映画。科白のかわりに映画の始めから終りまでワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が流れている。ツール短編映画祭で次点を獲得。
三島が陸上自衛隊市ケ谷駐屯地で割腹自殺した後、瑤子夫人の希望で国内の上映フィルムが回収され、関係者が立ち会った場で焼却処分されたという“幻”の作品。
【物語】昭和11年、「2.26事件」が勃発、新婚であるがゆえに仲間から決起に誘われなかった武山中尉(三島由紀夫)は、皮肉なことにかつての親友たちの鎮圧を命じられる立場になる。国も友も裏切ることができない武山中尉は最愛の妻・麗子(鶴岡淑子)と共に自ら死ぬことを決意する。そして、愛し合う二人の、想像を絶する「愛と死の儀式」が始まる・・・・・・。