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株短期売買研究会コミュの投資手法について

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ここでは株式投資手法について、参考になるものがあれば上げて行きたいと思います。

コメント(184)

◆11/10(金)

第267回 


モトハル:こんにちは、週末本音フリートークを始めます。目先最大の注目材料として米国の中間選挙が実施されましたが、事前予想を上回る民主党の躍進振りに関係者も驚いているようです。ただ、米国の株式市場は大きな混乱もなく通過、多くの投資家は安心感を持ったようです。取り敢えず目先の不透明感が後退したことをむしろ好感したということであるようです。ブッシュ政権が今後議会と対立し、イラク政策など難しい政策運営を余儀なくされそうであることは懸念材料として捉えても良さそうなものですが、米国の株式市場はむしろ好調な企業業績を評価する見方の方が強いようです。一方で日本株の場合には期待されたような決算内容でなかったり、需給悪化を嫌気した売りに上値が重くなっています。ただ、輸出関連を中心とした日本企業の好業績は下期以降も続くはずですから、年末から年明けにかけて投資心理は徐々に改善していくと思われますから、ここでの押し目は狙いたいところですね。今週も年末に掛けて儲けが出そうな活躍株をご紹介ください。

トシ:相場はいつも日本株は波乱という感じだけど、調整があるから買い場があり、空売りも入るので、今は日本人は売って、外国人が買うという外国人の買い場を強引に作っている感じがする。怒りながら笑っている感じ、弱気なのに実は強気。押し目をしっかり拾っているそんな外人がいる。一方で売り崩しておいて、一方では買っている。だからまともに株などは、押し目は狙い。5714 同和鉱なども国際的に銅の必要性アップから、ここの押し目は狙いだと思うね。

ハコ:たしかに、この下げは少し異常。下げる理由はそんなにないのに、ここで調整したのは、買い場が演出されているとの見方もあるね。銀行株などは、今後、買い場となりそう。日本は結局、銀行株と不動産株が上がると景気がよくなるけど、ここではこの2つのジャンルは相場は安くなっている。だからこそ、狙いになると思うね。今は外国証券の動向に大きく左右されすぎ、彼等が日本の株価動向を決めていると言ってもいいくらい最近は影響がある。

トシ:新興市場株は手つけられないほど下げた。常識を超えて下げた。こうなると、ここの材料だ、業績だ、と言っている場合ではなく、みんな急落した。実際に下げ過ぎでも、どこまでが限度かそれも見えないから、その点では、新興市場株は今後も戻りを見て、そこでリバウンドを短時間で狙い、翌日持ち越しなし、という方法しかないね。決算に対する信頼性がなく、下方修正が多すぎる。また、最近はIPO株も公募割れが出て、ますます信頼感なくなってしまった。ただし、だからといって新興株が終わるわけではなく、枯れ草に火を放つと一気に燃えるような想定もあるから、とにかく、タイミングをみて狙い。穴株として2462 ジェイコム、あと4314 ダヴィンチ・アドバイザーズは好決算予想だったので、評価できる。

ハコ:材料株では、4518 富山化は、ここで全体の下げと共に下げた。これは利食い売りが入り、買いが止るから当然。だけど、この株は材料に妙味あるから500円台から200円上げたパワーがあったように、どこまで下げていくか見ていき、復活狙いだね。鳥インフルエンザ治療薬T−705はタミフルを超える、という噂もあるくらいだから、このような材料では、再度買われることが多い。投売りが出て株価がどこまで突っ込むか見ていくことになるね。600円割れくらいまで突っ込む可能性もある。

トシ:富山化学が戻る時、3107 ダイワボウも戻るということになりそうだね。鳥インフルエンザは今後も拡大する問題となりそう。だから富山化学フォルダーは今後出るだろうが、乱高下するから下げているときでなく、浮上したときだけ狙えばいいね。材料株だと、8091 ニチモウ、5805 昭和電線HD、8075 神鋼商、5479 日本金属工業、8074 ユアサ商なども今後に期待あり。8236 丸善は、仕手的な見方では、熱が冷めて、これからは大相場は無理かも知れないけど、220円以下ならば元値に近いので、一時的には235円や240円には戻る感じがあるね。人の行く裏を見るならば、丸善は210円台買い、230円台売り。

モトハル:日本株では需給の悪化が上値を抑えていると見られています。先週時点こそ、裁定買い残が7週ぶりに減少しましたが、依然高水準な裁定の買い残に苦しまれる状況となっています。裁定買い残は10月27日現在で5兆823億円と統計開始以降初めて5兆円に乗せています。この時点で裁定買い残の東証1部の時価総額に対する比率は0.97%まで上昇しています。1992年以降の裁定買い残時価総額比率の主要なピークは1%前後であり、現在はピーク圏に」あると言えます。株数ベースでは10月26日に28.42億株と再度直近のピークを更新、2004年のピークである、29.03億株に迫る勢いとなっています。このように裁定買い残は需給面での警戒水準となっています。2004年の前回のピークは3月9日ですが、その後日経平均は4月30日に一旦高値をつけますが、その後半年間は上値の重い展開が続くことになります。今回も同様の経緯になるとは言い切れませんが裁定解消売りが出るようなことになれば、需給面での重石になることは間違いなさそうです。11月10日のオプションのSQ、或いは12月8日のSQなどで裁定買い残がどの程度まで減少するかが今後の重要なポイントになりそうです。いずれにしても先物への仕掛け的な売買と合わせて、裁定買い残の動きによっては変則的な売買が行われる可能性もあり、相場のかく乱要因になるのは間違いなさそうです。但し東海東京証券の分析ではこの裁定の買い残の多さも相場にはあまり影響を及ぼさなく、懸念する必要はないとの味方をしているようです。問題は実需が入っているか否かで、外国人が同じように売っているとしたら、とても大きな問題となり、更に個人の信用買い残も膨らんでいるとすればもっと深刻な事態になりますが、現状、そうではないと見ているようです。信用買い残は大きく整理が進み、外国人も10月に1兆円を買い越しています。相場の見通しに関して言えば、先高感が後退しているとも思われず、年末高に向けた先高感は依然強いように思われます。同社が判断するところによりますと、足下の相場はテクニカルな調整であると見ているようです。そこまで楽観的になって良いものかとも思いますが、需給改善の兆候が鮮明になるようですと米国株と連動する格好で上昇に転じる相場となりそうです。注目銘柄ではゴールドマンサックス証券が「強い買い推奨リスト」に上げている7718 スター精密。その他情報がございましたら宜しくお願い申し上げます。

タカダ:いつの場合でも株の話をすれば最後には「何を買えばいいのか」というところに落ち着いてしまうと思いますけれど、確かに何を買うか相場の見通しがどうなるかということも大事だと思います。相場で勝っている人や儲けている人がいたら自然に「何を買っているのだろう」ということが気になると思いますし、実際に「運用益の差」というのは銘柄次第でもあるだけに意味はあります。しかし、本当は一番に考える人が少ない「どういう運用をしているか?」ということが大事ではないでしょうか?なぜなら今まで儲けてきた人でも今後はどうなるかは分からない世界ですし、この決算発表シーズンの2週間は大いに儲かっていた人でも今やっている銘柄がどうなるのかも定かではありませんし、特に相場の見通しなんてのは皆目見当がつかないと言っても過言ではないですから、今当たっている人に「何を買っている?」「どれを狙っている?」「見通しはどう思っている?」と聞き出して自分も真似をしてみたところで博打みたいな結果になりかねないわけです。それよりも常に相場の「波」や「風」に同じようにさらされていながらもそれなりの成績を残せる「儲け方」、あるいは「売り買いのタイミング」「相場に臨む心構え」などを教えてもらったりすることも大事だと思いますよ。業績が好調な上に低PERが評価されている5480冶金工。これも良い銘柄ですが肝心なのは「取り扱い方」だと思います。

ババ:NY株の水準は言うまでもなく、香港株も史上最高値を更新しているなど海外の株価に比べて日本株の出遅れ感は相変わらずだ。かといって割安かと思えば多くの主力企業の通期業績が期待したほどではないことで機関投資家など大口投資家の「失望」を招いているからに他ならない。しかし、冷静に通期業績を精査すると機関投資家など大口投資家の期待したほどではないとはいえ、実体は企業が意識的に「控え目」に業績を見込んでいるからであって、結局は強めに着地すると考えて良さそうだ。そのカギを握っているのが米国経済であり、その米国経済は明らかに変わってきている。NY株についても5月から7月にかけては今年後半の「景気減速」という悲観論が市場を支配していた。原油高による企業業績の悪化や賃上げ圧力、雇用の悪化に消費の衰退という「悲観シナリオ」だったわけだが、現状は「原油は上がらず」「消費も衰えず」というシナリオと逆の現象となっている。米景気は恐らく来年2〜3月以降は完全に回復軌道に乗り、ダウの水準も2〜3月までには13,000ドルという次の大台乗せも考えられる。そうなってくれば「来年2〜3月期までの間に米国景気は後退する」と見込んで、あえて通期の業績予想を据え置いたり控え目に見込んでいた企業は軒並み「増額修正」をせざるを得なくなるだろう。まだまだ日経平均の年内18,000円乗せの可能性は消えていないし、来年3月末迄に2万円回復というシナリオも消滅はしていない。今後も下手な弱気姿勢で臨むことはできそうにないな。やっと売り物が一巡した感のある5019出光興産。依然としてPERでは割安感が強く、大口の投資資金が年末にかけて流入する可能性が高いという。

タカダ:相場でもなんでも「先手」というのは大切だと思います。とかく世の中の多くの人は騒動になってから動き出すものですが、株の場合では損をすることになりますから、なるべく早め早めに、それこそ「人の行く裏に道あり花の山」ってやつだと思います。例えば、これからのシーズンは流行感冒、インフルエンザが流行りだす時期ですが、4544みらかHD、4519中外製薬あたりはマークですね。鳥インフルエンザの心配までは必要ないと思いますが普通に寒くなって流行性のインフルエンザが流行りだして、それから慌てて予防接種をしても抗体ができるまで時間がかかるので間に合いませんからね。予防接種も株の方も早めに手を打っておくべきだと思います。あと、来週の後半からいよいよ米国でもクリスマス商戦が始まるということもあり、日本でも街並みが段々とクリスマスモードになってきましたがクリスマスのギフト関連で7974任天堂、9684スク・エニは引き続き底堅い動きが予想されます。まだまだ上値余地ありというか買われる可能性が高く、動意づきやすいと予想しています。

ババ:「無難」と言われそうだが引き続き業績の拡大基調と割安感で6665エルピーダは、これからの投資対象としては適当な銘柄と考えられる。特にDRAMについてだが、マイクロソフトの新型OS「ウィンドウズ・ビスタ」はマイクロソフト側の推奨ではメモリーが最低でも1ギガはあったほうがいいという。ハードディスクではなくてメモリーだからな。これはDRAMの需要は相当に伸びると考えて良さそうだ。あと、ジャスダック指数が明らかに底入れしたというサインが出たらという「条件付き」だが2769ヴィレッジヴァンガードコーポレーション、これは浮上の可能性は極めて高い。株価の低迷が続いているが、業績の見通しや将来性を正しく反映したものではなく、いわゆる強気のダイバージェンスが発生している最中と考えられる。しかし、株価というものは需給で動くだけに、理屈や理論だけではどうにもならないところもあり、今現在は立ち上がりの「キッカケ」を待っているというのが現実だ。それでも、短期売買を繰り返す向きには今はなんとも言えないが中長期の投資対象としては実に魅力的な銘柄と言えそうだ。

モトハル:各地で異常気象の影響からか天災による被害が出ています。以前にも申し上げました事ですが、地球規模で何か大きな変化が起きているのかも知れません。先日もニュース23で筑紫哲也が言っていましたが、異常気象に対する世界的な意識の変化が必要な時期に来ているようです。特に米国の地球環境に対する意識改革がそのポイントであるようです。相場はやや上値の重い展開が続きますが、引き続き年末に掛けた先高感は強く、押し目を狙う戦略が有効になりそうです。今週はこの辺りでお終いです。来週までごきげんよう。
儲かる投資家になる基本


【買ってはならない株の見分け方】

 プロの詐欺師がやるパターンは、小さな借金はしっかりコツコツとかえして信用をつかんでおき、その上でいざとなるとドカーンと大きく借りて隠れる、もしくは破綻する、というパターンをやられます。中小企業でわかっているのにはめられるのはこのパターンです。商売上どうしても、信用を大切に互いの付き合いを重視していくと、やりたくもないのに売掛けや手形などで金の貸し借りが生じたり、また合わせ保証をして保証人になったり、その上でドカーンと倒産をくらい連帯保証だけが回って一緒に共倒れ、よくあるケースです。そして株の場合にはコツコツと儲けを出させておいて、大手などが良くやる戦略は売れない新規募集ものや、公募株を割り当てる。また上がりもいないだろう投信を新規株と合わせてドカーンと客にはめ込むのです。その上で、ひどいケースでは3600万円がただの30万円になってしまった人もいて、証券界もまさに自分でしっかりしてないと落とし穴ばかりが仕掛けられているということになります。

 株式では、プロでも故意に下がる銘柄を薦める人はまずいません。解体といって金融筋が玉処分のためにクロス後に下がるとわかっていてもはめ込む玉があります。これは悪意にみちていて、それと知って情報を流した場合にはプロの世界では排斥されてしまいます。すくなくともプロの間では生きていけないルール違反となります。解体銘柄の場合には、たとえば10万株集めるとそれだけでお礼が50万円もらえるとか、また指値の数量でカウントして報酬をもらう兜町ゴロのような人が多く存在します。これは掛け目落ちした銘柄、通常は7掛けどりの株券がボロ株の場合には3割ほどで流通している場合があり、それを大量に引き受けて掛け目が落ちている分と、値上がりした分の両面がプラスとなり、さらにそのような手合いは買いでもとり、そして急落するのも分かっているため空売りでもとるという両面をします。このような解体銘柄の特徴は次のとおりです。

〇 街金の担保に多く入っている株

〇 ゼロ配当であり業績内容がよくないボロ株

〇 過去に相場がありそのシコリ株が大量にあるような株

〇 どうみても普通には興味がわかないような株

〇 現物株であることが多い

〇 会社側が弱体化しており材料もあまり出せないような会社

〇 私募債、第三者割当などの思惑で資金調達にも苦慮する会社

〇 掛け目割れを起こしていて大手などでは買えないケースもある株

〇 証券等監視委員会がマークするほど上がると株価操縦が話題になる

○ 手口が金融筋が使う証券から集中している株

 このような銘柄は、まずプロであれば見分けがつき、債務超過、赤字、低水準の利益、存続が危ういような怪しい会社が多いということです。まず7割以上は無配株ですので、基本的には無配株であり今期、来期の業績内容が好転見込みもないような、誰も買いたくないような株と見ておけばよいと思います。その上で金融屋に多く眠っていて、玉処理したくて仕方ないという株です。それを、強引に人為的に株価を上げてそれで処理するのでです。たとえば30円の株が300円になって株価が10倍となりますが、実態としてはそれ以上の儲けを出すことがあります。それは、上がる前にかなりの玉数を追加するからです。このため、このような流れはセットになって手掛けている筋はきまっていますから、その手口をみただけでプロは判断つく場合が多いのです。したがって、このような筋が手掛ける銘柄ばかりやっている。たとえばシントムとか第一家電とか、昔の中外鉱業、イチヤ、環境建設など銘柄をやっているところは解体めいたことをしているか、もしくは知らないで利用されているというケースが多いです。


【人生をかけた大勝負は負けるもの】

 解体株(かいたいかぶ)はカイタクナイ株です。これはまず銘柄で仕分けが出来ます。ところが欲ボケした人はそれも見えなくなります。それではダメです。それはどんなに上げても、無配株や内容のないボロ株はやらないことを心がければ防げるということです。最近では宮越商事なども実態は50円以下の株ですが300円になる。それをまともな投資と思って運用したとすれば、宮越商事でたまたま150円とったとしてもそれは奇跡であり、次の株、またはその次の株でドカーンと根こそぎやられるのです。経験があり賢い人は、1本儲け、2本儲けると3本目は自粛して投下株数を極端に減らします。ところが欲深い普通の人は、1本儲けると2本目はさらに強気して、3本目には大勝負する、という人が殆どです。ところが株式とはそんなに調子よくいかないものであり、まず3本目にはスカになることが多いのです。これを経験と統計で知っている賢い人は、ノーゲーム(つまり損得なしで売ること)覚悟で極端に株数を減らします。すると、その気軽さがヒットを生むことも知っているのです。

 人生をかけた大勝負で勝った人をあまり知りません。反面、人生をかけて大勝負して崩壊した人を数多く知っています。死んだ人も多く知っています。金融屋に億単位の借金をして信用で3倍張り大勝負して失敗して返済できない金であるため、妻子と離婚して、ある日海に浮かんだという人を知っています。また、国内から逃げて今ではフィリピンの人になっているという噂の人もいます。まず人生をかけた勝負で勝った人を知りません。それはそのような実態が語られないということもあるのかも知れませんが、実際には大勝負したらそんなに当らず株は反対に外れることも当たり前に起こるということです。その点では『凧の糸』と同じように出し切ったらそれまでになります。常に自己資金でそれも余裕をもって悩まないように運用すること、それでないと本当の勝利者にはなれません。実力もないのに運だけで勝とうと思ってもそうはうまくいきません。むしろ、勝利というものはドン臭いものであり、勝利を意識しないで勝利していた、という流れの方が多く起こるのです。たとえば日本コーリンを7000円で買っておき、そして3年したら3万円になっていた、そんな勝利の方法が一般には一番好ましく、内容と質をみて店頭でもナスダックでも新規公開株でも成長性に賭けると言う投資が実際にはもっとも難しいようで、実はもっとも現実的なのです。

 短期運用をするならば、それに見合った方法とテクニックが必要となります。やはりそのレベルに到達できないで終わる人が殆どです。人として冷静に株式のことを見なければ、慌てて欲だけで運用して、その上で運だけでになんとかなるだろう、などと思っている人が勝つわけがありません。重要なのは短期運用では損切りなのですから、損切りルールの確立と、さらに理論と実践がかみ合うというところまでに到達するのは個人差があります。そのため、出来ない人は、出来ないと諦めて終わっていきます。すると、結果として損切り出来ない人は儲けられませんので、どこかでシコリ株を抱えたまま動きがとれなくなります。あるネット証券では3割の客が1年でシコリで動けなくなりやめていくそうです。実際には証券界全体には3年で損で動けなくなりやめていく人が実に7割です。この現実はなぜ起こるのか、それはそうならないためにも自分でよく考える必要があります。そんなこと出来ない、と思ったら終わりです。短期運用では損切りのルールを作り、そして損切りが出来るようになること、それが最低条件となります。損切りが出来るようになると今度は損切りしたくないために銘柄選定の技術が向上します。それが重要です。
◆11/17(金)

第268回 


モトハル:こんにちは、週末本音フリートークを始めます。NYダウは連日史上最高値を更新、勢いの良い上昇を続けています。方や、日本株は上値の重い展開となっています。先日発表になった7−9月期の国民総生産(GDP)が予想を上回る結果となり、これまでの景気の先行きに対する悲観論が後退、相場を部分的に押し上げる動きとなりました。しかし、強気材料が出た割には、上値は重く、予想を超えるGDPの発表を好感する一方で利上げ観測も浮上し、悪材料に弱い相場を露出した格好になっています。利上げ観測については時期が年内か来年かの違いで、日銀はどうしてもやりたがっているようですから、避けざるを得ません。それよりも市場心理の冷え込みが問題で、特に新興株の動きの悪さに多くの投資家のセンチメントが低下しています。切っ掛け次第では再度盛り上がることも想定出来ますが、もう暫く時間が掛かるのかも知れません。いずれにしても米国株の堅調な動きに牽引される格好で日本株も年末から来年に掛けて上昇基調を辿ることへの期待が膨らんでいます。特に好業績を示した銘柄などに対する物色意欲は強いようですから少なくも個別銘柄で考えた場合には年末に掛けては大いに期待が出来そうな状況になりそうです。今週も年末に掛けての妙味ある銘柄をご紹介下さい。

トシ:チャンスが来ているような気がするけど、押し目買うとそのまま下げて、買わないと上げるような気がして、なかなか買えない。3774 IIJなどは、三菱UFJが強気の格付けしたというけど、株価の位置はそれほど高くないので妙味ありそうだね。ネット接続サービスの会社だよ。4357 ラ・パルレも男性エステが商売になる時代となり、ここに行くと、高額の低周波などの機械を買わされるけど、売り上げはこれからも伸びそう。

ハコ:ここは日本株浮上を予想してみると、やはり、6758 ソニーは、妙味ある。今は最悪の時期だけどソニーは世界からみればトヨタに続く日本ブランドと見られるから、やはり注目できるね。6752 松下電器も押し目は狙いたい、時間かかるだろうけど、これからの時代ではしっかり浮上する可能性がある。大手証券もここでレーティングで最高評価していた。

トシ:薬株は面白そうだね、4521 科研製薬は穴株。ライブドア証券とか、コスモ証券が強気しているという話だった。外国証券ではUBS証券が強気。前期に続いて今期も業績好調予想、11/9に発表した通期予想でもなかなか好調だった。さらに穴株の薬株は、4518 富山化学。当たると大きい。鳥インフルエンザに有効な新薬の開発、T−705だね。これはタミフルより薬効優れているという話もある。

ハコ:9983 ファーストリテイリングは1万円割れとなって、今後注目されるね。米国で成功するかどうか分からないけど、まずは国内では拡大計画、大規模店舗を今後100店以上に拡大する。婦人靴も強化、スケールが大きい。株価が下げてくると、今後外国証券などが評価すると思うよ。このような株は押し目となると外資は放置しないと思う。2712 スターバックスは値上げ効果から株価はここで上げた。業績も上方修正したので、ここでは材料出尽くしという見方もあるけど、今後とも注目される、時間をかけて6万円狙いとなりそうだね。

トシトシ:低位株では5805 昭和電線HDは妙味あるね。リスク少なく、これから日経平均が反発に転じるとこの手の株はしっかり浮上する可能性ある。業績好転、財務内容強化、評価されると思うよ。5714 DOWA 、5706 三井金属、5738 住友軽金属など時間かかりそうだけど、それぞれ評価されてきたので、押し目は狙い。特にDOWAはここで多くの証券が評価して高い目標を出した。これからの押し目は狙えると思うよ。

ハコ:6479 ミネベア、6674 GSユアサ、2371 カカクコム、5302 日本カーボン、3404 三菱レイヨン、7750 ペンタックス、7013 石川島などこれからも妙味ありそうだね。4022 ラサ工業、6951 日本電子、5631 日本製鋼所、4666 パーク24、8604 三菱UFJ、6508 明電舎、8007 高島、6507 神鋼電機など今後妙味あると思うよ。これらの株もしっかり上がりそうな相場になると見ている。

モトハル:先日発表になった7―9月期の実質経済成長率は前期比年率2.0%で、7・四半期連続のプラス成長となりました。1%台後半とされる日本経済の実力(潜在成長率)並みの成長ペースを維持しており、現在の景気拡大局面が11月で戦後最長のいざなぎ景気(1965―70年、57カ月)を追い抜くことが確実となっています。尤も、国内総生産(GDP)の中身は今後の先行きにやや不安を残すものとなっています。特に個人消費がマイナスになったのですが、今回のGDPの高い数字は企業部門の設備投資などが、日本経済の半分以上を占める個人消費をカバーしたことになります。企業部門の資金が家計部門に下りてくるかどうかが今後日本経済が持続的な成長を遂げることが出来るかにかかっています。但し、その兆候は徐々に出ているようで、先日のニュースにもありましたように、主要企業の冬のボーナスが過去最高の支給額となりそうです。日本経済新聞社が集計した冬のボーナス調査によると、全産業の1人当たり支給額は比較可能な企業で昨冬実績比1.97%増の86万8932円(加重平均)となっています。支給額はこれまで最高だった1997年を上回ることになります。業績連動型ボーナスを採用する鉄鋼などが高収益を背景に全体をけん引、4年連続の増加で、弱含んでいる個人消費を後押しする効果も期待されそうです。又、企業の人手不足から賃金上昇の流れが再び強まれば、10―12月期の消費が持ち直す可能性は十分ありそうです。又、2006年9月中間決算の発表がピークを迎えていますが、上場企業の9月中間決算は、連結経常利益が前年比2ケタで増える見込みで、先行きの明るい材料となっています。又、日本経済新聞社の中間まとめによると企業業績は好調で、上場企業の9月中間決算は連結経常利益が前年同期比16.5%増だったとの分析もあるようです。通期業績予想の上方修正は今後本格化するとの期待感も強く、業績の上方修正に対する期待は今後も続くものと思われます。大和證券ではこれまで発表された企業の中から通期予想が保守的で今後通期業績を上方修正する可能性のある銘柄をリストアップしています。6752 松下電器産業、5405 住友金属工業、9719 住商情報システム、5706 三井金属鉱業、8001 伊藤忠商事、3110 日東紡、7974 任天堂、1911 住友林業。その他情報がございましたら宜しくお願い致します。

タカダ:今週はどちらかと言えば「強い地合い」が続きましたから、その反動で来週は「弱い地合い」ではないか、そのぐらいの控え目に考えておいた方が今の相場はいいと思います。それでも地合いが強いとか弱いとかは、それほど運用成績を振り回すものでもないと私は思いますし、振り回されるべきでもないと思います。どんな地合いでも動く銘柄はありますし、来週だって毎日でも稼ぐことはできると思いますよ。大体うまくいかない人は決めつけて考える傾向がありますよね。狙っているものが常に固定していたり、相場が始まる前から「今日はこれだ」と銘柄を決めている人だったり、考えの「偏り」が災いしている場合が多いと思います。残念ながら相場というのはケインズ主義のケインズも言っているように「美人投票」です。自分の考えや狙いがその通りになれば儲かる、そうでなければ儲からないではなく、他人や大衆がどう考えるかを予想し、その動きに付くということですよね。今週は「冬のボーナス 最高の86万円」と報じられていましたが、これについて一般的には恐らく「実感はない」だと思います。でも、市場参加者としてはプラスに考えるものでして、金に余裕のある人間は間違いなく消費を増やすはずで、例えば高額消費関連の4357ラ・パルレとか2764ひらまつ、海外旅行では9376ユーラシア旅行社、9603エイチ・アイ・エスなどは注目すべきだと思います。

ババ:米国株の上昇トレンドが止まるとは思えないが、しかし、やや「迷い」が生じてきていることも否定できない。大きな原因は、やはり、先の米国の中間選挙によって与党共和党が大敗を喫したことだろう。しかも、政局の不透明感という点では米国だけでなく日本も似たようなところがある。今回の米国の共和党敗北はイラクがベトナム以上に「ベトナム化」した可能性が高いことによる国民から「NO」を突き付けられた結果であり、イラクの後始末を巡った気の遠くなるような政治的問題や、その大勝したとはいえ米国の民主党も肝心の国内の政策を論じることなく単純に「イラク戦争に反対」の旗を掲げていれば勝てたところがあっただけに頼りなさがある点、一方、昨年の「郵政解散」で勝った自民党も民営化は現実には遅々として進んでおらず、安倍内閣も発足時より支持率が低下し、「出直し」の福島県知事選で民主党推薦候補が当選したことなど、日米共に政局はどことなく不透明であることは否定できない。こうしたことは今の米国株も日本株も織り込んだとは思えないだけに、安易に「日米株共に上昇トレンドが継続する」と断定することはできない。しかし、それと経済はそれほど関係ないとばかりに株高が続いているが、恐らくクリスマス商戦も「株高効果」で好調が予想され、収益拡大中の企業業績と合わせてNYダウの高値更新は暫く続くのかもしれない。米国も好調だがユーロ圏12カ国のの実質GDPは前期比0.5%成長と米国以上に伸びている感がある。欧州地域の売上高比率が高い6444サンデン、あるいは6448ブラザー、これらは改めて注目したい。

タカダ:今週は民間の不動産経済研究所が10月の首都圏マンション発売戸数というのを発表していましたが、それによれば、3カ月連続の減少となる前年比28.8%減となっていました。これは一見すると「マンション販売は大丈夫か?」と心配されるような統計かもしれませんが、実はご存じの人も多いと思いますが、これは、将来のマンション価格の値上がりを見込んだデベロッパーの「供給先送り」が続いていることが原因で、つまり「出し渋り」です。金利も引き上げの方向にあるし、買いたくて買いたくてシビレを切らしそうな人が増えている、黙っていても値上がりする環境だけに「できるだけ引っ張ろう」という作戦です。当然、マンション販売業界は利益の上乗せが読めるということで、三菱地所と共同開発を始めている8834藤和不動産あたりはマークしておく必要はあると思います。いつまでもデフレデフレと言っていると笑われちゃう時代がきそうですね。あとは材料株ですが8236丸善なんてのもウォッチしています。先程の冬のボーナスが過去最高というのも後押ししそうですし、首都圏各所で店舗を拡大していること、学生の学力の国際比較で日本の低下が問題視されていることもあって、専門書需要も伸びるのではないかという期待もあるほか、チャート的にも「里帰り」をした感があって下値不安が遠のいています。

ババ:ゲーム業界はソニーのPS3、任天堂のWiiと今年後半の話題の一つとなっているが、一方のパソコン業界でも来年1月に発売されるマイクロソフトの新OSであるウィンドウズ・ビスタが話題であり、ゲーム業界の陰に隠れているものの今後はもっと意識されてくると考えられる。関連では、やはりメモリーが注目されており、DRAMメーカーの6665エルピーダ、他にはビスタは画像機能が強化されることから6727ワコムというのもビジネスチャンス拡大が意識されそうだ。一方、今週の報道にあったことだが、シリコンウエハーの7〜9月期の世界出荷面積が前年同期比プラス18.6%、前期比でもプラスと、2005年1〜3月期を底に増大基調が続いているという。関連銘柄ではシリコンウエハ世界シェアトップの4063信越化学はまだまだ買われる可能性が高く、3436SUMCOもチャート的にも下値不安は乏しくなってきており注目したい。

モトハル:関東地方でも最低気温が10度を下回り、暖房器具を朝晩は使う季節になりました。地球温暖化により、この時期でも昔のように寒いと感じる事が少なくなり、北海道などでも初雪が例年よりも遅れていると聞きます。地球規模でゆっくりですが暖かくなっているんでしょうね。後、何百年も先のことでしょうが、日本の国土も今の半分くらいになってしまう時代が来るのかも知れませんね。SFの話ではありませんが、この時代に生きた我々は幸せなのだと感じるべきなのかも知れません。相場も年末高に向けた期待が膨らむ動きです。米国株が好調なだけに期待通りの動きが想定出来そうですね。来週も頑張りましょう。今週はこの辺りでお終いです。来週までごきげんよう。
儲かる投資家になる基本


【短期投資にみる運用とは】

 短期投資においては、銘柄の質よりも買いの実態、たとえば強気筋が買っているとか、当り屋となっている証券がレーティングを上げたとか、ディラー筋が値動きの早さに飛びついているとかいう実態が重視され、材料性や業績内容よりも実需がポイントになることが多くあります。特に新聞に材料が出たとなると、殆どの場合にはその日の上げに止まり、実際には多くの人に知られれば知られるほど株式は短命になり、反対に時間をかけて仕込みに当ってきた株はだんだん上がり、その上で多くの人が上げに気付くようになると相場は天井をつけることがあります。たとえば1万人が知ったらその株は終わる、と考えるのであれば新聞は1日で1万人が知っていまい、反面、材料株なかなか知られないで上がる株は1万人が知るまでには時間がかかるということになります。このため、ニュースソースとして通信社、新聞が流す情報は誰でも同じ条件で知ることが出来ますが、反面、あまりにも公過ぎて魅力がないということになります。

 短期銘柄の実力としては、殆どの株には仕掛け人となっている存在があり、それが事前にプロの間に漏れて、そして実体が分ったときには殆どのケースで終わる場合があります。したがって短期銘柄をやる場合には、その銘柄がどれほどの人数が入ってきたら人気の天井をつけて終わるのかをよく見抜く必要があります。まず普通に人気株が買われて天井をつけるときは、出来高のピークと殆ど同じです。当日か翌日には株価も天井をつけることが多く、内容面でさらに業績の裏づけがあり株価の妥当値が見えてくるケースや、取組み株としてはマネーゲームとして買われる場合には例外はありますが、多くの株の場合には株価のピークと出来高のピークは同じ場合が多いのです。したがって、普通には株価の動きと商いをみて、商いがどの程度に拡大すると天井をつけるのか狙いをつけた株の過去の商いをみるとそのスケールが見てきます。

 株は割安を買って、割高を売る。これが基本であり、これから変化する材料がある場合にはそれが多くの人に知られずにあり、そして株価が割安であればその株は狙いになってきます。その上で、材料性からみて業績がどの程度変化して、将来の株価としてはどの位置まで上がるのか想定した上で銘柄をみていきます。その上で目先人気で終わるものか、調整しても再度上げて大きく育つのか、それを見抜いた上で短期にかけるか、中期、長期と持続するのか、それを目極める必要があります。短期であればあるほど実際にはリスクは限定して運用し、長期であればあるほど実際にはリスクは減りますが、下げたときには買い増しも出来るような株を選択することが大切です。今日はその例として、日本コーリンという株を取り上げたいと思います。なぜ、この株を短期で扱ってはならないか。長期であればこの株が運用に向くかという点について触れたいと思います。
 

【長期運用のメリットとは】

 長期投資での大切なポイント、それはなんと言っても銘柄の質です。将来を通じて、伸びる産業であるのか、また今後について成長性があり株価が上げていくだろう要素があるのか、それが将来を決めます。したがって、これは政治、経済状況などもみた上で将来的な推測が必要となります。衣食住、これは人が必要なものです。その要素の中でも、近未来では大きく概念が変わっていきます。いままで10年かかっていたものが3年で実現される世界になっています。たとえば10年前に今の携帯電話や今の高度通信の時代は推測できませんでした。その中で消えたもの、変わって生まれたもの、いろいろあります。またユニクロのような存在の企業が生まれることもなかなか想像できるものではありませんでした。

 実は、このような投資というものは、短期投資の妙味とは別に、今のドン底にある日本の株を運用する場合には、一方では大切なポイントになります。日本が崩壊しない限り、今のハイテク株で歴史があり実績がある株は必ず上がります。ダウと連動するからです。この点では、どの株をどれだけ今投資しておくか、それは重要なポイントになるはずです。実際には米国株も妙味がある株価になっていますが、復活のスピードでは日本株にも妙味があります。この点ではソニーもやがて1万円の時代が来るでしょうし、今売り込まれている銘柄から将来の大化け株が出てくることも現実だと思います。この点をよくよく考えた上で、時間をかけて将来を考えてそして大切な資金を増やすということにかけることになります。自分が好きな株、また好きな経営者、さらに伸びると思われるものを扱うこと、それに対して長期で投資するには良い時期が来ていると思われます。株価は業績と比例します。将来業績が着実によくなるものがあればスライドしてか株価も上がります。当たり前のことですが、この当たり前のことを無視した投資をする人は多くいます。実際には当たり前の投資でよいのです。
◆11/24(金)

第269回 

出席者 タカダ:ディーラー、ババ:アナリスト、トシ:業界誌記者、ハコ:歩合外務員、モトハル


モトハル:こんにちは、週末本音フリートークを始めます。日米とも祝日を挟んだ週ですから、動きが取り辛いようで、特に米国では休暇を取っているトレーダーも多いそうですね。尤も、この祝日である感謝祭明けから米国も本格的なクリスマス商戦入りと言う事で、ディスカウントショップも買い物客で盛り上がりそうです。特に米国経済に大きな影響を及ぼす個人消費の動向だけに株式市場でもその動向に注目する向きが例年多いようです。日本株も売られ過ぎと言うムードが特に新興株あたりに出てきたようですし、実際に東証1部の25日の騰落指数が70%を割り込むなど相場の下値が固まったと見る向きも徐々に増えているようです。勿論、本格的に反発するしっかりとして材料がある訳でもありませんから、手放しで楽観するにはまだ時期尚早かも知れませんが、日本でも年末商戦入りとなれば、幾らかは相場のムードも改善されそうです。来週末からはいよいよ師走相場入りですが、残すところ後一ヶ月頑張って今週もお願い致します。

ハコ:新興株の戻りそろそろありそうだけど、下げている最中に狙うと、さらに下げるから、最近はどうも怖くて狙えない。戻りがあるところを狙うしかないね。7717 Vテクノロジーは先日材料を出して株価は浮上したけど、この株は、人気が付くときと、人気離散のときの相場は極端に違う。人気もつきやすいけど、ひとたび、資金が逃げると一気に下げてしまう。ここで、外国人が仕込みしている様子の6726 オーエイチティなどは、強気のうちはさらに上げ続ける期待がある。4296 ゼンテックはデジタル家電用のソフト、この会社も反発したところは妙味あると思うね。3774 IIJは三菱UFJが49万4000円目標にして評価を『1』とした。

トシ:昭和電工4004は、中間決算で第3四半期の内容が減収ということから、目先利食い売りとなり株価は大きく下げた。下げ過ぎとの指摘ありますね。日興シティグループが11/21に1Mに継続した、目標株価は650円を630円にしたけど、時価からみれば200円も高い位置、この株の戻り期待したいね。通期予想は変わらず、HDDも絶好調だから、ここは下げ過ぎで戻り狙える。

ハコ:レーティングは、外国証券によっては、かなり発表の時期がコントロールされていて、同じ社内でも遅れるところがあり、かつ、通信社なども発表のタイミングをかなり遅らせている。だから一般の目に触れるのに、タイムラグがある。実際には1年先の目標が2日で短期回転されている感じ。決算銘柄については、銘柄によっては、好決算予想も、事前に情報が漏れているかと思われるほど予想されて買われているケースがあります。予想が漏れている、証券会社の予想、アナリスト予想などから、買われているケースもある。これは、アナリストの予想で買っているケースだね。好決算も株価が浮上している場合には織り込み済みとなってしまっているケースもありますから、必ず株価を確認することだね。5714 DOWAなど、好決算予想なのにちっとも上がらない。格付けも各社ともに良いのに、株価上がらない。それでもこの株はこれからは押し目狙い。

トシ:4518 富山化学は妙味ありそうだね。今の相場は、非鉄市況の急落から希少金属類、非鉄株が出来ない。不動産株は、マンション販売が10月低調と発表されたことから、狙えない。つまるところ、富山化学などの材料株を個別に狙うということになる。鳥インフルエンザ関連ではタミフルの副作用などで注意喚起となっていることが刺激となっているようで、この株はこれからも、押し目は狙い、思惑は燻る。2371  カカクコム11/14にゴールドマンサックスが強い買い推奨として、目標株価を60万円とした。また同日UBSはBuy2として目標株価を50万6000円とした。押し目は狙い。ここで、1とか、OUTPERFORMより、妙味あるもの、それは中立、とか2とか、Bの株だってさ、理由は、1とか、最上位の株は即座に買われてしまうから。

ハコ:7203 トヨタ自動車は押し目狙い、世界からみると、日本株で一番安心して買える株それはトヨタだそうだ。6758 ソニーも歴史的にみればここは買い場。国際的なブランド力評価だね。7974 任天堂、2712 スターバックスは今後とも妙味がある展開となりそうだね。穴株的には、7990 ダイワ精工、1301 極洋、5479 日金工などの押し目は妙味ありそう。時間かかるかも知れないけど、しっかり上がりそうな感じだね。

モトハル:日経平均が心理的な節目の16000円を割り込み相場が低迷を続けているのですが、その最大の要因が需給の悪化と見られています。裁定の買い残の多さに懸念を示す向きも多いようです。需給悪といえば外国人投資家の売りが懸念視されています。朝方の外国証券経由の売買注文は先日の水曜日で7日連続の売り越しとなり、7月5―19日の10営業日以来の連続売り越しとなっています。又、昨年から内需主導の景気回復シナリオを期待して日本株買いを進めてきた欧州投資家などが、景気の先行き不透明感を示す指標が出始めたことで失望売りを出しているとの分析をしています。先物への仕掛け売りも散見されますが、先物の主要な投資主体別動向で、11月第1週は外国人(−1435億円)と信託銀行(−975億円)の売り越しが目立っています。11月第1週は日経平均株価が下落(16669円10/27→16350円11/2)、裁定買残も11/2には26.79億株まで減少も 外国人が売り越しに転じた影響によるものと考えられています。特に懸念されるのは2005年以降でみると、外国人の買い越し基調が続いた後に−1000億円を超える売り越しに転じると、しばらくは売り越しとなり易い傾向がみられることです。今年では4月第4週に−2600億円と売り越した以降や、昨年では3月第4週(−1350億円)、9月第4週(−2848億円)以降などにみられます。基本的に外国人の買いが入らなければ日本株の本格的な上昇が望み薄と言うことになれば、彼らの買いを待つしかありませんが、一部で年末から米国景気が再加速し、クリスマス商戦が好調となると言う事が観測されているようで、当然日本株の割安感が指摘されることになります。現状の需給悪化が一巡すれば、海外勢の日本株への興味も復活することになるものと予想されます。仮に米国株が年末年始までもたついてたとしても、時期がずれるだけで、現状の安いレベルが仕込みタイミングであると言うことに変化はないと考えられます。押し目は是非とも狙って行きたいところです。メリルリンチ証券でも年内、日本独自の好材料は見当たらないが、来春までには、企業業績や個人消費の不安解消を背景に、日本株も回復基調に乗ると予想しています。米国連動セクターと出遅れ内需株の推奨を継続しています。2007年の10の投資テーマとして、(1)景気と企業業績回復の持続性、(2)団塊世代の退職に伴う本格的な人手不足、(3)内外企業のM&A、(4)フリーキャッシュフローと配当、(5)親子上場を含む資本政策の抜本的見直し、(6)IT投資と研究開発、(7)地方復権と格差是正、(8)政府資産売却と民営化、(9)BRICsとVTICs(ベトナム、タイ、インド、中国)の成長とFTA(自由貿易協定)とEPA(経済連携協定)、(10)世界的な省エネ・環境問題などを紹介しています。注目銘柄では今期連結経常利益を上方修正した3436 SUMCO、、メリルリンチ証券が「買い」目標株価11000円としています。その他情報がございましたら、宜しくお願い致します。

タカダ:今週も先週と同様か先週以上に相場をやる人にとっては風向きの悪い相場だったと思います。しかし、自分にとって気持ちがいい風ばかりが吹くとは限らないのが相場ですよね。風向きが悪いからと自分のところに風が吹くまで待っているのではなく自分から風を追い掛けて迎えにいくべきです。「吹かぬなら迎えに行こう相場の風」です。手掛ける銘柄が無いとボヤく市場参加者も多かったようですが、特に物色の柱となるものが見当たらない分だけ証券会社のレーティングに関心が集まったと思います。かといって朝の寄り付きから何でも買うなんてのは芸がありません。レーティングの引き上げや目標株価の引き上げが発表された銘柄でも寄り付きから買って利食いに結びつく銘柄もあれば、寄り付いてから一旦利食い売りで下に押すところ買うと儲かる銘柄もあるだけに、買い板や売り板に気を配ったトレーディングが要求されると思います。でも、そうしたことは今は個人投資家さんの間でも常識的なことでしょうね。来週も相場の風向きは予想もできませんがレーティング情報などを利用したピンポイント物色は可能だと思いますよ。聞き慣れない言葉かもしれませんが「2007年問題」というものがありまして、大企業の基幹システムを構築、運営してきた「団塊世代」の技術者が大量に停年を迎えるため、その世代が持つ技術やノウハウが後輩に伝わらずに企業のシステム運営が「危機」を迎える可能性が高く、「2007年問題」がビジネスチャンスとなる9737CSKHD、これは注目されると言われています。私も当面、このCSKは意識していきたいと思います。

ババ:最近の東京市場は「内憂外患」ではなく「内憂内患」とでも言えばいいのだろうか、せいぜい手掛かりとなるのは決算発表だけであり、第3四半期決算が発表される来年の1月下旬まではマーケットの盛り上がりは無いのではないかというボヤキまで聞こえてきている。その盛り上がらない原因は言うまでもなく期待されていた「内需」への失望であるわけだが、しかし、今の株価は悲観し過ぎになってきていると思う。個人消費はやや小康状態であるとはいえ企業の設備投資意欲はむしろ「想像以上」であり、現状のやや停滞している感のある景況も旺盛な設備投資意欲に支えられて再び現在の10〜12月期で回復する可能性が高く、そうなればまた外国人買いが復活してくると予想している。今年の日経平均は1位が4月、2位が10月だが、少なくとも2位の10月高値を再び試すような動きが年内中に起きると考えている。来年のことは鬼に笑われるが来年は今年の高値を更新することは100%間違いないと見ている。「国策に売り無し」と言われるが安倍首相が発足した「イノベーション25」、その中の重点政策である「医薬」に関連した6302住友機。世界規模で建機需要の伸びが今後も期待されるだけに業績に安定感があるが、MRI用冷凍機で世界シェア9割ということもあり、「医薬株」としても同社への評価は続きそうだ。

タカダ:市場全体に連動して調整が進んで25日線を割り込んでいた7261マツダ、また来週は買いチャンスが到来すると思います。今年もトヨタなど何かと自動車は話題になりましたが、やはり来年も大きなテーマには違いないと思います。特に欧州で強みを持つマツダの割安感は相変わらず魅力です。ここでマツダは「フォードの小型車戦略拠点」としてタイと北米で新工場」という報道がありましたが、それよりも注目したいのはハイブリッド車の市場調査です。野村総研によれば2012年には日米欧のハイブリッド車の年間販売台数が2005年の29万台から大きく伸びて219万台、ハイブリッド関連部品市場の規模も2005年に1669億円だったものから7600億円へと大幅に成長を遂げるとの推計をまとめています。最近もマツダはフォードとは別に独自でハイブリッド車の開発を急いでいるようですし、こうした納得のできる買い手掛かりと株価の割安感とで再びマツダが見直されるに違いないと思います。

ババ:景況感が悪化しつつあるとの見方も増えているものの、仮にそうであっても安定した業績の伸びが期待できる4324電通は大いに注目したい。株価は冴えない動きを続けているが、ここで注目したいのは携帯大手各社がナンバーポータビリティーでせめぎ合いをしている中で「儲け」をさらっていったことだろう。携帯大手各社が激しい競争を繰り広げている中で電通はドコモからもKDDIIからもソフトバンクからも「ほぼ一手」で広告を引き受けているという強みがある。携帯大手各社が展開している生き残り競争で最も恩恵を受けている企業が電通であり、それはテレビ局各社がCM広告収入の減少で苦戦し、広告代理店業界2位の博報堂も伸び悩んでいる状況を尻目に9月中間で大幅な増収増益を達成したことにも表れているだろう。今後の業績に関しても今通期、来期、その先の2009年3月期予想までもアナリスト予想では「増収増益」が見込まれている。そろそろ中長期狙いの大口資金が拾ってきても何ら不思議はないな。

モトハル:今年も気が付けば後一ヶ月と少し、毎年歳をとる度に、季節の過ぎるのが早く感じて仕方ありません。加齢とともに時間の感覚が短くなると言う事を聞いたことがありますが、身をもって感じることになりそうです。株式相場も年末に掛けての期待が高まることになりますが、まだ見極める懸念材料はあるものの、基本的な部分では強気で見て良く、国内面でも輸出や設備投資が好調なうえ、消費も今後回復が見込まれるなど日本経済を取り巻く環境は良好だと考えればここの押し目は買いと考える方に分がありそうです。
− 11/25 (土) −



儲かる投資家になる基本



『自分を変えないと儲けは見えてこない』


 人間的にルーズで時間に常に遅れるような人はなかなか株儲けはむずかしい、ということを先週書きました。周りが見えてない方、自分本位の方、他人の程度など同でもよく、人を誉めるよりも、まず殆ど場合に貶してしまう人。人は人それぞれ徳というものがあり、その深さ、内容により、人を決めていきますが、いきなり粗忽ものが見識者になるわけがありませんので、あくまでも自分のスピードにあった運用方法を進めていく必要があります。それには、まず儲けたいばかりの意識を捨てること。株はいきなり儲かるものなのだ、まるで飢えた野良犬のようなポーズで株式にのめりこみ、とにかく金が欲しいというスタンスで運用してしまう人がいます。まずこのタイプは儲けることは出来ません。儲けたいという意識が強いと儲けられないのです。冷静さを失うと欲だけですから、当然判断は鈍り、まともに株のことが理解できません。

 『ユーホーキャッチャーがうまい人は株儲けが上手い人』だそうです。人が3000円も4000円もかけても1つのマスコットもとれないところを、1、2回で簡単にとってしまう人、たまにいます。また、条件がよいと何個もとってしまう主婦もいます。そんな人は実は多いようで10人に1人の才能なのだそうです。マスコットの位置、さらに、掴むところの力ぐあい、さらにどこを掴んだら効果的にとれるのか、それを頭の中で計算した上で、とれるならばやる、とれないならばやらない、そのメリハリもしっかりつけた上で行動する。そんなことが株式の儲けに酷似しているというのです。反対に欲しいばかりで何度も何度もチャレンジして気付いてみれば3000円も4000円も金を投入しているのに取れないで諦めて帰る人、それがいわゆる欲だらけの投資家です。

 儲けたいのは当たり前ですが、儲けたいからこそ、焦ってはならず、儲けたいからこそ、よく株のことを考えて、簡単に仕込みするのではなく、また、運に任せることもなく、ひたすら冷静に運用する。実にむずかしい話ですが、現実的にはそのような運用を展開しないと儲からないのです。また、自分はスーパースターでもなんでもなく、運もつくものでもなく、実力があるものでもない。だから慎重にしなければならない。現実を知った上で、より堅実によっぽど確率高く儲かると思ったときしか行動しないこと。それが重要となります。多くの場合には儲かる時期があり、そのときにしっかり儲けること。多くの人があまり儲からないときに自分だけ儲けることはむずかしく、そんな場合には資金を減らし、そして、確率面では悪いことを認識して運用すること。つまりそのようなときには頭の訓練として遊ぶこと。少なくとも下の項目は常に意識して行動すること。

○ 儲けたければ儲けたいほど冷静になること。

○ 幾ら儲けたら何をしたい、何を買いたい、という目的意識は持たない。

○ 大儲けではなく、小さな儲けを重ねると認識すべき。一攫千金は逆に大損。

 ○ 株式は得すること損することが交互にやってくると認識すべき。

○ 自分の現状を把握して謙虚になること。過信は損の始まり。

○ すごく買いたくなったら、すぐに損したときの惨めな自分を想像してみよう。

○ そんなに夢みたいな現実は簡単にこないんだ、と常に思っておくこと。

○ 運などなく、現実は常に厳しく思い通り、予想どおりにならない方が多いと知る。

○ 欲に走り、周りが見えてない目がうつろな自分を想像してみる。

○ 確率の悪いときには本気で運用せず投入資金は少なくする。


 すべて人の性格を変えることはできません。また変ったとしても、年齢とともに、また経験とともに時間をかけて変化するものです。したがって、自分で自分を認識した上で、株式をする上で少しは内容が理解でき、かつ儲かるために焦らず、儲けること、損することを理解した上でしっかり運用することです。反省しない、研究しない、何も考えないで儲かる人などひとりもいませんので、ひたすら、儲かるためにはどうすればよいか、ということを徹底的に考えて真摯な姿勢で株式相場にチャレンジすれば、次なる確率が高まる相場では必ずや納得いく結果が得られることになると思います。最終的には良い株を選択する技術は人生すべてかけた自分との戦いとなります。それは選択術にかかわることです。それが出来たら次に運用テクニックです。ただし、苦労しないでも選択術については人気株の規模、内容をしっかり把握することで運用テクニックだけでとる方法があります。その方法はある程度良い相場になると着実な利益を生む運用方法になります。

  200円の株が300円になり、400円になる。今はその確率は300本に1本くらいしかないかもしれません。それでも、そんな株は波乱相場でも登場しています。これはいきなり100円上がるわけではありませんので、上がるための動きが必ず出てきます。それは株価の変化と出来高の変化です。これは嘘がないデータ−で判断できるのです。私たちは毎日出来高変化、株価変化をソフトに入れていますので、どんな浮上株でもかならずチェックできます。1部、2部、店頭、ナスダック、大阪すべての株の動きをコンピューターに管理させています。さらに殆どのテクニカル指標は組み入れたソフトも作っています。それは自分で納得いく分析をしたいから、さらに細大漏らさず見たいからです。そして商いが増えて株価が上がる、これはどの株にも現れる現状であり、さらに業績好転と浮上材料という両面とからむと大きくなる株が決まってくるのです。

 たとえば年間平均の商いが1日8万株だったものが、ある日突然20万株になる。そんな変化をいちいち人がチェックするのは労力の無駄です。そのような株をまずピックアップした上で、あとは乖離、変動率から見ていくと、動き始めた株はすべてソフトがマークできます。その上で、あとは材料があるのか、なにか上げる業績変化が出てくるのかマークすると、上げてからあとあといろいろな動きが出てくるケースがあります。このようなデータ−分析を自分でやりたい方もいるでしょうから、これらの内容を加味して、そして総チェックが行えるものを相場がよくなったところで公開します。今は、100本に1本の相場でプロ中のプロしか入手できない情報が殆どですから、毎日の変化株を取り上げることはあまり意味がありません。まさに木っ端をつかみ大木を流すことになるのが見えているからです。すると、選択はこちらでした方がよい、という流れであります。相場好転では、多少良くなると変化株から選択する手法が有効なときがきます。
儲かる投資家になる基本


【ソフトバンクにみる未来の株価とは】
(2001年12月時点でのコメントとなります)

 株価というものは、現実的に悲しいほど理想的には行かない。つまり予想どおりに動かないことが多く、プロでもまず全員がそのように思っています。それは未来の株価に対して今評価していることであり、それに対して実践的な買いを入れるかどうか、それはその場の人気のつき方次第であるため、不確定要素が強くて予想どおりにはいかないことが殆どのです。近年ではソフトバンク株が30年後の未来も飛び越して買いが入ったという時代がありました。インターネットというのは人類上ではやはりひとつの革命ですので、その革命が買われてもおかしくないのですが、やはり現実的にはネットバブルという言葉に象徴されるように買いは現実ではなく、泡に終わったということでした。

 実際にはこのようなケースが殆どといってもよく、2年、3年先の業績動向を予想して買ったのに、実際には2年、3年すると株価は上げてないことが多く、未来を買い、そして未来を利食ってしまい、そして株価は元に戻ってしまう、という現実が実に多いのです。このため、業績が良くなる株は確率高く買われる。それは間違いありませんが、未来と現実とのギャップと、させに株価推移とをよく検討した上で、未来が確かであればこれから株価はしっかり上げていくものの、その未来が予測だけであり着実な未来ではないとなれば人は買いません。そのような動きが今起っているのはソフトバンクという株です。この株は未来が大きくなり、さらに発展していくとみる意見と、現実に明るい未来になる前に一度業績的にはかなり悪化するという考えが錯綜して、株価が揺れています。

 特に重視されているのはブロードバンド事業が、これから経費と入会者の折り合いであり、弱気意見人は先行投資して経営資源をADSLに投入するのはよいが、NTTグループや他のライバル会社も強力であること、さらに発展においてクレームなどの問題が大量に発生したり、開発上での問題が起ると先は見えなくなる、というリスク。通信事業が大ヒットしてソフトバンク、ヤフーは発展するという見方の証券もあるものの、まだ事業内容については未知数の部分が多く、目先的には好材料、と弱気材料が錯綜して、株価はなかなか上がらなくなっているという状況です。その上、この会社は短期で成長してきたため、ヘッドハンディグ主体の会社であり、会社の顔が見えないという意見もあります。したがって、これからの事業では社運をかけたブロードバンドの方向性が決め手となりますが、簡単にはなかなか行かないようです。

 これはソフトバンクだけではなく、未来は明るいのに、どうも株価が上がらない株はいくつもあります。それで証券プロは予想を狂わし、そして殆どが実態が盛り上らないまま株価が失速してしまう現実にあり、組み入れた投信はことごとく解約となり、証券界は今かなり厳しい現実を味じわっています。たとえば宝酒造などもそうです。ハイテク株がこけると今度はバイオが上がるという狙いのもとに、多くの証券、ファンドが強気した遺伝子治療分野ですが、結果として強気したところはすべてやられました。まさか株価が半分になるとは思ってもみなかったからです。この分野の未来は明るく、2年、3年先にはかなり明るい方向が見えるはずですが、目先はつまづき、かつ今後の未来図がなかなかすぐに鮮明に見えないという状況から買いが止まっています。

 このため、宝酒造は株価が1100円前後でも買えないという有様であり、今期の経常減益、最終減益の内容からも見送りが続いています。それでも日本の中では世界的な遺伝子治療の会社であることは間違いなく、この分野を評価するのであればこの会社は長期でみては買いになってきます。ただし、実需をみてどこまでの押し目があるのか、またいつ上がるのかそれは相場任せになりますが、これからの成長株であることには違いがないはずです。それでも時価を買うことが出来なくなった株式全体の弱さもあり、このような質の株は実に多くなっています。そして、売り込まれた業種の中から、今後の日本経済をみた場合の上昇候補は見えてきますので、特にこれから内容があり、そして復活期待の株はマークする必要があるということになります。未来を買う場合にはけっして現在が明るくなくても、展望が出来る会社が一番となります。


【長い間の信用と今後の成長性】

 たとえば、キッコーマン、TOTO、花王などという会社が、これから10年先に無くなるとは考えられません。ところがソフトバンクや最近賑わっている株が将来どうなっているのかそれはわからないものもあります。やはり生活の中に根ざしていて、そして必要性があるもの、それが一番であるときがあるからです。その上で、生き残りに必死であり、企業努力を続けるタイプの会社。たとえばトヨタグループ、松下グループや財閥系では三菱グループなども維持をかけて企業の発展努力をしてきます。このような基準から企業をみていくと、今後会社の数は減ったとしても、生き残り企業の実態が見えてくることがあります。不況業種は除き、かつ信頼のない会社も除き、そして株価面での下値をみていき実績があり、将来着実に残っていく株を吟味して、そして銘柄を絞ります。

 すると、日本の場合にはハイテク家電、さらに今後は通信事業に強い電線株も残るという読みが出てきます。さらに食品、流通、さらにサービスも残る株が多いでしょう。反面、建設株は多すぎて不用となる株が出るでしょうし、繊維も殆どが本業以外に力をいれるようになっています。水産も殆どが冷凍品加工であり、化学も電子部品が主体になっているとろも多くあります。このような産業構造をみた上でどの分野の企業がこれから伸びていくのか想像する必要があり、間違っても、バブル時代に株高だった含み価値の高い実力はないような会社の押し目は狙えないということになります。これからは実力本位であり、かつ未来に対して着実な知恵がある会社を狙うということになります。

 たとえば、今がドン底と思える焼肉、牛肉関係がありますが、これは今がドン底なのかの確認が取れません。これからさらに悪くなって消えてしまうところがあるかも知れません。その点では安易な考えが許されないと思います。吉野家、安楽亭、焼肉屋のさかい、宮、ゼンショー、松屋フーズ、レインズインターなどがこれからどうなっていくのか今の段階では誰も答えが出せないのです。企業によっては他の製品を投入したところもありますが、それが一過性の人気で終わるかも知れないのです。餅屋は餅屋、という言葉があるように、牛丼がダメならばウナギ丼の専門店に変わる、という発想が成功するかどうか、それはまったく分らないのです。このような不確定要素の強い銘柄については、今が底値かどうかの判断は付きませんので、まずは勝負して買うことは危険です。

 やはり着実な未来とは何か、しっかり考える必要があり、むしろ、今はダメでも、将来が見えいるという点で銘柄選択をする必要があります。そのときにクローズアップされるのは企業のやる気であり、体質であるとも言われています。植物でもそうですが、根っこが腐らないと必ずやがては再度咲き、そして花をつれるものもあります。そのような基準の会社とは何か考えていくと、やはり信用と実績に対する評価になります。それが企業力という人もいますが、やはり信頼できる企業、もしくは企業家を選択する必要があります。たしかな事業内容と、将来に向けた展望が組める会社、株価は今は安値でも将来が見える企業、そんな会社を今のドン底で狙うことが大切だと思われます。なぜソニーや松下に信頼があるのか、それはやはり過去と未来に対して着実に見えてくるものが感じられるからだと思います。
儲かる投資家になる基本



『損切り訓練をして運用の鍛錬をする』


 ネット証券誕生から、個人投資家の運用の歴史は変った、といっても過言ではありません。今まで個人では無理とされていたディーリングが出来、日ばかり運用も自由に出来るようになったからです。証券ディラーのように日に何度も売り買いするハードな運用など、一部の証券では手数料率の低下で、まさに個人ディラー時代の到来であり、かつては証券マン、証券ディラーだった人が会社をクビになり自宅でディラー的な運用をしている人も多いといいます。ディラーは契約ディラーですと、保証金を会社におさめた上で結局、自分で運用するようなものであり、儲けを会社側に半分以上とられますので、それならば自分で個人で運用しても同じ、ということから個人デラィになった人も多いようです。

 現在ネット証券では700円から3000円くらいまで幅はありますが、かつての手数料から比べれば10分の1以下であり、まさに激安です。ネット証券が登場する前には、200円の株であれば6円、7円は手数料と税金分で考えなければならず、300円台では10円以上もかかるという計算がありました。ところがネット証券の時代となると、200円では2円以上上がればよく、300円では3円も上がればペイできる、ということになりました。これが個人の運用の新しい時代を作っています。手数料をあまり考えないでロスカットできる。手数料だけの損であれば、損してもショックではなく、何度でも損切りできる。そんな考え方もできるようになりました。2円の損は10度損しても20円ですから、10回損しても1度の利益で埋まる、そんな組み立てが出来るようになり、儲けることより、失敗の場合には買い値から下回らないうちに売ること、それをコツとして運用している方が結構いるそうです。

 証券会社によってはペイラインの計算が簡単にできる電卓のような機能が付いているところもありますが、通常では、次のようなところを使い、幾らのときにどれくらい損があるのか、ケースを作ってみて概念として植え付けておくことが必要です。その上で200円であればいくら上げればペイラインなのか、500円ならば幾らなのか常に意識しておくことです。さらに、ネット証券でも高いところも安いところもいろいろです。サービス内容から信頼までも考慮して、内容のよいできる限りやすいところ、かつ日ばかり運用が出来、訂正、取消がすぐにできるところが良いでしょう。松井、イートレード、オリックスなど大手、また、少人数ゆえに経営リスクが比較的少なく小回りの効くサービスのところもありますので、手数料ができるだけ安いところで運用する方がよいでしょう。

 また、ネットで気をつけなければならないこと、それは間違った注文に対して、ミスを事前にチェックできるところです。売りと買いを間違えたり、単位を間違えて1株のところを10株、100株とする間違えも起こります。営業マンがいて電話で注目する場合にはタイムラグがあり手数料は高いのですが、ミスをチェックしてくれたり、問題がある企業である場合には情報をくれたり、名義書換などについてのアドバイスもしますが、ネットでは何も教えてくれません。この点では、自分の注意が必要となりますので、くれぐれも注文の際は、慌てず、よく確認をすることです。ネット証券を決めた上で運用をする段階になり、今度は、短期投資をする上では日柄、値幅でルールを決めて、そのときの相場の良し悪しでカット幅、利食い幅の概略を決めていきます。買うときに決めておき、相場ごとにチャートや情報で判断しないようにします。

 そして、短期売買では、最初から利益が出るとは考えず、基本的に損切りしない訓練をしてみるのです。200円で買ったら204円では売る、損はないのですが、意味もない。と思うかも知れませんが、そのような売り買いを何度かしてみて、損しない訓練をしてみるのです。どの程度で売れば損しないか2日、3日決済でやるのです。そこにも損しない動きの株を選択する必要があり、値動きの中で判断しなければならないため、よい訓練になるのです。夜しか運用できない方は、朝早くでも夜遅くでも、注文を入れておき、翌日には売り指値をして損を回避する運用を何度も何度も訓練するのです。当然、100株単位でよく100株ない場合には1000株で練習します。2日の変化であれば、まず大損はなく、手数料損だけで済む、もしくはうまく行くようになると損なしで済むようになります。いくらまで上げれば損がない、この感触をしっかり掴むこと重要です。

 スイングトレーダーの場合、基本は2日か3日、そして長くても1週間では決済します。これをやると損は大きくなく、儲けられるときにはしっかり儲けられますので、基本的にはスイングトレーダーになること。その上で、かなり上げていくタイプの株は、買い値から上回っている場合だけ例外的に1週間以上保有してもよい、それは取り組み株、内容のよい株という自分なりの条件をつけますが、かならず1週間経過で買い値から上回っていることが条件になります。後は、普通には必ず1週間の以内で決済して、損を出さない投資を展開すること。これが基本的に個人ディラーが儲かる道となります。損切り出来ない個人は儲かりませんので、このことの訓練をひたすら繰り返し、まずはシュミレーション、そしてそれに慣れたら実際に100株単位の訓練、さらにそれで着実に利益が出るようになったら、1000株にして、さらに全体相場が確率が高くなったら、資金を増やす運用をする。それが手順となります。

 とにかく例外を絶対につくらないこと。ドン臭い動きしないこと。グズグズ持たないこと。駄目と思ったら大きく下げる前にスパッと売ること。その上でどんな株も3日以内に決済することを目的にして、さらに上げる場合だけ1週間までは保有してもよいが、それでも普通は1週間内で利食いすること。1週間以上持つ場合には翌週にもよほど強い見込みがある場合であり、上がるか下がるかよく分らない、と思える状況では持たないこと。また、下げそうだ、迷うそうだ、どうなるか分らない、これすべて売ること。人に相談したくなるようなときにもすべて売ること。悩み顔になるような持ち方は絶対にしないこと。すべて顔は平常心溢れるような冷静なうちに売り。悩み顔、こまり顔になるような保有はしないこと。顔はいつでも平静か、やや笑顔にするようにして、悩んだら悩みが生じたときに即刻売ること。
◆12/1(金)

第270回 

出席者 タカダ:ディーラー、ババ:アナリスト、トシ:業界誌記者、ハコ:歩合外務員


モトハル:こんにちは、週末本音フリートークを始めます。相場の潮目に変化が現れて来た象徴と考えたいのですが、昨日11月30日の寄り付き前の外国証券の注文状況では久しぶりに2000万株を超える大幅な買い越しとなっています。2000万株を超える買い越しは10月25日以来のことで、11月は外国人が売りに転じていただけにここで12月に向けて彼らの日本株買いの復活の兆候が出てきたとの期待が強まっています。相場を下支えしたのが日米両国の経済指標で日本は10月の鉱工業生産指数、米国は7―9月期の実質国内総生産(GDP)改定値でそれぞれ事前予想を上回り、両国の経済が引き続き強い基調であるとの見方を示した格好となっています。尤も両国とも金融政策に対する懸念が潜在的に存在するのですが、それ以上に景気の持続的な好調を材料視する動きとなったようです。日経平均も下値が微妙なレベルまで調整しただけに、ここで踏ん張り反発したことで、年末高に向けた動きが徐々に高まることになりそうです。今週も来週から本格化する師走相場で活躍しそうな銘柄をご紹介ください。

トシ:株価は下げたけど、これからの押し目では、ユニクロの9983 ファーストリテイリングは狙えそうだね。まだまだ調整という見方もあるし、格付けなどで評価されてないから、すぐには上がらないけど、今後外国人も期待したい株の1本になると思うね。なぜ、妙味があるのか、それは当たると大きなスケールの事業を展開しているところだね。スケールが大きく、米国についての今後の期待。さらに国内では100店以上、大店舗展開。建設はハウスと提携。

ハコ:押し目狙いは、なんと言っても7203 トヨタ自動車で、何を買うよりもトヨタと評価の声があるね。投資信託ではトップに組み入れるところがあり、50兆円も売れた投信だから、当然のようにトヨタは今後とも下値になると買われる可能性があり、世界マネーも世界のトヨタを買ってくる可能性あるので、長期でやりたい資金はトヨタだね。キヤノンもフイルムもいいけど、トヨタがいい。そして押し目では6752 松下電器産業や、6758 ソニーも世界でのブランド力は強いので妙味があるね。

トシ:新興市場株が戻した。戻るときには一斉に戻る。新興株の中では、売買が出来て、かつ、実力ある株が今後狙い、リスク覚悟ならば5本から10本をセットて、個人が作るファンドのような感触で狙うと良いのだけど、資金ない人はホールドは厳しく、今年はボロ負けした新興株だから、ここは、上げているところだけを利用して、コツコツ稼ぐことだね。8885 NJ ラ・アトレなどの押し目は妙味あるし、3770 ザッパラス、3037 スタイライフ、2489 アドウェイズなども妙味がある。

ハコ:地味で、なかなか上がらないこと覚悟では2702 マクドナルドはこの株は今後ジリジリ上げていくこと期待される。サラリーローンもだんだん株券が日本人から外国人に移っているという話もあるので、そろそろ妙味あるみたい。押し目では、2811 カゴメ、4666 パーク24、5714 同和鉱業(DOWA)、5711 三菱マテリアルなども妙味がある。4518 富山化学は人気になって、今は利食いされているけど、材料としては、次に鳥インフルエンザが騒がれるようになると、再び株価浮上、ただし、富山化学はいつも3日天井で、商いが上げているときに売り買いして、3日も商い拡大では空売りしておくと、短期的には儲けられる、そんな動きが起こった。材料としての妙味が強いから、再度狙われる可能性あるけど、あくまでも買われたときだけ短期で狙うことだね。ホールドは危険。

モトハル:日経平均も下値、9月の安値である15513円から心理的な15500円をも割り込もうかなと言う微妙な雲行きでしたが、どうやら師走相場に入り回復の動きに転じて来そうです。11月の相場がヘッジファンドなどの先物への仕掛け的な思惑的な売買に振り回された感が強いですから、12月今年最後の相場は多くの投資家の方が何とか挽回を図りたいと考えていることでしょう。株式相場の下支え要因というか、これまでの懸念材料として捉えられていた日米の景気の先行きに対して、各種の経済指標などからその懸念が後退している事が相場を押し上げる原動力となっています。特に米国市場では景気の減速懸念が強まっていましたから、先日のバーナンキFRB議長が講演で米国の景気に対して楽観的な見方をしたことなどから市場は景気の見通しに対して明るくなってきたようです。日本国内でも同様で先日出た鉱工業生産指数を切っ掛けにして相場が押し上げられたように、先行きに対する明るさが出た事を評価したようです。これ以外にも外部からも日米の経済に対する比較的明るい見通しが紹介されています。朝のコンテンツでも書いた内容ですが、経済協力開発機構(OECD)が日本の経済見通しを出しています。それによりますと、日本経済の2007年、2008年と2%の実質経済成長率を保ち息の長い成長を持続すると予測しています。金融政策について「デフレのリスクが無視できるまで日銀は追加利上げをすべきでない」と明記しています。OECDは日本経済を企業の設備投資と個人消費を軸に底堅い成長を続けていると分析。実質成長率は2006年の2.8%から2007、2008年には2%にやや減速するものの景気拡大は続くと見通しています。12月に入り、需給も改善されそうですし、年末に向けた先高感が強くなりそうですが、外国人も日本市場に資金を振り向けそうな動きとなっています。ゴールドマン・サックス証券など米系の大手証券各社が日本で自己資金を活用した企業向けの投資を積極化すると言う報道がされていましたが、特に米系証券はこれまで日本で主にM&Aへの助言や資金調達の仲介などを手掛けてきていますが、今後、自己資金を使った投資を推し進めるようになれば、主要株主として企業の不採算部門の売却を含めたM&Aを後押しするなど、さらなる業界再編を促すことにもなりそうです。日本ではなかなか根付き難いと見られたM&Aも徐々に米国市場の資金が流入することにより一般的になってきそうです。野村証券が割安感があり、中期的な利益成長が続くと見られる中小型株を紹介しています。4471 三洋化成工業、5816 オーナンバ、6140 旭ダイヤモンド工業、6756 日立国際電気、8154 加賀電子、9086 日立物流、9830 トラスコ中山、9990 東京デリカ。その他情報がございましたら宜しくお願いします。

タカダ:先週末までの相場の風景には違和感を感じていた人も多かったと思います。国内の景気は「いざなぎ景気超え」が宣言されたように戦後最長の「景気拡大期」を更新しており、一方の企業業績は4期連続で「史上最高益」を達成する見通しにあるわけですから、そんな中で「株安、株安」というのも理由は様々あるとはいえ違和感を感じないとすればよほどの不感症でしょう(笑)。そんな違和感をもたらしていた原因としては欧米のヘッジファンドを中心とする外国人が日銀による「年内の利上げ示唆」や「証券税制の税率引き上げ論争」、あるいは「円高進行」を手掛かりにして「欧米株買い」「日本株売り」をやっていたからです。つまり、外国人が売っていたことが下げの原因だったわけですが、そんな外国人も安くなった日本株をどうするかと言ったら、やっぱり買うんですよね。今週の終盤にかけての外国人買いの「復活」が何よりの証拠です。というよりも汚いですよね。後から考えると分かります。外国人が弱気を口にする時は安く買いたいからなんですよ。本当にズルイんです(笑)。自分達のアナウンスメント効果をよく知っているので強気を口にしながら日本株を手仕舞い、弱気を口にしながら仕込むもの。ですから、これからも外国人は弱気を言っているからと安易に一緒になって弱気すべきでもありませんし、反対に外国人が強気を言っているからといって簡単に強気をすべきでもないと思います。外国人は言うこともやることも一筋縄ではないと考えた方がいいですね。業績変化が注目されている5812日立線、これは何だかクサイですよ。外国人が「ホールド」とか「中立」とか口にしながらコツコツと買ってはレーティングを引き上げて高く売る、な〜んてことをやりかねないような気がします。

ババ:週明けのNYダウの暴落には正直「ショック」を受けた人も多いだろう。ウォルマートが「好調な滑り出し」とされたクリスマス商戦入りの相場をぶち壊してくれたわけだが、それまで相場が高かったことにによる過剰な反応だったことはその後のNY相場が落ち着きを取りもどしたことからも分かるだろう。ウォルマートがぶち壊したと言っても反応した数字は11月の既存店売上高が前年同月比0.1%減という程度の数字だ。1%なら過剰な反応でもないのかもしれないが、たかだか0.1%減のことであり、これで米国のクリスマス商戦が不調で米国の個人消費が衰えを見せ始め景気後退が始まっていくなどと考えるのは飛躍した悲観過ぎる考えだろう。それが実際にGDPが速報値よりも改定値が上まわって株価が一段高となったことにも表れていたはずだ。米国経済に対しては今後も弱気に傾いたり強気に傾いたりと揺れ動くと思うが、基本的には弱気すべきではないな。日米共に経済は好調を持続し、株価も日米共に上昇トレンドが続く可能性が高いと予想する。業績変化と言えば不動産ファンドの8942シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ、SIAだが、ここの動きは「修正高」であり、来週も継続すると予想する。

タカダ:モルガン・スタンレーの930円目標が全く無視されているかのような動きをしていた7261マツダ。しかし、地合いが落ち着いたのであれば時価近辺、できれば800円割れは積極的に拾っていくべきだと思います。専門家に言わせると高い走行性能に特長とした中・小型車に経営資源を集中する戦略を進めているマツダはトヨタに真正面から戦いを挑むことを避けていることで、日産やホンダよりもトヨタの「返り討ち」を受けずに済んでいるという強みがあると言います。収益拡大基調に加えて有利子負債削減といったファンダメンタルズの改善も進んでいる点を外資系大手も評価しているのだと思います。ここからは下がれば買いがすかさず入ってくる株価の下方硬直性にも注目していきたいと思います。あと、9月中間はそれほどサプライズはなかった4331T&Gですが、5年、10年といったロングスパンで考えても高成長は維持できるなどとしてゴールドマンが強気をしていることに注目したいと思います。売り込みづらい底堅い動きが予想されます。

ババ:11月相場の悪役だった内需が今週は善玉・ヒーローになりつつあるわけだが、意外高が予想されるのが8840大京だ。一見すると「再建関連」ということで普通の投資対象からは削除されがちだが、それは実際に再建途上であった時であって現在は純粋な投資対象として見直す段階に移ってきていると思う。同社の魅力はズバリ業績の好調さとファンダメンタルズの改善だろう。あしもとでは景気回復や利上げ観測などを背景にマンション分譲業界は堅調だが明らかに都心部は供給過剰になりつあり、決して楽観はできない。しかし、同社は高いブランド力や2005年まで28年間連続して供給戸数で業界トップという実績によって消費者からの信頼度も厚く、事業基盤は非常に安定している。懸念だった財務内容に関しても2005年3月にはオリックスが筆頭株主になるなど金融機関からの全面的なバックアップを受けて2005年4月には産業再生機構の保有債権を全額返済、さらにグループ企業のリストラも進めている。2007年3月期見通しも連結経常利益は前期比14%増の320億円となる見通しだが、これは2004年9月に策定した事業再生計画の収益目標を大幅に上回る水準であり、業績とファンダメンタルズの両面から評価できる銘柄と言えそうだ。

モトハル:今年も残すところ1ヶ月となりました。株式相場も一時はどうなるかと懸念されましたが、何とか復活の兆しが出てきています。来年に掛けての相場の先高感を強く感じるようになってきましので、今後高いパフォーマンスが期待されそうです。尤も、全体相場が昨年のように右肩上がりで上げ続けるという動きでもないようですから、その点では銘柄選別をしっかりする必要がありそうです。今週末から関東地方では寒くなるとの天気予報ですから、温度の変化には十分にお気をつけてください。それでは今週はこの辺りでお終いです。来週までごきげんよう。
儲かる投資家になる基本


【目標が売り場判断を狂わせる】

 一般の方の殆どは儲けていません。儲けてない人には共通する要素が幾つかあります。その上で株式というものの概念をあまりにも知らないため、結果的には損して、そのまま持ち続けて、さらに損をすることを繰り返しています。特に20歳を過ぎて株式をやる人が殆どのため、柔軟性がなくこり固まった概念で株式運用をとらえるため、どうしても損するルールの中で、一般常識的な運用しか出来ません。またそれを教えるテキストもなく、市中にあるものは間違った基本的なことを書いた本ばかりがあふれています。大切なのは、株式というものは曖昧であり、いい加減なものであり、予想は当らず、その上で銘柄は証券会社はプロ筋の思惑だけで動いていて、プロが利用すれば短期で終わる株が殆どであるという現実について触れられた本音などどこにもないのです。このため、当たり前のまま相場をはっていると必ず真面目さゆえに逃れられない損にはまってしまうということになります。

 結果が大切であり、プロセスはどうでもよい、と考えられればまだ良いのですが、一般の方はプロセス、結果よりも、株式の儲からない概念が浸透しており、特に『持っていれば儲かる』という株式神話が離れないのです。持っていれば損はない、持ち続けることに価値があるような風潮。実は、これは単純に売り場が分らない、損して売りたくない、という本音を隠すものだけであり、わずかな資金を効率的に増やすための実践まで行くまでに殆どの投資家がシコリ株にはまり動きがとれなくなるのが現実です。その上で、株式は業績、材料よりも短期的にはテーマ性のある株を証券会社や機関投資家の思惑、さらに増資などによる企業の思惑、意図的な背景があり短期的に動くことが多いため、一般的な運用ではいくら待っても利益が上がらない。さらに近年は持っていれば持っているほど損するという悪循環が起っていたため、どのみち投資家は損するということになっていたわけです。

 まず目標を設定すると、その目標まで行かないと売らない人が多くいます。目標という概念は一見正しいようですが、実際には目標どおりに行くことの方が少ない株式の現実を前にすると、目標を立てるということは、目標に到達しないことも考えられる上達者のみが立てるものであり、実際には一般の方は目標を意識するあまりに売り場を逃したり、また損切りを逃したりすることが多い現実があります。このため、当初の数年は目標をおかずに投資せずに、どこまで上がるか勢いをみた投資が短期投資ではよいと思われます。とにかく目標そのもので投資が狂う場合があるからです。現実にディラーは目標など立てません。その場で上がった勢いをみて人気があるうちに売るわけですから目標意識などありません。上がったところ、止まったところ、商いのピークを狙って売ります。このような考え方は、一般の人にも有効であり、むしろ短期的な銘柄の場合には目標を作らず上げの勢いをみていく、商い推移をみて判断して、上げたらそこで上げが続くかどうかの判断をした方がよい場合が多いのです。

 目標を作ることの弊害はいろいろなところにあります。まずは目標そのものが正しいかどうか問題なのに、高い目標をつけてないか、または目標そのものにあまりにも忠実になれば売り場は一生こないこともあります。この点では、ベテランでも目標を作る場合には現実的な確率の高い目標を立てるわけです。そして目標設定そのものもその銘柄の材料や業績、今回の相場の力をみた目標を立てるということになります。この設定が狂っていたり、むやみに大きい場合には目標を立てることはけっしてプラス行為にはなりません。むしろ、目標を立てない方がよいということになります。株式は上がることばかりではなく、失敗して上がらないことも多く発生します。そのときには、今度は目標というものは失敗して下げたときのロスカットという株価についても考えなければならないことが多く、この点では上げても下げても自分なりの利食い、カット株価についてはだいたいの内容を決めておく必要性があり、それは目標を立てる以上に必要なことになります。


【株価、日柄、出来高】

 株において嘘のないデーターがいくつかあります。未来の予測そのものは殆ど正確ではなく、予測は狂うことが正常であり、まず予想どおりに動くことは少ないのが現実です。そのため、現実をうつすチャートや、データー、過去のテクニカル面では嘘はありません。また、株価、手口、出来高も現実です。ところが、これから買いが入るだろう、これからチャート上では上がる可能性がある、この材料ならばさらに上がる、という内容はこれはすべて予想であり、現実ではありません。いわば『そうなるといいなぁ』ということです。ところが現実的にはそうならないことも多くあります。したがって、株式は予想や夢ばかり追うのではなく現実的な投資をいかにするか、それが儲けられる人と儲けられない人の差を生むことになります。確率が高いと思えばときとして空売りもやる、それが現実的ですし、儲かる可能性が低いときにはやらない。それも現実的です。予想があまり当らないというとき、それも手を出すことを控える、いかにも現実的です。

 株価、日柄、そして判断する上で手口、出来高、この4点は重要です。嘘がないからです。ところが、その他の要素は推測や嘘がからみます。株は出来高が膨らみ、そして株価が上がり、そして商いが出来て高くなり、そして利食いが入っているときには商いがあるものの利食いが終わると急速に商いは減少します。玉集めの場合には再度浮上しますが、その場の人気株の場合にはもう相場は上がりません。商いのピークと同時に株価が天井をうつ場合が多いです。それゆえに、狙った株がどのようなタイプであり、どのような動きをして現実的に上げているときが売り場であるため、自分がどの段階で買い、どの段階で利食い売りをするのか、それを冷静に考える必要があります。それも現実をよく観察した上で決めなければならず、けっして、人に利用されて抜け殻となった株を持ち続けることはしてはならないわけです。それも、株価で判断するようにすればよいのです。

 利食いが一巡して、振るいがあり、それから本格的に上げる株もあります。これはこれで仕方ないことであり、例外的な上げに拘って運用を決めてしまうと、確率的にはダウンするため、やはり基本的にどう運用すればよいか方法を決めておく必要があります。トレンドフォローで買い、その中で売っていくこと。これが基本であり、上げるという見込みのある中で売り、下げてから戻るという場面では持たないこと。つまりトレンドが下降に入っているのに戻りの可能性を狙って買わないこと。これも基本となります。チャートでいえば右肩上がりです。そして基本的に上げ続ける狙いがあるうちに売っておき、再度上げるならば再度買うというような考え方がよいのです。間違っても、大きく下げて、再び戻るという狙いはダメです。あくまでも純張りが基本であり、逆張り、ナンピン買いはしない、これが短期投資で儲けるために必要なことになります。

 株式教室で教える理論は、いわば『あいうえお』であり、基本ではあるものの、そのまま運用すれば必ず損するようになります。それは基本は今の相場に合ってないからです。とにかく証券界は一般の方から手数料をとるために、もしくは、資本市場として資金を集めるための手段として活用するだけに使われている面があり、個人は無視されているケースが多くあります。このため、真面目に一所懸命にやっても儲けられないという人が出るのも当然です。基本的にはプロのためのプロ相場であるからです。一般の方が長期運用で儲けるという株式の当たり前の姿を展開できることは今の市場ではありません。5年、10年先を捕らえる投信が一番売れるのが安値ではなく株式が一番高いとき、セット販売で買わされています。儲かると売りにくい募集物と一緒に公募株などを買わされています。その上で投信は9割以上が1年後に解約です。そんな世界でまともな運用が出来るわけがなく、とにかく他人は頼りにしないで自分の世界の中でしっかりと運用する必要があります。プロがプロの事情でやっている、それが株式市場であり、けっして一般の方を儲けさせるために動いているものではありません。
儲かる投資家になる基本


【実態経済からみれば今年前半は甘くない】

 5年以上も前に、銀行の殆どが名前が変わり、横文字になる銀行もあるだろう、と言っていた証券会社の経営者がいました。また、証券会社の3分の1は必要なくなり自然淘汰から証券会社も統合を繰り返して必要のあるところしか残らない時代がくる、ということもいわれてました。その当時はまるきり夢のような話でしたが、5年経過してみると実際には殆どのシティー銀行は名前を変えました。また証券会社も統合が急激に進んでいます。地場と言われる証券は殆ど形を変えています。まず金融世界の中の大変動が起っており、むかしのようにひとつの会社で一生つとめて終えるという人生がなかなか作りにくくなりました。証券でもアナリストは短期間で証券を変わるのが当たり前となり、さらに証券マンはかなり厳しくなり成績の上がらないものは食えない状況になってきました。

 時代が激しく変化しているわりには経済はちっともよくなりません。14年前から日本の景気、経済は少しもよくならずバブル崩壊から土地と株価がどんどん下げていく中で実態経済は年々悪くなっている気がします。その上でここ近年はついにデフレ経済となりました。現職の政治家はデフレを知りません。その上で今後の経済のために現状は我慢すること、構造改革のために痛みをしることとしてついに日本丸は部分的な崩壊を迎えているものです。つまり生き残るものと、破綻して消滅するものを放置すれば、おのずと国は活性化するというかなり苦渋の方向を選択したものです。これは間違っているようですが、実は正しい方向だと思います。あまりにも経済が崩壊しすぎて再生が効かないという動きを警戒しながらも、今の政府の方向性は正しく、延命効果と先延ばしの借金ばかりしていた10年以上の政府の動きとは違うものになっており、経済はあと2年3年は低迷する危険性もありますが、改革が進めば進むほど、つまり破綻企業が増えていく危険性とともに、日本丸の復活の日も接近するということになります。

 したがって、ここからは日本株はある一定線までの下げで下値をキープして、構造改革を進めていき、そして先行きが見えると同時に株高に向けた動きが段々に出てくるという期待ですが、これは極めて流動的であるため、昨年もその前の年も同じだったように、マーケットで儲けを狙うならば短期投資に徹してその場のテーマ株をうまく利用して極めて短期の動きで取るしかないと思います。ペイオフを期待しても、今年は大きく資金が流入しません。期待は来年からです。このため、今年はダウでは大きく変化しないまでも、大きな下げについてはガードする動きが国際的にあるため、小動きの中で期待度の強い株をその都度利食いしていくという方針になります。ダウ全体が上げるためにはNY高という条件が必要となりますので、この点ではNYが高くなるとハイテク株が途端に上がるという仕組みとなるでしょう。

 材料株では将来が見えてくる株。業績変化の期待が強い株が狙われることになり、当面は見送り状況となり、特に3月決算通過までは持ち合い解消売り懸念強いため、なかなかまともには買えず、どうしても手垢がついてない銘柄を狙うことになります。さらに業績が確実によくなり持ち合い解消売り圧力が少ない株を狙うことになります。かなり条件が厳しい中での選別物色になってくる予想です。特に確率面ではみんな上がるという甘い考えではなく個別株の手口、材料、さらに業績変化などをよく考察した上で銘柄を絞り込む必要がある年となるでしょう。潰れないといわれた企業が簡単に消滅してしまう時代では大手といっても関係なく、優良と言われる株でも関係なく潰れることがあります。それゆえに銘柄を信じ込むのはリスクがあり、あくまでも株価面で割切った展開にしなければなりません。上がる株は偉く、下がる株はダメなのです。


【勝ち抜くためには平凡な考えではダメ】

 人と同じことをやって儲けていこうと考えても、なかなか利益を勝ちとることが出来ない環境となっています。普通にやっていれば、まずシコリをつくり結果として大損を作る相場であるからです。持ち続けることが大きなリスクを抱えてしまい、短期運用ではテクニックがないとなかなか利益をとることが出来ないプロ相場です。一般の人が普通に相場を張って、安穏として儲けられる時代ではないということです。人より早く動き、そして人が買ってくるときには利食いに回るような展開をしなければやられてしまいます。その上で短期株の賞味期間はせいぜい1週間から2週間が限度であり、それを通過すると9割以上の株が人気離散で下げていきます。それはプロ資金の利食いとともに下げることを意味します。したがって、鮮度のよい商品を扱う生鮮市場に勤める人の神経でなければ儲けることは出来ません。

 たとえばスーパーであれば、余った商品をそのまま捨ててしまうか、それとも安くても売り叩いてしまうか、それは戦略にもよりますが、少なくとも短期株式を運用する上では、放置したまま腐らせてどうにも売れないということだけは回避しなければならず、それをどう捌くかによって戦果が大きく変わってきます。つまり銘柄の善し悪を考えている間に相場は終わって次にいっているという展開です。ここではテクニックだけの世界であり、ディラー感触が理解できないで短期運用は出来ません。その点では動く株を動いているうちに料理するという活魚をあつかうような神経も必要となり、人気離散、株価下げの株をそのまま放置して持ち続けるような、魚屋でいえば腐りかけの魚をそのまま店に並べておくことだけは禁物です。鮮度のあるものは鮮度のあるうちが勝負ということになります。

 たとえば市場に出入りするものが、市場のスピードを理解しないで動いたら、足手まといになり迷惑をかけるように、短期株の動きを理解できないで運用できない人が市場でウリカイをしてゆっくり運用しようとしても、市場の速度に合わないため儲かるわけがありません。やはり、基本的には訓練が必要であり、そのためには出来るだけ株数を少なくして運用するか、実際に運用しないでシミュレーションをして訓練した上で実際に儲けることが出来るようになったとき、初めて少数から運用してみることです。投資家の殆どは不勉強であり、より安易に儲けようとして接近。研究は大嫌い、簡単に儲けたい、という人ばかりなのです。その上で実際に儲けるにはテクニックが殆どであることを知らずに、当り外れできまると思って安易な運用をしますが、損したときの対処の仕方がトータルの儲けを決めるということなど一生かかっても分らない人が多いのです。年数をやった人でも頭では分っていても実践が出来ない人が殆どです。

 今年の株式は昨年以上に波乱だと思います。ただし、昨年より、質が絞られて、波乱ということが目に見えているだけにやりやすい。それは買うものがきまってくるからです。おのずと上げてくる株は選別されて、波乱の中で業績変化が高い株が買われるという流れが見えてきます。さらに物色銘柄が絞られて、市場参加者がプロが殆どであるため、内容のよい株が徹底して買われる可能性があります。その上で投機的な株が生まれた場合にはプロによるプロのための相場となる可能性が強いため、魅力のある展開の株が出てくると見ています。とにかく、余計な株を買って、失敗してそのまま持ち続けるとどうなるか、それを想定した上で損を拡大させないことが最も重要であり、メリハリのある短期的な相場に徹する必要があります。やはり1週間以上持たないとか、さらに2週間以上は絶対に保有しないなど、自己の厳しいルール作りが必要です。上げた株はそのまま放置してもよい場合もありますが、下げた株は例外なくカットすることは最低条件です。来週は上げてきた株がさらに上げるというところの見分け方を説明します。釣った前の魚か、釣られた後の魚なのか、よく見極めたうえで可能性を探る方法などについて触れます。
儲かる投資家になる基本


(2002年1月時点のコメントとなります)
【日本の経済をよく考えてみると】

 日本は不況といっても他のアジア諸国援助、さらにアフガニスタン復旧援助においても世界一の援助資金を提供する国です。その上、個人資産は1300兆円にも達する豊かな国であります。世界の中には日本の10万円で10年以上暮らせる国もあり、今でもアジアの開発途上国では500万円あれば余裕をもって一生暮らせる国もあるのです。それなのに、多少の不況が起こると日本ではパニックとはいわないまでも経済大国のプライドからか大問題のような報道がありますが、実際には日本は世界の中でもそれほど困った国ではなく裕福な国であることを自覚する必要があります。その上でこんな豊かな国なのに株式投資をやっている人は全体には6%しかおらず、投資というものに対して本当に理解して運用できる人が殆どいない国ともいわれています。

 ペイオフは先進諸国ではすべて実施されています。自己責任も当たり前であり、銀行が潰れて預金が飛ぶことも先進国では当然です。日本は自由資本のように見えても、いままでは半社会主義的な国家が自由諸国を規制で支えるという不思議な国でした。ところがこれからようやく米国並の経済に接近することになり、ペイオフによりようやく本格的な投資の時代になるという人もいます。ただし14年もバブルの経済の不良債権で苦しみ、いまだにその負の財産に悲鳴をあげている国ですが、ここで覚悟をきめた構造改革からようやくあと2年から3年で景気好転の動きが見えるようです。ただし、それは戦後の高度経済やバブル時期の経済とは違い、まったく違った繁栄の中でいままでの動きではなく、実際にはそれほど長くは続かないせいぜい7年から10年の先進分野だけの成長にとどまるという経済であり、金が増えるというならばペーパーだけの繁栄に終わるかも知れない構造がそこには来ると予想されます。

 実態では中国、他のアジアはすでに日本の優位性よりもさらに上の労働力と経済基盤を保有します。つまり戦後の加工国としての日本の役割は今も今後も日本にはなく、日本は徹底してアジアと世界に向けて技術力をもって製品を提供するという技術王国になるということです。つまり日本の売り物は知恵しかなくなり、それをポイントに他の諸国といかに連携をとっていくか、という経済構造になっていくはずです。そして経済の繁栄についてはやはり消費の復活こそが一番であり、消費の復活における産業革命的な流れの中で次世代の家電革命やデジタル革命、さらに通信革命など多くの人がその変化に対応しなければ生きていけない時代に突入することは間違いなく、その変化の中で利益を生む企業こそがこれからの成長性のある企業となります。株式は構造の変化からいざ上げに入るとダウの2万円どりは早く起こると見ています。早ければ3年後、2004年の後半にダウは浮上する予想です。それは景気好転の動きが見えて構造改革が進んでくるポイントであるからです。


【徹底して知恵をしぼり利用することに】

 ダウが本格的に上がるのは今年ではありません。むしろ来年の後半から上げがスタートして、そしてダウ2万円という流れが3年後に起こる。それではダウが上がらないのだから儲かる株は出ないのでは、と考えるでしょうが、実はそうではありません。ダウはハイテク株指数のためなかなか上がらない株は多くありますが、日本の先行きの変化に対応する銘柄は上げ続けるものも出ますし、また今年は個別株は狙える年となると思います。それはダウの下値に対する不安が払拭されてくれば来春の決算が下方でない限り今年の後半はダウは上がらないまでも個別的には買い場があると予想されるからです。ただし、長期の株を買うということはなかなかよほど銘柄がよくない限り、かなり時間が必要であり資金がなければ持ち切れるものではありません。ただし定期預金するよりも何倍も効果がある株はこれからも多く出てくると思われます。その点の狙いは実力が本当にある株しか狙えません。

 短期においては、やはり株式の概念をよく知った上で利用するということです。それは買いでも空売りでもかまいません。とにかく利用して利益を上げればよいことです。実際にはプロはみんなそうしているのです。市場に参加しているプロの8割以上は短期です。反面、参加している一般の8割から9割は短期で儲けようとして損切り出来ないでそのまま保有するという方であり儲けてません。またそのような知恵を与える人もいませんのでまず疑いなく技量なく単純に相場を張ってそのまま持続すればよいと思って、結果として数ヶ月すると追証になり仕方なく大損している人が殆どなのです。そのような善良な投資家に支えられているのですが、その仕組みそのものの構造改革などやってくれる人はいません。なぜならばプロは一般のそのような動きに支えられているからです。また企業もそのような投資家があるからうまく株式市場から資金調達が可能になるわけです。これから日本株は間違いなく復活します。土地は復活しませんが、株式は間違いなく上がるでしょう。そのような株式をどうやって利用するかによって将来の金持ちが決まってきます。

 全員を億万長者には出来ませんが、考え方が分かる人はこれから億万長者になれる相場が始まると見てよいでしょう。それは宝くじを当てて一気に億を作るような安易なものではありません。こつこつと利益を出し、そして損する株は出来るだけダメージがすくないうちにカットしていくことの積み重ねだけで資産はいくらでも増えていきます。現実に儲けているディラーもプロも個人のテクニックがある人もそうやって資金を作っています。プロとアマの違い、それはゴルフでは1ゲームではアマが勝つことはあっても、3日、4日の試合でアマが勝つことは絶対にない、ということです。これはどんな世界でも同様ですが、株式の世界ではプロは一般から手数料をとるだけのプロは多く、運用においては本物のプロは一部のディラーだけであり実際にはレベルとしてはプロもアマも変わらない場合があります。これゆえに、アマでも儲けることは十分に出来るのですが、なぜ資産がふてえるのかそれはコンスタントにどのような相場でも環境でもコツコツと儲けを重ねて、その上で必要条件である損を極力少なくカットし続けることです。その上で5勝5敗でも結果としてトータルではプラスが出せる運用をすることです。このことが理解できそして実践できれば一生が安泰です。株式人生は楽しいことの繰り返しです。また悩みが生じたときには即刻売りでよいのですから悩みが蓄積するわけがないのです。このことが守れるかどうかそれが大切です。

 上がる株がさらに上げるということ、それはよほどの材料性がないと上げ切れない面があります。第一に環境、次にその株の材料性、そして基本的なものである材料がどの程度将来の業績に寄与するか具体性です。これが2年先、3年先、さらに数年前のネットバブル相場のように10年先までも買ってしまうということもあります。その点の見極めをしっかりしなければなりません。その点では今の相場のパワーでどの程度上がるのか、特に市場参加者が多ければ多いほど大相場となり、そして材料性が夢のあるものであればあるほど化けるということになりますが、基本的には今の相場では実態しては内容がよい株がレシオどおりに買われている相場ではなく、下げトレンドのため、やはり実態は低く、材料が出た株もその場で上げが終わっているという現状にあり、どれだけプロ資金がその株で飯が食えるのかというポイントをおさえる必要があります。そのため、取り組み面での厚みや材料が展開力があり奥深いものであったり、さらに何段階も出てくるものであれば魅力のあるものになります。森下仁丹のシームレスカプセルの材料でここで500円高しました。この具体性のある材料、たとえば大手製薬会社との提携など生まれるとさらに業績寄与率が大きくなるため変われるのですが、そこまでの見込みというものがあるかどうかそれを探ることなども重要なことになります。儲け株を探すのはプロでもコツがあり、それがうまい人はどこにいっても重宝がられて食いぱぐれがないのです。
◆12/22(金)

第273回 

出席者 タカダ:ディーラー、ババ:アナリスト、トシ:業界誌記者、ハコ:歩合外務員、


モトハル:こんにちは、週末本音フリートークを始めます。日経平均が17000円の大台に乗せました。投資家の殆どが強気に傾き掛けていますから、警戒心も必要なのでしょうが、それ以上に年末から2007年の相場に期待を掛ける向きが多く、先高感を感じる師走となっています。海外で言えばクリスマスラリーと言うことになるのでしょうが、相場を押し上げている最大の要因は米国株の堅調と言うことになるでしょうか。尤も日銀による利上げが見送られたことが目先の材料となりましたが、政策金利が引き上げられなかったことから、市場金利も低位安定する方向にあるようで、株式相場にとってはこれが需給面で相場を押し上げる最大の要因となりそうです。昨年来米国市場がそうであったように、日本でも株式相場は金利に敏感な動きに今後なりそうです。いずれにしましても2007年に掛けての先高感が強い地合いなだけに、今年残された1週間も期待が出来そうな動きとなりそうです。今週も年末から年始に掛けて活躍しそうな銘柄を中心にご紹介ください。

ハコ:日経平均が今週1万7000円、満足な年末となったけど、来年はさらに上がるという見方があるね、7203 トヨタ自動車が5000円台から7000円台となり、2000円高。それは、よく上がった。来年は、6752 松下電器、6753 シャープ、7751 キヤノンなども妙味あるね。

トシ:新興株が復活、2126 GCAと、2497 ネットエイジGが2大スター株となり、一気に上げたけど、ここからいろいろと人気株増えそうだね。3812 ゲームオン、2121 ミクシィ、2127 M&A、3230 スター・マイカ、8992 日本レップ、2120 ネクストなども候補株だね。これからも買いが続く可能性がある。リスクはあるけど割り切った狙い。

ハコ:4755 楽天はTBS株放出すれば、株価は上がる、そんな見方があるね。8回交渉延期されて、まったく相手にされない。TBSは最初から楽天を相手にしてない様子。その間に、楽天はこれでもか、これでもか、と不幸が襲った。早く。TBS株放出すれば、何かと明るくなると思うほどね。新興株では、3064 MonotaRO、2432 DeNA、6726 オーエイチティー、2389 オプトなど面白いと思うね。

トシ:まともなところでは、時間かかりそうだけど7013 石川島播磨は、うまく動くと2〜3カ月で80円高でも狙えるような感触だね。航空機エンジンのトップ。船舶用も拡大。業績好調、株価は割安だよ。4004 昭和電工、6951 日本電子、4617 中国塗料、6479 ミネベア、5479 日金工、8002 丸紅などの株も業績の裏づけがしっかりしているから、今後とも注目だね。

ハコ:2712 スターバックスは、短期で7000円も上げても下げない。仕込み強い。集めているような動きという指摘もあるね。値上げ効果、売り上げは絶好調、今後拡大の方向。穴株は8074 ユアサ商事これは業績も好転予想、株価はじっくり上がりそう。8002 丸紅はたしかに面白い、ダイエー関連でもあるけど、今後は業績好転から実力株として狙われる期待がある。時間かけて100円高狙いと見るね。

トシ:5631 日本製鋼所は4桁突破期待。7102 日本車輌は来期業績好転など見込み度あり、ジリジリ上がりそう。7750 ペンタックスはさらに一段高。4022 ラサ工業、3865 北越製紙、4201 日本合成、4676 フジテレビ、9601 松竹、4756 CCCなども妙味ありそう。

モモトハル:冒頭にも申し上げましたが、年末年始の相場に期待する向きが増えています。2007年の相場はどうなるかと言うような予想が出るのですが、日経平均、2万円であるとかどこかの副会長さんのように2.2万円とちょっとオーバートーク気味の予想を出す向きまでも出てきています。強気、強気で株式相場は良いことばかりで良いのですが、一方で警戒心も持つ必要もあるようです。あまり弱気の見通しをこのような場所で言うものではないのかも知れませんが、強気強気で傾いて居る時だけに、少し警鐘を鳴らす意味でも頭の片隅でも置いていても良いのかも知れません。警戒するのはやはり米国経済で、米住宅ブーム終焉で日本経済にも打撃を受けるのではないかと言うことです。これはあるエコノミストの見方なのですが、米国の住宅ブームが調整局面に入り、日本経済にも影響を与えることになれば株式相場も少なからず下振れする局面も想定する必要はあるということです。米中古住宅価格は1995年3月の0.1%減以来、2006年8月に11年余ぶりに下落し、以来8カ月連続で下落しています。米国では1990年代半ば以降、住宅価格の値上がりに歩調を合わせるように個人貯蓄率が低下しました。1998年まで4%前後で推移していた個人貯蓄率が、2006年8月にはマイナス1.7%まで低下しています。住宅価格が下落に転じたことで、住宅の含み益が増えなくなり、家計はこれ以上貯蓄率を低下させられない事態に陥っています。所得の伸び以下にしか消費を増やせないために、米国は所謂、世界の最後の買い手にはなりえないということになります。住宅価格が実質10%下落すると、個人部門(個人消費と住宅投資の合計)比率は74%前後に低下することが予想され、この場合、米国の実質GDP成長率は向こう3年間、年1.7%程度に鈍化することになります。米個人部門比率が2%低下すると、現在14.8%である日本の輸出比率は2.6%ポイント下がって12.2%に低下します。日本の輸出はGDP成長率以下にしか伸びないことになります。こうなると日本の企業業績回復、つまり大企業に利益が集中した景気回復は大きな打撃を受けることになる訳です。非製造業の利益が伸びなければ、向こう2〜3年間で大企業・製造業の利益が累計で2〜3割減益となります。このシナリオが当たるか外れるかは別にしても、このような見方をすることも出来るという程度で抑えておきたいと思います。強気支配の時にあまり述べるべきことではありまませんが、やはり全ての情報にアンテナを張って相場に立ち向かう事は必要なのではと思います。注目銘柄では大和総研が中小型株の好業績銘柄をピックアップしています。2432 DeNA、6727 ワコム、6928 エノモト、6871 日本マイクロニクス、7545 西松屋チェーン、5384 フジミインコーポレーテッド、4553 東和薬品。それではその他情報がございましたら宜しくお願いいたします。

タカダ:ここの11月下旬からの相場は過去半年ぐらいの相場の中では「一番稼げた相場」といった声がディーラーの間でも盛んに聞こえていましたね。しかし、「一番稼げた相場」であっても永遠に続くわけではないのは言うまでもないこと。いつも言われることですが、100人が100人とも強気を言い始めるような時は相場の「曲がり角」です。やっと日経平均も17,000円を年末にきて回復しましたが、一方、テクニカル的にはちょうど日経平均が10月24日に16,901円をつけた当時の「過熱感」が戻ってきていますので、これから主力の投資家が「クリスマス休暇」「年末休み」をどんどん取ってくるようになれば指数面の「過熱感」を無視して「全体的に強く強く今年を終える」というよりも「全体的に穏やかに穏やかに今年を終わる」とイメージした方がよりナチュラルではないでしょうか?とはいえ、指数的なことはどうあれ個別的には「カネ余り」を背景に買い手掛かりや新規の材料が出たところに投機的な買いが「餅代稼ぎ」とばかりに猛烈に向かうはずですので、来週も個別株には目を離さない方が「お得」ですね。有力アナリストが揃って「自動車」「建機」といったセクターに注目しているようですが、自動車の周辺であるベアリングなんかも高いですよね。同様にバネ最大手の5991ニッパツなんてのも出遅れ感がありますし、来週は短期筋の資金もシフトしてくる可能性が高いと予想します。

ババ:今週の注目は言うまでもなく日銀の金融政策決定会合だったわけだが、事前の予想通りに年内の利上げは見送られた。直後の株式市場の反応は逆に「足下の景況感の悪化」を想定したようなネガティブな反応だったが、それでも、日経平均が17,000円を回復したように年内の最後の大型イベントを通過したことで「アク抜け感」が強まっていることも否定できず、クリスマス休暇に入っている外国人も多いとはいえ、クリスマス休暇に入っている外国人を尻目に国内の個人が「株を枕に年を越す」とばかりに買い意欲を見せてくる可能性は高い。特にカギとなるのは円安だな。年内の利上げ見送りで金利差が縮小しないことで再び円安が進行し、円安と共に来週も輸出株や優良株がリードする展開が予想される。しかも、来月末に発表される10〜12月期四半期業績では2007年3月期通期が軒並み「上方修正ラッシュ」となる可能性が高く、中間決算で「控え目」にして上方修正を無理に見送ってきた企業は、それこそ拳銃が「暴発」するかのように上方修正と共に急騰を演じる可能性が高い。私も自動車関連には注目しており、この下期に業績がグッと伸びて通期業績が「増額修正」の可能性が高い6923スタンレー。これは詳しいことは割愛させていただくが、先程も言ったように中間期の時に「控え目」に報じ、通期で「増額修正」をするという典型的なパターンになると予想している。

タカダ:ある意味ではまともな銘柄が好業績だとか高配当などという手掛かりで買われているということは「業績相場」でもあり、また、「木の葉が沈んで石が浮く」といった言い方をされている新日鉄のような銘柄が主役になるということは「金融相場」でもあると思います。だとすれば7012川重なんてのも年内の相場があと一週間とはいえ、木の葉のように簡単に舞い上がる可能性もあると思います。それに、この川重はチャートを見ると、昨年12月の496円高値の更新を狙っているような気がしてなりません。このチャートのトレンド、非常に興味深いものがあります。あとですね、あれよあれよと8月の高値を更新してきた5631日本製鋼所、アームですね。ディーラー的にも一般投資家的にも狙いたくなる銘柄です。やはり、業績が好調であることと将来的にもすこぶる良好であるということです。エネルギー需要を背景に石油プラント向け鋼材のほか高収益の原子力発電向け部材も高い伸びが見込まれており、今の銘柄でもありまた来年の銘柄としても改めて注目すべき存在だと思います。年内中には少なくとも4桁相場がありそうです。

ババ:今週も「高配当」だとか「好業績」だとか色々なことが物色の手掛かりされてきたが、今後も息の長いテーマとして注目されそうなのが「国際競争力」だろう。分かりやすくいえばトヨタなどに代表される日本だけでなく世界で通用する技術力であり、また、競争力の高い製品群を抱えている企業ということになる。その意味ではトヨタ的な株価推移を辿ってきていた4543テルモもまだまだ来年の相場でも浮上する可能性が高いと予想する。しかし、業績変化率ではトヨタもテルモには及ばない。今期だけでなく来期も2桁の伸びというのはトヨタでは難しいことだ。その背景にあるのは医療器具を購入する医療現場からは「高い」という声も多いようにクオリティの高さと同様に医療器具のプライスも高いことだ。値段が高いということは利益率も高いということでもあり、投資する価値も高いということになる。主力のカテーテルのほか、人工心肺製品が海外でも長期的な成長は必至であ、まだまだ押し目は投資チャンスとなりそうだ。

モトハル:今年も残り10日となりました。株式相場にとってはあまり良いパフォーマンスとは言えませんでしたが、来年2007年に掛けての相場に期待が掛かるだけに良い気分で年を越せそうですね。クリスマスを祝われる方もおられるとは思いますが私自身を含めてあまり飲み過ぎないように致しましょう。それでは今週はこの辺りでお終いです。来週までごきげんよう。
http://www.geocities.jp/yuunagi_dan/jissen/Jissen045.htm

掉尾の一振(とうびのいっしん)は存在する?

いよいよ年末が近づいてきました。最終日の大納会に近づくと、必ず囁かれる格言があります。それは「掉尾の一振(とうびのいっしん)」です。

「掉尾(とうび)」は耳慣れない言葉ですが、goo辞書によれば、「〔尾をふる意〕物事・文章などの終わりになって勢いを奮うこと。また、終わりごろ。最後。「―を飾る」」とのことで、一番最後の盛り上がりを指すようです。

これは経験上、年末に向けて株価が上昇しやすいことから名付けられた格言だと思うのですが、本当の所はどうなのでしょうか。早速調べてみることにしましょう。

今回、「日経平均」、「TOPIX」は過去13年分、「JASDAQ平均(インデックス)」は過去7年分(それ以前のデータが存在しません)の各インデックス値について、年末の大納会の終値を100とした場合の、前後10営業日づつ、計21営業日の終値の推移をグラフにしています。





「掉尾の一振(とうびのいっしん)」は、はっきりと現れています。大納会の4-6日前に底を打って、そこから大発会まで順調に上昇しています。日経平均やTOPIXは1-2%程度と、ほんの少しの上昇ですが、JASDAQ平均は上昇が顕著です。

また、大発会の「ご祝儀相場」も存在していることがわかります。ここが上昇のピークです。そこから値が下がります。

新年の3営業日からは、面白いことに、新興市場と伝統市場がはっきりと分かれます。新興市場はさらに勢いを増し、上昇を続け、「新年ダッシュ」を見ることができますが、伝統市場は、「新年疲れ」のようです。


結論1:
掉尾の一振(とうびのいっしん)は確かに存在する。日経平均、TOPIXは、わずかであるが、JASDAQ平均には、かなりハッキリ現れている。
大発会の「ご祝儀相場」も存在する。
新年に入ると、日経平均、TOPIXは「新年疲れ」で下落するが、JASDAQ平均は勢いを増して上昇する。


どうしてこういった「年末年始の特有な現象」といえるものが起るのでしょうか? ここからは推定ですが、こんなふうに考えてみるのはどうでしょうか?

大納会の4-6日前に底をつけるのは、節税対策の売りが出るため。昨年から損失の繰越ができるようになりましたが、それ以前は、利益も損失も繰越ができませんでした。利益がある人は、「含み損を売り」、損失がある人は、「含み益を売る」操作を行い、売りが先行しやすくなります。

また、「掉尾の一振(とうびのいっしん)」が起るのは、節税対策の売りが終わり、売り圧力が消えることと、機関投資家によって、年末を盛り上げるために買い上げを行うためではないでしょうか。

そして、「新年ダッシュ」が起るのは、個人投資家が、新年に「今年も頑張るぞ」と勢い良く買いに出るため、その資金が新興市場に集まりやすく、逆に「新年疲れ」が出るのは、機関投資家が、年末に相場を持ち上げた無理を解消するために売るのではないでしょうか。

それでは、これらの現象を投資戦略に結びつけることにしましょう。


結論:
掉尾の一振(とうびのいっしん)を狙うのであれば、新興市場の銘柄が良い。買い日は大納会の5日前(今年は12/22)付近である。年始に多少下げる場面もあるが、持ち続けるのが良い。
日経平均、TOPIXは、上昇率がわずかであるため、狙うのが厳しい。どちらかと言えば、年始の下げを狙って買う方が良い。
どうしても売りたい銘柄があるならば、大発会に合わせて売るが良い。


最後に、「日経平均」、「TOPIX」、「JASDAQ平均(インデックス)」の年度別の推移をグラフにしてみます。日経平均とTOPIXは毎年の格差があるため、狙いにくいのが良くわかります。JASDAQ平均は、ITバブルがあった 1999年, 2000年を除けば、意外と素直です。
★株式祇園精舎さんのブログでめちゃくちゃ役立つものがあったので拝借してきました。


http://ameblo.jp/kabu-gion/


今年のマーケットテーマ・・・M&Aだけが独り歩きしている感もありますが
テーマ:銘柄研究

2007年の注目テーマ及び注目銘柄について1月4日付で大和証券投資情報部がまとめていますので、簡単にご紹介したいと思います。そのついでに個人的な注目度及び個人的に注目する銘柄も入れてみました。


2007年問題[注目度★★★★]・・・団塊の世代が定年を迎えることで発生すると予想される問題の総称。
大和証券の注目銘柄 (人材サービス)パソナ、ピープルスタッフ (余暇ビジネス)近畿日本ツーリスト、アコーディア・ゴルフ
個人的な注目銘柄 リテール証券及び信託銀行


M&A(三角合併解禁)[注目度★★★★★]・・・07年5月に「三角合併」が解禁される予定で、外国企業が日本の子会社を使って日本企業の買収が可能になる
大和証券の注目銘柄 特になし
個人的な注目銘柄 ヤマハに代表される資本のねじれが生じている銘柄(時価総額ではヤマハ<発動機)、その連想として豊田自動織機(ある意味究極)、大発会の大商い上位で騰がった銘柄


ウインドウズ・ビスタ[注目度★★★★]・・・07年1月30日に発売されるXP以来の新OS、メモリ使用量が膨大
大和証券の注目銘柄 PCメーカー、エルピーダメモリ、イビデン、東京エレクトロン、ワコム
個人的な注目銘柄 PC量販店、カカクコムなどのPC情報関連


GPS携帯電話[注目度★★]・・・07年4月以降に発売される3G携帯電話にGPSを搭載することが義務付けられる
大和証券の注目銘柄 古野電気、KOA、ヨコオ、愛知製鋼、セコム、アイティフォー
個人的な注目銘柄 地図情報関連(ゼンリンが有力か)


日本版SOX法[注目度★★★★]・・・企業が正確な財務報告を行うように社内サービスを整備する「内部統制」について定めた法律の成立を受け、企業の情報システム投資が拡大する見通し
大和証券の注目銘柄 OBC、オービック、大塚商会、住商情報システム、日本オラクル
個人的な注目銘柄 特になし


バイオエタノール[注目度★★★]・・・原油依存体質→サトウキビなどから作られるエタノールへの利用拡大
大和証券の注目銘柄 大成建設、アサヒビール、月島機械、新日鐵、三井造船、ホンダ
個人的な注目銘柄 精糖、食用油関連、商社


電力線通信[注目度★★]・・・電線を通信回線として利用する技術で、2006年10月に商用サービスが解禁された
大和証券の注目銘柄 KDDI、NTT、松下電器産業、住友電気工業、三菱電機、NEC、富士通
個人的な注目銘柄 特になし


NGN[注目度★]・・・電話網の次を担うネットワーク基盤となる技術。NTTでは07年中の商用化を目指している
大和証券の注目銘柄 NTT、NEC、富士通、日立、沖電気、古河電工
個人的な注目銘柄 特になし


電子マネー/携帯クレジット[注目度★★]・・・電子マネーや携帯クレジットの普及が進んでおり、足元は複数規格の決済端末を共通化する動きが本格化
大和証券の注目銘柄 富士電機HD、東芝テック、田村大興HD、NEC、松下、ユーエスシー
個人的な注目銘柄 ソニー


ICカード[注目度★★]・・・キャッシュカード・クレジットカード・社員証、会員証など様々な分野でICカード化が進んでいる、免許証もICカード化スタート
大和証券の注目銘柄 大日本印刷、凸版印刷、太陽インキ製造、ソニー、NTTデータ
個人的な注目銘柄 アマノ(勤怠システムを手がける)


成人認識機能付きタバコ自販機[注目度★★]・・・08年7月までに全国のタバコ自販機はすべてICカードによる成人識別機能付き自販機に切り替わる
大和証券の注目銘柄 クボタ、グローリー、富士電機HD、芝浦メカトロニクス、NTTデータ
個人的な注目銘柄 「ICカード」の大和証券注目銘柄(=ICカードの更なる普及促進につながる)


イノベーション25[注目度★★★]・・・2025年までの将来像を想定し、技術革新を通じた経済成長を目指そうという安倍首相の政権構想
大和証券の注目銘柄 医薬
個人的な注目銘柄 分かりません、スケールが大きすぎて...


参院選[注目度★★★★]・・・07年夏に行われる、安倍政権発足後の初めての国政選挙
大和証券の注目銘柄 特になし
個人的な注目銘柄 もしもしHL、ムサシなどの選挙関連銘柄(ベタではありますが、統一地方選もありますし、仮にいきなり浮上した衆参ダブル選挙になれば仕事は無茶苦茶忙しそう)、マル政銘柄


市場化テスト[注目度★★]・・・公共サービスなどを対象に官と民が競争入札を行い、事業の担い手を決める制度
大和証券の注目銘柄 もしもしHL、キャリアバンク、廣済堂、日本医療事務センター、TAC
個人的な注目銘柄 特になし


環境規制[注目度★★★]・・・人体に悪影響を及ぼす有害物質の使用を規制する動きが活発化、07年中にはEU内で工業製品に含まれる化学物質の登録などを義務付けるREACHが導入される
大和証券の注目銘柄 島津、堀場製作所、西川計測、小野測器、イビデン、日本碍子
個人的な注目銘柄 追加して日本電子、あとはCSRの一環として積極的にREACH規制に取り組んでいる銘柄


EPA/FTA[注目度★★★]・・・安倍政権は経済連携協定、自由貿易協定のテコ入れに動き出している
大和証券の注目銘柄 インド、ベトナム、オーストラリア関連銘柄
個人的な注目銘柄 今月のWTO正式加盟でますます注目されるベトナム関連、ベトナム株投信


世界陸上/東京マラソン[注目度★★★]・・・07年に国内で開催される注目のスポーツイベント
大和証券の注目銘柄 アシックス、美津濃、デサント、ゼビオ、TBS(世界陸上の独占放送)
個人的な注目銘柄 警備会社(東京マラソンは日本初の市民参加型フルマラソンなだけに仕事は忙しそう)


M&Aが独り歩きしていて、少しこの言葉を聞くのも食傷気味なところがありますが、それ以外にも今年の注目テーマは案外多いものです。


個人的には亥年ですから、決してあって欲しくはないですが、自然災害が気になるんですよね。1971年のエトナ火山噴火、1983年の三宅島噴火・日本海中部地震、1995年の阪神淡路大震災など、自然災害の当たり年になりやすい傾向があります。自然災害などあってほしくはないのはいうまでもないところなんですが、株式市場では阪神大震災のときに不動建設が暴騰したといった例がありました。しかし、地震大国である日本としては防災はいつでも行っているべきですし、そういった銘柄を研究するのは悪い話ではないはずだと思います。


それから、亥年という関連でみていくと、1983年、1995年共に、業種別パフォーマンスが高かったのは実は紙・パルプです。そういったことが分かってなのかどうなのか真偽不明なのですが、今年の大発会、5日と王子製紙が商いを伴いながら上伸しています(M&A関連なのかもしれません...土地持っていますしね)。
先物で僅か1ヶ月で1000万を失った人のブログです。
これは読んでぞっとしましたね・・・本当に誰でも陥ってしまう可能性のある取引内容でした。

この人がブログでも何度も書いていますが、敗因は勝手な思い込みと、ルールを守らなかったこと。

付け加えるならば一度に一気に資金を賭け過ぎた点。

おいらもしょっちゅう同じミスをしますが、調子にのってくるとどうしても一度に大きな資金を投入しがちになります。
で、一度マイナスのポジションを抱えてしまうと、それを素早く損切れなかった場合どうしても通常とは異なった投資スタイルをとってしまいがちになります。

個別銘柄ならば業績悪化のために下げた銘柄でも無理やりナンピンで入ってしまったり、中途半端な両建て
をして無意味に多額の資金を眠らせてしまったり・・・

この日記のミスの仕方はほんとにいつ、誰にも起こり得るものなので、しっかりと読んで同じ失敗をしないように注意しましょう〜


http://d.hatena.ne.jp/nyajila/
孫子の兵法 投資篇5
 
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軍形篇(必勝の形をつくる)

【守備は攻撃よりも強力】
孫氏曰く、昔の善く戦う者は先ず勝つべからざるを為して、以って敵の勝つべきを待つ。勝つべからざるは己に在るも、勝つべきは敵に在り。故に善く戦う者は、能く勝つべからざるを為すも、敵をして必ず勝つべからしむること能わず。故に曰く、勝は知るべし、而して為すべからずと。
勝つべからざる者は守なり。勝つべき者は攻なり。
守は則ち足らざればなり、攻は則ち余り有ればなり。
善く守る者は九地の下に蔵れ、善く攻むる者は九天の上に動く。故に能く自ら保ちて勝を全うするなり。

孫子は言う。過去の戦いに巧みなトレーダーは、まずマーケットに負けない環境を見極め、態勢を整えたうえで、マーケットが崩れて、勝てる環境を待っていた。
マーケットに負けないポジションは自分で作ることが出来るが、利益になるかどうかは、マーケットの動き次第である。
だから、トレードに巧みな人でも、負けないように小額のロスカットやヘッジなどのルール厳守で傷を浅くすることはできても、無謀に攻撃的なポジションで勝つことはできず、本当に勝つかどうか、マーケットのタイミングと環境である。
それ故に、「勝利は知ることができるが、こちらの行動で作為的に作れるものではない」と言われるのである。
マーケットに打ち負かされない態勢とは守備、すなわちリスク管理である。
マーケットに打ち勝てる態勢とは攻撃、すなわちポジションの取り方に関わることである。
守りに入れば、資金のゆとりがあり、攻撃に出れば、資金が不足する。
守備の上手な人は大地の底の底に潜み隠れるように、不利な局面ではポジションを取らず、
好機を見ては、天空高く飛ぶかのように攻撃的なポジションを取るのである。
だから資金を安全にして、しかも利益を全うすることができるのである。

 
【勝利するトレーダーは、エントリー前に勝利を得ている】
勝を見ること衆人の知る所に過ぎざるは、善の善なる者に非ざるなり。戦い勝ちて天下善なりと曰うは、善の善なるものに非ざるなり。故に秋毫を挙ぐるは多力と為さず。
日月を見るは明目と為さず。雷霆を聞くは聡耳となさず。
古えの所謂善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり。
故に善く戦う者の勝つや、智名も無く、勇功も無し。
故に其の戦い勝ちて違わず。
違わざる者は、其の勝を措く所、已に敗るる者に勝てばなり。
故に善く戦う者は不敗の地に立ち、而して敵の敗を失わざるなり。
是の故に勝兵先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。

勝利を読み取るのに一般の人々にも解る程度では、最高に優れたものではない。トレードをして打ち勝って天下の人々が立派だとほめるのでは、最高に優れたものではない。
だから、細い毛を持ち上げるのでは力持ちと言えず、太陽や月が見えるというのでは目が鋭いとは言えず、雷のひびきが聞こえるというのでは耳がさといとはいえない。
昔のトレードに巧みと言われた人は、勝ちやすい機会や局面をとらえてそこで打ち勝ったものである。
だからトレードに巧みな人が勝った場合には智謀にすぐれた名誉もなければ、武勇優れた手柄も無い。
そこで、彼がエントリーして利益を得ることは間違いなく、間違いがないというのは、その勝利を収めるのは、すでに負けているトレーダーたちに打ち勝つからである。
それゆえ、トレードに巧みな人は不敗の立場にあってマーケットの他の参加者が負けるようになった機会を逃さないのである。
以上のようなわけで、勝利のトレーダーはまず勝利を得てそれからエントリーしようとするが、敗けるトレーダーはまずエントリーして始めてから後で勝利を求めるものである。


善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ。
故に能く勝敗の政を為す。

トレードの上手な人は自分の心をコントロールしてゆとりを持ち、さらにルール・自己規律を良く守る。
だから勝敗を自由に決することが出来るのである。

 

兵法は、一に曰く度、二に曰く量、三に曰く数、四に曰く称、五に曰く勝。
地は度を生じ、度は量を生じ、量は数を生じ、数は称を生じ、称は勝を生ず。
故に勝兵は鎰を以て銖を称るが若く、敗兵は銖を以て鎰を称るが若し。

 兵法で大事なのは、

  一:ものさしではかること=度
  二:ますめではかること=量
  三:数えはかること=数
  四:くらべはかること=称
  五:勝敗を考えること=勝

マーケットの動く範囲を考え(度)、その結果について持つべきポジションを考え(量)、その結果について動員すべき資金を数え(数)、その結果についてマーケットの難易度をはかり考え(称)、その結果について勝敗を考える(勝)。
そこで、勝利するトレーダーは十分の勝算を持っているから、重い物用の秤で軽いものを比べるように優勢であるが、負けるトレーダーは軽い物用の秤で重いものを比べるに劣勢ようである。


勝者の民を戦わしむるや、積水を千尋の谷に決するが若き者は、形なり。

勝利者が資金をマーケットという戦場で戦闘させるのは、ちょうど満々とたたえた水を千尋の谷底へきって落とすようなもので、それこそが勝利に至る態勢なのである。
『これからの投資の世界の方向性は』【森田レポート】
■本日の要点

株式投資では、ほとんどの投資家が『割安な銘柄はどれか』『値上がりしそうな銘柄はどれか』という考えから個別銘柄を探して投資すると思います。今回、リリースした新ソフトでは銘柄抽出をまったく違った観点から行うことをコンセプトに開発されています。詳しくは本文をご覧下さい。
◇これからの投資の世界の方向性は

水は高い所から低いところに流れると言われます。そしてお金も高いところから低いところに流れると言います。これは『自然の流れ』であり、自然の流れに沿って行動することが『何事も近い道であり、勝者への道』となります。
◇具体的にお金が高いところから低いところに流れるとはどういう意味

株式投資をしている人は、上がった銘柄からまだ上がっていない銘柄で成長性が高い銘柄に流れると思っていると思います。

これをバリュー投資といいます。つまり、これから成長した1年先、3年先の利益が幾らだから、いまの株価は安すぎるので妥当な価格まで買い上がるということです。
しかし、この考え方は超ミクロの考え方です。

本来のお金の動きはもっと大きく、今『不動産を買うか』『為替を買うか』『原油を買うか』『金を買うか』『債券を買うか』『株を買うか』という見方と、今『アメリカを買うか』『ドイツを買うか』『中国を買うか』『日本を買うか』という考え方があります。
つまり『どの市場を買うか』という考え方と『どの国に投資するか』という考え方があるということです。

そして、結論が日本になり、次に考えることは『どの市場を買うか』ということになります。つまり、『金』に投資するか、『原油』に投資するか、『債券』に投資するか、『不動産』に投資するか、『株』に投資するかという『市場の選択』をすることになります。

これはどういう意味かと言いますと、ミクロで物事を考えるのではなく、マクロで『どの市場が割安か』ということをまず考えるということです。言い換えますと、まずは 『割安な市場を探す』ということが『お金は高いところから低いところに流れる』という自然の摂理にしたがった、一番賢い考え方になります。

そして、株式に投資すると決定した時に、そこでどの銘柄が良いかというようにダイレクトに個別銘柄を探すか、投資信託を買うというのが、これまでの日本の株式投資のやり方でした。私も昨年までは『最適指標銘柄探し』をメインにしていましたので、直接個別銘柄探しに入っていました。

これが自然の流れに沿った動きではないということを昨年気が付きました。何故、株式に投資することに決めた途端に『どの市場が良いか』という自然の摂理に従った考え方がきえてしまったのかと言いますと、それは長年に亘って日本の株式投資が『個別銘柄を探す』という方法で行われていたからでした。

ケンミレは1999年に『ハイパーインデックス』という割安な市場を探すソフトをリリースしていましたが、私自身の考え方が過去の日本の投資手法に縛られていましたので気が付きませんでした。

今回のワンエイティー・レボリューションで『脳の革命』を起こせました。
つまり、株式投資をする時には『まず割安な市場を探し、その割安な市場から割安な銘柄を探す』という世界のプロと同じ行動を取れるソフトを作りました。

余談になりますが、株式市場は飽きやすいと良く言われます。株価が上げ続けないのは『お金が飽きやすい』からと言われていますが、これはお金が飽きやすいのではなく、お金を運用している人間が飽きやすいのです。

だから、ある程度上昇すると『その銘柄を売って他の銘柄に投資し、他の銘柄にお金が移って、最初の銘柄が下落し、次々に飽きやすい人間が割安な銘柄に投資し続けて、最後は最初に投資した銘柄に戻る』という動きが繰り返されているのです。

つまり、株価が上下するのは『人間の心が揺れ動いている』『欲望と恐怖心が戦っている』からです。この株価が動く原理を利用すれば株式投資で勝つ確率をアップする事が出来ます。

どうするのかと言いますと、この上がれば下がり、下がれば上がるという株式の原理を使って、下がった時に買える環境を作り、上がった時には株式から現金に資金をシフトすれば良いのです。

この二つの目的を達成するために作られたのが、今回リリースした新ソフトです。具体的には、割安な市場が現れない限りは投資しない=投資する銘柄が出ないという投資ソフトと、TOPIXと自分の株式組入れ比率を比べて、TOPIXが上昇した折れ線グラフになったと思ったら『株式組み入れ比率を下げる』という二つの機能です。

しかし、割安な市場が分かっただけでは『勝つ確率をアップ』させることは出来ません。どの銘柄が割安になっているかという割安銘柄の判断と、どこで買えば良いのかという買いタイミングの判断、そして、どれくらいの利益を取って売れば良いのかという売り目標値の設定方法を知らなければ、年間で利益を積み上げることは出来ません。

『一回の投資で、出来るだけ大きく儲ける』ためには、その銘柄が持っている『上昇能力』を知る必要があります。そこで『その銘柄の過去の上昇相場の時の平均上昇率』を参考にし、更に波動ラインで『過去の上昇の時に1回の上昇でどれくらい上昇したか』を知り、その銘柄が1回の上昇で何日くらい上昇するかを知る事も確率アップには必要となりますので、今回のリリースでは『このデータ』も提供しています。

もうひとつは自分の投資実態をマクロで見て、投資戦略を常に組み直し続けるというマクロ戦略が出来ることも重要です。そこで年間の利益目標をマクロで判断して、利益を積み上げるための武器として、年間利益率推移グラフを作りました。
『株式市場が安いときにうまく買う方法とは?』
■本日の要点

株式投資ではほとんどの投資家が高いときに株を持っているので、安くなった買いチャンスに買えないということが起こっています。大きな下落を買いチャンスにするためには、高値で株を持たないことが重要なのです。今回はどのような考え方をもてば実戦できるのかをレポートしています。詳しくは本文をご覧下さい。
◇株式市場が安いときに買うには、株を持っていては買えない

結論から申し上げれば、株が安いときにうまく買う方法とは、「株式市場が安いときに株をもっていないこと」が大前提となります。そうすれば、株式市場が大きく下落したバーゲンセールのときに買うことができるのです。

そうはいっても、実践している投資家は少ないと思います。なぜ投資家は株式市場が安いときに株を持ってしまって買えないのでしょうか。
◇安いときに買って、高いときに売ることがなぜできないか

株式を始めようとした友人に、「株式投資で儲けるにはどうすればいいの?」と聞かれたとき、「安いときに買っておいて、高くなったら売ればいいんだよ」と答える人は多いと思います。

「安いときに買って、高いときに売る」という投資法は、株式投資のあたりまえの投資法で、多くの投資家が考えていることだと思います。しかし実際に株式投資を始めると「高値で買って安値で売り」失敗して、「株式投資は危ないもの」と考えるようになってしまいます。

株を「高値で買って安値で売って」失敗してしまうのは、投資家の心理が原因です。投資家の心理は、「今起こっていることが将来も続く」と思ってしまうからで、目の前で上昇していれば「明日も上がるから今買えば儲かる」と思ってしまうからです。

また、株が下がっているときというのは下げの理由となる悪い材料がありますから、悪い材料が気になって買えないということです。さらに厄介なのが、株を持っているときに株式市場が急落することです。
◇株式市場は急騰より急落が多い

株式市場が急落することは、案外多くあります。昨年はライブドアショック、5月の世界同時株安、11月の大幅下落とざっと3回ありました。今年に入って2月末の中国発の急落をあわせると、1年2ヶ月で4回ですから4ヶ月弱に1回起こっているということになります。

株式市場は基本的に上昇がゆっくりで、下落が急なことが多いと考えられます。ブラックマンデーやロシアショックなど急落には名前がついているのが多いのですが、株式市場が急騰したときの名前というのはあまり見られません。つまり、一時的に急落することが多く、一時的な急騰というのは株式市場全体ではあまりないといえます。むしろ上昇の場合は「1985年から1989年までのバブル期の上昇」など期間で指す場合が多く、上昇は長い期間をかけてゆっくりの場合が多いと考えられます。

ではなぜ株式市場が急落してしまうのかというと、株式投資は基本的に買って上がったら売るという投資をするので、買う投資家が増えるより、株を持っている投資家が売るときの方が一時期に集中しやすいからです。
◇株を持っている投資家が多いから急落する

株式の需給を考えれば、「買ったら必ず売らなくてはならない」のですから、買っている投資家が増えて、これ以上買う投資家がいなくなれば下がるしかありません。株を持っている投資家が多ければ多いほど、売りたい投資家が一気に増える可能性が高くなりますから、急落する可能性も大きくなります。

なぜかというと、持ち株が急落してしまうと「持っているのが怖くなって」売るつもりがなかった投資家も投売りしてしまうので、下げを加速させるからです。だから、株式市場は急落することの方が多く、急落するときに株を持っていると冷静な判断ができなくなって、「高値で買って安値で売る」負けパターンとなってしまい、それまで積み上げた利益も一瞬で失ってしまうこともあります。
◇大きな下落を買いチャンスにするには、株をもっていてはいけない

株式市場の将来を100%予想することはできない限り、急落は突然やってきます。ただし、前述したとおり、「株式を持っている投資家が多いほど急落が起きやすい」といえますので、「株式を持っている投資家が多い」=「株式市場が高値圏のとき」であれば、きっかけ次第でいつ急落が起こってもおかしくないといえます。

少し極端になりますが、どんなに悪い材料が出ても、株は売る人がいなければ値段がつかないことはあっても、下がることはありません。したがって、売る投資家の量というのは非常に重要なポイントになってきます。

昨年から4回あった急落も全て直近の高値をつけてから起きています。高値圏ですから、株式市場を取り巻く環境は悪くなかったはずです。ちょっとした悪材料でも株式をもっている投資家を不安にさせ、たくさんの投資家が株をもっていたから高値圏から急落したという見方もできると考えられます。

つまり、外部環境が良くて株式市場が上昇していて高値を更新していたとしても、いつ急落してもおかしくないのですから、高値圏で株をたくさん持っていては「大きな下落を買いチャンスにすること」はできないといえます。
◇自分の株式比率を株式チャートと比べて確認しましょう

高値とわかっていても、株式市場が高値のときはよい環境ですから、売るのがもったいないと感じてしまうのが投資家の心理です。ではどうすれば、投資家心理をコントロールできるのかということになります。

人間は頭で考えるより、目で見たほうがわかるので、株式市場の動きを示すTOPIXのチャートと自分が株式を持っている比率のグラフを比べてみるとよいと思います。株式市場が上昇しているときに、株式の比率が100%に近いのであれば「大きな下落が来たときに買いのチャンスにすることはできない」と思ってください。

ケンミレのソフトでポートフォリオの機能が追加され、現在使いやすくするために細かい点を改善していますが、自分の株式比率をTOPIXのチャートと比較できるようになっています。

この機能を使って株式投資の戦略を考えれば、多くの投資家が持ち株を整理することで頭がいっぱいの大きな下落のタイミングを買いの大きなチャンスにできると思います。
儲けの秘訣『勝ち馬に乗れ』の方法は【森田レポート】
■本日の要点

株式投資では、『勝ち馬に乗れ』という諺があります。頭では言葉の意味を知っていても、実践できる人は意外少ないものです。本日は『勝ち馬に乗る』方法についてレポートします、それでは本文をご覧下さい。
◇儲けの秘訣『勝馬に乗れ』の方法は

曲がり屋に向かえ、勝ち馬に乗れという諺は株式市場では頻繁に使われます。曲がり屋に向かえとは、負けている人が買ったものは売り、売ったものは買えという意味ですが、買いが中心の個人投資家には『買って、下がって、下がったところで売った時』にその銘柄を買えということです。

逆に勝ち馬に乗れとは『勝ち続けている投資家が買っている銘柄を買え』ということです。昔、ある投資家が買い出すと、その銘柄がその後に上昇するということが続きました。理由は分かって見れば簡単で『そのスポーツ選手のファンが、仕手筋のドン』で、毎年2回、ボーナスとして『自分が買う銘柄を、買う前に教えていた』だけなのですが、当時は『そのことを知っている投資家は、常にそのスポーツ選手が何時買うか』を注目し、買ったという情報が入った時に『何も調べずに買って』いました。

これ以外でも、何時も勝っている投資家はその時の相場に合った勝ちパターンを掴んでいることが多かったり、また勝つ投資手法をマスターしていたりしていますので、そのように『何時も勝っている投資家』のやり方を注目することは非常に大切なことです。
昔、私が本格的に株式投資をしていた時は『私の行っていた証券会社では常に私の回りに人が集まり、私から情報を取ろうとしていましたし、別の証券会社では『私の銘柄をお客さんに進めて、成績を挙げて、社員から支店長になった』人もいました。

勿論、私の銘柄はヒントであって、支店長になったのは『その人の行動力と判断力』が優秀だったからです。しかし、人間は無から有を作ることは大変なのですが、何かヒントがあると『途端に想像力が豊かになる』人が沢山います。

しかし実際には、証券会社の人と非常に親しい投資家を除いて『このようにデータを得る』ことはほとんど不可能と言えます。私も昔は『自分で毎日銘柄を探す』と同時に、いろいろな人の情報が毎日入ってきて、その入ってきた情報に対して『いろいろなチェック』を行って取捨選択して、勝てる銘柄を探していました。

このように、投資家は『良い情報、良いヒントをできるだけ多く集める』ことが、株式投資で勝ち続けるために必須条件といえます。このことと『待てば海路の日和あり』という諺ではありませんが、『待つ忍耐力』があれば株式投資は『年間ではほとんど負けない』と思います。

今回の相場も『ベストのシナリオ』は、日経平均が16000円を割り込んで値幅調整が完了したときに『思い切って株式組み入れ比率』をアップして、相場が転換した時に資金効率をアップ出来るように『先に上昇する銘柄を買う』ことです。

しかし、ベストのシナリオだけに固執しますと、予想が違った時に『利益獲得のチャンス』を失うことになります。以前のレポートで『今の株式市場は危ない株式市場だから、株式組み入れ比率を大きく引き上げることは危険ですが、ゼロでは『持たないリスク』が生まれますので10〜20%前後は株式を組み入れた方が良いと書きました。

私は忙しくて株を見る時間がありませんので『新規には買っていない』のですが、2003年からTOPIX型の累積投資信託を毎月買っていますので『持たざるリスク』はその分だけ軽減されているので良い、株式市場が上がっても『既に持っている累投と毎月買っている累投で補完出来るので良いと判断しています。

また話が逸れましたが、今日の目的は『勝ち馬に乗る方法』です。今のケンミレには沢山の会員がいますので、この会員の中で『勝っている投資家』がどういう投資方法を取っているのかをコンピューターで計算(※)して、勝ち組の人が次の項目をどうやって投資しているかが分かれば『勝ち馬に乗る』ことが出来ると思います。

(※)個人情報が含まれない統計データから、コンピューターが自動的に数値だけを取り出して、その結果を分析したものです。

そこで次の項目についてソフトを開発したのですが、チョット不具合が起こっていまして、残念ながらまだリリースが出来ていません。何を見るかと言いますと、

(1)どんな業種やテーマの銘柄を買っているのか
(2)どんな銘柄を買っているのか
(3)何%くらいの利益で売っているのか
(4)何日くらい保有して売っているのか
(5)どれくらいの頻度で売買しているのか
(6)勝ち組は何勝何敗くらいになっているのか
(7)勝ち組は何%くらい儲かっているのか
(8)どのテーマなら何%くらいの利益で売っているのか、どのテーマが儲け易いか
(9)勝っている投資家は『どんなタイミングで買う決断しているのか』
(10)1ケ月、3ケ月、6ケ月間という一定の期間の運用方法
(11)それが『どう変わって行っているのか』という戦術の変化

ここまでが『マクロ戦術』のための勝者のデータであり、基本的には市況戦略レポートのなかで発表しています。本来はもう少し『細かくアドバイスすべき』と考えていまして、そのうちに『個別会員ごとに勝者との違い』という観点からレポートを送るソフトを作りたいと考えています。

株式投資はマクロ戦略だけでは足りません。『ミクロ戦術』の勝者のデータも必要です。自分が選んだ銘柄を『勝者は何%くらいの利益で売っているのか』『何日くらい保有しているのか』『全体の勝敗から、勝ち易い銘柄か、勝ち難い銘柄か』など、個別銘柄についての勝者のデータの必要と考えまして、今回リリースしました『個別銘柄情報』のなかに『個別銘柄の勝者のデータ』を入れることにしました。
どんな情報があれば投資に勝てるか【森田レポート】
■本日の要点

株式投資で、どうすれば勝つ確率を高くすることができるかを考えた時に、あらかじめ知っておくと得をすること、知らなければ損をすることがたくさんあります。
では、どのようなことを知っておく必要があるのか本日のレポートで詳しくお話します。
◇どんな情報があれば投資で勝てるか

株式投資で勝つために必要なこととしては、
(1)株式市場がどんなメカニズムで成り立っているか
(2)株式市場にはどんな商品があるか
(3)どんな投資理論が勝つ確率をアップ出来るか
(4)どんな投資技術が勝つ確率をアップ出来るか
(5)経済の株式市場に与える影響の読み方
(6)政治の株式市場に与える影響の読み方
(7)世界の金融市場の動きと、投資資金の動き
(8)いま、勝っている投資家はどんな投資戦術を組んでいるか

株式投資で勝つためには『無限』に近い知識と技術が必要になります。私は1984年から株式投資の研究を始めました。最初の1年が終わった時には『これで株式投資に勝てる』と思い、2年目が終わった時には『昨年は分からなかったが、これで株式投資に勝てる』と思い、3年が終わった時に初めて『株式投資は一生分からない』ということが分かりました。

この一生分からないと分かったことで、株式投資で勝つ手法の研究が本格的に始められました。それは何かと言いますと『どうすれば、勝つ確率を上げることが出来るか』ということでした。

そこから生まれた成果はいろいろとありました。

(1)


株式投資に100戦100勝はない。1年が終わった時に勝っていれば良い。
つまり、株式投資で損切りは当たり前だ。だから、損切りの時に『出来るだけ損失を小さくする方法で投資すれば良い。』さらに損切りがあるので『勝つ時にはできるだけ大きく勝つ必要がある。』そのために『どうすべきか』という研究が第一の研究でした。

(2)


未来は分からないので、最高値は分からず、最安値も分からない。
買ったあとに株価が下がるのは当然であり、売ったあとに株価が上がるのも当然だ。それならば、買ったあとに下がったとしても大きくは下がらない価格帯を探し、買いタイミングと思ったら『買ったあとに下がることよりも、買えずに上がることを防ぐ』べきだ。

大きく下がった時にだけ投資すれば、当たり外れはあるとしても『年間トータルでは、高値を買う投資家よりも投資成果は良くなる。そのために『下値抵抗ラインと上値抵抗ライン、KMライン、波動ライン』というソフトを開発しました。

(3)


評価益は『絵に書いた餅』なので、確実に売れる株価を探すべき。
株価は下がれば上がるので、下げ止まる確率が高い株価を探すべき。そのためには個別銘柄が持っている上昇余力を探したり、過去の上昇局面の個別の上昇率や上昇期間を参考にすべきだ。

(4)


大きく下がった時を買い場にする方法と、小さく下がった時を買い場にする方法、逆に上昇している時を買い場にする方法の違いは何か。
大きく下がった時に買う方法は、反転した時に『上昇率が大きくなる』というメリットと、底値近辺で買うので『買ったあとに大きく下がる確率が低い』というメリットがあるが、株式市場全体が大きく下がるのは年間で2回くらいだから、売買回数が少なくなるので、株式投資をしている実感がなく面白くないというデメリットがあります。

株式投資でお金を得たいのか、株式投資を楽しみたいのか、どちらを主目的にするかで、この中期波動のタイミングを捉えて投資する方法、短期波動のタイミングを捉えて投資する方法のどちらかを選ぶことになります。

今年中にはリスクが高いが、投資レベルの高い投資家、売買回数を増やすことでリスクを低減している投資家向けの短期波動のタイミングで投資するソフトを開発します。
このソフトの利点は『中期上昇相場の押し目買い』に威力を発揮出来ることです。その反面『中期下落相場』では大きな痛手を被ります。

もう一つ今回の投資ソフト開発で発見したことがあります。それは短期波動の押し目買いは『1/3押し』『38.2%押し』が威力を発揮しますが、中期波動では押し目買いはリスクが高いということでした。

中期波動の押し目を見ますと、1/3押しや1/2押しではほとんど止まっていませんでした。つまり、中期下落波動の下げ止まるところは2/3押しか全値近い押しという大きく下がったところでしか止まっていないということです。
逆に言いますと、非常に分かりやすいということも言えます。

(5)


グロース投資とバリュー投資のどちらが優れているか
株式投資を金儲けの博打と考えるならばグロース投資の方が面白いし、当たっている時は短期で大きく儲けられますし、豪快です。

しかし、グロース投資の欠点は1990年からの金融バブル崩壊相場、2000年のITバブル崩壊相場で分かりますように、高値を付けたあとの下落率は非常に大きく『財産を無くす』ほどのデメリットがあることです。

これに対してバリュー投資は、地味で我慢しなければならず、欲を欠いてはならずとも余り面白くありません。どんな世界であれ、楽しんでお金を儲けることはできませんので、株式投資を財産構築の手段と位置付ける投資をする時にはバリュー投資、株式投資を楽しみたいならばグロース投資という極端な分け方をケンミレはしています。

(6)


割安株とは何か、割安株をどう見つけるかという課題は奥が深く、一番面白い課題です。
今回、ケンミレは割安ではなく割安市場を探し、割安市場から割安株を探すという方法でソフトを作りましたが、これは新しい発想だと思います。
ここでの課題は『割安市場の定義』と『割安市場の探し方』の二つとなります。

(7)


そして、最も『実践的』で、投資家にとって欲しいデータは何かというところで発見したのが『勝者のデータ』です。
但し、この勝者のデータは『どういう切り口で探すのか』『どういうデータを作るのか』という二つの課題があります。
この二つの課題に対して『あっ』という方法が出た時が『勝者のデータが社会性を持つ時』と考えております。
http://www.miller.co.jp/kmp00/visitor/report/point/2007/20070412.html


勝者の投資手法、何を使えば良いか【森田レポート】
■本日の要点

株式投資で勝つ確率を上げるためには、勝っている投資家の投資手法を参考にすることです。しかし、参考にできると思ったデータも項目や計算方法を間違えると使い物にならず、失敗する原因になってしまいます。本日はどのような項目をチェックすれば良いのかについてレポートします。
◇勝者の投資手法、何を使えば良いか

勝っている人の投資手法を使うということが『勝馬に乗る』ことだと申し上げ、さらに株式投資で勝つための武器の一つであると申し上げました。では、具体的にはどんなデータを参考にすれば良いのか。データの項目、データの計算方法を間違えますと『数字のマジック』によって、使い物にならないデータになるか、使ったことで失敗することもあります。そこで、今回は具体的にどんなデータが有効なのかについて申し上げます。

(1)どんな業種、どんなテーマの銘柄を買っているのか

何が知りたいのかと言いますと、『今、一番儲かる業種は何か』、『テーマは何か』、『事業品目は何か』ということです。どうせ買うならば『買ったあと、最初に上昇する銘柄の方が良い』と言えます。

最初に上昇する業種・テーマ・事業品目のキーワードは『今、一番成長性が高い』ということです。そして、成長性が高い=上昇率が高い=多くの投資家が注目している、ということになりますから、相場が下落から上昇に転換した時には『最初に上昇する可能性が高い』と言えますので、どんな銘柄を買うかの準備をするならば、この『最初に上昇する・上昇率が高い銘柄』がよく、そのためには『どの業種・テーマ・事業品目が良いか』が最初に知りたいことになります。

問題は、投資家は『一般の個人投資家だけではない』ということです。プロのファンドマネージャーも証券会社のディーラーも、投資レベルの高い個人投資家もいます。

そこで必要なデータとしては、直近の相場で一番上昇率が高かった業種・テーマ・事業品目を計算すると同時に、一般の投資家であるケンミレの会員では、どの業種・テーマ・事業品目が投資対象として良かったかを見ることです。

<計算1>直近の確定中期波動の上昇率が高かった順番に『業種別・テーマ別・ケンミレ・インデックス別』にランキングを作る
<計算2>ケンミレ会員について、次の項目のデータを取る

期間・・・1ケ月、3ケ月、6ケ月のデータを毎月取る。

・その期間では、どんな業種・どんなテーマ、どんな事業品目に投資している人が勝っているか
・その期間では、平均して利益率が高い業種・テーマ・事業品目は何か
・その期間では、どの業種のどの銘柄が一番儲かっていたか
・その期間では、売買回数はどれくらいか、増加しているか、減少しているか
・その期間では、どの価格帯の株を買った人が大きく儲かっているか
・その期間では、勝者はどれくらいの利益を出しているか
・その期間では、どれくらいの保有日数で売っている人が儲かっているか
・この時に、大きく儲けている人は何日くらい、小さく儲けている人は何日くらいか

以上のようなデータがあれば、自分の投資戦術を立てる時に役立つと思いますので、勝者のデータについては現在不具合に加えて、上記のデータを追加するためのプログラムを開発中です。
◇今後の投資戦術

日経平均は2月26日に18300円の高値を付けたあと調整に入りました。その後の安値は16532円で下落率は9.7%ですから『値幅調整はほぼ終了したレベルの下落率』となります。勿論、9.7%が下落率のピークという意味ではなく、下落率の調整としてはクリア出来る範囲の下落率になっているということです。

問題は日柄調整です。何故日柄調整が必要かと言いますと、株式市場が下落しますと多くの投資家の間にはもっと下がるのではないかという恐怖心が生まれます。この恐怖心がある間、株式市場は上昇に転じることはありません。

株式市場が上昇に転じる時には、多くの投資家がもう下がらないではないかという気持ちになった時です。人間は『喉元過ぎれば熱さを忘れる』『人の噂も75日』ではありませんが、一定期間が経過しますと『環境に慣れる』という順応性があり、この順応性が投資家の間に生まれるまでには『一定の期間』が必要になります。

この投資家の恐怖心が薄れるまでの期間を『日柄調整期間』と言っています。下落に転じたのが2月26日ですから、今日で46日が経過したことになります。日柄調整期間として私が過去の経験から考えている期間は『1ケ月半から3ケ月』の間です。
ということは、1ケ月半という最低の日柄調整期間は経過したことになります。

以上から、株式市場は値幅調整と日柄調整は『クリア』した環境にありますので、何かの材料が出てくれば『19000円を目指した上昇を開始する』可能性が出てきました。ここでの問題は『株式組み入れ比率をどうするか』ということです。

そこで具体的に、今の株式市場の現状を分析してみます。ケンミレには『ハイパーインデックス』という『割安な市場を探すソフト』があります。今回の革命で一旦外しましたが、現在は復活に向けてサイトを修正中であり、まもなく再リリースする予定です。

直近の相場で上昇率が高かった業種は『抽出一覧表の市場・業種規模チェック』をクリックすると分かります。高い順に上位10業種を見ますと、『海運84%(10銘柄)』『鉄鋼55%(35銘柄)』『電力ガス41%(17銘柄)』『空運41%(4銘柄)』『証券39%(21銘柄)』『非鉄金属33%(25銘柄)』『ゴム32%(12銘柄)』『倉庫運輸30%(18銘柄)』『不動産29%(54銘柄)』『その他金融26%(34銘柄)』となっています。

直近の中期上昇波動の上昇率の一覧表

採用銘柄数が多い業種ほど検討銘柄が多く、しかも採用銘柄数が多い業種ほど上昇率は上がりづらいことを考えますと、このなかでは『鉄鋼』『証券』『非鉄金属』『不動産』などが狙い目ではないかと思います。

これを前提にハイパーインデックスで『丁度よい押し目になっているインデックス』を見ますと、次のようなインデックスが丁度良いになっています。
(1) 鉄鋼(ケンミレ・インデックス) 1/3押し
(2) 非鉄金属(業種別インデックス) 1/3押し
(3) 不動産(業種別インデックス) 1/2押し
(4) 不動産貸ビル(ケンミレ・インデックス) 1/2押し
(5) 放送(ケンミレ・インデックス) 1/3押し
(6) 不動産マンション(ケンミレ・インデックス) 1/2押し

以上、178のインデックスのなかで上昇率が高い上位10インデックスで、上記の6つのインデックスが丁度よい押し目にきています。つまり、間に合うかもしれない水準にあると言うことですが、一つ数字のマジックがあります。1/3押しが『底値の1/3押し』なのか、それとも1/2押しから上昇して1/3押しになったかです。

チャートでそれぞれのインデックスをチェックしますとし、底値からは若干上昇していますが、急騰しているインデックスはありませんでした。
それどころか『三角持ち合いの頂点に近いインデックスが沢山ありました』ので、この業種別・テーマ別・事業品目別のインデックスのチャートを見る限りは『転換点は近い』ということになります。

三角持ち合いの頂点に近いインデックスのチャート 8050:不動産(東証)

三角持ち合いの頂点に近いインデックスのチャート 7100:証券・商品(東証)
三角持ち合いの頂点に近いインデックスのチャート 3500:非鉄金属(東証)
三角持ち合いの頂点に近いインデックスのチャート 3450:鉄鋼(東証)

となりますと、残るは『ケンミレ日本株指数』との関連です。日本株指数の動きに対して、日経平均とTOPIXの動きが突出して上昇しています。これを『日経平均とTOPIXが行き過ぎ』なのか、それとも今後の日本の経済が二極化するという暗示なのかになって結論は変わってきます。

ケンミレ日本株指数に日経平均株価とTOPIXを重ねたチャート 8101:ケンミレ日本株指数

どちらになるかは『将来のこと』ですから誰も分かりません。言えることは、値幅調整と日柄調整がクリアしたことで、株式市場が19000円に向けて上昇する可能性は3月末から4月初旬に比べて高まってきたということです。
したがって、結論としては『株式組み入れ比率を10〜20%という水準から30%程度まで引き上げても良い』のではないかということになります。
http://www.miller.co.jp/kmp00/visitor/report/current/2007/20070411.html

循環物色の考え方とチェック方法
◇循環物色が続く株式市場

最近の株式市場は毎日買われる業種が変わっています。ハイテクが上がったと思えば次の日は鉄鋼と、続伸して上昇する業種は少ないのですが、どこかしらの業種が上昇しています。

この相場展開は「循環物色」の典型的な動きです。株式市況で相場状況を説明するときに「物色」ということばを使いますが、「物色」とは、売買しようとする銘柄を探して買うことです。したがって、「循環物色」とは売買しようとする銘柄が循環する相場展開ということになります。

たとえば、ハイテク株が値上がりした後に内需関連株が値上がりするというような動きですので、最近の相場を見ている方ならピンとくると思います。
◇循環物色が起こる前提

循環物色は、上昇した銘柄で利益を確定した投資家が、次に割安な銘柄を買うという流れですので、基本的に買い意欲があるときに起こります。

なぜかといいますと、上昇して利益を確定して売っても、次も買いたいと思わなければ売った資金は市場から離れてしまいます。したがって、相場環境が悪いと投資資金は循環しにくいといえます。

現在の相場では、米国景気に懸念があるものの、為替が安定していることや国内に悪材料が少ないので、循環物色が起こりやすい環境といえます。
◇物色動向をマクロで見るにはNT倍率が活用できる

株式市場は、同じような動きをする個別銘柄同士で動くことが多いといえます。なぜかというと、投資家が連想して同じような銘柄に買いを入れるからです。

たとえば、本日ダイエーが傘下のOMCカードを6月にも売却する方針との報道がありましたが、投資家が事実のみで株を買うのであればOMCカードだけ上昇するということになります。しかし実際は、三菱UFJニコス、ジャックス、イオンクレジットサービス、クレディセゾンなど信販会社が業界再編の思惑で買われています。これは投資家が連想して買っていることで「連れ高」などと市場では呼ばれます。したがって、同じような銘柄は同じような動きとなるわけです。

株式市場を取り巻く環境の代表に為替があります。円安や円高で物色が変化することが多いので、株式市場の物色動向をマクロでチェックする場合、「内需株」と「輸出株」というグループ分けができます。

この「内需株」と「輸出株」のどちらを市場が物色しているかを見るのに「NT倍率」を使ってチェックする場合があります。

「NT倍率」とは日経平均をTOPIXで割って計算した指標で、「日経平均がTOPIXの何倍になっているか」ということです。ここで、ハイテク株や国際優良株が多い日経平均を「輸出株」、時価総額が大きい銀行などの影響が大きいTOPIXを「内需株」とすれば「NT倍率」の動きで大きな物色がわかるということになります。

世界同時株安以降、急速に上昇するNT倍率
◇業種で細かく循環物色をチェックする

次は業種の物色を見る場合です。株価を動かす材料というのは、業績に関することが多いので、同じ業種は同じ動きになりやすいといえます。たとえば、新日鉄の業績が良ければ、「住金やJFEの業績も良いのでは?」と投資家が連想するからです。

東証では、上場企業を33の業種で分類しています。それぞれ構成銘柄数は異なりますが、業種は同じような銘柄が集まっているので循環物色が起こることが多くなります。

具体的に最近の鉄鋼と電機のチャートを見てみます。

業種で循環した様子

このように考え方は単純で、上昇した業種が売られて、調整していた業種に資金が循環するということです。ただし、業種として人気がないと、循環は後回しになると考えられます。ご自身で投資した場合を考えていただきたいのですが、電機が上がったので日立を売り、売った資金で下がっている鉄鋼の新日鉄と、同じように下がっている紙パルプの王子製紙とどちらを買いたいかということです。私もそうですが、ほとんどの投資家は新日鉄を買うと思います。なぜなら、下がる前に人気だったからまた上がると思うからです。つまり、循環物色に乗りたいと思ったとき、「人気になっていた業種の間で資金が循環する」と思った方が良いと考えられます。
◇ケンミレのソフトで循環物色をチェックするポイント

新しくなったケンミレのホームページでは、トップページでNT倍率、業種別株価指数のミニチャートを見ることができます。ミニチャートはたくさんのチャートを比較するのに便利なもので、業種の比較をするときにとても便利です。

また、日足のミニチャートにしますと「中期波動」が赤と青のラインで引かれます。ただし「中期波動」はある程度の幅とある程度の日数が経っていないと引かれないので、少し上昇しても下落の青いラインのままです。

つまり、青いラインが引かれていればよいというわけではないということです。私自信が出遅れ業種を探す場合には、青いラインの先端とチャートの右端が近いかどうかで現在の水準を判断しています。青いラインの先端より株価が上がってしまっていれば、戻りだしているということになり、青いラインの先端に株価が近ければまだ調整が完了していない下落中の可能性がありますから、出遅れているといえます。

業種別株価指数のミニチャート

さらに、割安株銘柄探しソフトの業種のチェック項目で。業種ごとの前回の上昇がどれくらいかがわかります。これを参考にしますと、「人気になっていた業種の目安」になると思いますので、上昇の高い業種の出遅れを探した方が効率がよいと考えられます。

割安株銘柄探しの業種チェック
http://www.miller.co.jp/kmp00/visitor/report/current/2007/20070412.html

初心者でもわかる決算発表:損益計算書

今月下旬から、主力企業の3月決算発表が本格化します。市場では決算を見たいとの動きもあり、様子見ムードもあるようです。

企業の決算は、一定期間の儲けやかかった費用を計算して、その期間にいくら利益が出たかを確定させることをいいます。年1回の「本決算」、6ヶ月ごとの「中間決算」が基本になりますが、現在は3ヶ月ごとに「四半期決算」も発表になります。

決算の結果は、基本的に「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」と呼ばれる2つでなりたっています。上場企業については、この2つのほかに現金の入金と出金の動きで作成される「キャッシュフロー計算書」の作成が、2000年3月期より義務付けられています。

今回は決算で「企業の儲け」を見るための「損益計算書(P/L)」の基本項目を、ケンミレの「個別銘柄情報」の業績データにあわせてご案内します。
◇売上高

売上高とは、企業がモノやサービスを販売することによって得た金額の合計です。企業が儲けを出すための元になるのが売上高といえます。

売上高が増加しないと最終的な儲けを増やすことはむずかしくなりますから、売上高が順調に増加していることが理想です。仮に最終的に儲かっていたとしても、売上高が減少傾向であれば、コストを削減しているとか、企業努力でなんとか利益を確保している場合も考えられます。
◇営業利益

売上高から、売上を得るためにかかった様々な経費を差し引いたのが営業利益です。

営業利益が大きく増加していれば、それだけ本業で儲かったと考えられます。また、営業利益と売上高を比較すると、本業で効率よく稼いでいるかどうかがわかります。

営業利益を売上高で割れば「営業利益率」が計算できます。営業利益率が高いということは、本業が効率よく儲かっているということです。モノを造って売る場合、コストがかからなければ(営業利益が売上高に比べて高い)、効率よく儲けている企業と考えられます。
◇経常利益

営業利益に本業以外の儲けを足して、本業でかかった費用以外の損を引いたのが経常利益です。利息支払いや金利の受け取りなど金融収支を含めた儲けとなります。

本業以外の損益といっても、今期だけの損益の場合には含まれません。毎期「経常的に」発生する損益を含みます。今期だけの突発的な利益(株式の売却益など)や損益(天災による被害など)は「特別損益」として、経常利益を計算したあとに調整されます。

したがって、経常利益は企業が通常に活動した結果の利益ですから、企業活動の成果として一番重視される傾向があります。

また、経常利益を売上高で割れば「経常利益率」が計算できます。「営業利益率」が本業の収益力を示すのに対して、「経常利益率」は総合的な収益力を示します。

営業利益率と経常利益率は簡単な計算でチェックできることですが、これだけでも企業の弱点を見つけることができる指標です。

営業利益率が本業を示し、経常利益率が総合的な収益を示しますから、営業利益率より経常利益率が高い企業は本業がうまくいっていないかもしれませんし、営業利益率が高いのに経常利益率は低い企業は、本業以外に問題があるか、利息の支払いが多い(借金が多い)可能性もあります。

利益率の比較だけではありませんが、決算データは今期だけみるのではなく過去にさかのぼって変化を見るようにしましょう。また同業との比較も重要です。株式投資は比較することが基本ですので、「縦の比較(時系列)」と「横の比較(類似業種)」が基本になります。
◇当期利益

経常利益から、今期だけの当別な損益や法人税などを差引いたのが当期利益となります。

営業利益、経常利益が順調に伸びていて、当期利益だけあまりにも落ち込んでいる場合は、一時的な損で落ち込んでいると考えられます。また、株式分割を期中におこなった場合、発行株数が増えますので、当期利益が分割比率(2分割なら当期利益は半分)に応じて落ち込む場合があります。
◇1株当期利益

当期利益を発行株数で割ったものが1株当期利益です。米国などは、1株当期利益を重要視する傾向があり、企業決算は1株当期利益の増減で評価される報道が多く見られます。

また、株価を1株当期利益で割ったのがPER(株価収益率)です。企業の株価が1株当期利益の何倍になっているかで、割安なのか割高なのかを判断する指標です。
◇決算発表を控えて

損益計算書は企業の儲けをチェックするための重要な指標です。ただ、詳しく分析できなくてもよいので、まずは基本だけ知っておけば十分だと思います。

なぜなら、業績がよく、右肩上がりに上昇している銘柄は魅力的に見えますが、決算が良くても市場の期待に反すれば「失望売り」で大きく下がる危険性もあるからです。また、業績の判断はそれを専門におこなっているプロでも誤ってしまうことがありますし、実際に発表されないとわからないことですので、わからないことに賭けるのはリスクが高いといえます。

ただし、株式市場全体が大きく下落したときには、業績の良い銘柄も連れ安することがあり、このようなときはチャンスと考えられます。

つまり、業績発表を予想してリスクを取るより、発表された決算をチェックしておき、株式市場全体が下がったら買う銘柄を見つけておく方法が安全だと思います。

チェックするポイントは「変化率」ですので、決算データでチェックポイントを再確認してみましょう。
★マーケットプロファイルについてのお勉強

●FPeye 225先物プロファイル
http://www.fpeye.co.jp/ ホーム

http://www.fpeye.co.jp/fpeye/fpeye.php?fid=16



『マーケットプロファイルの作り方&基本』

●http://www.taicom.co.jp/market/mailmag/mp.html

−短期集中連載(全5回)−

│ 第1回:マーケットプロファイルとは!?(前編)
│ 第2回:マーケットプロファイルとは!?(後編)
│ 第3回:作り方
│ 第4回:基本形状
│ 第5回:基本売買戦略



●第1回:マーケットプロファイルとは!?(前編)

 「マーケット・プロファイル分析」というコーナーにおいて、日経225先物の価格の動きや展望などを紹介してきました。マーケットプロファイルの基本的な形状や用語につきましては日々のコメントでも注釈を入れていますが、「そもそもどうやって作るのか?」や「どんなテクニカルなの?」等、これまで読者の方々より質問を頂いてきましたので、説明足らずだった部分を含めて今回、『マーケットプロファイルの作り方&基本』と題したコーナーを短期的に設けさせて頂くことになりました。

 そもそもこのマーケットプロファイル(以下MP)分析とは、米国はシカゴにおいて、主にデイトレード(日計り取引)に活用するために確立されたものです。テクニカル分析としては比較的最近生まれたものなので、「初めて聞いた」という方がほとんどかもしれません。メルマガを読んで頂いた方の中には「なんだか毎日描かれている変なアルファベットのカタマリがあるけど、なんだろう?」と言った風な感想を持たれる方が多いようです。

 テクニカル分析とは言わずもがな、対象銘柄の「価格」や「時間」、「出来高」などをベースに相場動向を「分析・予測」することです。一般にあまり知られていないテクニカル指標も加えれば、これまで数え切れない種類の分析手法が生まれてきました。ただ当然のように、どのようなテクニカル分析でもすべての状況に対応できるような手法は存在しえません。仮に過去のデータ全てにおいてパーフェクトなパフォーマンスを誇るテクニカル手法をみつけたとしても、それが明日以降にも有効なものかどうかは分からないというわけです。

 そういった事を踏まえた上でマーケットプロファイル分析(MP分析)をご紹介している理由は以下の2つ。

1.見た目に訴えるので相場観をイメージしやすい
2.出来高を反映した数少ないテクニカル指標である

 毎日MPの形状を眺めていると、今日一日がどんな相場だったかがイメージできるようになってきます。具体的にはメルマガの内容でもご紹介しておりますが、「この価格は市場参加者にとって居心地のいい価格なんだな(つまりつけやすい)」だとか、「この価格帯はしばらくつけそうにないな」だとかを読み取ることができるようになってきます。もちろんテクニカル分析が万能でないように、全てのサインが正しいわけではありませんが、ここで重要なのは『自分自身でそういった感覚をイメージできる』という点です。

これは毎回「何らかの形が作られる」MPならではといえ、折れ線で表示する類のテクニカルとは最も異なる点です。また、ある程度見慣れてくると今度はリアルタイムでMPを書きながら、その後の形状をイメージすることができるようになります。「買い」か「売り」かしかない(「待つ」も重要ですが、)相場にとって、現在値だけをみながら、どちらかを判断していくことは大変なことです。そこで出来上がりのMPの形状をイメージすることで、その形状にあった売買を行っていく、というわけです。相場の行方をダイレクトに予想するわけではなく、「MPで出来上がる形状を通して」というと、間接的でいささかじれったい気もすると思いますが、そこは是非一度試してみて下さい。想像力を働かせて、その結果を答え合わせしていく作業は、なかなか楽しいものです。上手くいけば気分がいいし、イメージと異なれば、どうしてそうなったかを考えてみるのも良いでしょう。
何か新たなパターンを発見するきっかけになるかもしれません。


●第2回:マーケットプロファイルとは!?(後編)

◆昨日はマーケットプロファイル(以下MP)分析の特徴を以下のように取り上げ、1の項目について詳しくお話しました。本日は2の出来高に関してお話したいと思います。

1.見た目に訴えるので相場観をイメージしやすい
2.出来高を反映した数少ないテクニカル指標である

 テクニカル分析とは昨日もお話した通り、価格・時間・出来高を分析することです。特に相場が大きく動く時は、出来高も通常とは比較にならないくらいの量をこなします。価格が、とある水準から急変するときは直近の高値や安値を超えた場合などに加え、潜在する戻り売り圧力や、押し目買いをこなしたケースが多いものです(=いわゆる節目)。そういった意味で過去にどのような価格(帯)で出来高があったかを知ることは非常に大事なことですが、実はこの「出来高」を加味したテクニカル指標は意外にも?そう多くありません。移動平均線然り、RSI然り、一目均衡表然りです。出来高に関する指標としてはOBV(On Balace Volume)やボリュームレシオ、逆ウォッチ曲線などが思い浮かびますが、その中でMPが秀でている部分は、何といっても『見ための分かりやすさ』にあります。基本的にMPのアルファベットの積み重なりは出来高を反映しているので、単純に文字が多く積み重なっているところが出来高が厚く、文字の積み重なりが少ないところが出来高に乏しかったとみることができ、節目となりうる価格を簡単に探すことができます。

 また、価格帯別出来高とは類似する点がありますが、MP分析は1日を最小単位として好きな期間で分析できる点において優れています。例えば日経平均先物ですが、昨年の12月10日の安値10770円を起点として上昇トレンドを作った後、ゴールデンウィーク前の4月に急落し、4月18日以降長い間、10760円〜11380円でのもみあいとなっていました。そういった場合、レンジ内に相当する期間だけのMPを重ねて作ることで、融通をきかせて節目となる価格を予想することができ、いわゆる戻り売り圧力や、割安で押し目を買われそうな価格帯が予想できるわけです。

 最後に、MPは複雑な計算が必要なく、ローソク足の分足(30分)をみることができる環境にある方ならば誰にでもすぐに作成することができます。場中に作成するにしても、30分に一度すこし鉛筆を走らせるだけです。そんなところもまた魅力だったりもします。今回も文字ばかりで長くなってしまいました。次回は簡単な図を添えながら「マーケットプロファイルの作り方」についてご紹介したいと思います。


●第3回:作り方

◆ 昨日までマーケットプロファイル(以下MP)分析の特徴についてお話しさせて頂きました。本日はいよいよMPの作り方をご紹介したいと思います。また、短期連載では例として日経225先物を取り扱っていますが、MP分析は現物株やFX(外国為替証拠金取引)、商品先物取引にももちろん使用可能です。

☆−MPの作り方−☆

『寄付きから30分ごとの値動き(値幅)をアルファベットでそれぞれ記録し、最後に積み上げる』

 これだけなのですが、文章にするといささか難解。順を追って説明していくと以下のようになります。

★1まずは取引時間を30ごとに区切り、それぞれの時間帯にアルファベットを割り振ります

★2 割り当てた時間内における値幅をそれぞれ記録します

05年5月6日の実際の値動きを例にとってみましょう。ちなみにこの日は

  始値 11130円
   高値 11190円
   安値 11110円
   終値 11170円

で、各時間帯の値動きは以下のようになりました。

値幅をそれぞれプロットすると…

★3 最後に上記のアルファベットを左詰めにします。

以上でMPの完成です。こうして出来上がった形状から相場を分析・予想していくことになります。

 例えば上記のMPの様に値幅の中心部が厚く、両端が薄い形は「ノーマルデー」と呼ばれ、名前の示す通り、通常ごく一般に見られる形状です。このようなMPが出来上がった場合、文字の積み重なりが多い11160円や11170円が最も多くの売買が行われており、市場参加者が好んだ価格であった(適正価格だった)だとか、11110円と11120円はA時間(09:00−09:30)においてのみ取引されただけで、その後は意識されなかった価格なので、明日は抵抗線になるんじゃないか(底堅い)?といった風に分析していくことになります。


●第4回:基本形状

◆昨日はマーケットプロファイル(以下MP)の作り方と簡単な見方をご紹介しました。本日は出来上がったMPの形状に関するお話です。

☆−MPの基本形状−☆

出来上がったMPで描かれる形状は大きく分けて「3つのタイプ」です。

・ノーマルデー    〜出現頻度 約70%〜

 タイプ1の『ノーマルデー』は中央部分が膨らみ、上下両端が細った、山のような形をいいます。毎日MPを記録していくと実に7割近くのMPが、この形状に分類されます。”normal”(ノーマル)と呼ばれる所以は普通によくみられるということです。これはいわゆる「正規分布」を表しており、平均(中央)に近い部分ほど、頻度(=出来高)が多く、端にいくほど頻度が少なく(珍しく)なることを表しています。例えば高校のテストのクラス結果を思い出してみると、平均点に近い学生ほどその人数が多く、100点や0点に近くなるほど、人数が減っていくといった具合です。これは身長や体重などでも同じような結果となることは想像し易いですよね。統計学では自然現象の多くが正規分布を示すとされています。

・ダブルディストリビューションデー    〜出現頻度 約10%強〜

 タイプ2の『ダブルディストリビューションデー』は山の分布が大きく分けて2つになる形を呼びます。”distribution”(ディストリビューション)とは配分・分布・配置といった意味合いをもつ名詞です。単純に見た目で2つの山があるように見えればOKですが、厳密には山と山の連結を、積み上がりのない、1つのアルファベットの文字でつないでいるのが条件です。上記の凡例(1月12日)では「E」の文字がこれに相当し、特に『レッジ』と呼ぶことがあります。相場環境としてはファンダメンタル的な材料が飛び出して、価格が移動し、その前後で意識された価格帯が異なる場合にできることが多くあります。また、レッジの部分は節目とされている価格となることも比較的多くあります。上図の今年1月12日の場合、レッジは前日の安値でもあり、その1ティック下のEとFは11500円ときりのよい価格でした。

・トレンドデー    〜出現頻度 約10%強〜

 タイプ3の『トレンドデー』は寄付き部分の価格にアルファベットの積み重なりが少なく、そこから離れた価格帯に山の分布ができる形を呼びます。” trend”(トレンド)が「(ある方向に)傾く、向く」のという言葉を表す通り、強いファンダメンタル的な材料により価格が寄付きから一方向に動いた場合などに観察できます。ケースとしては前日のNY市況に大きな変化があった場合や、東京市場寄付き前に突発的なニュースが起きた時など。ちなみに上図(4月1日)では寄り前、8時50分に発表された日銀短観が事前予想を下回り下落して始まったものの、反対に安過ぎだとみた買いが集中し、戻した結果となっています。


 以上3タイプの形状についてご説明させて頂きました。実際はこれらのケースに該当させるのが難しい場合や、山が3つあるトリプルディストリビューションになる場合などもありますが、基本的にはこの3つでOKですし、そもそも必ずしもどれかに分類する必要もあるわけではありません。重要なのは『出来上がった形状から何を読み取っていくか』です。本短期連載も次回でいよいよ最後。明日はMP分析をどのように取引に利用していくかについてのお話を予定しています。


●第5回:基本売買戦略

◆昨日はマーケットプロファイル(以下MP)の形状についてのお話しでした。短期連載最終回となる本日はMPを使った売買戦略についてです。

 MPを利用した売買方法としては大きく分けて(1)逆張りに利用する場合と(2)順張りに利用する場合の2つがあります。実際には昨日ご紹介した形状を例にとるとノーマルデーが逆張り、ダブルディストリビューションデーとトレンドデーが順張りに適しているといえます。

(1)まずは逆張りについてです。出来上がったMPの形状は約70%がノーマルデーに相当することが実際に知られています。ならば話は簡単でノーマルデーの下限で「買い」、上限で「売り」とするわけです。

 この日は11010円で取引がスタートしA〜Cの時間帯終了後までの間、価格は上にいったり下にいったりと方向感に乏しい展開でした。そこで、この時点までにMPの最終形をイメージし、「今日はいつも通りノーマルデーとなるのでは?」と予想するわけです。そしてアルファベットの文字が一番多く積み重なりそうな価格にいくつか当たりをつけます。C時間終了までの取引レンジは11970円〜11050円なので、だいたい「11010円前後が今日の中心的な取引価格になりそう」と予想した場合、上記の図中に示したとおり、11040円付近なら「売り」、10980円付近なら「買い」となるのです。

 もちろんノーマルデーと予想するまでには、他にいろいろな要素も含まれてくるでしょう。例えばこの日の出来高がC時間終了までに2万枚強で、多すぎず少なすぎずといった、ノーマルデーとなりやすい要素を満たしていることや、前日比で100円安くなった5月25日の安値が10980円と、目先底打ち感があったことなども判断材料となります。いずれにせよ、単純な確率論から言うとノーマルデーを予測することは、比較的簡単なのですが、問題は最もアルファベットの積み重なる、中心値段がどこになるかを予想することが大事になってきます。

(2)次に順張りについてです。MPにおいては最も重要な売買シグナルとして「イニシャルレンジ・ブレイク」というものがあります。イニシャルレンジとは、取引開始から1時間で記録した価格帯を指し、すなわちAとB時間のレンジを言いますが、この価格帯をC時間以降に上抜け、もしくは下抜けした場合を「ブレイク」といい、順張りのシグナルとするものです。

 上図の実例ではAとBの時間帯で11070円から11130円の価格をつけており、C時間で初めてその価格を下抜けして11060円をつけたので、ここが売りサインとなります。このイニシャルレンジを上や下に抜けることがどうして重要なのかというと、取引最初の一時間は前日引け後のファンダメンタルなニュースや前晩のNY株式市場を織り込む時間帯ですから、その後(C時間以降)に価格の移動が起こるようならば、市場参加者になにかしら適正価格を変化させる動きが起きつつあると考えることができ、「ならばそのトレンドについていこうという」発想が基になっています。

 もちろん全てのこのシグナルをもって順張りとするのは危険で、いくつかの条件が伴う必要があります。例えば、市場を動かせるだけの参加者、つまり出来高がある程度見込めることや、前日に中心的に取引が行われていた価格帯から遠ざかっていく形のブレイクの方が、適正価格の移動といった意味では強いシグナルといえます。実例では前日5月24日の主な取引は11100円台前半でで行われており、また始値が11130円で、その後、A→B→Cと順に上値、下値ともに切り下げていることも下に強い流れと判断することもできるでしょう。

 以上が順張りと逆張りに関するMPの基本的なお話しとなります。これまでの5日間でMP分析の特徴や作り方などをご紹介してきました。お伝えしきれなかった部分も少なからずありますが、MP分析とは基本的に形状から何かを読み取っていく「パターン分析」です。同じ絵を見ても人によってそれぞれ感じることや興味を引く部分が異なるように、読み取り方というのは千差万別だと思います。
日経平均先物テクニカル分析
田中 勝博さんのホームページ

マーケットプロファイルの日数別のグラフが作れます

http://www.blindchart.com/


04/09〜04/20(10日営業日)

17860.
17850.
17840.
17830.
17820.
17810.A
17800Xa
17790.AB
17780.DABC
17770.CDIABC
17760.CDiABC
17750/CDGHIABC
17740.BCDEFGHIBAC
17730.BCDEFGHBACCC
17720.BCDEFGABABBCHCDCI
17710.BCEFGABEFABCDHIBCDGHICDBCI
17700XBEABCEFGaBCDGHiBCDGHICDBCDI
17690.ABEABCEFGiABCDEGHIABCDEGHICDEBCDEFGHI
17680.ABABCEFGHIBCEGHIaBCDEFGHIDEABCDEFGHI
17670.ABACDEGHIBEFGHAABCDEFGIEABCDEFGHI
17660.ABaCDEGHIEFGABABEFGIEABCDEFGHi
17650/ABADEGHIEFABABEFGiEACEFGH
17640.aDEABABEFIEAEFH
17630.AAABAEEAEFH
17620.aBCAEAE
17610.ABCAEiAE
17600XABCDEAEIaE
17590.ACDEAEFIA
17580.ACDEAEFIA
17570.AFCDEaEFIA
17560.ABFCDEAEFGIA
17550/ABEFGHICEAEFGHIA
17540.ABEFGHIEAEFGHIA
17530.ABEFGHIEAEGHIACA
17520.BCDEFHiEGHABCA
17510.BCDEHIEGHaBCAD
17500XBCDHEGHABCADE
17490.BCDHEGHABCDaCDEHI
17480.BCDEGHABCDABCDEFHI
17470.CEGHABCDABCDEFGHI
17460.EGADABCDEFGHI
17450/EFGADABCEFGHI
17440.EFGADABEGI
17430.EFGADBEI
17420.EFGDEHBI
17410.FGHEHIi
17400XFGHiEHI
17390.FGHIEHi
17380.GHIEHI
17370.GHIEHI
17360.HIEGHI
17350/HIEGHI
17340.HIEGHI
17330.EFGHI
17320.EFG
17310.EFG
17300XEFG
17290.EF
17280.EF
17270.EF
17260.F
17250/F
17240.F
17230.F
17220.
17210.
17200X
17190.
17180.
マーケットプロファイル分析をしている人のブログ
NK225DBlaboさんのブログ

http://nk225dblabo.blog92.fc2.com/
#1 バスケット取引とは?

・バスケット取引とは、ある一定量の銘柄をまとめて売ったり買ったりする取引の事です。日本では、バスケット取引は、15銘柄以上でかつ総額1億円以上の銘柄の集合体をバスケットと定義しています。この定義は、各国で若干の違いがあるようですが、日本においては、どの取引所においてもこの定義で統一されています。

・機関投資家は数多くの銘柄を保有しており、それをまとめて売ったり買ったりするニーズは強いものがあります。一銘柄ずつマニュアル的に売り買いしていたのでは、それこそ日が暮れても銘柄の入れ替えなど出来ません。そこで、これらの銘柄を一つにバスケットとしてまとめ、対市場もしくは対証券会社で、売ったり買ったりする取引が広がったのです。実際、バスケットで取引を用いて対証券会社で"決め"商いをすると、約定は瞬間で決まります。事務処理的にも都合が良いですし、何よりも、ファンドマネージャーがそれこそ一瞬にして自分のポートフォリオの入れ替えを実施できるという利点が、ここまでバスケット取引を広めさせた要因だと考えられます。

・現在、バスケット取引の多くは、東証や大証での「立会外取引」を活用して実施されています。また昨年から取引所集中義務が撤廃されたことにより、「取引所外取引 (市場外取引)」もかなり活発に行われるようになってきました。もちろん、以前からある立会内取引でバスケット取引を行う場合もあるのですが (例えばVWAP型トレーディングなど)、これは比率としては非常に少なくなっているのが実状です。

・バスケット取引を実施するのは、主に機関投資家です。そのため、バスケット取引の内容をしっかり見ておけば、どういった銘柄が売られ、どういった銘柄が機関投資家によって買われているのかが、一目瞭然となります。

・ただ難点もいくつかあります。その最大のものは情報開示が今一つ、という点。特に証券会社など取引所と直結していない投資家であれば、詳細なバスケット取引の内容を把握するのは、非常な困難が伴います。さらに、大証のバスケットについては、総金額が開示されるだけで、しかもそれは午後4時過ぎ。個別の銘柄についての情報をリアルに入手するのは、証券会社であってもほぼ不可能です。

・もっとも、自分がバスケット取引の主体者であれば、なるべく情報が広がらないに越したことはありません。その点、バスケット取引の一定の情報秘匿性も、機関投資家がバスケット取引に傾く要因の一つに間違いありません。

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#2 VWAP型トレーディングとは?

・ VWAPとは Volume Weighted Average Price の略で、1日の取引(もしくは部分的な場合もある)のある銘柄の出来高加重平均単価のことです。「ブイワップ」と発音します。かつてはBloomberg の端末でAQRというコードで呼び出せたので、「きょうのAQRは○○円で…」なんて言い方をしていたのですが、最近ではVWAPで統一されて来た感じです。

例えば…
500円 1000株
505円 2000株
501円 3000株
500円 1000株
500円 7000株

・というように当該時間に取引が成立したと仮定すると、合計約定金額は 500*1000+505*2000+ ・・・ +500*7000 のように計算でき、これを出来高で割ると、加重平均単価は500.9286円となりこれをVWAPと呼びます。VWAP型トレーディングとは定義はあいまいですが、要するにこれに勝つことを目標とするトレーディング手法という事になります。

・ "勝つ"とはどういうことを意味するかとは、買いであれば、このVWAPよりも安く買う事で、売りであればVWAPよりも高く売る、と言うことです。最近では、このVWAPに勝てるかどうかで、トレーディングの上手/下手を判断することが多くなっています。つまり、VWAPはトレーディング能力を測るものさしの一つになりつつある、というのが現状です。

・ VWAP型トレーディングの特徴は、既にマーケットコメント欄で何度か書きましたが、寄付きに売り買いが集中する傾向が強まることです。これは実際にトレーディングしていると良くわかりますが、VWAPに勝つコツ(というか負けないコツ)は、市場の出来高にスライドさせる格好で自分の取引を実施することです。もちろん、後から振りかえってどこで出来高が多かったのかではなく、実施する前から出来高を予想するわけですから、当然、これまでの相場のパターンを読み、それに合わせる格好で実施する必要があります。

・ 1日のうちで、一番取引が多いのは、普通は朝の寄付です。だから、そこで取引を実施する向きが多くなり、それが余計に寄付での出来高を多くします。あとはスパイラル。VWAP型トレーディングが多くなると、余計に寄付に出来高が集中する傾向が強まり、当然、寄付きでの価格決定力が強くなります。これは上記の出来事を頭で描けば、簡単に分かることです。これが現在の市場で起こっていることです。

・ VWAP型トレーディングは、前日比で高いか安いかは関係ないのです。あくまでも、当日のVWAPに勝てるかどうかが最大の点となります。だから、極端な話、寄付でストップ高/安したとしても良いのです。要はVWAPに勝てば良いのです。こういったトレーディング手法が比率的に多くなれば、当然、寄付で大部分の方向性が出てしまい、その後のザラ場は動きが無くなってしまいます。これが最近の傾向です。

・ VWAP型トレーディングのマーケットへの影響について、少し書いておきます。VWAP型トレーディングが多いと、相場は寄付である程度の水準を決めてしまうと、なかなかその水準から脱却できなくなってしまいます。もちろん、それ以外の買いが入ってきたりして、水準が変化すると、VWAP型トレーディングをやっているトレーダーも頭を使って売り買いしなくては行けなくなります。しかし、いったん寄付き後に膠着状態になってしまうと、VWAP値より少し下値で買えれば十分、少し上値で売れれば十分、という状態に陥ってしまい、本当に相場は動かなくなってしまいます。そして後場寄付きでもう一度波が来て、その後はまた膠着状態。午後2時半過ぎに、こういったVWAP型トレーディングが1日の売買を終了する頃になると、途端に板が薄くなってしまい、その後はディーラーの小口売り買いやら"終値ギャランティー"などが入ると乱高下、という状態になってしまいます。最近は、明らかにこういった相場展開が増えていることに気付きます。

・なお、VWAPは一般的にマーケットで実際に取引できる価格という意味で、寄付値や終値を使うよりも妥当性があります。その為、バックテスト(過去に遡ってファンドのパフォーマンスなどをテストすること)などでも、売り買いは終値ではなく、VWAP値で行う事を前提に実行することも、最近では増えてきているようです。

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#3 EFPとは?

・ まずEFPの仕組みから簡単におさらいしましょう。EFPとは"Exchange For Physical"の略で、先物と現物の交換トレードのことを言います。多くの場合、機関投資家は定期的に資金が入ってきます。例えば年金資金などは、企業からの毎月の掛け金などが払い込まれるのです。ただ、投資という観点から考えると、これらの資金を毎月、株式購入に回すことは、決して効率の良い取引とは言えない場合があります。つまり、資金が小口過ぎる場合、ある程度集まるまでプールしておく方が効率良いわけです。

・ 多くの場合は、ベンチマークに合わせてTOPIX先物を小口で買い建てておいて、例えば1ヶ月とか3ヶ月とかが経過して、ある程度資金がまとまった時に、「先物売り/現物買い」という取引を執行するのです。これをEFPといいます。

・現在、大部分のこのタイプの取引は、9割以上が"決め"という手法で、証券会社が相手方となることで、流動性を供給する形になっています。つまり機関投資家が「先物売り/現物買い」を実施すると、それを受けた証券会社側は逆に「先物買い/現物売り」というポジションになるわけです。

・このポジションは、既にヘッジされているため、理論的には(!)マーケットに対して中立です。つまり、デルタのリスクには晒されていない、という事になります。だから、新たに先物を買ったり売ったりする必要はない、という事になります。ただ、この場合でも、トラッキング・エラー(指数と当該ファンドとの動きのずれ)という厄介なリスクは残ります。

・ またEFPには逆も当然あり得るわけで、機関投資家側が「先物買い/現物売り」という取引を実施し、相手側の証券会社が「先物売り/現物買い」というポジションを取る場合もあります。

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#4 ベーシス(bp)とは?

・ベーシスとは単位です。一般的にbpと記述し、ベーシス・ポイント、略してベーシスと言います。定義は1%=100bp、1bp=1/10000。要するに細かい単位を言い表す時に、0.03%というよりも、3ベーシスという方が通りが良いために使われる感じです。最初は、多分、債券や金利の世界で通常的に使われていた言葉で、株式の世界で日常的に使われるようになってきたのは、この5年程度と思われます。

・代表的な使用例としては、バスケットでプライスを提示する際に使います。リアルな状況を作ってみると、以下のような感じになります(^_^;)。また、委託手数料率を言う場合に使うこともあります。

・それでは、実際のバスケット取引のプライスで"ベーシス"を使うケースをやってみましょう。

顧客 : 昼休みに、立会外バスケットの買いを実施しようと思います。付きましては、コンペを行いたいと思いますので、プライスの提示をお願いします。
証券 : 分かりました。銘柄一覧をFAXかE-Mailで送って頂けますか?それと、前引値を基準でのベーシスでよろしいですね?
顧客 : ハイ。それで結構です。これからFAXでリストをお送り致します。コンペの締め切りは11時40分でよろしいですか?
証券 : それで結構です。FAXが届いたら、電話で一報入れます。ありがとうございました。
  ******** 時間経過 *********
証券 : プライスをお伝え致します。バスケット全銘柄対応でプラス36ベーシスでお願い致します。
顧客 : プラス36ベーシスですね?分かりました。コンペの結果については、10分以内にご連絡致します。

・ってな感じです。すごいリアルですが、これが私などが日々やっている電話の会話そのものです…(^_^;)。

・この場合、プラス36ベーシスというのは、「前引値よりも36ベーシス上で、バスケットに入っている株式を全てまとめて売りましょう」という証券会社側のプライス提示という事になります。前引値基準のバスケット価額が例えば10億円だったとすると、10億0360万円の価額であれば、証券会社売り/顧客買いを成立させましょう、という提案な訳です。計算としては、10億円×(36/10000+1) = 10億0360万円というわけです。差額の360万円は、マーケットインパクトという事になります。なお、委託手数料は立会外バスケットの場合は別枠です。市場外では、別枠か含むかは相談の上、決定されます。

・こうやって、毎日私達は顧客である機関投資家のトレーダー連中と、ある時は腹の探り合い、ある時はお互いに助け合って、毎日のビジネスをやっているのです。ベーシスというのは、その時の一番大切な単位と言っても、言い過ぎではありません(^_^;)。
用語説明

2007/4/23 月曜日
ギブアップ制度って何ですか?

簡単に言えば、顧客が行った先物・オプション取引について、その決済を他の証券会社において行うことができる制度です(注文・清算分離行為)。海外の先物市場では一般的な制度で、日本においては東京金融取引所が既に導入していますが、まだ多くの投資家の方々にとってなじみの薄い制度と言えます。大阪証券取引所が5月21日からの導入を決めたことにより、東京証券取引所でも年内に導入する運びとなるとのこと。

先物・オプションは現物株と異なり、新規で建て玉を建てた所でしか決済する事ができないのですが、今後はA証券で新規売り建てた日経平均先物をB証券で買い戻す事が可能になります。また、同日に買いと売りのポジションを異なる証券会社に建てたとしても、清算行為が一体化する事で証拠金の減額が可能になります。注文執行会員から清算・決済を引き受ける事をテイクアップと言います。

注文執行会員は取引報告書の作成や、面倒な証拠金の管理をする必要がないので手数料を大幅に引き下げる事が可能です。しかし、清算執行会員になるためにはシステム対応に、巨額な資金が必要であることから、数年前から取引所が提案していたにもかかわらず、なかなか制度そのものがスタートしなかった経緯があります。ところが既に、ギブアップ制度は世界的に当たり前の制度となっていることから、デリバティブ特化を考えている大証が東証に先駆けてスタートする運びとなったようです。


2007/4/18 水曜日
お昼のバスケット取引動向って何ですか?(その2)

 それでは、なぜバスケット取引はお昼に集中するのでしょうか?

 まず東証の立会い外取引は、その名の通り立会い時間内にクロスを振る(同じ株数、同じ値段で売買を成立させる)ことはできません。原則的には、前場、後場の寄り前と大引け後になります。

 そのうちのお昼に集中する理由はいろいろ考えられます。一つは、ファンドの資金フローの問題です。朝の寄り前まででは時間が少ないため、完全にその日の資金フローに対応したバスケットが確定できないため、朝の寄り前には間に合わない事が挙げられます。

 もう一つとしては、リバランスをするにしても、前日の海外の相場動向を見て調整しなければなりません。海外動向が確定してから、朝の寄り付きまでは時間の制約が大きい事も理由の一つです。


 その他、証券会社が出すバスケット価格の出し方が朝は難しい事が挙げられます。東証の個別銘柄に板が入るのは8時20分からですが、寄り前の板は相場が始まる前であるため不確定な板が多く、その板を見て今日の地合いを判断するのは難しいところがあるからです。

 また、8時20分の個別銘柄の板を見てからでは、やはり時間の制約が大きいのです。そのため、半日経過して相場の様子がある程度判るお昼にバスケットを出した方が、出す方も、受ける方もやり易いと言う事情があるからです。


2007/4/16 月曜日
お昼のバスケット取引動向って何ですか?(その1)

お昼のバスケット取引で、「売りが500億円、買いが600億!」などの情報が流れています。基本的にどのようなバスケット取引があったかどうかは、大引けまでわかりませんし、金額ですら12時半を過ぎるまで、そのバスケットを引き受けた証券会社にしか分かりません。(但し、東証立会い外を使わず市場外取引を使った場合、売り買いのクロスを入れれば、その時点で分かります)


12時半の時点では、全体の取引量は分かりますが、銘柄、価格など詳細な情報も分かりません。東証の立会い外取引に関しては、大引け後まとめて発表になるからです。そのため、お昼のバスケット情報は、引き合いを受けている証券会社のトレーダーが集計し、お昼のバスケット情報として市場に流れます。しかし、ひとつの証券会社にすべての引き合いが行くわけではありませんので、実際の状況を知ることは引け後になります。

では、このバスケット情報を知ることによって、何が出来るのでしょうか?


例えば100億円売り超だったとします。SGX日経平均先物で、東証が寄り付く前にヘッジ売りを入れることができ、その存在を知らないディーラーよりも早い行動ができますし、SGXで売らないまでも、後場寄りを積極的売る事ができます。

全体の売り買いは食い合いだったとしても、ある特定の業種や銘柄が傾いていれば、市場全体がそのセクターや銘柄に大量の売り買いが入っていると気が付く前に対応することも可能です。
このお昼の流動性を知ることによって、ほんとうに利益を出すことができるかどうかは議論の分かれるところですが、積極的に対応している証券会社とあまり対応していない証券会社にはっきりと分かれています。


2007/4/12 木曜日
魔の水曜日って何ですか?

 魔の水曜日とは、毎月のSQ(第二金曜日)直前の水曜日は相場が軟調になる事が多い、と言うものです。

 3月SQ時の水曜日は79円安、2月は114円安、1月も295円安。やはり下落しています。昨年1年間の平均下落率が1%を超えている事から、顕著な傾向があると言えましょう。

 それでは、SQ前の水曜日に下落する理由が何かあるのでしょうか?SQであるかどうかを別に、昨年1年間の水曜日の勝率は47.6%でした。曜日別の勝率で見ると唯一負け越しています。そもそも水曜日そのものが下落し易い曜日であったと言えます。

 SQ前の特有要因としては、最終売買日の前日と言う事で、仕掛けや思惑を入れるには遅すぎず早すぎず。仕掛け易い最後のタイミングと言えるでしょう。外国人にとっては時差があるため、特にその傾向が強くなるのかもしれません。

 裁定残高が急激に増加してきた昨年あたりから、この傾向がより鮮明になっており、裁定取引の調整やそれに伴う仕掛けが行われ易い曜日であるとも言えるでしょう。

2007/4/8 日曜日
海外市場が休みになると、なぜ日本市場の出来高が減るのですか?

海外市場が休場なのですから、外国人が日本株の注文が極端に減るのは当然です。しかし、もちろんそれですべてを判断してしまうのは早計です。日本市場の指標である米国市場が休みであれば、日本市場でポジションをとる意欲は失われます。

しかし、日本市場に入っている海外資産の中では、日本に拠点を置く運用会社に資産を委託しているところも多く、海外市場が休みだからといって、日本に運用担当者がいれば直接は関係ないような気がします。

それでは、なぜ外国人の売買が大きく減るのでしょう。それは、売買をしたくても決済などの管理が出来なくなるからです。多くの非居住者の資産の管理は海外で行われています。和製ヘッジファンドでも、節税目的から海外でファンド管理をするところも多いと聞きます。


非居住者の資産はロンドン、ルクセンブルグなど欧州で管理されている場合が多く、欧州が休日になると資産管理が出来ません。銀行も休みになっていれば決済も出来ません。証券会社が休みになっていれば、受け渡しさえ出来なくなります。

ファンドマネジャーが開いている日本市場で株の注文を出したい、などとがんばっても、こうした事情から注文を出せないようです。


2007/4/5 木曜日
二日新甫は荒れるって本当ですか?


今月は4月2日が月曜日となっている事で、4月は二日新補でのスタートとなっています。昔は土曜日が休日ではなかったため二日新補と言えば、純粋に二日始まりの月を指しましたが、土曜日が休日となったことから、月初が一日始まりでない相場月を二日新甫と呼んでいるようです。

月の初めが一日から始まらないと、その月の相場は荒れるケースが多いと言うものです。実際に二日新甫の月(三日新甫を含む)だけを抽出しますと、確かにボラティリティ(変動率)は、そうでない月と比較すれば高いようです。

これを月ごとに分解すると4月と6月はボラティリティが高く不安定になる確率は高いようですが、上昇率においては好成績を収めているという結果です。逆に3月と9月もボラティリティが不安定になるのですが、こちらは勝率が低く成績は芳しくないようです。

二日新甫の月はかならず月初と週初が重なります。と言うことは、その前月は月末と週末がかならず重なることになります。システムの入れ替え、ファンドマネージャーのポジション変更、トランジション(資産移管に係る管理・執行)や運用担当者の変更など、いろいろな事が行われ易い月である事は確かなようで、それが相場の荒れる原因にもなっていると考えられます。


2007/4/2 月曜日
ガンマショートって何ですか?(その2)

 ガンマショートの最大のメリットは時間的価値として付いているプレミアムを稼ぐ事にあります。自分の売っている時間内に想定外の事がおきなければ、時間を売った分の利益を得る事ができます。

 ただ、時間的価値は売却した時点が最大利益になりますから、それ以上利益を出すためにはポジションを積み上げていくしかありません。積み上げていく事により、プレミアムの対価としてキャッシュも積み上がって行きますから、そのキャッシュを使ってさらに投資することも可能な訳です。レバレッジにさらにレバレッジをかける訳ですから、小額の投資資金しかない人には打って付けの投資方法にも見えます。

 しかし、相場が想定の範囲内で動いているうちは良いのですが、一旦想定外の方向に動き出すと損失が雪達磨式に増えていきます。ヘッジをしようとしても、デルタの動きと追いかけっこになりますから、想定の範囲を外れてからではうまくヘッジも効かなくなります。

 一見レンジ内の動きが多い日経平均などでは簡単に儲かりそうな気がしますが、勝率9割でも、負けた時にすべてを失ってしまう可能性が高い難しい投資方法です。
2007/3/30 金曜日
ガンマショートって何ですか?(その1)



  まず、ガンマとはオプションのリスクパラメーターのひとつで、現物の値動きがデルタに与える影響を表します。ここでは、細かい計算式にまでは言及しませんが、例えば日経平均が一単位動いた時にデルタがどの程度動くかを表す指標になります。



  ガンマポジションとしては、大きく分けてガンマロング(ポジティブガンマ)とガンマショート(ネガティブガンマ)に分かれます。これも、簡単に言えば、コールでも、プットでもオプションを買えばガンマはロングになりますし、オプションを売ればガンマショートになります。



  オプションは買いと売りではリスクの大きさが異なります。オプションの買いに関してはプットでもコールでも購入代金以上にリスクを負いませんが、売りのリスクはコールに関しては無限となります。プットの売りは投資した現物がゼロになった時点が最大のリスクになります。



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2007/3/25 日曜日
パッシブ運用って何ですか?



パッシブ(passive)運用とは、一言で言えば基準となるインデックス(例えば東証株価指数TOPIXなど)に連動させる運用のことです。現代ポートフォリオ理論に基づいて、効率的市場仮説が正しいとすれば、すべての材料は株価に織り込まれている事になるため、調査や分析をしても掘り出し銘柄を見つける事は困難であると言う事になります。



アナリストなどにコストを支払って運用をしても意味がないことになりますから、ベンチマーク(運用成績を評価する際の基準となる指標)となるインデックスに、ポートフォリオを連動させるだけの消極的な運用で良いことになります。



基準となるインデックスは、出来るだけ市場全体をカバーしている指数がベンチマークとして採用されやすい事になりますから、日本株の運用では日経平均よりも東証株価指数(TOPIX)をベンチマークとして採用しているファンドがほとんどになります。



そうなると、いかにベンチマークインデックスに近付けるかが重要な訳ですから、運用の稚拙と言うよりも、インデックスの入替えルールやその時のマーケットインパクトを計算してその通りに執行する事がより重要になります。
そのため、伝統的な企業分析よりもクオンツ的なトップダウン型のアプローチが重要になり、相場観とかボトムアップ型のアプローチとかはあまり関係なくなってしまうことになる訳です。




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2007/3/23 金曜日
EFPって何ですか?



Exchange of Futures for Physicals



  簡単に言えば現物株と先物を交換する取引です。どんな時に使われるかと言いますと、TOPIX先物と現物株の交換時によく見られます。



例えば、10億円の現金があるファンドに入ってきたとします。パッシブファンドであれば、TOPIXを買い付けなければなりませんが、10億円では完全にTOPIXに連動するように現物株を買い付ける事ができません。



そのため、まずは10億円相当のTOPIX先物を買い付けます。その後資金が流入するたびにTOPIX先物を購入していきます。そして、ほぼTOPIX指数に連動できる所まで現金が積み上がった所で先物と現物を交換する訳です。



証券会社としては、裁定のポジションをSQ以外のところで解消できると言うメリットがあるため、裁定残高の多い証券会社では積極的に対応しているようです。



その他、現物株に大きなインパクトを与えないで取引が出来る事もメリットの一つといえます。100億の現金が入ってきた場合、一気に現物株を買いに行けば当然大きなインパクトが出る銘柄が出てきます。



しかし、先物で100億円分と言えば600枚弱です。今や地場証券のディーラーのワンショットと同程度の枚数ですから、ほとんどインパクトなしに買い付ける事ができる訳です。



このように完全パッシブ型のファンドであれば、証券会社もほとんどリスクがなく先物と現物株を交換出来るわけですが、実際にそのような完全型との取引は、ごく一部の信託銀行の取引のみ。ほとんどはアクティブ・パッシブと言われるアクティブ型のEFPが多く、証券会社のディーラー泣かせのバスケット取引が多いようです。  


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2007/3/19 月曜日
逆鞘って何ですか?



ベーシス(現物指数と先物の差)やスプレッド(中心限月と期先限月の差)が理論価格を以上に縮まり、マイナスとなる現象を指します。3月のSQを境に、中心限月となる先物と現物指数は配当落ち日まで、この逆鞘の状態が続きます。もっとも3月に限った事ではなく、毎月配当落ち日には配当落ち相当分だけ指数は調整されています。
決算銘柄の少ない月は無視できるくらいの配当落ち額なので、目だって逆鞘になることはありません。しかし、3月、9月は決算銘柄が特に多い月なので、先物と現物指数が配当落ち相当額だけ大きく逆鞘になる事になります。


例えば現在、日経平均の予想配当落ち金額は、日経予想で89円程度になります。先物の中心限月は6月限なので、清算されるのは6月ですが、当然3月に権利落ちとなった現物株に配当金は付いてきません。そのため、現物指数が3月に配当を落すまでは、この予想配当落ち分だけ、6月限以降の先物価格は安い事になります。


しかし、あくまでも予想配当なので、実際にそれだけの配当金が支払われるかどうかは、配当を貰うまではわかりません。そのため、業績予想が悪いときは予想配当を下回る配当落ちが予想される事になり、実際の理論ベーシスよりも解消売りが出易い状態になります。


逆に業績が好調で増配期待が高い時は理論ベーシスで裁定買いを入れても、実際受け取る配当金が予想額より高ければ、その分が裁定業者の利益になりますから、裁定買いが入りやすくなる訳です。


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2007/3/15 木曜日
裁定業者はなぜ日興コーディアルを買い戻す必要があったのですか?



裁定業者であれば、今回の日興コーディアルに限った事ではありませんが、現物株を売らなくても新規に売却する事と同様な効果を得る事が可能です。日経平均採用銘柄であれば、オペレーションは容易に出来ます。





例えば、日興コーディアル抜きの224銘柄を買って、日経平均先物を売る裁定取引を考えて見ましょう。本来、同社株を買う事によって日経平均先物と等しくなる訳ですから、日興コーディアルを買わない分だけ、日経平均株価よりも安いポジションを作った事になります。そのため、常にこの裁定のポジションは日興コーディアルをカラ売りしているのと同じ効果がある訳です。





では、なぜこのような事をする必要があるのでしょう。理由はいろいろありますが、ひとつは、悪材料で何日も売り気配で寄り付かない銘柄があります。最近ではカネボウが記憶に新しいでしょう。悪材料を出して売り気配で寄り付かない間、気配値に基づいて日経平均株価は算出されるため、先物も理論上はその価格に基づいた価格になります。したがって、その先物を売って、カネボウ抜きの224銘柄を買えば、何日も寄り付かなかったカネボウを途中で売ったのと同じ効果を得る事が出来るわけです。





今回も、もしこのまま日興コーディアルが上場廃止となれば、相当な下落が予想された訳です。日興コーディアルの事件発覚当時、売り気配をともなって大きく下げた時に、同様なオペレーションを行っていた可能性は充分ある訳です。





TOPIXでも同じ事が出来ない訳ではありませんが、余程ウェートの大きい銘柄でないと、その銘柄を売るために巨額の資金が必要となる事や、誤差も大きくなる事から、効率的とはいえないため、やはり単純な日経平均銘柄がターゲットになり易いようです。



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2007/3/12 月曜日
幻のSQ値って何ですか?



3月10日付けの日経新聞のコラム「まちかど」に幻のSQ値についてコメントが掲載されています。幻のSQ値とは、日経新聞社によって公表されている日経平均株価の高値或いは安値の範囲外で計算されたSQ値の事です。



SQ値は225銘柄の寄り付き値の平均値ですが、日経新聞社が公表している日経平均の始値とは9時1分の日経平均株価になっておりますので、一般的な銘柄の始値とは異なります。当然、寄り付きだけではなく、高値、安値も一分更新ですから、現実的な速算値ベースでは、幻の高値や、幻の安値なども記録には残ってませんが存在している事になります。



したがって、指数の四本値の場合は引け値以外、すべて幻の値が存在することになりましょう。ただ、SQ値における幻に関しては、違った側面もあります。発注システムの高度化により、寄り付き10秒前はおろか1〜2秒前ギリギリに発注してくる業者も存在しています。もっとも、時折慣れない業者が失敗して、寄り後に出すケースもあるようです。



例えば、3月9日のSQも一銘柄あたりの株数が266万株買いに対して237万の売りとなっている銘柄と266万株の買いに対して276万株の売りとなっている銘柄もあり、売り銘柄の一部が寄り付きに間に合わなかったため、SQ値のみが高くなってしまったとも考えられます。



このように、故意か過失かは別として、SQ値は大きくブレて当たり前と思われています。しかし、「SQ値は必ず付く」と昔から言われています。一旦は幻となったSQ値を確認するかのように、相場が動くといった現象もよく見られることを覚えておきましょう。



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2007/3/8 木曜日
円キャリートレードってなんですか?(その3)



円キャリートレードがアンワインド化(手仕舞い)してしまった、もう一つの原因は、グリーンスパン前FRB議長の発言ではないでしょうか。2月26日の講演で「米国は年末から2008年にかけて、景気が減速して行く可能性があるだろう」と言ったことが響いたと思われます。景気の減速は金融緩和を示唆し、現在の円キャリートレードの源泉である日米金利差、その行く末に対して投資家へ不安感を与えたことは否めません。
元々、キャリートレードは、低金利の国で調達した資金を高金利の国の債券で運用すると言う、僅かなスプレッド(さや)を抜く事が目的として始められた取引です。これが、デリバティブや運用手法の発達により、様々な市場に運用資金を提供する源泉へと変質していった訳です。



そのため、円キャリートレードの根本である、円の先安感がグリーンスパン発言によって後退。そこに中華暴落が引き金となって巻き戻しが始まったため、ファンダメンタルズと関係ないところで現在の下落がスタートしてしまいました。しかし、一度始まったアンワインドは、その流れが落ち着くまで暫くの間、市場を乱高下させる事でしょう。



現在、円キャリートレードの運用残高は15兆円とも20兆円とも言われています。短期の投機資金のレバレッジの掛け方次第では、さらに残高が膨らんでいる可能性もあり、実態はよく把握されていません。



当初、ストラテジストの多くが「日米金利差に変化がないことから、円キャリートレードには一時的な影響しか出ないだろう」とのコメントがされていましたが、現実には需給の巻き戻しが、その予想を凌駕してしまいました。


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2007/3/4 日曜日
円キャリートレードってなんですか?(その2)



1/21の「円キャリートレードって何ですか?」では、円キャリートレードが、低金利である円で投資資金を調達して、高い収益が期待できる国に投資する取引であることを説明しました。では、なぜ今回の世界的な暴落の原因が円キャリートレードと言われているのでしょう。



教科書的に考えると、日銀が利上げしたとは言え、まだまだ日本と米国、ユーロの金利差は大きいわけですから、円キャリートレードは有効と考える事が出来るでしょう。現実に、日銀が利上げした後にも円安傾向は継続され、世界各国の株価は最高値を更新して行きました。



しかし、中華暴落が引き金を弾いたと考えられます。円キャリートレードの取引量から比較して時価総額の低い中国の暴落は、実質的な影響はあまり大きくありません。ただ中国の暴落が、高金利国であるエマージング市場の信用不安を煽り、キャリートレードのアンワインド(手仕舞い)がスタート。グローバルにアセットアロケーションされているヘッジファンドは、あらゆる市場でのアンワインドを余儀なくされたため、グローバルマーケットで株売り、円を返済(円買い)と言う構図になったと思われます。



元々、エマージング市場をはじめ、各国の株式市場は高所恐怖症状態だった訳ですから、一度箍(たが)を外されると一気に雪崩落ちてしまうのは、金融テクノロジーが発達した現在も変わらないようです。



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2007/3/1 木曜日
サーキット・ブレーカーって何ですか?



サーキット・ブレーカーとは、株価指数先物取引や株価指数オプション取引において、先物が一定の価格を超えて変動した場合、かつ理論価格と一定の幅を超えて乖離した場合に、取引所が発動する一時的な取引中断措置のことです。


なぜ、先物取引が特別にストップさせられるかと言えば、現物市場と比較して価格変動が早く、投資家の過度な不安心理によって市場価格の先行が起こりやすいため、これを抑えることを目的として発動されます。


しかし、現在は東証と大証の先物制度の平仄(ひょうそく)が整っていないため、必ずTOPIX先物が先にサーキットブレーカーを発動、取引を中断させる事になります。東証が止まっている間にも日経平均先物は売れる訳ですから、止めた事によって下げに拍車をかける可能性もあり、サーキット・ブレーカーの意味をなしているかどうかわかりません。





実際2月28日の取引においては、TOPIX先物がサーキット・ブレーカーによって止まっている15分間の間に、日経平均先物は70円下落し、TOPIX再開と同時に100円程度上昇しています。実際の制度を比較しても、サーキット・ブレーカーのポイントが大幅に違います。
2007/2/26 月曜日
ボラティリティって何ですか?(その3)


 今回は、インプライド・ボラティリティについて、もう少し考えて見ましょう。インプライド・ボラティリティは、市場参加者が将来の変動率を予測した期待値です。現在のインプライド・ボラティリティは、14%程度(2/23現在)です。

 この14%とは、市場参加者が期待している変動率の事ですから、意味するところは、向こう一年間で日経平均が14%動くであろう、と言う事になります。従って、2/23の終値である18188円の14%ですから、向こう1年間で上は21462円、下は14914円まで変動することを示しています。正規分布に従うため68.26%の確率でこの範囲に収まる、と言う事を表しています。

 しかし、1年間のオプションを売買するわけではありませんので、これを直近の3月SQまで割り戻さなければあまり意味がありません。この割り戻し方を式に示すと


14%÷√250/11≒3% (I・V÷√年間営業日数÷SQまでの残日数)

 となりますから、3月SQまで市場参加者が予測している3月限の日経平均SQ値は、17643円から18733円の間に68.26%の確率で納まる事を示していることになります。


 ところが、現実的にはこの通りに動く訳ではありません。ボラティリティは常に一定ではなく、いろいろな要因によって変動します。ボラティリティの決定要因はおそらく数百、それ以上かもしれない様々な材料によって決まりますので、市場参加者が予測したボラティリティ通りに日経平均は変動しないのです。


2007/2/22 木曜日
ボラティリティって何ですか?(その2)


今回はインプライド・ボラティリティについて考えて見ましょう。インプライド・ボラティリティは予想変動率とも言い、オプション価格から逆算してブラック・ショールズ方程式によって求める事ができます。


ヒストリカル・ボラティリティが過去の変動率の標準偏差であるなら、インプライド・ボラティリティは将来の変動率を市場関係者が予測した期待値と考える事ができます。そのため、ヒストリカル・ボラティリティと比較して、インプライド・ボラティリティの方が先行性は高いと言えます。


将来、市場が大きく動くのではないかと市場参加者が予測した場合、インプライド・ボラティリティは上昇していきますし、将来変動があまりないと予測した場合、インプライド・ボラティリティは低下して行きます。


ボラティリティを使った単純な戦略として、バイ・ボラ、セル・ボラと言う戦略があります。これは変動率を買うか、売るかと言う戦略の事です。バイ・ボラなら、コール(買う権利)・プット(売る権利)を両方買い建てて、セル・ボラならその逆になります。


オプションはいろいろな行使価格やプット・コールを組み合わせる事によって様々な戦略を作り出す事が可能です。ただ、ブラック・ショールズ方程式の重要な要因であるにもかかわらず、ボラティリティを予測することは不可能であることが分かっています。



2007/2/19 月曜日
ボラティリティって何ですか?(その1)


 ボラティリティ(volatility)とは、簡単に言えば価格変動率のことです。ボラティリティには過去の価格変動から算出されるヒストリカル・ボラティリティ(H・V)とオプションのプレミアムから逆算されるインプライド・ボラティリティ(I・V)があります。今回はヒストリカル・ボラティリティについて考えてみます。

 ボラティリティはブラックショールズ方程式(オプションの理論価格を決定する確率偏微分方程式)のパラメーター(媒介変数)に含まれている事から、一般的に広く普及しました。新聞等に公表されているヒストリカル・ボラティリティは、過去20日間の変動率の標準偏差です。この数値が高ければ株価の変動が大きかったことを示し、この数値が低ければ株価の変動が小さかったことを示します。

 ボラティリティが高ければそれだけリスクが高いということになりますから、オプションのプレミアム価格は上昇します。低いということは相場変動があまりないリスクの低い状態を示しますから、プレミアム価格も小さくなります。


 必ずそうなるとは限りませんが、ボラティリティの上昇期は相場が下落する事が多く、相場の上昇期はボラティリティが安定的に推移するようです。テクニカル分析上は、相場が上昇しても下落しても過熱感が高まりますが、ボラティリティの場合は、相場下落期に高まり、相場の上昇期には低めに推移する傾向があります。



2007/2/16 金曜日
新値足ってなんですか?


代表的なテクニカル分析の一つで、時系列を考えずに価格だけで客観的に相場の転換期を判断するため開発された指標です。主に新値足は3本抜き、5本抜き、10本抜きが一般的に知られています。


3本足は転換が早く、その分シグナルが出やすいため指標としては使い易いのですが騙しも多く、短期的な売買を好む人に向いています。逆に10本足は、転換することが少ない分騙しは少ないのですが、同じシグナルが出続けるため、指標としては使い辛いのが特徴です。


2月13日に日経平均の新値10本足が陽転しました。昨年5月16日に陰転して以来となります。1990年以降の新値10本足の陽転とその後の動きをまとめてみました。


1回目
陽転日:1992年8月21日 終値16,216.88円(その後の高値:1993年9月13日 21,148.11円)


2回目
陽転日:1994年6月8日 終値 21,261.95円(その後の高値:1994年6月13日 21,552.81円)


3回目
陽転日:1996年4月1日 終値 21,560.39円(その後の高値:1996年6月26日 22,666.80円)


4回目
陽転日:1997年6月16日 終値 20,681.07円(その後の高値:同日だまし)


5回目
陽転日:1998年2月9日 終値 17,205.00円(その後の高値:1998年3月2日 17,264.34円)


6回目
陽転日:1999年5月6日 終値 17,300.61円(その後の高値:1999年7月19日 18,352.58円)


7回目
陽転日:1999年11月10日 終値 18,567.87円(その後の高値:2000年4月12日 20,833.21円)


8回目
陽転日:2001年3月23日 終値 13,214.5円(その後の高値:2001年5月7日 14,529.41円)


9回目
陽転日:2002年3月4日 終値 11,450.22円(その後の高値:2002年5月23日 11,979.85円)


10回目
陽転日:2003年6月2日 終値 8,547.17円(その後の高値:2003年10月20日 11,161.71円)


11回目
陽転日:2004年3月1日 終値 11,271.62円(その後の高値:2004年4月26日 12,163.89円)


12回目
陽転日:2005年8月11日 終値 12,263.32円(その後の高値:2006年1月13日 16,454.95円)


13回目
陽転日:2006年1月27日 終値 16,460.68円(その後の高値:2006年4月7日 17,563.37円)


過去の平均上昇率は11.6%、それを今回に当てはめますと19,665.79円となります。


2007/2/12 月曜日
システムトレードって何ですか?


システムトレードとは売り買いのタイミングをプログラム化し、シグナルに従って機械的に売買する手法です。システムトレードの最大の利点は、投資者の相場勘と言う客観性に欠けた判断で売買することなく、決められた売買シグナルに従うため、システムが有効であれば、誰でも儲けることが出来るところにあります。

システム的に売買するには高い流動性が必要であることと、システムを作るためにある程度の期間データがある金融商品でなければなりません。そのため、日経平均先物は最もシステムトレードが有効である商品と言えるでしょう。

相場の格言に「利食い急ぐな、損急げ」とか「売りは早かれ、買いは遅かれ」などありますが、これは凡庸な投資家の投資心理を表したものです。通常、早く利益を確定させたいと言う投資家の心理は、利食いを小さくさせ、損失は大きくなりがちです。システムトレードであれば、投資家のチキンなハートでも、利食い玉を我慢して大きく儲けることが出来るようになります。

しかし、システムトレードは、勝率で5割から6割程度のものが多く、単純な売買において4割程度は負けてしまいます。従って、投資者が信じて売買し続けることが出来るか否かに掛かっている訳です。

最初に負け続けたシステムを信じて、シグナル通りに売買し続けることは難しく、最初に勝ちから入るか、負けから入るかが重要で、結局は運が左右する部分もあります。



2007/2/8 木曜日
個別銘柄の決算と指数の動きは関係ありますか?


最近の相場の大きな特徴として、個別企業の決算内容が市場予想を上回っているか下回っているかの如何によって、個別銘柄が必要以上に大きく変動することが挙げられます。

指数全体がダイナミックにトレンドを作っている時は、相場は個別銘柄の決算内容は織り込み済みとして相場全体に必要以上の反応はしませんが、現在のように指数に膠着感が出ている時は、個別銘柄の決算内容には、必要以上に反応することが多いようです。

それが指数に大きく影響したことで記憶に新しいのは2003年4月のソニーショックです。ハイテク銘柄の指標銘柄であったソニーが市場予想を下回る決算を発表したことから、日経平均株価は最安値まで売られました。しかし、それがアク抜けとなって、底打ちのきっかけにもなりました。

会社予想を上回っても、市場予想がそれ以上を期待すれば、市場予想を上回らない限り、失望売りを招くことになります。今回の決算は市場予想を下回る決算が多いため、決算をきっかけに売り込まれる銘柄が散見されます。

まさに、ファンダメンタルズを反映した売買とも言えますが、決算発表を見てから慌てて動くファンドマネジャーやその後追いを専門とする証券ディーラーの姿からは、運用の稚拙さを感じざるを得ませんね。



2007/2/4 日曜日
Qレシオって何ですか?


Qレシオとは、株価を一株あたり実質純資産で割ったものを言います。実質純資産とは、純資産に含み資産を加えたものです。PBRを計算する時に用いられる純資産は、帳簿価格で表されていることから、時価と乖離しているケースがあります。

この帳簿価格と時価との乖離を「含み」と呼び、取得価格より時価が上昇していれば「含み益」、下落していれば「含み損」となります。しかし、含みの計算はアナリストが正確に計算できないため、推定値となるケースが多く、実際には信憑性のないレシオとなるのが実情です。

 バブル期に地価を過大評価しすぎたため、含み益が莫大となり、Qレシオが一倍を割れるような企業も出てきたことから、本質的な企業価値を表していない指標であると烙印を押され、使う人もいなくなってしまいました。

 因みに、QレシオのQは経済学で言うところの「トービンのq」から来ていますが、意味はまったく異なっています。「トービンのq」は企業価値を企業設備の再取得価値で割った比率であり、内容的には「Q」と「q」はまったく別物となっています。



2007/2/1 木曜日
節分天井彼岸底って何ですか?


もともとは米相場から来た格言で、お米の需給との関係が深いようです。2月の寒い時期は、米価格が上昇し易く、逆に9月のお彼岸の時期は秋の本格的な新米の時期を前に、お米の蔵出しが一斉に行われることから、価格が下落し易いことを格言としたようです。米相場の格言ではお彼岸は9月のお彼岸を指しているようです。



これを株式市場に当てはめると、1月は日米ともタックスロスセリングの買戻しが入り易い、いわゆる1月効果で高いことが多く、春のお彼岸である3月は企業決算などで株式の需給が緩みがちとなることから、株式市場ではお彼岸を半年前倒しして、3月のお彼岸を底として格言にしたようです。

実際のところどうなっているかと検証すると、間違ってはいないが、特に当たっている訳でもない、と言うのが検証結果のようです。SQが相場の転換点となる事が多いことから、今風に直すと、バレンタイン天井、ホワイトデー底となった方がしっくりと行くこともあるようです。
2007/1/28 日曜日
TOPIXニューインデックスシリーズの定期入替えってなんですか?





東証一部上場全銘柄を対象に、時価総額と流動性の観点から、構成銘柄は7種類に分けて指数化されています。具体的には規模別にCORE30、LARGE70、TOPIX100、TOPIXMid400、TOPIX500、TOPIXSamll、TOPIX1000となっています。


CORE30は東証を代表する大型株に集合で、TOPIXに対して33.31%の構成比率になっています。それぞれの指数は7月と1月に定期入替えを行います。今回も1月末にCORE30で3銘柄、LARGE70で11銘柄、TOPIXMid400で36銘柄(除外32銘柄)、TOPIXSmallで50 銘柄(除外27銘柄)など、それぞれの指数で入替えが行われます。


もっとも注目されるCORE30の銘柄入替えでは、新規に採用される銘柄がJT、JFEHD、任天堂。除外される銘柄がヤフー、デンソー、りそなHDとなっています。CORE30はEFTが上場されているため、銘柄入替えによるリバランスが実際に発生します。大型株であることからほとんど影響はありませんが、それぞれの銘柄に多少なりともインパクトが発生するため注目する必要があるでしょう。


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2007/1/24 水曜日
寄り前の外資系証券売買動向って何ですか?





リアルタイムでわかる数少ない需給情報のひとつです。「非公式」とされていますが、情報ベンダーを通じて広く一般に知れ渡っています。一時は情報の信憑性などに問題があるとして、公表を辞めた時期もありましたが、市場関係者の強い要望により、一応「非公式」として復活しました。





外資系13社動向が一般的ですが、14社動向を公表している情報ベンダーもあるようです。国内の大手証券も外国人の売買動向は集計していますが、この仲間には入れてもらえないため、外資系動向に自社動向を足して、外国人売買動向としてお客様に情報を流しているようです。




この情報は翌週に発表される投資主体別売買動向との相関性も強いことなどから、相場の強弱を判断する上で、今や欠かせない需給情報の一つとなっています。株数ベースで公表されていますが、株数では買い越しでも、金額ベースでは売り越しなどとなっていることはよくありますから、株数だけ見て早合点しないことが重要です。


ただし、あくまでも寄り前、それも海外市場が終了し、明け方までに入ってきた外国人投資家の注文であり、その日一日の動向を示すものではないこと、また、そもそも信憑性がないことを前提として集計していますことなどを考えますと、鵜呑みにして裏切られたからと言って、決して文句を言えるような情報ではないことを心に留めておきましょう。




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2007/1/21 日曜日
円キャリートレードって何ですか?



円キャリートレードとは低金利である円で投資資金を調達し、それを高い収益が期待できるものに投資する取引のことを言います。キャリートレードが継続的に行われる条件としては、低金利と円安が長期間続くことが前提となります。


なぜなら、低金利で円を調達し外貨に換え、再び外貨を円に換える時に円が安くなっていなければ、為替差損がでてしまいます。これではせっかく自国通貨ではない円を調達して、商品や新興国市場に投資をする意味がありません。ということは、低金利、円安のどちらかが崩れた時に、積み上がった円ショートのポジションが買い戻され大幅な円高になる可能性がある訳です。


今回の金融政策決定会合に対する政府のプレッシャーは、表向きの景気の懸念材料として、消費の伸び悩みや中小企業に対する利上げの悪影響などを上げていましたが、実際のところは、利上げによる急速な円高によって主要輸出企業の収益が大幅に悪化することを嫌気しているのが本音ではないでしょうか。


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2007/1/18 木曜日
寄与度って何ですか?





日経平均はTOPIXと異なり、採用銘柄の単純平均で算出される株価指数ですから、個別銘柄が指数に与える影響は単純に価格が高い銘柄ほど高くなります。日経平均の場合はみなし額面の制度をとっていますので、50円額面や50,000円額面など元々の額面ベース(現在は商法の改正により額面という概念はなくなりました)に合わせて計算します。


今のところ寄与度が最も高い(ウェートが最も高い)銘柄は上から、アドバンテスト、ファナック、京セラ、TDK、キヤノン、ファーストリテイリング、ホンダ、東京エレクトロンと続きます。逆に日経平均の動きに最も寄与しない(ウェートが最も低い)銘柄は下から双日、スカイパーフェクト・コミュニケーションズ、日立造船、ユニチカ、ヤフー、NTTドコモ、三洋電機となっています。


時価総額などにより算出される株価指数TOPIXの場合、寄与度上位となるNTTドコモやヤフーが、日経平均の場合では下位になっているところは面白いですね。ちなみに上位7銘柄で日経平均への寄与度は20%、上位100銘柄で同80%を占めています。逆に下位10銘柄では同0.38%。ほとんど誤差の世界です。


したがって、上位銘柄を中心に見ていれば、指数の動きも読みやすくなります。例えば1月17日の寄与度上位は、信越化学、TDK、ファナックでした。やはりウェート上位銘柄が続きます。しかし、日経平均採用銘柄で12月29日大納会から1月17日までの値上がり上位を見ると、三洋電機、新光証券、日立造船と続いており、比較的低位株が占めていました。


単純平均であるため、低位株が指数に大して影響を及ぼす影響は限定的となる点は否めませんが、寄与度の高い銘柄ばかり見ていると、低位株が物色人気のときには出遅れてしまう可能性もあるので注意しましょう。


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2007/1/14 日曜日
仕組み債って何ですか? その2





仕組み債の中で株式市場に関係の深いものに、EB(他社株転換社債)とリンク債があります。4〜5年前は、このリンク債による相場の乱高下が問題となって金融庁などが組成した証券会社にヒアリングをかけたり、当時の柳沢金融担当大臣が、リンク債に対して懸念コメントを発表したりした程、世間を騒がしたシロモノでした。





日経平均株価リンク債とは、日経平均株価インデックス・スワップを組み入れたもので、基準日からの日経平均株価の変動率等によって償還金や利率などが変動する債券のことです。どのような商品かと言うと、大きく分けて次の3種類に分かれます。
(1)ノックイン条項型
? 売出されている日経リンク債券で最も一般的なタイプです。
?最初に定められた期間中、あらかじめ決められた価格に一度でもタッチした場合、償還額が日経平均株価に連動するようになってしまう債券をいいます。

?一度もタッチしなければ、元本100%で償還されます。




(2)コーラブル型
?最初に決められた期間毎(例えば6ヶ月毎)に評価日があります。
?評価日にあらかじめ決められた水準に達すれば、当初の満期より前に元本100%で現金償還されます。
?当初の満期より前に償還されなかった場合の償還額は日経平均株価に連動します。




(3)クーポンレンジ型
?クーポン支払額を決定する日に、あらかじめ決められた範囲内に日経平均株価があれば高いクーポンを支払い、 範囲外になると低いクーポンになってしまう債券です。
 例えば、一般的に測期間中に日経平均株価が一度でもノックイン価格以下になった場合





償還金額=額面×評価日の日経平均の終値/設定当初の日経平均株価+金利





となります。そうなると、まずノックインさせない金利の支払のみとなるため、発行体にとってあまり儲かる話はありません。ですので、この場合まずはノックインさせるために売り圧力が発生することになります。ノックインさせればと分子である評価日の日経平均の終値が、設定当初の日経平均株価を下回れば下回るほど償還金額が少なくなる訳ですから、評価日に向かって株価を下げようとする売り圧力が更にかかることとなります。





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2007/1/11 木曜日
仕組み債って何ですか? その1



単に言えば、デリバティブなどを駆使したオーダーメイド型の債券のことです。オーダーメイドですから、ニーズ次第ではいろいろな債券を作ることができますが、一般的には、デュアルカレンシー債、やコーラブル債、フローター債、EB債、日経平均株価リンク債などが知られています。


身近なところで日経平均株価リンク債とは、日経平均株価が評価日に基準となる価格を下回った場合に様々な条件が付く債券です。例えば、償還金が減額されるものの利率が通常の債券より高くなるといった条件付きのもの。あるいは、償還金について額面金額が保証されているものの、各利払い日における利率が、その時々の日経平均株価の水準によって変動するという条件付きのもの、などがあります。


他には、ノックイン(一定の価格に達した場合に予め決められた権利が発生する)条項やノックアウト(一定の価格に達した場合に予め決められた権利が消滅する)条項などが付いて、それをターゲットとした強引な日経平均先物の売り買い、つまり権利が発生するように、あるいは権利が消滅するように、日経平均株価の水準を操作するような仕掛け的な売買が入ることもあります。


ただ、日経平均株価が大した理由もなく大きく変動したからといって、必ずしもこうした売買が背景にあるとは限りません。しかし、そうした状況になると、未だに話題にするトレーダーは多いようです。というのも、公募分のリンク債の償還日やターゲット価格はある程度調べることは可能ですが、私募分に関しては当事者しかわからないからのようです。




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2007/1/8 月曜日
アノマリーって何ですか?



アノマリー(変則性)とは効率市場仮説では説明できない市場の現象をいいます。もっと平易な言い方をすると、「はっきりした理論的根拠や学説に基づいている訳ではないが、よく当たると思われる」とされる経験則となります。


具体的によく知られている例としては、1月効果があります。いわゆるタックス・ロス・セリング(税控除すべく実損を計上するための売り)が12月に出やすいため、その買戻しも期待できることから、比較的勝率が高いアノマリーとして知られています。その他、リターンリバーサル効果、バリュー株効果、小型株効果なども良く知られています。


広義の意味においては、クウォンツ分析やテクニカル分析など統計学的に処理された過去の経験則などは全てアノマリーと呼ぶこともできます。亥年が過去4連勝となっていることや、大発会が6年連続陽線となっていることなどは検証期間が少なく、アノマリーと言うよりも偶然性を規則性らしくこじつけただけ、とも言えそうですが、よくあたる偶然を全てアノマリーと形付けることもあります。
2006/12/31 日曜日
速算値って何ですか?



正確には株価指数の速算値のことです。裁定取引を行うディーラーや一買い・二売り(ヤリ)を繰り返す短期売買中心のディーラーが使う指標のひとつ。QUICKや取引所が公表する指数は一分更新で、先物はリアル更新ですから、時には大きな誤差が生じることがあります。


例えば、機械受注などで、予想外の数値が発表されたときに、公表された指数と先物には大きな誤差が生じます。公表された指数だけを参考にしていたのでは、売買のタイミングを逃してしまうかもしれません。いつ何が起きるかわからない相場の中で裁定取引や一買い・二売りの短期売買を行うには、常にリアルタイムの先物と指数をモニターする必要があります。


そのために、PCのワークシートで計算させ、速算値と公表値のスプレッドを常にモニターし、現物市場に大きなバスケットの売り買いが入っているかどうか、を常に彼らは監視しています。


昔はPCリソースの問題で日経平均しか表示できなかったのですが、いまではTOPIX、日経平均を両方表示したり、その他の規模別指数(CORE30やTOPIX-SMALLなど)など、あらゆる指数の速算値を同時に表示することが可能となりました。最近では速算値NT倍率などのスプレッドをモニターいるディーラーも多いようです。現在では、ベンダーのツールで速算値を提供しているところもあり、PCへの負荷は更に少なくなってきました。



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2006/12/27 水曜日
シンセティック(合成)オプションって何ですか?



 先物や複数のオプションを組み合わせて構築するポジションのこと。様々ありますが、前回の「アービトラージ(裁定取引)その2」ではリバーサルとコンバージョンに触れています。



 リバーサルとは、先物のポジションとオプションのポジションで行う裁定取引の一種です。同じ満期日・同じ行使価格のコール買い・プット売りを組み合わせることによって、先物の買いポジションと同じ効果が得られること利用し、先物価格との鞘を抜く取引です。



 また、コンバージョンとは、これも先物のポジションとオプションのポジションで行う裁定取引の一種で、同じ満期日・同じ行使価格のコール売り・プットを組み合わせることによって、先物の売りのポジションと同じ効果を得られることを利用し、先物価格との鞘を抜く取引を指します。



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2006/12/23 土曜日
アービトラージ(裁定取引)って何ですか? その2



前回は、国内において裁定取引といえば、大阪証券取引所に上場している日経平均先物と現物を利用した取引であることを紹介しました。



  しかし、その他にもSGX(Singapore Exchange:シンガポール証券取引所)やCME(Chicago Mercantile Exchange:シカゴ商業取引所)に上場されている日経平均先物との裁定取引も日々活発に行われており、SGXやCME日経平均先物の建て玉残高の多くが裁定取引の対象であると考えて良いでしょう。





加えてオプションとの裁定取引も盛んに行われています。所謂リバーサルやコンバージョンといったシンセティック(合成)オプションと現物を組み合わせたり、先物とオプションを組み合わせたりします。





また、広義な裁定取引としては、日経平均先物とTOPIX先物との組み合わせによるNTスプレッドや債券先物や金利など最終的に収束が保障されない資産間でのスプレッド取引に対しても裁定取引と言う言葉が使われることもあります。


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2006/12/20 水曜日
アービトラージ(裁定取引)って何ですか? その1



アービトラージとは、簡単に言えば相対的に割安な資産に投資すると同時に、これと極めて類似した割高な資産をショート(空売り)するトレーディング戦略のことです。証券投資論に載っている学術的な意味はさておいて、株式市場でアービトラージといえば一般的に、株式の現物買いと株式の先物売りを組み合わせる取引を指します。





こうした取引は取引所に報告する義務があり、裁定の残高として取引所が発表しますが、様々な商品間において行われる裁定取引も含まれていますので、株式の現物・先物だけで行われている裁定残高とは厳密に異なことを覚えておきましょう。





日経平均で裁定取引を行う場合、一般的には日経平均採用銘柄を1単位ずつ買い、225先物を24枚〜25枚売ることによって裁定取引が成立します。この時に抜いた鞘をメジャーSQ(最終清算指数、ここでは同指数算出日という意味)まで持ち続ければ、鞘の分だけ利益が確定したことになります。


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2006/12/16 土曜日
旧日経平均って何ですか?



2000年の4月15日(土曜日)に突然、日本経済新聞社が日経平均の銘柄選定基準の見直しを発表しました。そして同月の24日、新基準によって選定された30銘柄もの入替えを行うとし、入替え銘柄も同日に発表。これに伴って週明け4月17日の日経平均株価は1450円と大幅安となったのです。その時の大幅入れ替えを契機に日経平均株価の除数は11ポイント前後だったものが20ポイント台に跳ね上がり、株価も一気に下落していきました。



現在でこそ、指数に関する入替えや変更に際し、十分な周知期間とインパクトが出ないような配慮を行っています。しかし当時は、まだそのような認識がなく、大変な暴落を引き起こしてしまいました。この時の大幅入れ替えを考慮せず、旧銘柄のままで計算し続けた場合の平均株価を旧日経平均と呼んでいます。ただ厳密には、その後の合併や上場廃止などで旧銘柄だけでは225銘柄を維持できていないため、正確な旧日経平均そのものは計算できません。



さてTOPIXは、今年の高値でITバブル時の高値である1757.95ポイントを上回りましたが、日経平均株価は未だ遠く及びません。ところが、旧日経平均では当然上回っていたため、一時的ですが再び脚光を浴びた訳です。このことからも分かるとおり、現在の日経平均株価は指数としての継続性が途絶えた格好になっています。そのため、2000年4月24日以前の株価と現在の株価を単純に比較することが出来できません。



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2006/12/13 水曜日
NT倍率って何ですか?



 NT倍率は単純に言えば日経平均÷TOPIXのことで、教科書的にはインターマーケットスプレッド(インタマと呼んでいる人もいます…汗)という言い方もあります。昔は13倍程度だったNT倍率も、いまや10倍程度が当たり前になってきました。こうした変化は、主力銘柄、特に国際優良株の比率が高い日経平均に対して、銀行株を中心とした内需セクターや時価総額の大きい大型株が買われているか、売られているか、の判断などにも使われます。


 しかし、一般的には証券会社の先物ディーラーが、デルタ1の先物を売り買い両建てにして、リスクが減っているようにみせかけながら、スプレッドの鞘を抜くディーリングに使われています。現在のTOPIXに昔の平均的なNT倍率である13.5倍を掛けると22100円程度になります。旧日経平均が13日現在22000円程度であることから、ほぼ一致しています。2000年に行われた日経平均銘柄の大幅入れ替えによるスプレッドは、現在でも大きいことがわかります。



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2006/12/9 土曜日
ポジション動向って、どのように推察するのですか?



 先物・オプション取引は現物株式と異なり、各証券会社の手口情報が発表されます。日々の手口は毎日夕方になると各取引所から公表され、一週間の残高集計が翌週月曜日の夕方に発表されます。これにより、毎日の手口情報を賑わしている証券会社が日計り中心なのか、裁定取引が中心なのか、顧客の注文が中心なのかが、おおよそ分かります。



  日計りディーラー中心の証券会社は毎日の手口には常連として顔を出しますが、建て玉残ではその姿はありません。裁定取引や対顧客の決めなどを中心にしている証券会社の多くは、売り残の上位に登場しますが、中にはアグレッシブに裁定ポジションを動かすディーラーもいるため一概に、そうだ決め付けられません。



  注目されるのは、ディーラーの売買にあまり熱心でない証券会社の建て玉残です。ポジションの推移を観察することによって、メインプレイヤーの動向が判断しやすくなります。CTAがポジションを積んだとか、解消した、とか言う話の最終的な裏付けも、こう言ったところから判断されています。



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2006/12/7 木曜日
ロールオーバーって何ですか?



 2000年の4月15日(土曜日)に突然、日本経済新聞社が日経平均の銘柄選定基準の見直しを発表しました。そして同月の24日、新基準によって選定された30銘柄もの入替えを行うとし、入替え銘柄も同日に発表。これに伴って週明け4月17日の日経平均株価は1450円と大幅安となったのです。その時の大幅入れ替えを契機に日経平均株価の除数は11ポイント前後だったものが20ポイント台に跳ね上がり、株価も一気に下落していきました。



 現在でこそ、指数に関する入替えや変更に際し、十分な周知期間とインパクトが出ないような配慮を行っています。しかし当時は、まだそのような認識がなく、大変な暴落を引き起こしてしまいました。この時の大幅入れ替えを考慮せず、旧銘柄のままで計算し続けた場合の平均株価を旧日経平均と呼んでいます。ただ厳密には、その後の合併や上場廃止などで旧銘柄だけでは225銘柄を維持できていないため、正確な旧日経平均そのものは計算できません。



 さてTOPIXは、今年の高値でITバブル時の高値である1757.95ポイントを上回りましたが、日経平均株価は未だ遠く及びません。ところが、旧日経平均では当然上回っていたため、一時的ですが再び脚光を浴びた訳です。このことからも分かるとおり、現在の日経平均株価は指数としての継続性が途絶えた格好になっています。そのため、2000年4月24日以前の株価と現在の株価を単純に比較することが出来できません。



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2006/12/4 月曜日
メジャーSQって何ですか?



 毎月の第二金曜日の寄り付きの株価から算出された指数値のことを特別清算指数(Special Quotation)と呼びます。先物・オプションは、このSQ値をもって差金決済されます。オプションは毎月、先物は3,6,9,12の隔月で清算、特に先物・オプションのSQの時をメジャーSQ、オプションのみのSQをマイナーSQと呼んでいます。

 以前に比べてマーケットのボリュームが大きくなったこともあり、昔ほどのインパクトはなくなりましたが、未だにSQを切っ掛けとして相場のトレンドが転換することも多いようです。今回12/8のメジャーSQは裁定残高及び、日経平均先物の建て玉残が至上最高水準の50万枚まで積み上がっており、利上げ観測も手伝って注目のSQとなっています。
★投資手法のお勉強
1.ウップス
2.ADXギャッパー
3.First 1 Hour Range Break
4.オシレーター系指標を利用した売買法



1.OOPS(ウップス)

 15年ほど前にラリー・ウイリアムズにより紹介された手法です。

(1) 買いのルール
 今日の始値が前日の安値よりも安く始まり、前日の安値を上抜いたら買い。
(2) 売りのルール
 今日の始値が前日の高値よりも高く始まり、前日の高値を下抜いたら売り。



 以上のように非常にシンプルなロジックですが、数多くのマーケットでいまだに有効な手法です。
 前日が陽線であったか、陰線であったか、ATR(AverageTrue Range)の値などでフィルターをかけると成績が向上します。
 またプロのディーラーが売買代金の多い銘柄に対して自動売買の条件に組み込んでいる場合もあり、条件発生後に急騰(または急落)することがよくあります。私の場合はウップス条件が発生する瞬間に仕込み、追随してくる勢いを利用して利益を確保するスタンスを取っています。

 なお、手仕舞いは各個人の判断によりますが、主なものは次の通りです。
(1) 目標利益達成
(2) 急騰後の急落シグナル(売り仕掛けの場合、急落後の急騰シグナル)
(3) ウップスが発生したにも関わらず、逆の値動きをした
(4) 当日の大引け
(5) 翌日の寄り付き(デイトレでは例外。何らかの材料が発表された時など。)
(6) 損切り水準に達した時


2.ADXギャッパー
 OOPSの応用です。OOPSにトレンド認識指標であるADX、DM+、DM−でフィルターをかけたものです(DM=ディレクショナル・ムーブメント)。OOPSに下記の条件で絞り込みを行います。

(1)買いのルール
 ・前日の引け時点で、12日で計算したADXが30以上。
 ・28日で計算したDM+がDM−よりも大きい。
(2)売りのルール
 ・前日の引け時点で、12日で計算したADXが30以上。
 ・28日で計算したDM−がDM+よりも大きい。

 手仕舞いのルールはOOPSと同じ。  また、含み益を減らさないように仕切り値を引き寄せて利益を確保。
 大引け前に玉を手仕舞うか判断。強含みで引けるようであれば翌日に持ち越す。

 なお、ADXギャッパーはOOPSにトレンドでフィルターをかけることで、どの銘柄も勝率は向上する傾向があります。ただ、ADXが30以上というフィルターのため、仕掛けの回数が大幅に減少します。ですので、フィルターの有効性は高いものの、トレード機会の減少という欠点があります。

 ADXギャッパーは、OOPSのフィルターのかけ方で成績が向上するという好例になり、各個人でいろいろとフィルターを工夫する際のヒントになると思います。ADXに限らず、移動平均の上下などをフィルターにシミュレーションしても面白いかもしれません。


3.First 1 Hour Range Break
 その日の最初の1時間(株式市場なら9:00〜10:00)のレンジを上方にブレークしたら買い、下方にブレークしたら売り。

 非常にシンプルですが、OOPSと並んで多くのトレーダーに用いられているEntry手法です。最初の1時間のレンジをブレークしたらブレークした方向にポジションを取ります。

 最初の1時間の動きが大きいと、その日はそのレンジ内での動きに終始することも少なくありません。その場合、最初の1時間のレンジからの飛び出しでポジションを取ると、ダマシに引っかかることも多々あります。ですので、その日の最初の1時間が動きが小さい日に使うとか、応用してみると役に立ちそうです。

 これも各人でいろいろとフィルターを工夫されると良さそうです。例えば、前日が陰線か陽線か、上げトレンドか下げトレンドか、前日の動きが大きいか小さいか、などです。

 また、レンジ縮小の考え方を取り入れても面白そうです。これは小さな値動きの後に大きな値動きがあるという考え方に基づいています。前日の高値−安値のレンジが過去4日間でもっとも小さい場合、次の日は大きく動く可能性があると考え、これをフィルター、あるいはEntryの条件に加えます。
 このルールは、First 1 Hour Range Break に限らず、いろいろな局面で使えるテクニックです。


4.オシレーター系指標を利用した売買法
 次にOOPSやFirst 1 Hour Range Break がヒットしない(適用できない)日は結構あります。こうした日に取引機会を見出すための手法が、RSI、ストキャスティクスなどオシレーター系の指標を使った売買法です。

 これらの取引手法は、デイトレード以外の一般の取引でも広く用いられています。ただ、そうしたケースとちょっと違うのは、OOPSなどのサインを優先し、あくまでもこの手法を副次的に用いる点です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%97%E6%95%B0%E5%8A%B9%E6%9E%9C

乗数効果

乗数効果(じょうすうこうか, multiplier effect)とは、一定の条件下において有効需要を増加させたときに増加させた額より大きく国民所得拡大する。これを乗数効果という。国民所得の拡大額÷有効需要の増加額を乗数という。マクロ経済学上の用語である。
概要

簡潔に説明すると、生産者(企業や政府)が投資を増やす→国民所得が増加する→消費が増える→国民所得が増える→さらに消費が増える→さらに国民所得が増加する→さらに消費が増える→・・・という経済上の効果を意味する。経済学的な数式分析を行うと、この増加のサイクルは投資の伸びに対して乗数(掛け算)的な伸びとなることから、乗数効果と呼ばれている。

尚、ケインズ派の乗数理論においては、不完全雇用の経済が前提とされている。

[編集] 数式で見る乗数効果

[編集] 投資乗数

ある国の単年度における国民経済フローを簡単なモデルで考える

* 限界消費性向(可処分所得が1単位増加したとき、消費が増加する量)=0.9
* 限界貯蓄性向(可処分所得が1単位増加したとき、貯蓄が増加する量)=0.1
* 限界消費性向+限界貯蓄性向=1
* 国民所得:Y=C+I
* 総消費:C=0.9Y
* 総投資:I=10

この式を解くと、Y=100となる。(I=0.1Y)

ここで、企業が先行きへの期待を基にこの年の投資量を2増やし、総投資が12になったとしよう。このはじめの段階では国民所得は同量の2しか増えない。

しかし、この2はやがて家計の所得となり、消費は所得の関数であるため、その所得の90%(C=0.9Y より)の1.8が消費される。その消費1.8は同量の国民所得1.8を増加させ、さらにその90%の消費1.62を拡大させる。

こうして、貯蓄と消費への振り分けが十分に早いペースで最終段階まで進むと仮定した場合、この年における消費量が18増える。はじめの投資の増加2 と合算して国民所得は20の増加(所得のうち消費されなかった分である貯蓄は2)。実に、総投資の増加の10倍である。この10倍が乗数(この場合は投資乗数)である。10という数字はどこから出てくるかというと、数式の C=0.9Y から計算される。

* 乗数=1/(1-0.9)
* 乗数=10

である。ちなみにこの場合の「0.9」のことを消費性向と呼ぶ。またこの乗数10は、限界貯蓄性向0.1の逆数でもある。

投資に使われた資金は、企業や家計の手元を周回して、その手を渡るたびに、労働力や生産物の取引を媒介し国民所得を増大させるが、そのうちの一部は周回のたびに少しずつ貯め込まれて、回らなくなる。そのため、投資の乗数効果には限界があるのである。

このことは、当初の投資によって増加した所得のうち、貯蓄されずに消費された分だけが、それと同量の新たな所得を実現することを示している。つまり、限界貯蓄性向を高めれば高めるほど、それだけ乗数効果が弱まるということになる。たとえば限界貯蓄性向が1であったとする。これは増加した所得を全く消費せず、全額を貯蓄に回すことを意味している。このとき、新たな所得はまったく生まれないことになる。
貯蓄のパラドックス

先の投資乗数の例では、当初の投資の増加分2は、最終的に生じた貯蓄2と一致している。また、かりに限界貯蓄性向の値を高めたとしても、それまで以前よりも乗数が下がって消費と所得が減少するだけであり、最終的な貯蓄は2のままで変化することはない。これは、貯蓄がマクロ的には投資と一致することを意味している。すなわち総投資が変化しない限り、総貯蓄が変化することはない。日常的な感覚(ミクロ)によれば、投資ができる分量は貯蓄された分量に制約されており、貯蓄をすればするほど大きな投資も可能になるように見えるが、マクロ経済では単年度の追加的な投資量によりその年の追加的な貯蓄量が決定されており、このことを貯蓄のパラドックスという。マクロ経済では単年度の貯蓄量を増やすために当年度の投資量を減らせば当年度の貯蓄量も減ることになる(参照:合成の誤謬)。

[編集] 貯蓄と投資

上記のモデルでもあらわされるように、総貯蓄の増加分と総投資の増加分は同額になる。これは、現実の経済からすると一見誤りであるように思われる。例えば100円の貯金をしたとしてもタンスにしまえば、銀行へ預金する場合と違って融資もされず、投資に向かわないはずである。

マクロ経済学においては、この貯蓄と投資の因果関係がほぼ逆になる。総投資が存在する場合は、総貯蓄は0にはならない。仮にある年の総貯蓄を0にしようとして所得の全てを消費するような社会(その年の限界貯蓄性向=0)を考えてみた場合、新規に追加的投資をおこなえば乗数過程により無限に所得と消費を生み出すことになる。

現実にはこのような社会はありえず、これは前提とした条件(限界貯蓄性向=0)になんらかの論証上の矛盾が含まれていることを意味している。また国民経済フロー式に物価(P)を考慮したより高度な分析によれば、これはその年の名目での国民所得だけが無限に増大しハイパーインフレーションが発生していることとなる。このようにマクロ経済で見た場合はある年の総投資の存在が、その年の総貯蓄の発生理由となる。

たとえばアメリカ経済は家計による消費、企業・政府の投資意欲は旺盛である。このように総投資に見合った総貯蓄(=Y-C:所得-消費)が存在しない場合、経常収支が赤字となる(マクロバランスを参照)。ある経済の経常収支の赤字は、黒字である外国経済が、その経済において貯蓄をしていると解釈される。また世界経済の枠組みにおいては、アメリカ経済も一つの国民経済に過ぎず、世界全体で見た総投資と総貯蓄は等しくなる。

[編集] 政府支出との関係

* 政府支出乗数:政府支出における乗数。投資乗数と一致
* 租税乗数:増税における乗数。政府支出乗数X限界消費性向Xマイナス1
* 均衡予算乗数:政府支出乗数+租税乗数

このとき均衡予算乗数はつねに1となる。このことは、たとえば政府支出を1兆円行い、この1兆円を増税で集めたとき、国民所得が1兆円だけ増加することを示している。

* 減税乗数:減税における乗数。租税乗数Xマイナス1

政府支出の代わりに減税を選択するものとする。このときに必要となる減税額は「政府支出額X(政府支出乗数÷減税乗数)」と計算される。たとえば政府支出乗数10と仮定した場合、国民所得を100兆円だけ増加させるためには、10兆円の政府支出、もしくは約11兆円の減税が必要となる。ここで減税額のほうが大きくなるのは、政府支出の代わりに減税を選択した場合には、その一部が貯蓄に回ることによる。
公共投資と減税の乗数

景気対策として財政政策を発動する際には、必ずと言って良いほど、公共投資を増額すべきか減税を行うべきかという議論が行われてきた。一般的に言えば、日本では公共投資の増額が行われることが多く、米国では減税が行われることが多かったといえるであろう。

日本の景気対策で、公共投資の増額が志向されることが多かったのは、同じ金額の事業費に対して公共投資の方がGDP(国内総生産)の拡大に与える効果が大きいと考えられたからである。例えば1兆円の公共事業を追加した場合と、1兆円の所得税の減税を行った場合を比較してみよう。

[編集] 公共投資

公共事業費のうちで名目GDPの増加となるのは、用地費を除いた公的固定資本形成の部分である。公共事業の用地費は平均すると15〜20%程度であり、用地費の比率を高めに見積もって20%としても8000億円の公的固定資本形成の増加となる。内閣府経済社会総合研究所の短期日本経済マクロ計量モデルなどの代表的なマクロ計量経済モデルでは、公的固定資本形成の乗数では、1年目1.19、2年目1.69、3年目2.05(名目ベース)[1]。仮に乗数を1.2とすれば名目GDPは9600億円増加することになる。

[編集] 減税

一方所得税を減税した場合には、多くの計量モデルに採用されている消費関数では短期的な限界消費性向は 0.6〜0.7程度であるため、消費性向を高めに見積もって0.7としても1兆円の減税のうちで実際に消費支出に回る金額は7000億円程度に過ぎない。仮に消費の乗数が公共投資なみの1.2だとしても、名目GDPの拡大幅は8400億円となって、公共事業の増加の8600億円を下回ることになる。また実際の推計では1年目0.29、2年目0.76、3年目1.02(名目ベース)とより小さい。

[編集] 公共投資の問題点

こうした比較の評価にはいくつかの注意が必要である。まず、公的固定資本形成が増加しても民間消費が増加しても同じように名目GDPは増加する。民間消費支出の増加は家計の自主的な選択によって起こるものであるから、必ず家計の効用を高めるという意味で無駄ということはない。公的固定資本形成を全て名目GDPに含めていることは、景気対策などで行われる公共投資が全て意味のあるもので、無駄な支出はないと考えていることになる。しかし現実には無駄だと指摘される公共事業は少なくない。このため公的固定資本形成の増加分と消費の増加分を同等に扱ってよいかどうかは、議論のあるところである。

第二の点は、公共事業の増加のために建設国債を発行しても、所得税の減税のために赤字国債を発行しても、いずれにせよ将来増税によって国債を償還する必要性が発生することになる可能性が高い。景気対策によって恩恵を受ける対象と、増税の負担をする対象とは一般には一致しないという意味で、受益と負担の不公平が必ず発生するが、公共事業の方が受益者が限定されているだけこうした不公平が大きくなる恐れが大きいという点である。

[編集] 効果を相殺する要因

財政政策による乗数効果は、様々な要因によって相殺される。

* 国際的な取引を考えない閉鎖経済では需要の拡大はそのまま国内生産の増加に繋がるが、国際貿易を考慮すると国内需要の増加分の一部は輸入の増加となって海外に流出してしまう。
* 金融緩和を伴わない財政政策の発動により、金利の上昇をまねくことがある(クラウディングアウト)。金利上昇が設備投資の抑制要因となるほか、金利上昇は自国為替レートの上昇(日本で言えば円高)を招き、輸入の増加による国内需要の流出、輸出の減少による外国向け需要の低下から乗数効果を打ち消す働きをする。
* 減税や公共事業の追加のために財政赤字が拡大すると、将来の増税を予想して家計が消費を抑制する可能性がある(合理的期待形成学派)。
* 公共投資の財源を増税によってまかなった場合、効果は大幅に相殺される。ただ、増税により可処分所得の割合が低下し、可処分所得に比例する貯蓄額が減少し国民所得全体の貯蓄率(限界貯蓄性向)が低下すれば乗数効果が高まり、経済規模が拡大する可能性がある。

波及効果との区別

乗数効果を扱う場合に、まれに波及効果と混同されている場合がある。経済において、波及効果とは、「風が吹けば桶屋が儲かる」に代表されるように、製品技術的、慣行的、嗜好的につながりのある産業がそれぞれ影響を及ぼしあう状態を指す。乗数効果は、あえて言えばその一種である。

たとえば、自動車生産が増加すると、それを見た鉄鋼業が製鉄所新設を決めたとする。これは波及効果であって、乗数効果ではない。たとえば、製鉄所が新設→建設会社の社員の給料が上がる→社員は自動車の購入を増やす→自動車会社の社員の給料が上がる→社員は住宅を建てる→建設会社の社員の給料が上がるこれは波及効果の内、乗数効果を指す。

前者と後者の違いは、前者が投資が投資を誘発する現象であるのに対して、後者は、投資が、所得になり所得が消費を通じてさらに所得になるというプロセスである。後者は測定が可能だが、前者は測定が難しい。[2]

[編集] 歴史

乗数効果を根拠として、投資(特に設備投資)は好景気を喚起すると考えられている。政府による公共投資が景気対策となると考えられているのも乗数効果を根拠としている。

19世紀のイギリスでは、戦争の勃発で軍艦などの建造が盛んになると、直接造船業に関わっていない産業や労働者もそれとなく景気がよくなるという事例が記録に残っており、乗数効果の理論化以前にも、人々がその効果を実感として感じていたことが分かる。現代でも、実際の経済を見てみると、確かにこの乗数効果を観察することができる。

1990年代の日本では、公共投資の乗数効果が低下していたと言われる。公共投資の多くが土地収用(既存資産の取得)に用いられたために純粋な投資の割合が低かったこと、企業の純投資が縮小したことが理由として考えられる。後者については以下のように説明される。総投資は企業のあげる利益と投資額によって決まるが、1990年代の日本企業は投資を大きく差し控えたため、民間部門でのマイナスの乗数効果が働いていた。政府のプラスの効果は確実に存在したが、民間部門によって相当部分が相殺された。とくに、1990年代末期は企業財務の改善から有利子負債の圧縮が重視され、小渕恵三首相による大規模な財政出動はほぼそのまま企業の債務返済によって吸収され、家計に回らなかったため乗数効果の発生に至らなかった。

しかし、これにより企業の財務は改善。収益向上と世界景気の回復を背景に2005年現在は、企業投資が息の長い回復過程にある。このことが緊縮財政によるマイナスの乗数効果を相殺して、家計所得の向上を実現しておりプラスの乗数効果発生が確認されている。

2007年現在、所得控除の縮小、消費税引き上げなどによる実質的な増税が取りざたされているが、増税は乗数効果がマイナス方向に作用する典型的な例である。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~nozo-mu/koukyou.htm

=公共事業は本当に有効か1=
金利スワップと通貨スワップ

スワップ取引の種類は、金利スワップと通貨スワップの2つに分けられます。

1.金利スワップ

金利スワップとは、同一通貨間で異なる金利を交換する取引をいいます。 通常、元本の交換は伴いません。金利計算のために元本を決めています(これを想定元本と呼びます)。

主なものには、固定金利のスワップ取引と変動金利のスワップ取引が挙げられるでしょう。固定金利では、金利が上昇したときには不利ですが、金利が下がったときは有利となりますね(^o^)/

2.通貨スワップ

通貨スワップとは、異なる通貨間の金利を交換する取引をいいます。 通常、元本の交換は伴います。通貨スワップ取引には、異なる通貨の短期金利を交換する取引、金利スワップと組み合わせて、円の固定金利をドルの変動金利と交換する取引などがあります。

FX取引では、金利の高い通貨を保有することでスワップポイントが付きます。このスワップはとても魅力的です!高金利の通貨で「買い」のポジションを保有していると、ロールオーバー(ポジション持ち越し)することにより、1日単位で一定の利子を受け取ることができます。

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