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月光(Beethoven)

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詳細 2017年5月21日 18:33更新

ベートーベンの『月光』を弾いたことある方、弾きたい方、好きな方は参加しちゃってください。


■月光とは…

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのピアノソナタ第14番嬰ハ短調作品27の2『幻想曲風に』(Klaviersonate Nr.14 op.27 Nr.2 cis-moll "Quasi una Fantasia")は、ベートーヴェンが16番目に作曲した番号付きピアノソナタである。
一般には『月光ソナタ』として知られている。

ベートーヴェンのピアノソナタで最も人気がある曲のひとつであり、8番『悲愴』、23番『熱情』と並んで3大ピアノソナタと呼ばれる。

この曲は前作のピアノソナタ第13番と組になってひとつの作品(作品27)として発表されており、両者とも『幻想曲風ソナタ』という題名が書かれている。
ただし、本作の通称『月光』があまりにも有名になったため、本作を『幻想曲風ソナタ』と呼ぶことはほとんどない。

『月光』という標題は作曲者の意図するところではなく、ベートーヴェンの死後、1832年にルートヴィヒ・レルシュタープが第1楽章について『ルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう』とコメントしたことに由来するが、月の光のような印象があるのは第1楽章のみで、『月光』という語には単にこの曲の通称という以上の意味はない。

<経緯>
1801年、ベートーヴェンが30歳のときの作品。
ベートーヴェンの弟子で、恋人でもあったイタリアの伯爵令嬢ジュリエッタ・グイチャルディに捧げるために作曲された。
ジュリエッタは当時17歳ではありベートーヴェンとは14歳差になるが、ベートーヴェンが苦しめられたのは年齢差よりも身分の差であったという。
なお、ジュリエッタはシントラーの伝記で『不滅の恋人』であるとされている。

<曲の構成>
第1楽章に緩徐楽章を配置するという、変わった構成をしている。
このため『幻想曲風』というタイトルを付けたのではないかと思われる。
また、4楽章ソナタの標準的な構成である『アレグロ、緩徐楽章、舞曲、終曲』という構成から第1楽章に相当するアレグロ楽章を省略したものであるとする意見もある。

ストコフスキー編曲による管弦楽バージョンもある。

曲全体は、完成度が非常に高く、楽章ごとにテンポが速くなるという序破急的な展開となっている。

[第1楽章 Adagio sostenuto (attacca)]
嬰ハ短調、複合三部形式
『月光の曲』として知られ、ピアノ音楽の中でも最も有名な曲のひとつである。右手の三連符と左手の重厚なオクターヴが中心。

[第2楽章 Allegretto]
変ニ長調、複合三部形式
軽快なスケルツォ。
AllegroでなくAllegretto楽章であり、軽快さよりも柔和な浮揚感をもって演奏される。

[第3楽章 Presto agitato]
嬰ハ短調、ソナタ形式
第2楽章からそのまま続く。
無窮動的な終曲。
第1楽章、第2楽章と比べ格段に難度が高い。
最も重点が置かれる楽章。
分散和音が上昇していく主題は作曲者のイディオムである。
終結部に現れるオクターブはピアノ協奏曲の第1楽章のそれとほぼ同一であり、協奏曲の持つ名人芸効果をもたらしている。


■尋常小学校の教科書に記載された『月光』の物語(作り話)

<要約>
ベートーベンが月夜の街を散歩していると、ある家の中からピアノを弾く音が聞こえた。
良く見てみるとそれは盲目の少女であった。
感動したベートーベンはその家を訪れ、溢れる感情を元に即興演奏を行った。
自分の家に帰ったベートーベンはその演奏を思い出しながら曲を書き上げた。

<本文>
ドイツの有名な音樂家ベートーベンが、まだ若い時のことであつた。
月のさえた夜、友人と二人町へ散歩に出て、薄暗い小路を通り、ある小さなみすぼらしい家の前まで來ると、中からピヤノの音が聞える。
「ああ、あれはぼくの作つた曲だ。聞きたまへ。なかなかうまいではないか。」
かれは、突然かういつて足を止めた。
二人は戸外にたたずんで、しばらく耳を澄ましてゐたが、やがてピヤノの音がはたとやんで、
「にいさん、まあ何といふいい曲なんでせう。私には、もうとてもひけません。ほんたうに一度でもいいから、演奏會へ行つて聞いてみたい。」
と、さも情なささうにいつてゐるのは、若い女の聲である。
「そんなことをいつたつて仕方がない。家賃さへも拂へない今の身の上ではないか。」
と、兄の聲。
「はいつてみよう。さうして一曲ひいてやらう。」
ベートーベンは、急に戸をあけてはいつて行つた。友人も續いてはいつた。
薄暗いらふそくの火のもとで、色の悗じ弓罎里覆気気Δ兵磴っ砲、靴を縫つてゐる。そのそばにある舊式のピヤノによりかかつてゐるのは、妹であらう。
二人は、不意の來客に、さも驚いたらしいやうすである。
「ごめんください。私は音樂家ですが、おもしろさについつり込まれてまゐりました。」
と、ベートーベンがいつた。妹の顔は、さつと赤くなつた。兄は、むつつりとして、やや當惑(たうわく)のやうすである。
ベートーベンも、われながら餘りだしぬけだと思つたらしく、口ごもりながら、實はその、今ちよつと門口で聞いたのですが──あなたは、演奏會へ行つてみたいとかいふことでしたね。まあ、一曲ひかせていただきませう。」
そのいひ方がいかにもをかしかつたので、いつた者も聞いた者も、思はずにつこりした。
「ありがたうございます。しかし、まことに粗末なピヤノで、それに樂譜もございませんが。」
と、兄がいふ。ベートーベンは、
「え、樂譜がない。」
といひさしてふと見ると、かはいさうに妹は盲人である。
「いや、これでたくさんです。」
といひながら、ベートーベンはピヤノの前に腰を掛けて、すぐにひき始めた。
その最初の一音が、すでにきやうだいの耳にはふしぎに響いた。
ベートーベンの兩眼は異樣にかがやいて、その身には、にはかに何者かが乘り移つたやう。
一音は一音より妙を加へ神に入つて、何をひいてゐるか、かれ自身にもわからないやうである。
きやうだいは、ただうつとりとして感に打たれてゐる。
ベートーベンの友人も、まつたくわれを忘れて、一同夢に夢見るここち。
折からともし火がぱつと明かるくなつたと思ふと、ゆらゆらと動いて消えてしまつた。
ベートーベンは、ひく手をやめた。
友人がそつと立つて窓の戸をあけると、清い月の光が流れるやうに入り込んで、ピヤノのひき手の顔を照らした。
しかし、ベートーベンは、ただだまつてうなだれてゐる。
しばらくして、兄は恐る恐る近寄つて、
「いつたい、あなたはどういふお方でございますか。」
「まあ、待つてください。」
ベートーベンはかういつて、さつき娘がひいてゐた曲をまたひき始めた。
「ああ、あなたはベートーベン先生ですか。」
きやうだいは思はず叫んだ。
ひき終ると、ベートーベンは、つと立ちあがつた。
三人は、
「どうかもう一曲。」としきりに頼んだ。
かれは、再びピヤノの前に腰をおろした。
月は、ますますさえ渡つて來る。
「それでは、この月の光を題に一曲。」
といつて、かれはしばらく澄みきつた空を眺めてゐたが、やがて指がピヤノにふれたと思ふと、やさしい沈んだ調べは、ちやうど東の空にのぼる月が、しだいにやみの世界を照らすやう、一轉すると、今度はいかにもものすごい、いはば奇怪な物の精が寄り集つて、夜の芝生(しばふ)にをどるやう、最後はまた急流の岩に激し、荒波の岩に碎けるやうな調べに、三人の心は、驚きと感激でいつぱいになつて、ただぼうつとして、ひき終つたのも氣づかないくらゐ。
「さやうなら。」
ベートーベンは立つて出かけた。
「先生、またおいでくださいませうか。」
きやうだいは、口をそろへていつた。
「まゐりませう。」
ベートーベンは、ちよつとふり返つてその娘を見た。
かれは、急いで家へ歸つた。
さうして、その夜はまんじりともせず机に向かつて、かの曲を譜に書きあげた。ベートーベンの「月光の曲」といつて、不朽の名聲を博したのはこの曲である。

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開設日
2007年10月11日

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カテゴリ
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