知られざる中期ルネサンスを代表する作曲家
ヤーコプ・オブレヒトのコミュニティ
ヤーコプ・オブレヒト Jacob Obrecht
(1457/58年11月22日 ヘント-1505年7月 フェラーラ)
15世紀後半のフランドル楽派を代表する作曲家のひとり。
ゲント市の優れたトランペット奏者の息子であり、おそらく同地の生まれ。
1470年代からフランド各地で活動。1487年エステ家のエルコレ1世公の招待でフェッラーラを訪問。帰国後、アントワープ、ブリュージュなど各地で聖歌隊長を務めるが長続きせず。ペストの流行を嫌って離任した宮廷楽長ジョスカン・デ・プレの後任となるため1503年フェッラーラに赴くが、その地位に就くことなく1505年同地でペストのため没した。
彼はこれまでジョスカンから影響を受けた、ややマイナーな存在と見なされてきた。だが、芸術拠点であったエステ家の宮廷に招かれたこと、作品が写本の形で広範囲に流通していたことから、生前のオブレヒトに対する高い評価への再認識と、定旋律の用い方に工夫を凝らし跳躍音型や反復音型を多用した独自性ある作品の再評価が近年進みつつある。
代表作
【ミサ】
ミサ《カプト》(1503出版)
ミサ《フォルトゥーナ・デスペラータ》(1503出版)
ミサ《ロム・アルメ》(1503出版)
ミサ《あなたの庇護の下に》(1503出版)
ミサ《とげあるものが薔薇の花を》(1503出版)
ミサ《優しきマリア》(1503出版)
【モテット】
《アヴェ・レジーナ》
《サルヴェ・レジーナ》
《1500年に》