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志賀直哉「盲亀浮木」

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詳細 2011年10月28日 21:42更新

小津安二郎も敬愛した志賀作品を愛読しています。

なかでも運命としかいいようのない場面に
出会う時、この作品の情景が胸に蘇ります。

いろいろお話できれば幸いです。

(内容抜粋)

軽石

或る所で、石と石の間に赤児の頭程あるのが浮いて
いるのを発見して拾って来たが、それから五六十米
来て、同じ位のものを見つけ、それも拾った。
その晩、私は多過ぎる軽石から自家へ持ち帰るのを
選り出すつもりで、それらを座敷に展げて見ている
うちに五六十米離れた所で拾った二つの軽石が、
元ひとつの石で、それらが分れ分れになっていたもの
だったと云う事に気がついた。割れ目を合わせると、
二つはピッタリと会った。

モラエス

・・・古びた紹介状だった。見ると、花野氏はモラエス
の研究家で、一度貴方をお訪ねしたいと云っているので
御紹介しますという文面だった。私は不思議な気持ちに
なった。今朝モラエスの夢を見て、起きて未だ一時間か
一時間半しか経っていない時で、そんな話をしても
初めて会う花野氏が信じてくれるかどうか分からぬ
ような事だが、今朝、家内に夢の話をして置いて
よかったと思った。

クマ

実際不思議といえば不思議な事だった。その日、客が
あり、その時間まで外出を延ばしたことも、バスが
満員で、一台やり過ごして乗った事も、更にそのバス
でも、若し反対側に腰かけていたら、クマを見る事は
出来なかったろうし、第一、十字路をバスが越す間に
それと直角の方向にいたクマを発見したのだから、
総てが実にうまくいったものだ。ものがうまく行く
時はそう云うものだとも思ったが、それにしても単に
偶然と云って了っていいものかどうか、分からない
気がした。

一体それはなんだろう

私は昔、禅をやっていた叔父から盲亀浮木という言葉
に就いて聴いた事があるが、これは単に盲亀が浮木に
めぐり合ったというだけの事ではなく、百年に一度
しか海面に首を出さないという盲亀が西に東に、南に
北に大洋を漂っている浮木を求めて、百年目に海面に
首を出したら、浮木に一つしかない穴の所から首を
出したという、あり得べからざる事の実現する寓話だ
というのだ。
クマの場合は現世で起った最もそれに近い場合だった
ような気がする。私には何十年か前に愛読したメーテルリンクの「智慧と運命」という本に書かれている運命の善意という考えも想い浮かんだが、仮りに偶然としても只偶然だけではなく、それに何かの力の加わったものである事は確かだと思うのだ。然し、私の耄碌した頭ではその何かとは一体なんだろうと思うだけで、それ以上はもう考えられない。

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