『誕生日の子どもたち』
著者,トルーマン・カポーティ
(Truman Garcia Capote 1924.09.30-1984.08.25)
訳者,村上春樹
(1949.01.12- )
出版社,文藝春秋
目次
誕生日の子どもたち
感謝祭の客
クリスマスの思い出
あるクリスマス
無頭の鷹
おじいさんの思い出
ここに収められたトルーマン・カポーティの六編の短編小説は、それぞれに少年や少女の無垢さ=イノセンスをテーマにして書かれた物語である。お読みになっていただければわかるように、そこに描かれたイノセンス=無垢さはある場合には純粋で強く美しく、同時にきわめて脆く傷つきやすく、またある場合には毒を含んで残酷である。誰もが多かれ少なかれ、人生の出だしの時期にそのような過程をくぐり抜けてくるわけだが、中には僅かではあるけれど、成人して歳を重ねてもその無垢なる世界をほとんど手つかずのまま抱え込んでいる人もいる。トルーマン・カポーティはまさにそういうタイプの人であり、作家であった。我々は彼のあらゆる作品の中に、まるでボートの船縁から水底に沈んだ都市を俯瞰するときのように、「無垢なる楽園」の手つかずの姿を目にすることができる。
−訳者あとがき より
『誕生日の子どもたち』のあとのノート
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