それは2007年残暑厳しき9月初旬のこと。
武蔵高校80期伝説の3人が御茶ノ水に集った。
豊かな芸術的才能をもつ藤咲・宮嵜と停学のツルである。
彼らはその日、誓った・・・・・
「俺たちは漫画家を目指す」と。
時はもはや21世紀。
もはや地球上未踏の地などどこにもない。
人々は空をとび国境を越える。
技術革新により世界中の人々と容易に
対話できるようになりつつある。。。
しかしその一方で私たちの前にはいまだに国境の壁がたちはだかる。
今日の社会科学はこの壁を越えることができてはいない。
それはなぜか?
そもそも学問の枠組みが国民国家体制にとらわれているからではあるまいか?
今、「新しい学」が求められているのではあるまいか?
では「新しい学」は如何にして得られるのか?
その鍵の一つは「教養」にある。。。かもしれない。
なぜなら教養は
学問の壁―それは近代において国家によって創造されたにすぎない―
を超えることを志向しているからである。
しかし私たちは一方でこうも確信している。
「教養だけでは足りない」と。
豊かな教養の持ち主・・・・・
それはたしかに国境を越える可能性を秘めている。
しかし私達が求めているのは
すべての人々の国境の越え方である。
そのような国境の越え方は「教養」だけでは得られない。
豊かな教養を持ちながらも
自らのアイデンティティーを中核に対して周辺に位置せしめ
同時に権力に対してつねに真実を語ろうとすること。
そうすることによって私達は真の「国境の越え方」を
発見できると確信している。
そして私たちにとってその手段とは漫画を読み描くことである。