「この書はあらゆる言語へと翻訳されるべし。だが、如何なる時にも獣の記したる原文とともにせよ。何故なら、偶然による文字の形や、それら互いの配置の中に獣でさえ見抜けない秘儀があるからである。彼には調べてみようなどと試みさせてはならぬ。だが、われらが語ることのないある者が彼の後から来りて、その全ての鍵を発見するであろう。そして、この引かれた一線が鍵である。そして、この正方形たろうとして失敗した円もまた鍵である。そして アブラハダブラ(Abrahadabra)。それは奇妙なる事に彼の子となるであろう。彼にはこれを要求させてはならぬ。何故なら、ただそれを試みただけで彼はそこから堕落しかねない。」
from 「法の書」III-47
インデックス、残念!「法の書」の表紙にはタイトルは書いてあるけど、例の一文は書いてありません。出てくるのは「法の書」のチャプター I - 40章で出てきます。
40. Who calls us Thelemites will do no wrong, if he look but close into the word. For there are therein Three Grades, the Hermit, and the Lover, and the man of Earth. 「Do what thou wilt shall be the whole of the Law.」←ここね。
「愛こそ法である…」は、チャプター I – 57章にあります。
57. Invoke me under my stars! 「Love is the law, love under will. 」Nor let the fools mistake love; for there are love and love. There is the dove, and there is the serpent. Choose ye well! He, my prophet, hath chosen, knowing the law of the fortress, and the great mystery of the House of God.
で、表紙にはなんて書いてあるのかというと、以下のように書いてあります。
Liber AL vel Legis
sub figurâ CCXX
as delivered by XCIII = 418 to DCLXVI
A∴A∴ Publication in Class A
A∴A∴ ってクロウリーがつくった魔術結社「銀の星」のことで、Publication in Class AはA級刊行物。聖なる書物。霊界文書なんてよく言われてます。ローマ数字は書の別名。「法の書」は別名を「第220の書」と言います。3章構成の各節をすべて足すと220節になるからだそうです。
彼女の手には銀の杖が握られていた。細い柱の上に天使がロダンの『考える人』のようにうずくまっているデザインのもので、六枚の翼がカゴのように天使を包み込んでいる。
かん、かん、という硬い音。
アニェーゼ=サンクティスの厚底のパーツが左右両足とも外され後方へ飛んでいく。
「万物照応。(Tutto il paragone.)五大の素の第五。(Il quinto dei cinque elementi.)平和と秩序の象徴『司教杖』を展開(Ordina la canna che mostra pace ed ordine.)」
彼女が両手で杖を抱き、祈りの言葉を発すると杖の先で屈む天使の羽が花のように開いた。
六枚の羽は時計の文字盤のように、正確に円を六等分する形で配置されていく。
「偶像の一。(Prima.)神の子と十字架の法則に従い(Segua la legge di Dio ed una croce.)、異なる物と異なる者を接続せよ(Due cose diverse sono connesse.)」
言いながら、アニェーゼは軽く杖を振る。
カツン、と杖の先が横合いにあった大理石の柱に軽くぶつかる音が鳴る。
「とある魔術の禁書目録」7巻 p.299
Tutto il paragone./Il quinto dei cinque elementi./Ordina la canna che mostra pace ed ordine.などなど。このへんみんなイタリア語みたいです。イタリア語、知らないので知っている方、Help!