2005年の話題をさらった、エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーによるCREAMの再結成、そして
そのステージに置かれたヴィンテージ・ルックスのツイード・アンプに気付かれた方も多いことだろう。これがまさに57 TWIN AMPRのお披露目興行となった。
57年型ツインは整流管を搭載していることもあり、太く豊かな音色を持つのが特徴だが、そのサウンドを愛好するアーティストも非常に多い。
特にキース・リチャーズとエリック・クラプトンはその最右翼である。彼らは機会ある毎にこのヴィンテージ・アンプを競うように探し回ったようだが、
なかなか状態の良いものに巡り会えずにいた。
一方、このアンプのファンとして最も有名であったのが、俳優のスティーヴン・セガールである。
状態の良い57年製ツイン・アンプはほとんど彼に買い占められたという話まである程であった。
そこで、キースもクラプトンも彼に数台借りて使用していたとも伝えられる。
しかしさすがに困り果てたクラプトンがフェンダーに相談を持ち掛けたことから、このアンプの再生産に向けてのプロジェクトがスタートした。
当初はクラプトンのためだけに開発が進められたが、当初問題となったのが真空管のグレードだった。しかし幸いにもグルーヴ・チューブ社が
その問題を雲散霧消させてくれた。同社が入手したばかりの、ゼネラル・エレクトリック社工場で使用されていた古い真空管製造機を使って、
アメリカ製真空管の再生産に向けて動き出したところであったのである。こうして再生産された57 TWIN AMPRは2004年までに、クラプトンのもとに届けられたのである。
現在、クラプトンのステージのみならず、ローリング・ストーンズのステージにも据え置かれるようになったこのアンプは、クラプトンのリクエストがなければ
我々の手に入ることもなかったのである。