ヤイロチョウ〈八色鳥〉
ヤイロチョウは蝶々ではありません
漢字で書くと「八色鳥」です
「森の妖精」、「幻の鳥」とも呼ばれます
日本で一番美しいといわれる渡り鳥です
南の国で冬を過ごすして、5月の終わりごろまた
日本に帰って来て子育てをします
ほとんどその姿を見ることはできません
世界的に絶滅危惧種に指定されています
ヤイロチョウ(学名:Pitta brachyura nympha)の
仲間は世界に約30種。熱帯地域を中心にアフリカ、
インド、オーストラリアに分布しています
日本に飛来するヤイロチョウは、その中でも
もっとも北方に飛来して繁殖しますが、
日本以外に、中国、台湾、韓国で繁殖することが
知られています
赤道近くのマレーシアやインドネシア付近で越冬
するといわれていますが、確かな渡りのルートや
越冬地はまだわかっていません
1937年(昭和12年)に、四万十川流域の森で
初めて営巣が確認されるまで、日本にはごく稀に
飛来する迷鳥だと考えられていました
国内の分布としては、宮崎県、鹿児島県、長崎県
、福岡県、高知県、愛媛県、香川県、広島県など
西日本を中心に、本州中部の静岡県、長野県などで
繁殖が確認されています
また、北は秋田県で、南は沖縄県で確認された記録が
あります
本来の繁殖地は大径木のある常緑広葉樹林と
考えられますが、そのような森林が激減した
今日では、落葉広葉樹林や針葉樹林との混交林や、
標高が600メートル以下のシイ・カシの繁茂する
放置された薪炭林、スギやヒノキの植林地などで
繁殖が確認されることが多くあります