ぼくたちのまわりでは、いろいろなものがはんびらきになっている。
ぼくのジッパーだったり、フィルム室だったり、シャッターだったり、お風呂の蛇口だったり、猛犬なのに放し飼いの佐久間さんちの門扉だったり、報告書の間違いを直してあげてるのを横で見ている後輩社員の口だったり、バラの花だったり、思い出ボックスだったり、こころの扉だったり、おやつ袋だったり、それはもう、いろいろだ。
そして、それらを通して、さまざまなものが出たり入ったりしている。
それは、とても大事なこと。
当然、固く閉じていては何も起こらないし、逆にまったくのフルオープンでも趣がない。
はんびらきだからこそ、向こう側に行きたくなるし、そのさきが気になるし、こちら側がいとおしいのだ。
だから、ぼくたちは、そんな「はんびらき」なものを写していこう。
べつに扉や口なんか写ってなくていい。
はんびらきな思いがあればいい。
完成なんか見たくない。いや、正直見てみたいけど、でも、きっとすぐ飽きる。
なんでもないようで、なにかある、そんなあなたのはんびらきをみせてください。