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mixi小説:白球のゆくえコミュの第11話

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一度は騒がしくなった一塁側ベンチが、また静まりかえってしまった。


「クソー!」


苦い顔をして、土井がベンチに戻ってきた。

「そんなに悪いバントやったか?」

土井がベンチに向かって問いかけた。

「少しピッチャー正面やったけど、お前がセカンドでアウトになるほどじゃないよ」

武司はヘルメットをかぶりながらそう答え、ネクストバッターズサークルに歩いていった。

土井より一足早くベンチに帰ってきた石田は、奥の方で肩を落としている。



ノーアウト一塁から2番石田は送りバントを転がした。

石田のプレーに派手さはないが、バントやヒットエンドランなどをやらせれば確実にこなす。

現代野球には欠かせない、我がチームのキーマンである。


石田のバントはボテボテとピッチャー前に転がった。

打球の勢いと土井の足を考えるとバント成功かと思われた。

しかし、ピッチャーが物凄いダッシュと素早いフィールディングで打球を処理し、セカンドで土井を刺したのだった。

さらに、二塁ベースでボールを受けたショートが一塁へ送球し、ダブルプレーを決められてしまった。



「初回の攻撃といい、さっきのフィールディングといい、あのピッチャーかなり厄介やな」

土井が真面目な顔をして呟いた。

「石田、そんなに落ち込むなや。別にお前のせいやないし、まだ初回なんやから」

土井の言葉に、石田は声を出さずに頷いて応えた。



「まだ初回…か」


僕は、ゲームの流れを相手に持っていかれた様な気がしていた。

そして、同じことを考えている者がこの中に何人いるのだろうと考えていた。





第12話へ続く





コメント(3)

最初から読ませてもらいましたわーい(嬉しい顔)
野球は好きで,試合とかは見るんですが,野球をしている人はこんな感じなんだと思って楽しませてもらいました電球
続きが気になります揺れるハート
経験のないことをしている人の気持ちを考えるのって難しいですよねふらふらたらーっ(汗)
でも他ではできない経験ですねぴかぴか(新しい)スゴイ

疲れない程度にボチボチ頑張ってくださいわーい(嬉しい顔)楽しみにしてます揺れるハート

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