朝鮮映画研究会

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詳細 2022年11月18日 21:55更新: 北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）の映画を研究するコミュです。
北朝鮮映画をアジア映画のミッシング・リンクにしないために、総合的、かつ客観的に北朝鮮映画を検討します。

朝鮮映画の歴史的概略
［萌芽期］
（書きかけ）

［創生期］
日本統治時代より朝鮮半島の映画会社はそのほとんどがソウルに集中していたため，分断後の北朝鮮での映画製作はほぼ無からの出発を余儀なくされた．
１９４７年，共産党宣伝班内に映画班が設置，ソ連と中国の協力によって国立映画撮影所（現在は朝鮮芸術映画撮影所に改称）が平壌に設立され，スタッフの養成と並行して記録映画の製作が始められた．貧弱な設備ながら最初の劇映画『わが故郷』(1948)が，姜弘植監督，柳源準・文芸峰主演で撮られた．

［朝鮮戦争期］
１９４９年，映画製作は二ヶ年人民経済計画に組み込まれた．１９５１年，国立映画撮影所が米軍の爆撃で灰燼に帰すと，朝鮮の映画人たちは中国の東北電影（旧満映の設備をもとに設立／現長春電影）に迎えられ，１９５３年までそこで映画の製作を続行した．その後の朝鮮映画は，中国，ソ連，チェコ，東独などの援助を得ながら，発展を遂げていくことになる．

［発展期］
初期の朝鮮映画を形成した第一世代の監督たちは，姜弘植，千尚仁，尹龍奎，呉秉超，朴学，田雲峰，崔益奎といった戦前からの映画人たちで，中には日本で映画を学び，あるいは日本で活動を始めた者も少なくない．

１９６０年代に朝鮮映画は大作志向の道を進み，抗日パルチザン闘争を描いた作品が多く製作された．厳吉成，曺敬順，柳源準など，第二世代の監督たちがデビューした．

１９６７年，甲山派の粛清を契機として映画界の反党分子の清算が問題となった時，党の宣伝扇動部の文化芸術指導課長となった金正日が映画界の改革に着手した．ソ連と西欧から現代的な映画製作設備を導入，朝鮮総連の資金で撮影所の拡張を図り，優秀な人材をソ連に留学させ，文化芸術関係者の社会的処遇を大幅に高めた．金正日の指導によって『血の海』(1969)，『花を売る乙女』(1972)などの傑作が生まれた．しかし次第に演出の紋切型化，教条主義化も進み，映画は政策を反映する鏡としての機能を強めていった．
朝鮮映画では，演出（監督）よりも映画文学（脚本）が常に優位に立つという特徴をもっている．即興的な演出よりも，イデオロギー的言辞が正しく俳優の口から話されることが重要とされるのである．そのため，複数の監督や脚本家による共同作業，映画のシリーズ化などの現象が顕著となった．集団創作が進み，作家個人が突出することは無くなった．

［改革期］
１９８０年代に起こった大きな変化は，北朝鮮に拉致されたとされる韓国の申相玉監督と女優の崔銀姫が，平壌に申フィルムを設立し，映画製作を始めたことにある．申相玉は，それまでなされなかったという俳優やスタッフ名表記の習慣を定着させ，日本や香港など外国の映画人との合作を推進し，そして国際映画祭への出品など，積極的に改革を進めた．エンターテイメント性が大胆にとりこまれた歴史劇やメロドラマが撮られ，またアクションやＳＦなどの新しいジャンルの映画が登場し，民衆に熱狂的に受け入れられた．朝鮮映画はこの時点でもっとも世界標準に接近した．

第三世代と呼ばれる鄭建朝，朴正柱といった監督たちは，直接・間接的にこの改革の影響を受けている．１９８６年に申相玉と崔銀姫が西側に亡命した後も，この改革は継承された．１９９０年代以降，経済事情の悪化にともない，映画の製作本数は減少傾向にある．しかしイタリアや日本など西側との合作映画の製作もわずかながら始まり，国外での上映の機会は増えている．

［停滞期/あるいは先軍期］
金日成の死後,金正日が権力を継承したが,北朝鮮の経済状況は悪化,政治的にも孤立が進んだ．核査察問題などで西側から経済封鎖などの制裁を受け,旧東側の友好国の援助も激減し,エネルギー不足に陥った．さらには自然災害のため深刻な食糧不足が起こった．そうした混迷を乗り切るため,「先軍政治」が始まり,それは直ちに映画にも反映された．「社会主義現実主題」路線の映画と呼ばれる．

（書きかけです）