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日記ロワイアルコミュの「一枚の写真」

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俺が高校生の時 クラスに 軽い障害を患った 女の子がいた。3年間 不思議と 同じクラスで しかも いつも 隣の席だった。その理由(わけ)は あとあと 知る事に なるのだが・・・・・・・。


俺は 隣の席だった事もあり 何かと気には なっては いたが 入学当初という事もあり 話のきっかけやタイミングを探していた。それに正直 彼女に どう接して 行けば良いのか 少し 迷っていた時に 先に 彼女の方から 話し掛けてくれた。たわいもない会話と 挨拶程度だったが はにかんだ笑顔が 物凄く まぶしく見えたのが 最初の俺の 印象だった。これは卒業式の日に 聞いた事だが 何で 最初に彼女の方から俺に 話し掛けてくれたのか.その理由(わけ)は ただ単に 俺の話し方(関西弁)が めずらしかった ただ それだけの 理由だそうだ。


彼女は生まれつき 耳が不自由で 特別な器具を着けなければ ほとんど聞こえず それが彼女にとっては コンプレックスで 人とのコミュニケーションを 自分から避けて 生きてきたそうだ。だから今まで ほとんど 友達も出来ず それと 運動と言う運動は ほとんど してこなかったらしく 身体は棒のように細く 歩くのもままならず 杖をついたり 車椅子で登校する事も シバシバあった。

俺は恥ずかしながら 泣きたくなるほど 勉強が出来なかったし 前の日記でも触れたが 在学中の3年間 死に物狂いで頑張った 野球部でも たったの一度も レギュラーに なれなかった。でも 意味もなく 使い道のない 体力だけは 学校1だったので 入学してから3年間 その娘の お世話をするために 同じクラスで 隣の席にしたと 卒業してからの同窓会で 野球部の監督兼.担任から聞かされた。確かに 学年が上がる時のクラス替えや クラスでの席替えのタビに 俺だけは いつになっても その娘の隣だったから 勿論 不思議に思っていたし 感じてはいたが その娘の嬉しそうな顔を見ると なんか 良く分からないが ヘンに納得して 特別 疑問に感じなかった。


レギュラーにもなれず レギュラーではないからこそ 学校にはイチバンに行って 帰りも 後片付けなどで 下級生に混じって イチバン最後。さすがの俺も 特に 午前中の授業は ほとんど 身が入らないし かと言って 3年間共に 担任は野球部の監督で なおかつ その娘の お付きだから 席はいつも.3年間イチバン前。目を閉じる事も 頭を垂れる事も 許されず 目を開けたまま寝る特技は この時に 身に付けた。当然 ノートは真っ白だし1ページも 書いた記憶はない。よく自分でも 卒業出来たと思うし まぁ 曲がりなりにも 世間に迷惑を掛けない程度の 大人にはなれた。

俺は その娘と 少しでもコミュニケーションを取って.もっともっと近づこうと 話が苦手な彼女の為に 初めての夏休みにガラにもなく すこしの間 少しでも役に立てばと.知り合いから手話を習った。でも 慣れない事は なかなか身に付かず 2学期の初めて逢った時に学校で 使ってはみたものの あいさつ程度しか 上手く伝える事が出来ず 困った顔して うつ向く俺に 嬉しそうに笑ってくれて その日から 本当に心を許して 付き合ってくれる 大切な1日になった。

それからは 本当の友達 いや それ以上の 付き合いだった。

彼女は授業中 死んだように寝てる俺の為に いつも 自分の机に ノートを2冊並べて なんとか 落ちこぼれず 進級出来るようにと たった1つでも 書き漏らす事がないように そして重要な所は ラインを引いてくれて ご丁寧に 誰でも読める漢字にまで フリガナを ふってくれて ノートを全教科 作ってくれた。それと 俺は早弁だし 昼のパン代も 無いような時には 自分は食欲がないとか お腹がいっぱいと 嘘をついて 箸もつけてない自分のお弁当をくれたり 自ら か弱い身体にムチ打って 早起きして こんな俺でも 食べきれない量のお弁当を 作ってきてくれた事が 数え切れないほどあった。彼女は なかなか 俺以外の人には 心を許さず 溶け込めなかったので 可能な限り いつも ひとりぼっちの彼女と並んで ご飯を食べた。こ
の娘の事は 恋愛対象では なかったが さみしい想いだけは 絶対にさせたくなかったので 極力 彼女の目の触れる所では 他の女の子と しゃべらなかったし その時付き合っていた娘にも 理解して もらっていた。

その娘は 身体が強くなかったし 授業中でも 帰らざるおえない時が たびたびあった。その娘の ご両親は 共働きだったので そうそう 迎えには来れず 家が学校の近くだった事もあり 休み時間や昼休みを利用して 保健室から よく おぶって 連れ帰ってあげる事があったし 山登りや修学旅行の時も いつも彼女の荷物を持って 一緒に歩き 坂道では やっぱりいつも おぶってた記憶がある。今 思い出しても もう 20年も前の事なのに まるで昨日の出来事のように あの ぬくもりを感じるし 思い出す。体育祭の時も 自分は1種目も出ないのに いつも最後まで居て.俺の競技の時は どんだけ 具合が良くなくても イチバン前に来て 大声で 応援してくれた。

過去の栄光を ひけらかすようで 格好悪いし恥ずかしいし 今は そのカケラすらないが 中学.高校時代は本当に 良くモテた。今の若い子達の時代には あるのかないのか 分からないが 卒業式の日に 好きな男の子の制服のボタンを 記念に貰いに来るのが 1つの風習で定番だった。手前みそだが 俺は 制服のボタンだけじゃなく 下に来ている シャツのボタンまで 全て あげて なくなっていた。でも イチバン価値があり.大切な人に送ると言われてる "第2ボタン"だけは 皆には 嘘をついて 残しておいた。そう。あの娘に あげるために。

式も終わり かなりの時間が経っていた。急いで彼女の姿を探したが 学校のどこにも 見つからなかった。急いで 彼女の家に向かった。息が切れるのも忘れて 夢中で走った。大きな神社の鳥居を抜けると 彼女の きゃしゃな 小さい背中が見えた。驚かさないように 遠くから 大きな声で呼び掛けた。彼女は 振り向き ビックリした表情を した後 とても 嬉しそうに 俺に向かって 手を振った。俺は近づき 彼女の手を取り イチバン大切な 愛情のシルシの 第2ボタンを 彼女の小さな手の中に そっと置いた。彼女は 泣いてる顔を一切隠す事なく 「ありがとう ありがとう」と.その言葉だけを 何度も繰り返し 最後に 「ずっと大切に するからね」とだけ 言い残し.背中を向けて 歩き出した。俺も 「あっ」と言う 言葉だけで 次の言葉に詰まり
どんどん 遠く 小さくなっていく 彼女の背中を 見えなくなるまで ずっと 見ていた。

社会人になり 半年ほど過ぎたある日 街でばったり 当時のクラスメートの子と 逢った。その子は あの娘の唯一の友達と 呼べる存在の子だった。そして何気に その娘の話になり 実は 1年の時からずっと 俺の事を好きでいてくれたそうで 人生1大決心をして 俺に告白しようと思っていた矢先に たまたま 下校の帰り道で 楽しそうに女の子と手を繋いで歩く 俺の姿を 見てしまったらしい。それで 自分の想いは もう2度と口にしないと誓い.ずっと胸の奥に 大切な想い出として しまったらしい。俺は自分で どこまで 鈍感で 間が抜けてる男なんだろうと 自分で自分を責めた。彼女に悲しい思いや.さみしい思いだけはさせないように いつも.気を付けていたハズなのに。過ぎた事で 今さら どうにもならない事なのに こんな俺でも しばらくの間 生気が抜けたよ
うに ぼうーっと 過ごしていた。

その後 何回かあった 同窓会でも 彼女の姿を見る事は なかったし 毎日が忙しく過ぎていく時間の中で 少しずつ 彼女の事は 忘れていた。


そんな.ある日 実家の方へ 俺宛に 宅急便が届いたと聞いた。送り先は北海道で.送り主は.なんと.彼女からだった。中を開けると 広い大地で たくさんの陽の光を浴び 土の香りがいっぱいに詰まった 野菜類の他に 数枚の写真と手紙が入っていた。写真は 綺麗な純白の ウェディングドレスを来て 嬉しそうに腕を組み 旦那様と見つめあう 彼女が写っていた。初めて逢った時と同じ まぶしい位の 笑顔だった。食い入るように丁寧に 時間をかけて 写真を一枚一枚見た。そして 最後の一枚に 目を向けた時 なぜだか分からないけど 胸がいっぱいで 自然と涙が溢れた。中略するが 手紙には こう書いてあった。
「こっちで かけがえのない 人生の大切なパートナーに出逢いました。でも 過去も この先もずっと 私の人生でイチバン優しかったのは よしちゃんだよ。あの広くて温かい.背中のぬくもり.一度も忘れた事なかったよ。あの最後の時 言えなかった一言 今 言うね。ずっと大好きだったんだよ。あの時.幸せすぎて.胸が張り裂けそうで.思わずよしちゃんの胸に飛び込んじゃいそうだった。だから急いで振り返ったんだからね(笑)たくさんの愛と優しさ.本当にありがとう。よしちゃんを幸せに出来なかったから この人と 幸せに なるからね。」と 書いてあった。そして 最後の一枚の写真は ウェディングドレス姿で 手に あの時の "第2ボタン"を持って あの時と同じ まぶしい位の はにかんだ笑顔をした 彼女が写っていた。

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