貴志康一

貴志 康一
(きし　こういち)
koichi kishi（1909-1937）
大阪生まれの夭折の音楽家

彼の素晴らしさについて語ろう。

近代日本の洋楽の黎明期を
すい星のように駆け抜けた
貴志康一（1909〜1937）は、
大阪に生まれ、芦屋で育ちました。
亡命ロシア人にヴァイオリンを習い、
甲南高等学校を２年生で中退し、
ヨーロッパに留学。
ジュネーブ国立音楽院を首席で卒業後、
ベルリン高等音楽学校に学びます。
ヴァイオリニストとして
スタートしたものの、
３回に及ぶ留学を通して
「西洋音楽の模倣はやめて、
日本の音楽を創造しなければ」
と作曲に転じ、34年に25歳の若さで
世界最高峰のオーケストラ、
ベルリン・フィルを指揮。
自作の交響組曲「日本スケッチ」や
大管弦楽のための「日本組曲」など
を演奏して絶賛されました。
国内でもあふれる才能、華麗な経歴、
俳優顔負けの容姿などで人気となり、
指揮者として活躍しますが
37年11月17日、28歳の若さで夭折しました。
(読売新聞）

故湯川博士のノーベル賞
記念夕食会に流れた
叙情的、美しい旋律「竹取物語」

作品

交響曲 仏陀　全4楽章
バレエ曲 天の岩戸　全2幕
オペラ　なみ子 未発表
交響組曲　日本組曲
1.春雨 　2.祈り　3.道頓堀
4.淀の唄　5.花見　6.戦死

日本スケッチ
1.市場　2.夜曲　3.面　4.祭

歌曲
（ピアノ伴奏）

「赤いかんざし」「かごかき」
「かもめ」「八重桜」
「天の原」「風雅小唄」「さくらさくら」
「行脚僧」「花売娘」
「船頭歌」「芸者」

歌曲
(オーケストラ伴奏)
「赤いかんざし」「かごかき」
「八重桜」「天の原」
「風雅小唄」「かもめ」「さくらさくら」
「富士山」「燕」「花売娘」
「船頭歌」「芸者」「力車」

協奏曲
ヴァイオリン協奏曲　全3楽章

ヴァイオリン独奏曲
「月」「水夫の唄」「竹取物語」
「花見」「漁夫の唄」「籠」

日本人として初めて
ストラディヴァリウスの保持者

ワーグナーに通じる
マイナーからメジャーに転ずる
素晴らしいメロディ
雄大な交響曲『仏陀』