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神秘学の扉コミュの<小特集>シモーヌ・ヴェイユの思想

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シモーヌ・ヴェイユ(1909〜43)
フランスの思想家。彼女の思想を一言で要約するならば、「赤い処女」という言葉がふさわしい。
ナチスによる全体主義とともに、マルクスへの深い理解にも関わらず、時代に先駆けてスターリン主義的官僚機構を批判したのも、常に弱者とともにありろうとしたキリスト精神の現れと捉えることができるだろう。
彼女のキリスト教神秘主義は、教会を通じてのものではなく、最後まで洗礼を拒否し続けている。

1909年 パリのストラスブール大通りに生まれる。兄は世界的な数学者アンドレ・ヴェイユ。
1925年 大学入学資格試験(哲学科)に合格、アンリ四世高等中学校に入学、哲学者アランの指導を受ける。
1930年 卒業論文「デカルトにおける科学と知覚」
1931年 高等中学校教授資格試験に合格。オート・ロワール市の女子高等中学校に哲学教師として赴任。サン・テチエンヌの炭鉱夫の組合運動やル・ビュイの失業者の陳情・請願運動を支援する。
1932年 ナチスの台頭と、ソ連におけるスターリン体制下での官僚主義を批判する論考を発表。イヨンヌ県オセール高等中学校に配置換えとなる。C・G・T・U(統一労働総同盟)に加入。
1933年 さらにロワール県ロアンヌ高等中学校に配置換えとなる。『自由と社会的抑圧との原因についての考察』を発表。パリでトロツキーと会見。
1934年 一年間の休暇を取り、アルストム電機会社に女子労働者として入社。『工場日記』を書き始める。
1935年 バス・アンドル鉄工所カルノー工場およびルノーの工場での労働者体験。夏休みにポルトガル旅行。漁村で一夜を過ごし、キリスト教は奴隷の宗教であるという天啓を受ける。シェール県ブールジュの高等中学校に赴任。
1936年 スペイン市民戦争が勃発し、バルセロナに向かい、アナーキスト系組合C・N・T配下のドゥルティ部隊に配属されアラゴン戦線に出陣する。『スペイン日記』を書く。戦争の残虐さを経験し、『ベルナノスへの手紙』を書く。
1937年 病気のため、長期休養を取る。時事問題に関する論文を次々と書く。夏、イタリア旅行をし、聖フランチェスコのアシジの礼拝堂で、生まれて初めてひざまずく。
1938年 ソレム修道院に滞在し、キリストの受難について思考する。「キリストが降下して、とらえられた」という神秘体験をする。
1939年 『ヒトラー主義の起源』を発表。
1940年 バリが陥落、南フランスにて戯曲『救われたヴェネチア』を書く。マルセイユのカタラン街に住み、南仏文明とカタリ派についての研究をはじめる。
1941年 この年、難民救済事業を行っていたジャン・マリー・ペラン神父、詩人ネヌ・ドーマルとその妻と知り合う。アルディシュ県サン・マルセルの哲学者ギュスターヴ・ティボンのもとを訪ね、畑仕事を手伝いながら、祈りと読書の日々を送る。
1942年 両親の強い勧めで、アメリカに亡命。出発間際に、ペラン神父に洗礼拒否の弁明と霊的自叙伝を、ティボンには数冊のノートを預ける。ニューヨークで再度渡仏の道を探り、ロンドンの自由フランス政府で働くことになり、イギリスに向かう。
1943年 ロンドンの自由フランス政府で働きつつ、後に『ロンドン論集』『超自然的認識』に収録される論考を書く。占領下のフランスに渡り、レジスタンスを行うことを切望したがかなわず、苦悩する。戦後のフランスのあるべき姿を追究した『根をもつこと』を完成。戦時下の同朋を思い、摂食を拒絶、肺結核が進行し昏倒。入院するが、なおも摂食を拒否、飢餓に等しい状態で死す。

コメント(7)

シモーヌ・ヴェイユ著作集III、渡辺義愛・渡辺一民訳『重力と恩寵・救われたヴェネチア』(春秋社、1968)
シモーヌ・ヴェイユ著、冨原眞弓訳『自由と社会的抑圧』(岩波文庫、2005)
シモーヌ・ヴェイユ著、田辺保訳『工場日記』(講談社文庫、1972)
シモーヌ・ヴェイユ著、田辺保訳『重力と恩寵』(講談社文庫、1974)
シモーヌ・ヴェイユ著、田辺保訳『重力と恩寵』(ちくま学芸文庫、1995)
シモーヌ・ヴェーユ著、渡辺一民・川村孝則訳『ヴェーユの哲学講義』(ちくま学芸文庫、1996)
シモーヌ・ウェーユ著、石川湧訳『抑圧と自由』(創元新社 現代社会科学叢書、1965)

※収録論文は、以下の通り。
展望〜われわれはプロレタリア革命にむかって行くのか?
テクノクラシー、ナチ主義、ソ連、その他についての考察
レーニンの著書「唯物論と経験批判論」について
自由と社会的抑圧との原因についての考察
断片 一九三三〜一九三八年
革命と進歩との観念の批判的検討
服従と自由についての考察
マルクス主義の矛盾について
断片 ロンドン、一九四三年
マルクス主義学説は存在するか?
田辺保著『シモーヌ・ヴェイユ〜その極限の愛の思想』(講談社現代新書、1968)

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