先日、わが子(サブカルに詳しい)がきて、こう言ったんですね。「お父さんもミステリで発言しているなら、こういう形のミステリにそろそろ新しいネーミングを与えたらいいのじゃないか」。彼が想定しているミステリは、MANGAでいう「デスノート」とか「逆境無頼カイジ」のような、あくまでリアリスティックな現代を舞台にしながら、ある一点が超自然であるとか、きわめて幻想的であることが前提で、あとはきわめて現実的に物語が進行するようなものなんですね。言われてみると、最初の(時には最後で分かる場合もあるけど)前提こそ非現実的だけど、それを受け入れたあとは、とても現実的な論理とサスペンスで物語が進行するものを、ミステリの一ジャンルとして認めてもいのじゃないかという気がしてきました。従来だと、SFミステリ的とか「恐怖小説とミステリの融合」みたいな言い方しかされていなかったものを、立派に一ジャンルとして認めてもいいという意見ですね。以下、このジャンルの定義を僕なりに考えて記します。
?舞台は現実そのものであること
(だから、アシモフの鋼鉄都市などはやはりSFミステリの範疇だし、同じくランダル・ギャレットもパラレルワールドミステリにしかならず、このジャンルには含まれない)
?但し、物語のモチーフに「非現実的」な設定があって、それを受け入れさえすれば、あとの物語はきわめて現実的に進行する。
(架空戦記のようなIFノベルとは一線を画したい。非現実な前提を受け入れるのは同じですが、その後の進行が、リアルな現実と離れていく「差」を楽しむのがイフノベルの面白さですから、これはミステリの面白さとは別でしょう)
?この「非現実的な設定」は前出しのケースもあるし、後出しで、あとで、あーそうだったのか、と気づかされるケースもある。
(たとえば、デスノートは典型的な前出し型だし、「数学的にありえない」なども同じ。後出しは難しいんですが、「火刑法廷」のような優れた古典があるし、映画なら「シックスセンス」という超傑作があります)
そんなことですが、僕が考えたのが
仮説操作ミステリ(硬すぎるよね。でも、そういうこと)
ハイポミステリ(仮説:ハイポセシス・ミステリの略)
スーパーシチュエイション・ミステリ
などなど。
こういうジャンルを考えると、かなりミステリの枠組みが広くなって、より面白いものが出来るのじゃないかと思うんです。
みなさんのご意見をお聞きしたいですね。
待乳庵(最近、カイジのアニメにはまってます)