小俣現代美術（OmataModernArt）コミュの［インスタレーション］フィールドワークまたは、領有権の主張

　人類は文明を持つまで、そして持ってからもフィールドワークを繰り返してきた生き物である。野生の草の種を蒔いて芽が出ることを確かめ、そして育てるという行為。野生の獣を囲い込み、増やし育てるという行為。身近な石を砕いて道具を作る行為。
　ありとあらゆる行為が、フィールドから生まれた行為であった。

　長い年月、人類はフィールドワークを繰り返し、自らの力の及ぶ範囲を広げてきたことは、事実であろう。
　だとすれば、アートにおいてもフィールドワークを繰り返し、影響力の及ぶ範囲を広げていくことが、大勢の人の理解と協力を得られる手段であると私は考えた。

　いくつかある手段の中にインターネットがあり、現実の世界での活動がある。
　私はインターネットだけではなく、現実の世界にアートのフィールドを広げるためのワークを始めた。
　それが、この画像である。

　今回は「食う」ことでフィールドを広げようと試みた。
　私自身が「食う」という体験を、このトピックを読んだ方々が「聞く」ことで、古文中の言葉の「聞く」が「食う」に通じるように追体験を行って、意識のフィールドにまでアートを広げようという試みでもある。