「心理カウンセラーによるQ&A」コミュの「良いカウンセラーと悪いカウンセラーとはどこを見て区別すれば良いですか？」

Ｑ
　良いカウンセラーと悪いカウンセラーとはどこを見て区別すれば良いですか？

Ａ
　良い／悪いを判断する基準も様々あるので一概には言えないところがあるので、良いカウンセラーと悪いカウンセラーを判断するというのはとても難しいものです。しかし、以下に挙げる様なカウンセラーは避けた方が良いでしょう。

（１）インフォームドコンセントをしないカウンセラー。
　いわずもがなです。

（２）劇的な改善をアピールするカウンセラー
　劇的に改善するということは、劇的に悪化するという危険性もあるからです。強い薬は副作用もあることと似ています。

（３）面接料が平均に比べてあまりにも高額である。もしくは、あまりにも低額である。
　教育センターや大学相談室などの公的機関の場合には税金などによって運営されているので、無料か、もしくはかなり低額であるところはありますので、ここは除外しても良いでしょう。だいたいの相場としては１時間の面接で５０００〜１５０００円ぐらいでしょう。１回３万円や５万円、１０万円といったところもあり、すべてとは言いませんが、悪徳なところは多いと思います。逆にあまりにも低くても、宗教的な勧誘が行われたり、後で高い請求書が送られたりすることもあります。

（４）決まった面接室で行わないカウンセラー
　中には喫茶店やカラオケボックスなどでカウンセリングをするカウンセラーもいます。しかし、カウンセリングでは「構造」と言って、安心できる場所を提供することも大切であることからすると、きちんとした面接室があるところが良いでしょう。

（５）面接時間をコロコロと変えるカウンセラー
　これも４で挙げたように安心できる場を提供することも大切ということと関係しており、決まった時間、決まった場所で行うことが大事なのです。

（６）臨床心理士の資格を持っていないカウンセラー
　これは「臨床心理士を持っていないカウンセラーでもスゴイ人がいると思うから、臨床心理士がすべてじゃないと思います。」 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=32899220&comm_id=3465029 」のＱ＆Ａでも書きましたが、臨床心理士を持っているということは最低限のサービスは保証されているからです。臨床心理士を持っていなくても良いカウンセラーはいますが、それ以上に、悪徳なカウンセラーや悪いカウンセラーが山のようにいます。この資格がすべてではもちろんありませんが、重要な判断基準になります。

（７）過去の病歴をアピールするカウンセラー
　これも「病気になった人は、その病気の人の気持ちがよりわかるので、カウンセラーに向いていると思います http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=32887057&comm_id=3465029 」で書きましたが、同じ病気を持っている・持っていたことと、共感できることとはまた別問題です。逆に、同じ病気を持っていることによって、良いカウンセリングができなくなることの方が多いのです。

（８）意見を押し付けるカウンセラー
　カウンセリングでは基本的にクライエントを中心にして、クライエントのペースに応じ、クライエントが自分のことについて自分で気づいていくプロセスを大事にします。ですから、カウンセラーの意見や価値観を押し付けることはありません。もちろん、時と場合によっては助言をしたりすることもありますが、それはメインではありません。クライエントが振り回されるようなアドバイスをするカウンセラーは避けた方が良いです。

（９）論文を書いていないカウンセラー
　カウンセラーは科学者−実践家モデルであるべきだと言われており、最近ではエビデンスベースドということが強調されています。これらは科学的な視点を持ち、研究ができることが臨床能力に直接的に関係してくることをあらわしています。論文の数はこれらの能力を端的に表現しています。ただし、論文というのは学術雑誌に掲載されているもので、書店に売っている書籍はあまり関係ありません。というのも、書店販売の書籍は売れるか売れないかが基準になっており、臨床的に妥当だからとか正しいから販売されているわけではないからです。その為、中には間違いだらけのとんでもない本までありますから注意が必要です。

（１０）マスコミでよく見かけるカウンセラー
　タレントとしての力と臨床の力とはまた違います。


【参考】
なんちゃってカウンセリングを超えて
http://gouda.no-blog.jp/psycho/cat4774497/index.html