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平和映画 上映案内コミュの靖国 李纓監督

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靖国神社ドキュメンタリー映画の制作が初めて完成
http://www.pekinshuho.com/ztjl/txt/2007-11/07/content_84898.htm

東京都千代田区九段の北側に著名な景勝地が1ヵ所あり、春に桜の花が満開となると、いつも花見の人でいっぱいになる。1989年、留学のために日本に来たばかりの李纓さんは、かつてそこへ花見に行ったことがあるが、数年後、はじめてそこが靖国神社であることを知った。1993年、李さんは友たちと自分たちの映画制作所「竜影」会社を立ち上げ、のちに自分たちの会社が靖国神社のそばにあることにも気づいた。14年後、彼はそこでドキュメンタリー映画『靖国神社』の制作を完成した。

このほど、『南方週末』紙の記者が映画の撮影状況について李纓監督を取材した。

問 このドキュメンタリー映画を制作する際、またはその前に、なぜ日本では今日になってもこの題材に触れた人がいないのかということをあなたは考えたことがあるかどうか?

答 ない。その時、私も知らなかった。のちにこの映画を制作する過程で、資料を探すため、いくつかの映画のフィルムを参考することになり、調べてみると、みんながこの内容に関するいかなる映画も制作したことはないと言うのだった。その後、撮影の仕事は非常に困難で、私も撮影を続けることができなくなり、日本の監督協会理事長の崔洋一氏をたずねた。氏は在日朝鮮人の二代目で、日本生まれの方であった。私は日本側に頼んで私と力を合わせてこの映画を完成する可能性があるかどうかと彼に尋ねた。彼はそれを耳にすると、不可能だ、すべての人がこの問題を回避しているのだと答えた。
その時、私もどういうわけなのかと考えた。その原因はのちに私が仕事を続ける過程ではじめてだんだん体得することになった。一時期続けてみたが、余りにも難しく、直面する問題が多すぎ、まさに乗りかかった船となった。多くの日本人は私よりずっと先見の明があり、ずっと困難がどこにあるのかを知っており、私は世間知らずもいいところでこれらのことをぜんぜん知らずに、がむしゃらに前へ進んでいたのだ。

問 あなたの撮影班はどういう人たちからなるものか?何人いるのか?

答 私のアシスタントは日本人であり、カメラマンとプロデューサーもいるわけだが。私はできるだけ撮影班を最小規模に圧縮した。初めの数年間には私一人だけで小さなテレビジョンカメラで撮影を行った。その後、多角的視点でやる方が私のためになると思うようになり、さらに数人を増やした。しかし、私はやはりメンバーを最低に抑え、一般は3−4人で、のちに人数が少し増えた。

問 早期にいくつかの素材を撮影した時、ランダムでおこなったのかそれとも選択的に、例えば、毎年の神社参拝が相対的に多い時を選んだのか?

答 私はよく靖国神社に行き、ときにはテレビジョンカメラを持って行き、いくつかの素材を気の向くままに撮ってきた。私たちはそれ(靖国神社)に本当に近すぎるところにいた。ときには一休みのためにコーヒーを買いに行くことや、木蔭に坐ってお茶を飲みながら一服することや、桜の花を見て楽しむことなど、いずれもそのそばで行い、すでに日常化し、多くの場合、それはとりもなおさず私の生活の1シーンとなっていた。

問 東条英機の孫娘を取材した内容は映画では使っていないのか?

答 使っていない。私は映画を学術的論証として作るのではなく、一定のゆとりを残した方がよいと思っている。このことは簡単な言葉ではっきりと表わせるものではなく、現象の複雑性と彼らのナショナリズム的心情を顕在化させ、彼らの気持ち、その中における天皇の存在を通じて、人々に考えさせる方がよいのではないかと思っている。

問 私は、あなたの表現は非常に抑制的で、できるだけ主観色を残さないようにしていると感じている。

答 その実、この映画には私の強い主観的なものがあり、私はできるだけそれを抑制した。ドキュメンタリー映画を客観的なものにすることは不可能である。いくつかの日本人映画評論家の言葉では、その実、これは中国の武術と日本の剣道との対決のようである。私は別にすぐ相手を倒そうとするのではなく、ずっと相手に手を出させ、相手が手を出すと、その破綻が見え、逆にあなたが意図を表す時には、彼はすでに反抗の能力が失っているのだ。1つの見方を表現する時、みずからと相手を知らなければならず、自分の訴求を表わすだけではだめで、相手がどうのように考えているのかを知らなければならない。

問 歴史問題で具現されている中国と日本の文化の違いは何か?

答 中国は近代にお化けや神の伝統を打破したが、日本はまだ祭祀に対して畏敬の念を保っている。多くの日本人学者は、彼らの伝統はずっと続いてきたものであり、中国のそれはたえず中断し、頻繁な王朝交替の過程で多くのものが消え失せてしまったと見ている。彼らは天皇の存在を強調し、自分の国は神の国で、神の国は不滅であり、天皇は最高の象徴であると考えている。これも日本文化の自己優越感の潜在的なエッセンスである。問題の複雑性はほかでもなくここにあり、彼らは靖国神社の祭祀は天皇の尊厳と儀式であり、簡単にこの伝統を否定すれば、日本の最も重要な儀式はなくなっってしまうと思っているため、それを受け入れない。彼らは戦争の問題と戦争の責任の問題を冷静に持ち出して考えることを知らないのだ。

問 映画の中に何か表現できないものはなかったのか?

答 私は映画の中で、すでに私の方法で自分の認定している靖国神社の魂は何かということを表現しており、映画を見る人たちがいろいろな面から自分の結論を引き出すことができると思っている。私はずっと人間の命、死、魂などの問題に関心を持っており、個人の存在と国との関係ということもこの映画の非常に重要な話題の1つである。私は靖国神社という日本民族の非常に大きく、非常に特殊な精神と心霊的構造をすでに提示したと思っている上に、みんなにその内容に視線をそそがせるためにこの構造に多くの窓を開けた。私は私がすでにその中のそうした空気、そうした呼吸を表現し、多くの細かな、学術的なものに至っては、人々は映画以外のものからさらに求めることを必要とすると思っている。

問 映画は日本で発行されるそうだが、あなたがたはどんな仕事を行っているのか?

答 日本の発行側は多くの映画館に対し一軒一軒と調べており、それは彼らの放映の規模が大きいからである。いくつかの映画館は全く受け入れられないとしているが、いくつかの映画館はすばらしい作品で、このような映画は大いに上映することを必要とすると思っている。日本の最も人が集まる地点、例えば渋谷、銀座、新宿の映画館は基本的にこの映画を放映してよいと表明している。このほか、いくつかの文化人、映画評論家たちにも見てもらわなければならず、私たちが世論に対する仕事にも十分に力を入れることを考えているからである。このような映画を発行することには、多くの戦術的問題がある。具体的にいかにして広報の仕事を行うのか、それをどれほど行うのか、いくつかの予知できない要素をいかにしてコントロールするのか・・・・・・大きくすればするほど危険性も大きくなる可能性は非常に大きい。この映画は議論の非常に多いものとなろう。

李纓監督のプロフィール

李纓氏は1963年に生まれ、1984年に中山大学の文学部を卒業した後、中央テレビに入ってドキュメンタリー映画の編集・監督の仕事にたずさわった。1989年に日本に留学し、1993年にプロデューサーの張怡氏と一緒に東京で竜影映画テレビドラマ制作会社を創設した。会社は日本のテレビ局のドキュメンタリーフィルムの制作に参加するほか、中国のドキュメンタリー映画の発行代行にも携わっている。1997年に自分の最初のドキュメンタリー映画『2H』を撮影、制作した。

2007年、李纓氏はドキュメンタリー映画『靖国神社』を完成し、その素材は長い期間をかけて少しずつ積み上げたもので、製作の全過程は10年間も続いた。

「北京週報日本語版」 2007年11月8日

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靖国 YASUKUNI

監督:リ・イン
撮影:堀田泰寛、リ・イン
2007年日本・中国合作映画/2時間3分
配給:ナインエンタテインメント

ストーリー
日本在住の中国人ドキュメンタリー監督のリ・インが、靖国神社にまつわる様々な事象を10年間に渡って取材して完成させた日中合作のドキュメンタリー。毎年狂乱の様相を呈する8月15日の靖国神社を記録したほか、靖国神社のご神体として敗戦までの12年間で8100振りも作られたという“靖国刀”の鋳造を再現する刀匠の姿を通し、その歴史的意味を明らかにしていく。ベルリン国際映画祭をはじめ世界各地の映画祭で大反響を呼んだが、日本国内では上映を自粛する映画館が相次ぐなど物議を醸す。

キャスト
刈谷直治、菅原龍憲、高金素梅

http://eiga.com/movie/show/53499

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sky
記事はもともと2007年11月に記しました。
その後 2008年4月1日に 監督やキャスト、あらすじを追加しました。

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チャペル関連コミュニティー
映画「靖国」を観よう! http://mixi.jp/view_community.pl?id=3179057

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さらに追加(4月2日)
サーチ(調べる)上映館 情報

大阪 第七藝術劇場〜ナナゲイ http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=29224029&comm_id=168160

「靖国」上映館情報 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=29366901&comm_id=3179057

「靖国」自主上映情報 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=29681130&comm_id=3179057

コメント(45)

問題作『靖国 YASUKUNI』が最優秀ドキュメンタリー賞を受賞!
 −香港映画祭−
http://cinematoday.jp/page/N0013330
3月27日2時27分配信 シネマトゥデイ

靖国神社の現実と精神構造に、映画『味』の李纓(リー・イン)監督が挑んだドキュメンタリー映画『靖国 YASUKUNI』が香港国際映画祭にて最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。

 本作は靖国神社というそのデリケートなテーマから、以前より国会議員試写や一部映画館の上映取りやめなど、さまざまな人や場所にて、物議を醸していた問題作。

 受賞を受けて李纓監督は「日本での公開を控え、さまざまな困難にぶち当たっている時にこの賞を受賞できて大変うれしく思います。今まで一緒に頑張って来たスタッフ一同にこの賞を届けたいと思います。4月12日、順調に日本での公開を迎えられることが今の私の一番の願いです」と受賞への喜びと、やはり靖国問題に今も揺れ続ける日本で、無事に公開されることを切に望んでいることを明かした。

 『靖国 YASUKUNI』は、軍服を着て参拝する集団や合祀(ごうし)に反対する遺族たちなど、さまざまな思いが行き交う終戦記念日の様子を活写。神社のご神体である日本刀「靖国刀」を作る刀匠にも取材し、靖国刀がもたらした意味を解き明かしてゆく。

映画『靖国 YASUKUNI』は4月12日新宿バルト9 ほかにて公開
オフィシャルサイト http://www.yasukuni-movie.com/




中国人監督が「靖国」映画制作 4月公開
02/08 09:26更新 産経IZA
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/121287/

日本で活動する中国人映画監督、李纓さん(44)が、靖国神社をめぐる人々の姿から、戦争が日本人の心に残した混乱とその背景を描こうと、10年をかけ撮影したドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」が完成、4月から全国で公開される。
 映画は、軍刀の「靖国刀」を打ち続ける刀匠を中心に、小泉純一郎元首相の靖国参拝をめぐり、境内で軍服で隊列を組み参拝する男たちや、星条旗を掲げて元首相支持を訴えた米国人に対する参拝者の反応などを映す。
 李監督は平成元年、自由な映画制作を求め来日し、約20年間日本に住む。映画を通して「なぜ日本と他のアジア諸国の間で戦争に対する認識のギャップが残っているのか、問い掛けたい」と訴える。
 制作のきっかけは、9年に神社近くで開かれた南京事件60周年のシンポジウム。旧日本軍の映画が上映され、君が代とともに兵士が行進するシーンに、参加者が拍手喝采(かっさい)する姿に衝撃を受け、撮影を始めた。
 境内で首相参拝を批判した日本人青年が、賛成派から中国人と間違われ「中国へ帰れ」と暴行される場面も。監督は「怖くて汗が止まらず、ピントがうまく合わせられなかった」と振り返る。
 李監督は「靖国神社はアジアにとって重要な問題。人々がもっとよい形でコミュニケーションできるようにしたい。この映画は第二の故郷である日本へのラブレター。小泉元首相にも見てほしい」と話している。
中国人監督の映画「靖国」 自民国会議員向けに試写 反日的?自民若手が要請
03/12 23:55更新 産経IZA
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/129411/

靖国神社をテーマにしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の内容が「反日的」と聞いた一部の自民党国会議員が文化庁を通じて要請していた試写会が12日夜、東京都内で開かれた。
 国会議員向けの試写は異例。映画は4月の公開予定で、文化庁の所管法人の基金から助成金を受けた。配給会社側は当初「事前検閲だ」と反発していたが、「一部議員ではなく全国会議員が対象ならば」と承諾した。
 午後7時すぎに始まった試写会には議員秘書を含め約80人が参加。試写を求めた自民党の稲田朋美衆院議員は終了後「検閲の意図は全くないが、政治的に中立な映画かどうかは若干の疑問を感じた。イデオロギー的なメッセージを強く感じた」と述べ、今後、助成金について文化庁と意見交換する考えを示した。
映画「靖国」に文化庁系独法が750万円助成 自民党から異論噴出
03/13 20:07更新 産経IZA
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/129618/

4月12日に公開される映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督)が文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」から750万円の助成金を受け取っていたことが13日、分かった。自民党内からは「政治的宣伝意図を有しない」との助成要件を満たしていないとの見方が出ており、党伝統文化調査会で助成制度のあり方を検討する方針だ。

 「靖国」は、李監督が10年をかけて靖国神社境内などで撮影した映像を元に、かつて境内で造られていた「靖国刀」の刀匠に焦点を当てたドキュメント映画。日本芸術文化振興会は昨年4月、政府出資金を運用する芸術文化振興基金から750万円を助成した。

 振興会は(1)政治的、宗教的宣伝意図がない(2)日本映画であること−を助成条件としているため、自民党若手議連「伝統と創造の会」(会長・稲田朋美衆院議員)が文化庁に助成の妥当性を問い合わせたところ、配給・宣伝会社「アルゴ・ピクチャーズ」は12日夜、都内で与野党議員向けの特別緊急試写会を開催。国会議員約40人が参加した。

 試写会を受けて、「伝統と創造の会」と、別の自民党議連「平和を願い真の国益を考え靖国参拝を支持する若手国会議員の会」(平和靖国議連、会長・今津寛衆院議員)は13日、自民党本部で合同で会合を開いた。

 会合では、作品中で小泉純一郎元首相の靖国神社参拝違憲訴訟の原告2人の主張が取り上げられていることなどに異論が出た。

 また、作品が中国の映画製作会社と共同製作となっていることなどについても「日本映画といえるのか」(西田昌司参院議員)という疑問の声が上がった。

 これに対し、日本芸術文化振興会と文化庁の担当者は「ドキュメンタリーなので、いろいろな見方があるのでやむを得ないが、助成手続きは適正だった」と説明している。

 会合後、稲田氏は「憲法で保障された『表現の自由』があるので、映画の内容を論評する気はないが、靖国神社という政治的な題材を扱った映画に政府関係機関が助成したことは疑問だ」と語った。
「テナントに迷惑も」 1館で映画「靖国」上映中止
03/18 14:01更新 産経IZA 
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/130809/

 靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」について、東京都内の映画館1館が、予定していた上映を取りやめたことが分かった。映画館側は「問題が起きると、映画館が入居するビルのテナントに迷惑を掛ける可能性もあり、総合的に判断した」と説明している。

 取りやめを決めたのは、東京・新宿の映画館「新宿バルト9」。映画は4月12日から都内4館のほか、大阪や福岡で上映される予定だった。

 配給・宣伝会社「アルゴ・ピクチャーズ」によると、今月15日に映画館の運営会社「ティ・ジョイ」から「作品編成の都合で上映ができなくなった」と報告があった。

 ティ・ジョイの担当者は取材に対し「編成上の都合」としながらも「話題になっている作品なので問題が起きる可能性もあり、ビルのテナントに迷惑を掛けたくない」と話している。
映画「靖国」東京での上映中止 一部政治団体が働きかけの動き
03/31 18:55更新 産経IZA 
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/movie/134148/

靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」について、東京都内の映画館3館と大阪市内の1館が、4月12日に予定していた上映を取りやめたことが分かった。これで東京での上映予定はすべて中止となった。
 上映を中止した銀座シネパトス(東京都中央区)を運営するヒューマックスシネマは「近隣の商業施設に迷惑を掛ける恐れがあるため」と説明している。ほかに取りやめた映画館は、シネマート六本木(東京都港区)、Q−AXシネマ(同渋谷区)、シネマート心斎橋(大阪市中央区)。
 同映画をめぐっては、自民党の一部議員が、文化庁の所管法人から助成金が出ていることを理由に「政治的に中立かどうか疑問がある」として、事前の試写会を要求。全国会議員向けの異例の試写会が開かれた。関係者によると、その後一部の政治団体が上映中止を働き掛ける動きを見せていたという。
映画「靖国」 文化庁、助成は「妥当」
03/26 03:27更新 産経IZA 
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/132661/

文化庁所管の独立行政法人が映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督)に助成金( 750万円)を交付したことの妥当性をめぐり、文化庁の高塩至次長は25日の参院文部科学委員会で、「日本映画とはわが国の法令により設立された法人が製作した映画。(助成交付の)基本方針をもとに審査が行われ、助成が決定した」と答弁、助成金交付は妥当だとの認識を示した。水落敏栄氏(自民)の「客観性に欠け、政治的背景がある映画に助成金を出してよいのか」との質問への答弁。
 水落氏は、助成対象が「日本映画」とされているにもかかわらず、映画の共同製作者や製作スタッフの大半が中国人であることを挙げ、「明らかに中国映画で客観性に欠けており、助成金は返還してもらいたい」と述べた。
映画「靖国」上映中止=東京、大阪の5館が自粛
3月31日20時1分配信 時事通信

 靖国神社をめぐる日中合作のドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」について、配給・宣伝のアルゴ・ピクチャーズは31日、4月12日から公開を予定していた東京都と大阪市の計4館が上映を自粛したと発表した。既に東京の1館が中止を決めており、映画は当面上映されない事態になった。
 「靖国」は中国人の李纓(リ・イン)監督が、10年間にわたり、終戦記念日の靖国神社の様子などを取材した映画。軍服姿で参列する人々や、小泉純一郎前首相の参拝、合祀(ごうし)に反対する台湾や韓国の遺族が抗議する姿を、靖国神社のご神体とされる日本刀を作る刀匠の映像を交えながら紹介していく。
 自民党の政治家らが、この映画に政府出資の基金から製作費の一部が出たことを問題視。国会議員を対象にした特別試写会が開かれた。3月18日には、東京・新宿のバルト9が上映取りやめを決定。その後、銀座シネパトス、渋谷Q−AXシネマ、シネマート六本木と大阪市のシネマート心斎橋も中止を決めた。Q−AXシネマでは「特定の団体からの具体的な圧力はないが、お客様の安全を最大限考慮しなければならない」と説明した。 

最終更新:3月31日21時31分 時事通信
日中合作の記録映画「靖国」、相次ぎ上映中止に
3月31日21時28分配信 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080331-OYT1T00594.htm

 靖国神社をテーマにした日中合作のドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」が、東京と大阪の映画館5館で上映中止となったと、映画を配給するナインエンタテインメント社が31日発表した。

 中止を決めたのは東京都内の銀座シネパトス、渋谷Q−AXシネマ、新宿バルト9、シネマート六本木の4館と大阪府内のシネマート心斎橋。いずれも今月12日から公開を予定していた。「公開によって、近隣の劇場や商業施設などに迷惑が及ぶ可能性がある」(銀座シネパトス)などと理由を説明している。

 この映画は文化庁所管の芸術文化振興基金750万円の助成を受けており、「政治的な宣伝意図があるのではないか」などとして、国会議員から問題視する声もあった。「映画を見たい」という議員の要請もあって配給会社は3月12日、都内で試写会を開き、議員約40人が参加。議員と文化庁関係者らの意見交換会が開かれ、参院文教科学委員会でも質疑が行われた。

 19日に新宿バルト9が公開中止を決定。その後、他の映画館や配給会社に上映中止を求める電話などがあったという。

 19年間日本に住む中国人の李纓(りいん)監督が、10年間にわたって、靖国神社を訪れる参拝者や遺族、神社に納める刀を作る刀匠らの姿などを記録した日中合作映画。昨年の釜山国際映画祭など海外の映画祭でも上映され、今年3月の香港国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。

最終更新:3月31日21時44分 読売新聞
「靖国」上映中止 「表現の自由」を守らねば(4月2日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080401-OYT1T00816.htm

 憲法が保障する「表現の自由」及び「言論の自由」は、民主主義社会の根幹をなすものだ。どのような政治的なメッセージが含まれているにせよ、左右を問わず最大限に尊重されなければならない。

 靖国神社をテーマにした日中合作のドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」が、東京と大阪の五つの映画館で、上映中止となった。

 12日から上映を予定していた東京都内のある映画館では、街宣車による抗議行動を受けたり、上映中止を求める電話が相次いだりした。「近隣の劇場や商業施設に迷惑が及ぶ可能性が生じた」ことなどが中止の理由という。

 直接抗議を受けたわけではないが、混乱を避けるために中止を決めた映画館もある。

 映画「靖国」は、長年日本で生活する中国人の李纓(りいん)監督が、10年間にわたって靖国神社の姿を様々な角度から描いた作品だ。先月の香港国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど海外でも注目を集めている。

 軍服姿で参拝する老人や、合祀(ごうし)取り下げを訴える台湾人の遺族、境内で開かれた戦後60周年の記念式典に青年が乱入する場面などが取り上げられている。

 靖国神社のご神体が、神剣と神鏡であることから、日本人の心の拠(よ)り所として日本刀にも焦点を当てている。

 日本兵が日本刀で中国人を斬首(ざんしゅ)しようとしている写真なども映し出される。日本の研究者が中国側が宣伝用に準備した「ニセ写真」と指摘しているものだ。

 その映画に、公的な助成金が出ていることについて、自民党の稲田朋美衆院議員ら一部の国会議員が疑問を提示している。

 しかし、公的助成が妥当か否かの問題と、映画の上映とは、全く別問題である。

 稲田議員も、「私たちの行動が表現の自由に対する制限でないことを明らかにするためにも、上映を中止していただきたくない」としている。

 かつて、ジャーナリストの櫻井よしこさんの講演が、「慰安婦」についての発言を問題視する団体の要求で中止になった。

 こうした言論や表現の自由への封殺を繰り返してはならない。

 来月以降には、北海道から沖縄まで全国13の映画館で、この映画の上映が予定されている。

 映画館側は、不測の事態が起きぬように、警察とも緊密に連絡をとって対処してもらいたい。 (2008年4月2日01時30分 読売新聞 / 4月2日付・読売社説)
読売新聞 4月2日付 編集手帳
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20080401-OYT1T00805.htm

 終戦の前年に封切られた映画に黒沢明監督の「一番美しく」がある。脚本には次の一文があった。「勤労動員の学生達を、工場の門は胸をひろげて待っている」◆「胸をひろげ」は猥褻(わいせつ)で劣情を刺激する。内務省の検閲官はそう告げて再考を命じたという。黒沢氏の自叙伝「蝦蟇(がま)の油」(岩波現代文庫)の一節は検閲のばからしさをよく伝えている◆憲法で表現の自由が保障されたいまも、嫌がらせの衣をまとった検閲は生きているらしい。東京と大阪の映画館5館が、予定していた上映を中止した。靖国神社がテーマの日中合作「靖国 YASUKUNI」である◆ある映画館は街宣車の抗議行動を受け、圧力めいた電話も続いたという。来月からは全国の13館が上映を予定している。映画館は少しの勇気を、世間は表現の自由が脅かされることに少しの気がかりを、警察は少し強めに監視の目配りを――各人が“少し”を持ち寄るのみである◆内容を快く思わぬひと握りの人の意思により、多くの人が目隠しをされる。それがまかり通る社会では、「胸をひろげて…」に劣情を刺激された昔の検閲官を笑えない。

(2008年4月2日01時33分 読売新聞)
映画:「靖国」上映、映画館が相次ぎ自粛
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080401k0000m040114000c.html
毎日新聞 2008年3月31日 21時28分(最終更新 4月1日 16時12分)

 靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」をめぐり、4月12日からの上映を決めていた映画館5館が31日までに上映中止を決めた。相次ぐ自粛で、当面、公開のめどが立たなくなった。

 中国人のリ・イン監督が、10年間にわたり、終戦記念日の靖国神社などを取材した映画で、軍服姿で参列する人や、台湾や韓国の遺族が抗議する姿も描いている。今年の香港国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。

 映画は文化庁が管轄する「日本芸術文化振興会」から約750万円の助成を受けていた。週刊誌に「反日的内容」との記事が掲載され、自民党議員の一部から助成の妥当性を疑問視する声が上がり、全国会議員を対象とした異例の試写会も開かれた。

 3月18日に東京・新宿のバルト9が上映取りやめを決定。その後、銀座シネパトス、渋谷Q−AXシネマ、シネマート六本木、シネマート心斎橋も中止を決めた。銀座シネパトスを経営するヒューマックスシネマは「上映中止を求める電話がかかったり、周辺で抗議行動があった。近隣や他の観客に迷惑がかかるため、中止を決めた」としている。一方、Q−AXシネマの営業責任者は「具体的な抗議や嫌がらせはないが、不特定多数の人が集まる施設なので、万が一のことがあってはならない」と、上映見送りの理由を語った。

 映画を配給するアルゴ・ピクチャーズは「上映中止になったことに憤りを感じる。言論と表現の自由の危機。大阪市の別の映画館と名古屋市内の映画館が上映の意向を示しており、都内についても引き続き上映館を探していく」と話している。

日本映画監督協会も、「表現の自由が侵されかねない」とする抗議声明を出した。

 ▽鈴木秀美・大阪大法科大学院教授(憲法)の話 原則自由である映画館だからこそ、政治的言動であれ性的表現であれ上映できる作品は少なくない。映像で社会に訴えて論争を巻き起こしたいという表現者たちにその機会を保障するのが映画館の本来の役割だろう。映画館側が、作品が問題視され、近隣施設への迷惑や混乱が予想されるという抽象的な危険だけで、毅然(きぜん)とした態度を取らずに上映を中止するのでは、日本の映画界における表現の自由の幅を狭めると批判されてもやむを得ないのではないか。

毎日新聞 2008年3月31日 21時28分(最終更新 4月1日 16時12分)

17の記事の英語版 これです。

+++ この記事は英訳されています。

5 cinemas snub controversial Chinese-made 'Yasukuni' documentary
http://mdn.mainichi.jp/entertainment/news/20080401p2a00m0et018000c.html
(Mainichi Japan) April 1, 2008

Five movie theaters have cancelled planned screenings of a Chinese director's award-winning documentary about Yasukuni Shrine, leaving the opening date in Japan up in the air.

The five theaters had planned to begin screening "Yasukuni," by Chinese filmmaker Li Ying, on April 12, but by Monday they had decided to scrap screenings, saying the film could cause a disturbance.

Li spent 10 years filming the documentary about the shrine, which honors the war dead including convicted war criminals. It includes interviews conducted on the anniversary of the end of World War II, and shows people lined up dressed in military uniforms, as well as demonstrations by the bereaved families of people from Taiwan and South Korea. This year, it won a best documentary award at the Hong Kong International Film Festival.

The film had received a 7.5 million yen grant from the Japan Arts Council, which operates under the jurisdiction of the Agency for Cultural Affairs. However, after a tabloid magazine described its content as "anti-Japanese," some Liberal Democratic Party legislators questioned the appropriateness of providing a grant, and a rare special screening was held for all Diet members.

On March 18, the Wald9 cinema in Shinjuku decided to cancel screenings. Later, Ginza Cinepatos, Shibuya Q-AX cinema, Cinemart Roppongi and Cinemart Shinsaibashi also decided to cancel screenings of the film.

"We had phone calls requesting cancellation of the screenings, and there were protests in the surrounding area," said a representative of Humax Cinema, the operator of Ginza Cinepatos. "We decided to cancel it as it would cause trouble in the vicinity and for other filmgoers."

A representative of the operator of Shibuya Q-AX, said screenings were cancelled as a precaution. "There were no concrete protests or harassment, but it's a facility where a large, unspecified number of people gather, so we can't have anything going wrong," a theater representative said.

Distributor Argo Pictures expressed anger at the theaters' move.

"We feel angered that screenings have been cancelled. It is endangerment of free speech and expression," a representative said. The representative said that cinemas in Osaka and Nagoya had indicated they were willing to screen the film, and added that the company would continue to search for theaters in Tokyo where it could be shown.

The Directors Guild of Japan has released a protest over the cancellations, saying they could constitute a violation of freedom of expression.

Click here for the original Japanese story

(Mainichi Japan) April 1, 2008
毎日新聞 4月2日

余録:自由
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20080402k0000m070154000c.html
 米国の独立宣言を起草した政治家で実業家、科学者でもあったベンジャミン・フランクリンは節制、勤勉、誠実、中庸など13の徳目を説いた人として知られる。だが時おり「空気浴」と称して裸になる習慣だけは、周りをあきれさせ、困惑させたという▲権力の集中を嫌う自由主義者として人民の信頼を集めたフランクリンであった。たとえ余人には奇行とみえようと自分の幸福は自分で決める“奇行権”もいわば自由主義の核心である。空気浴は彼の自由の譲れない一線だったのかもしれない▲ただこと自由についての譲れぬ一線といえば、フランクリンにはなかなか厳しい名言がある。「自由と引きかえに安全を求めようとする者は、自由にも安全にも値しない」。つまり自由を守るには闘わなければならぬ時もあるということだ▲靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映を決めていた映画館が相次いで上映自粛を決め、映画公開のめどが立たなくなっているという。「映画への抗議で近隣に迷惑がかかる」というのがその理由である▲こう聞けば、先日の日教組の教研集会を断ったホテルの釈明も思い出される。映画の配給会社が「日本社会の表現の自由の危機を感じる」というのももっともだ。どんな団体や個人であれこんな調子で言論や表現の場が次々に奪われていくなら、もはや自由社会とはいえなくなる▲正体不明の不安や、恐怖が社会のあちこちに埋め込まれ、ゆっくりと人々の自由が萎縮(いしゅく)していくような未来はお断りだ。日本社会にもこと自由について譲れぬ一線がある。それをはっきり世界に示さねばならないのは今である。

毎日新聞 2008年4月2日 0時02分

毎日新聞 4月2日社説

社説:「靖国」中止 断じて看過してはならない
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080402k0000m070158000c.html

 中国人監督によるドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映が全面的に中止になった。予定していた計5館が嫌がらせや妨害が起きることを懸念し、取りやめたためだ。

 黙過できない。言論、表現の自由が揺らぐ。そういう事態と受け止めなければならない。

 今年初め、日本教職員組合の教研集会の全体会場、宿所だった東京のグランドプリンスホテル新高輪が、一転して使用を断った。右翼の街宣や威圧行動で顧客や周辺の住民、受験生らに迷惑がかかるというのが理由だった。裁判所は使用をさせるよう命じたが、ホテル側はこの司法決定にも従わないという空前の異常事態になった。

 私たちはこれについて「今後前例として重くのしかかるおそれがある」と指摘した。「靖国」中止で「おそれ」は現実になったといわざるをえない。

 作品は、10年間にわたり終戦記念日の靖国神社の光景などを記録したもので、一部のメディアなどが「反日的だ」とし、文化庁所管である芸術文化振興の助成金を受けていることを批判した。自民党の国会議員からも助成を疑問視する声が上がり、3月には全国会議員を対象にした試写会が開かれた経緯がある。

 萎縮(いしゅく)の連鎖を断ち切るには、再度上映を決めるか、別会場ででも公開の場を確保する必要がある。安全を名目にした「回避」は日教組を拒絶したホテルの場合と同様に、わが意に沿わぬ言論や表現を封殺しようとしている勢力、団体をつけ上がらせるだけであり、各地にドミノ式に同じ事例が続発することになろう。

 一方、警察当局にも言いたい。会場側が不安を抱く背景に、こうした問題で果たして警察が守りきってくれるのかという不信感があるのも事実だ。発表や集会を威圧と嫌がらせで妨害しようとする者たちに対して、きちんとした取り締まりをしてきたか。その疑念をぬぐうことも不可欠だ。

 また、全国会議員が対象という異例な試写会は、どういう思慮で行われたのだろう。映画の内容をどう評価し、どう批判するのも自由だ。しかし、国会議員が公にそろって見るなど、それ自体が無形の圧力になることは容易に想像がつくはずだ。それが狙いだったのかと勘繰りたくもなるが、権力を持つ公的機関の人々はその言動が、意図するとしないとにかかわらず、圧力となることを肝に銘じ、慎重さを忘れてはならない。

 逆に、今回のように「後難」を恐れて発表の場を封じてしまうような場合、言論の府の議員たちこそが信条や立場を超えて横やりを排撃し、むしろ上映促進を図って当然ではないか。

 事態を放置し、沈黙したまま過ごしてはならない。将来「あの時以来」と悔悟の言葉で想起される春になってはならない。

毎日新聞 2008年4月2日 0時06分
毎日新聞 4月2日余録

余録:米国の独立宣言を起草した政治家で実業家…
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20080402ddm001070046000c.html

 米国の独立宣言を起草した政治家で実業家、科学者でもあったベンジャミン・フランクリンは節制、勤勉、誠実、中庸など13の徳目を説いた人として知られる。だが時おり「空気浴」と称して裸になる習慣だけは、周りをあきれさせ、困惑させたという▲権力の集中を嫌う自由主義者として人民の信頼を集めたフランクリンであった。たとえ余人には奇行とみえようと自分の幸福は自分で決める“奇行権”もいわば自由主義の核心である。空気浴は彼の自由の譲れない一線だったのかもしれない▲ただこと自由についての譲れぬ一線といえば、フランクリンにはなかなか厳しい名言がある。「自由と引きかえに安全を求めようとする者は、自由にも安全にも値しない」。つまり自由を守るには闘わなければならぬ時もあるということだ▲靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映を決めていた映画館が相次いで上映自粛を決め、映画公開のめどが立たなくなっているという。「映画への抗議で近隣に迷惑がかかる」というのがその理由である▲こう聞けば、先日の日教組の教研集会を断ったホテルの釈明も思い出される。映画の配給会社が「日本社会の表現の自由の危機を感じる」というのももっともだ。どんな団体や個人であれこんな調子で言論や表現の場が次々に奪われていくなら、もはや自由社会とはいえなくなる▲正体不明の不安や、恐怖が社会のあちこちに埋め込まれ、ゆっくりと人々の自由が萎縮(いしゅく)していくような未来はお断りだ。日本社会にもこと自由について譲れぬ一線がある。それをはっきり世界に示さねばならないのは今である。

毎日新聞 2008年4月2日 東京朝刊

毎日新聞 4月2日朝刊 クローズアップ2008

クローズアップ2008:映画「靖国」上映中止 揺れる表現の自由
http://mainichi.jp/select/wadai/archive/news/2008/04/02/20080402ddm003040076000c.html

 靖国神社を舞台にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止が、波紋を広げている。グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が今年2月、日本教職員組合の教育研究集会の会場使用を拒んだのと同じ構図が、映画界にも波及したとみられるためだ。中止を決めた映画館周辺では、右翼団体による抗議活動が確認されている。【勝田友巳、棚部秀行、野口武則】

 ◇「自己規制、生まないか」
 「やむにやまれぬ判断。劇場内には三つのスクリーンがあり、安全な上映環境を確保できるか、不安がぬぐえない。表現の自由を守れと言われても、限界がある」。上映中止を決めた映画館「銀座シネパトス」(東京・銀座)を運営するヒューマックスシネマの中村秋雄・興行部長は戸惑いを隠さない。昨年10月に上映を決めた際にはこんな事態は予想もしなかったという。中止決定から一夜明けた1日は代わりの作品の選定などに追われた。

 一方、3月31日に国会議員の試写などへの抗議声明を出した直後、上映予定全館での中止を知った日本映画監督協会も事態に驚く。崔洋一理事長は「映画の表現の自由は映画館での上映があって守られる。作り手が自己規制する空気が生まれないか心配だ」と話す。

 問題の発端とみられるのは、自民党の稲田朋美衆院議員が2月12日、文化庁に「映画の内容を確認したい」と問い合わせたこと。稲田氏は、文化庁管轄の独立行政法人「日本芸術文化振興会」が製作に750万円を助成したのを問題視していた。文化庁は配給協力・宣伝会社のアルゴ・ピクチャーズと協議し、3月12日夜に国会議員向けの試写を行い、自民、民主、公明、社民4党の40人が参加した。

 この時点で映画は都内4館、大阪市内1館で、今月12日から公開されることが決まっていた。しかし「バルト9」(東京・新宿)が3月18日「営業上の総合的判断」を理由に公開中止を発表。他の上映予定館周辺では街宣活動が行われたり抗議電話がかかってきた。右翼団体が稲田氏らの動きに刺激された可能性がある。バルト9の中止決定から約1週間後、他館も「観客や近隣に迷惑がかかる」などの理由で、相次いで公開を取りやめた。

 過去には92年に「ミンボーの女」の伊丹十三監督が暴力団員に襲われ、翌年、伊丹監督の「大病人」が上映中、右翼団体員にスクリーンを切り裂かれた。98年には「南京1937」のホールなどでの上映会が右翼の街宣活動で相次いで取りやめになった。00年には「バトル・ロワイアル」の暴力描写を、石井紘基衆院議員が問題視して国会で取り上げた。しかし映画館での公開が中止に追い込まれたのは極めて異例だ。

 ◇自民議員「反靖国だ」−−勉強会、怒声も
 「稲田氏の行動が自粛につながったとは考えないが、嫌がらせとか圧力で表現の自由が左右されるのは不適切だ」。町村信孝官房長官は1日の記者会見で、上映中止問題について一般論で応じた。

 国会議員向け試写会の翌日の3月13日、自民党の保守派でつくる「伝統と創造の会」(会長・稲田氏)と「平和靖国議連」(会長・今津寛衆院議員)が、文化庁などを呼んで合同勉強会を開いた。

 両団体とも首相の靖国参拝を支持する議員の集まり。試写後、映画を「靖国神社が侵略戦争に国民を駆り立てる装置だったというイデオロギー的メッセージを感じた」と論評した稲田氏は勉強会で日本芸術文化振興会の助成金問題を集中的に取り上げた。

 約10人の出席者からは「反靖国の内容だ。大きな問題になるから覚悟した方がいいよ」との怒声も飛んだ。稲田氏は3月31日「問題にしたのは助成金の妥当性。私たちの行動が表現の自由に対する制限でないことを明らかにするためにも中止していただきたくない」とのコメントを出した。

 一方、警視庁によると、上映予定の映画館に対する右翼団体の街宣活動は複数回確認されていた。しかし「際立った抗議活動は把握していない」(警視庁幹部)という。警察白書によると、07年の右翼の検挙数は1752件2018人。5年前は1691件2217人で件数は増加したものの人数は減少し全体ではほぼ横ばいの状態だ。

 右翼の事情に詳しい関係者は「大部分の右翼にとって靖国神社は特別な存在。過敏に反応してしまう傾向はある」と指摘した。

つづく

毎日新聞 2008年4月2日 東京朝刊

22のつづき

 ◇李監督「作品を見て健康的な議論を」
 李纓(リイン)監督(44)は1日、毎日新聞の取材に今回の動きについて、「市民から『考える自由』を奪う危険な事態。まずは作品を見て健康的な議論に生かしてほしい」と話した。

 中国広東省出身の李監督は、大学で文学を学んだ後、国営中国中央テレビに入局。チベットの伝統芸能祭の復活を追ったドキュメンタリーなどを製作したが、中国での報道に限界を感じて退局し、89年に来日した。

 97年には、南京大虐殺を否定する趣旨の集会に参加した。「日本兵の名誉回復を熱心に訴える人々の姿に衝撃を受け、理由が知りたくて靖国神社でカメラを回し始めた」。10年間撮りためた映像を123分にまとめて、「靖国」を作った。「靖国神社の空気をできるだけ静かに、先入観なく感じ取ってもらえるように、あえてナレーションは付けなかった」と説明する。【福田隆】

 ◇映画館に責任ない−−映画監督の羽仁進さんの話
 「靖国」は非常に慎重に作られており、靖国神社に対する批判を強硬に打ち出している映画ではない。文化庁が助成金を出したのは、映画の出来を評価して、一般の人に見てもらうため。もちろん政治家にも見てもらいたいが、彼らが文化庁に文句を言うのは筋が違う。また、映画に反対する人たちが映画館や近隣の人に迷惑になるような形で意見表明することは、社会のルールを壊している。上映中止の責任を映画館側に押しつけてはいけない。

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 ■ことば

 ◇映画「靖国」
 第二次世界大戦中の靖国神社境内で、軍人に贈る「靖国刀」を作った刀鍛冶(かじ)へのインタビューと境内でのさまざまな出来事で構成。軍服姿で参拝する団体や、「靖国支持」という看板を掲げる米国人、A級戦犯合祀(ごうし)に抗議する台湾人遺族らの姿がナレーションなしで映し出される。

 監督は日本在住約20年の中国人、李纓さん。自分が日本で設立した製作会社「龍影」と中国電影学院などが共同製作した。日本芸術文化振興会のほか韓国の釜山国際映画祭から助成を受けている。

毎日新聞 2008年4月2日 東京朝刊

映画「靖国」上映中止 文科相「非常に残念」
4月2日8時1分配信 産経新聞


 靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督)をめぐり、東京と大阪の映画館計4館が12日から予定していた上映を中止した。すでに1館が中止を決めており、4月中はすべて上映されないことになった。

 上映中止について渡海紀三朗文部科学相は1日、会見で「あってはならないこと。作品発表の機会が嫌がらせや圧力でなくなるのは非常に残念。再発しないよう(文科省として)何かやっていかなければならない」と述べた。

 公的助成金を疑問視した自民党一部議員が求めた試写会を、文化庁が映画会社に斡旋(あっせん)し、国会議員向け試写会が開かれたことについては「最終的には映画会社の判断。それを斡旋というか判断が難しい」として文化庁の責任への言及は避けた。

最終更新:4月2日8時1分
映画「靖国」上映中止 何らかの対応をと文科相
04/01 12:05 産経IZA
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/134332/

24とまったく同じ記事なので添付を割愛します。
上映自粛「不適切」=表現の自由尊重を−町村官房長官
4月1日19時1分配信 時事通信

 町村信孝官房長官は1日午後の記者会見で、靖国神社をめぐるドキュメンタリー映画「靖国」の上映中止について「嫌がらせや圧力で表現の自由が左右されることが不適切であることは言うまでもない」と述べた。
 この映画をめぐっては、自民党の稲田朋美衆院議員らが政府から助成金が出ていることを問題視し、国会議員を対象に特別試写会を開いた。これに関し、町村長官は「稲田さんは『言論の自由はしっかり守られるべきだ』とも述べているわけだから、そのことが上映自粛につながったとは考えていない」と語った。
ちなみに。
ガイジンが靖国神社で写真撮ると こんな感じになりますw

http://www.juergenspecht.com/documentations/?number=27&overview=1&page=1
わはは〜 すごいな〜

外からどう見えるか、ってことも、大事なんじゃないでしょうか。
靖国映画「事前試写を」 自民議員が要求、全議員対象に
2008年3月9日(日)03:24 朝日新聞

 靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画の国会議員向け試写会が、12日に開かれる。この映画は4月公開予定だが、内容を「反日的」と聞いた一部の自民党議員が、文化庁を通じて試写を求めた。配給会社側は「特定議員のみを対象にした不自然な試写には応じられない」として、全国会議員を対象とした異例の試写会を開くことを決めた。映画に政府出資の基金から助成金が出ていることが週刊誌報道などで問題視されており、試写を求めた議員は「一種の国政調査権で、上映を制限するつもりはない」と話している。

 映画は、89年から日本に在住する中国人監督、李纓(リ・イン)さんの「靖国 YASUKUNI」。4月12日から都内4館と大阪1館でのロードショー公開が決まっている。


+++

おやおや。事前にチェックして、そのときには制限するつもりはない、と言ってたんですね。で、飼い犬しかけたりして。えげつな〜い!下品〜!

人様の口に蓋をしようなんざ、腐敗政治家は、お気楽なものだ。
  中止の件で新聞情報をたくさんご紹介いただき、ありがとうございました。これは、戦後の映画史上、歴史的な事件になるかもしれません。
 国会議員が上映を要求すれば、事実上「検閲」に近い効果を持ち、圧力になり、右翼を力づけるでしょう。

 上映館を経営する民間会社自ら表現の自由を放棄し、さらには製作者側の表現の自由を侵害する行為をすることは、国民の側が自発的に自由を返上するものです。先日のプリンスホテル事件と同じ構図です。

 国民が強く抗議して上映中止の撤回を求めるべきでしょう。
 自由というものは、このようにして、具体的な事件、ケースを通じて国民が身につけ、学び取っていくものだと思います。 

 この2月に刊行された、羽渕三良著「現在映画評論」で紹介されているような戦前の映画暗黒時代に戻らせないために、今は映画を見る市民の側の対応が試されています。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=29609699&comm_id=3179057

映画「靖国」を観よう!コミュでも活用させていただきたいです。
コミュ活用>どうぞ〜

ヒロキさん>その通りです。邪魔されたら、警察呼んだら、いいんです。相手が 犯罪する、っていうなら、させたらいいんです。なんで そんな犯罪者に怯えて、相手が犯罪に手を染める前に、言いなりにならないと いけませんのか?
悪いことしてないのですから、どうどうと、してたらよろしい。

マフィアの社会は、お断りですね〜!
kayoさん>コミュ拝見してきました。あとで コミュリンク しておきます〜
つい、映画「靖国」を観よう!コミュに入ってしまいました。
観たいんです。

>27
写真すごいですね!いつの時代だ・・・・
日本は・・・北朝鮮が怖いとか言ってられないぐらい
怖がられててもおかしくないことをしている。
「靖国」大阪で5月上映 「映画館を議論の場に」
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200804020379.html
朝日新聞 2008年04月03日02時26分

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、大阪市淀川区の映画館「第七芸術劇場」が5月に予定通り上映することを決めた。同館は地元商店主らが出資する96席の市民映画館。松村厚支配人は「見たい人がいるなら提供するのが役目。映画館を議論の場にしてほしい」と話している。上映は同月10日から7日間の予定。

 「靖国」は、靖国神社に参拝する戦没者遺族や軍服姿の若者らをナレーションなしで撮影した中国人監督の作品。トラブルや嫌がらせを警戒した大阪、東京の5館が3月末までに相次いで上映中止を決めた。大阪で唯一の上映先となった第七芸術劇場には、中止しないよう求める電話やメールが相次いだという。

 社会派作品を多く扱ってきた松村支配人は「客観的に靖国をとらえている」と作品の感想を話し、「靖国がある東京はもう少し踏ん張ってほしかった」と話している。

 一方、5月中の上映に向けて日程を調整していた名古屋市千種区の映画館「名古屋シネマテーク」は、同月中の上映を先送りすることになった。「上映するかどうかも含めすべて検討中」と話している。捜査当局によると、同館には政治結社から上映を見合わせるよう要請があり、2日までに話し合いをしたという。

 この問題について、社民党の福島党首は2日の記者会見で、超党派の国会議員に呼びかけ、ドキュメンタリー映画「靖国」の自主上映を検討する考えを示した。福島氏は「日本の表現の自由の危機だ。全力を挙げておかしいと言う」と語った。

+++

朝日新聞の紙面をチェックしたんですが、これとは 若干 表現が違います。

大阪地方版 1面に掲載です。

「靖国」予定通り上映
ー「映画館を議論の場に」

朝日新聞 大阪朝刊 2008年04月03日 14版

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、大阪市淀川区の映画館「第七芸術劇場」が5月に予定通り上映することを決めた。同館は地元商店主らが出資する96席の市民映画館。松村厚支配人は「見たい人がいるなら提供するのが役目。映画館を議論の場にしてほしい」と話している。上映は同月10日から7日間の予定。

 「靖国」は、靖国神社に参拝する戦没者遺族や軍服姿の若者らをナレーションなしで撮影した中国人監督の作品。トラブルや嫌がらせを警戒した大阪、東京の5館が3月末までに相次いで上映中止を決めた。大阪で唯一の上映先となった第七芸術劇場には、中止しないよう求める電話やメールが相次いだという。

 社会派作品を多く扱ってきた松村支配人は「客観的に靖国をとらえている」と作品の感想を話し、「靖国がある東京はもう少し踏ん張ってほしかった」と話している。 同館は経営難で99年に閉館したが、02年に地元商店主らが1口5万円を出資して再開した。(藤田さつき)【朝日新聞 大阪朝刊 2008年04月03日 14版】

kayoさんのコミュの方は、情報が細やかです。関心のある方は、チェックお願いします。
(映画「靖国」を観よう! http://mixi.jp/view_community.pl?id=3179057)

+++

あくまでも私個人の意見ですが、大阪府警は、2007年2月に野宿者9名を公園から排除するためだけに、機動隊バス2台を出動させ、総計500名の警官による、野宿者の強制排除を行いました。困窮した市民に対して、そのような警備費を使ったわけです。

そのような金と暇があるのならば、このようなときにこそ、一つの映画館に機動隊バス一台、といわずとも10名ずつくらい警官配備せよ。周辺住民への嫌がらせが行われた場合、それを取り締まれ。市民の自由と安全を守れ。それでもいう事を聞かず、他者の自由な映画視聴を妨害する者にたいしては、放水車を使用せよ。

右翼と機動隊、激突の図。
右翼だったら何をしてもいいのか、警察!

日本ペンクラブ「憂慮」の緊急声明…映画「靖国」上映中止
(読売新聞 - 04月03日 19:38)

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、日本ペンクラブ(阿刀田高会長)は3日、「自由な表現の場の狭まりを深く憂慮し、関係者の猛省をうながす」と題した緊急声明を出した。
 情報流通を担う者には、民主主義社会に不可欠な表現の自由を守る社会的責務がある、などと訴えた。

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映画「靖国」:ペンクラブが声明「関係者の猛省うながす」
毎日新聞 2008年4月3日 13時36分
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080403k0000e040073000c.html
 映画「靖国」の上映中止に関し、日本ペンクラブ(阿刀田高会長)は3日、「自由な表現の狭まりを深く憂慮し、関係者の猛省をうながす」とする緊急声明を発表した。「面倒を恐れて自発的に場所の提供を渋る雰囲気がまん延している。公共言論空間を守る決意を訴えたい」としている。

毎日新聞 2008年4月3日 13時36分

靖国上映中止に「強い懸念」=民放連
(時事通信社 - 04月03日 20:01)

 日本民間放送連盟(会長・広瀬道貞テレビ朝日会長)は3日、ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映が相次いで中止になった問題について「言論・表現にかかわる創作物を個々人が享受し、論評・判断する機会が奪われることはあってはならず、健全な民主主義の実現に逆行する。言論・表現の一翼を担う者として強い懸念を表明する」との堀鉄蔵・報道委員長のコメントを発表した。 (時事通信社 - 04月03日 20:01)

+++++

映画「靖国」の上映中止、新聞協会が「看過できない」と談話
(読売新聞 - 04月03日 19:34)

 映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、日本新聞協会は3日、「表現・言論の自由を擁護する立場から看過できない」とする斎藤勉・編集委員会代表幹事(産経新聞社取締役編集・写真報道担当東京本社編集局長)名の談話を発表した。
 この問題では、当初上映を予定していた全国18映画館のうち、東京の4館と大阪の1館が、上映中止を決定している。
 談話の全文は次の通り。
          ◇
 公開が決まっていたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止という事態が生じたことは残念でならない。映画の内容をどう評価するかは個々人の問題であるが、その評価、判断の機会が奪われてしまうことは、表現・言論の自由を擁護する立場から看過できない。表現活動が委縮する社会にしてはならないと考える。

(読売新聞 - 04月03日 19:34)
各団体の声明、早かったですね。

いちお 全文あったものは、保存しておきます。


+++ココカラ 日本映画監督協会声明

映画『靖国 YASUKUNI』に関する声明

 日本映画監督協会は、一般公開を直前に控えたドキュメンタリー映画『靖
国 YASUKUNI』(李纓監督作品)について、内容が「反日的」などを理由に
一部の国会議員が文化庁を通して特別に試写を要求した行為及びその後
の言動等に対し、強く抗議の意を表明する。
 これらの行為は「表現の自由や上映を制限する意図はまったくない」として
いるが、今後行われる上映活動を萎縮させると共に、表現者たる映画監督
の自由な創作活動を精神的に圧迫している事は明らかである。
すでに一部の映画館で上映取りやめが決定し、更に拡大するおそれがあ
るなど、映画の表現の自由が侵されかねない事態も起きており、大きな危惧
を抱かざるをえない。
 あらゆる映画は自由な発想と意志のもとに創られ、かつ自由に上映される
べきであり、われわれ映画監督は、「表現の自由」を侵害、あるいは、侵害す
るおそれのあるあらゆる行為に対し、ここに断固として反対の意を表明する
ものである。


   2008年3月31日
協同組合日本映画監督協会
 理事長 崔  洋 一

http://www.dgj.or.jp/ 

+++ココマデ 日本映画監督協会声明
私自身の 靖国に対する 見解(というほどのものも、持ってませんが)

mixi日記 2006年8月16日 sky
神社ではないのに神社になって、神じゃないのに神になった
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=199058351&owner_id=1742803
トーク会が あったようです。
早速内容アップなさってた方のサイト↓

アレーシャ日記

「『靖国』公開祈願トーク」2008年4月 4日 (金)
http://aresan.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_fff6.html
上映の展開のようですね。よかったよかった。

+++ココカラ 毎日新聞 2008年4月4日

映画「靖国」:5月初旬から東京、大阪など全国21カ所で

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映を中止する映画館が相次いだ問題で、映画の配給協力・宣伝会社「アルゴ・ピクチャーズ」(東京都港区)は4日、5月初旬から東京、大阪など全国21カ所の映画館で順次公開する方針を明らかにした。混乱を避けるため、現時点では上映予定の映画館名は公表しないという。

 同社によると、12日に公開予定だった東京4館、大阪1館の計5館が上映中止を表明したため、新しい上映編成を進めていたが、5月初旬から21館での上映が決まったという。当面、映画館名を公表しない理由は「映画館に電話や問い合わせが殺到するなど混乱が生じる恐れがある」としており、公表は4月下旬になる見通し。

 同社は、日本新聞協会や日本映画監督協会など10団体から激励文や支援声明を受けていることも明らかにし「映画が無事に公開され、ご覧いただけるよう一層の努力をしていく」とコメントを出した。

 一方、長野県松本市で自主上映活動をするNPO法人「コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト」(宮崎善文理事長)は4日、8月に市内で上映すると明らかにした。宮崎理事長は「昨年12月に上映を決めた。(妨害などの)大事件が起こらない限り中止しない」と話している。【伊藤一郎、高橋龍介】

毎日新聞 2008年4月4日 22時36分(最終更新 4月4日 22時42分)
+++ココマデ 毎日新聞 2008年4月4日

英訳ありました

21 cinemas agree to screen controversial documentary 'Yasukuni'
http://mdn.mainichi.jp/entertainment/archive/news/2008/04/20080405p2a00m0et004000c.html

The distributor of "Yasukuni," a Chinese director's controversial documentary about Yasukuni Shrine, has announced that 21 cinemas in areas including Tokyo and Osaka will screen the film.

Argo Pictures said the film by director Li Ying would be screened in early May. It is withholding the names of the theaters, saying that announcing the screening locations could cause a disturbance.

"There are fears that theaters could be flooded with phone calls and inquiries, creating a disturbance," the distributor said.

Earlier, at least five theaters scrapped plans to screen the documentary. Argo Pictures said that it had been looking for new cinemas to screen the film, and later found 21 cinemas that could screen it starting in early May. The names of the theaters are expected to be announced in late April.

Ten organizations including the Japan Newspaper Publishers and Editors Association and the Directors Guild of Japan sent letters of support and encouragement to Argo Pictures, the company said.

"We will step up our efforts so that this film is released without problems and people can see it," a company representative said.

On Friday, Matsumoto Cinema Select, a nonprofit organization in Matsumoto, Nagano Prefecture, announced that it would screen "Yasukuni" in the city in August.

"We decided to screen it in December last year," the organization's director said. "We will go ahead with the screening as long as there are no major incidents."


長野版でも 報道されているようです。

+++ココカラ

「靖国」上映中止:松本のNPO、方針変えず8月に上映 /長野
http://mainichi.jp/area/nagano/news/20080405ddlk20040021000c.html

 靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題は、「表現の自由を脅かす」として全国的に波紋を呼ぶが、松本市では上映される見通しだ。

 上映するのは、ミニシアター系映画の自主上映活動を続けるNPO法人「コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト」で、8月中に同市中心部で上映を計画する。

 同NPOは、大手配給会社の映画しか観られない状況を危ぐ。「靖国」も「地味な内容」で興業的観点から、地方で上映されないと判断、昨年12月に取り扱うことを決めていた。宮崎善文理事長は「最初に上映を決めた全国17、18館中、今も13、14館は上映方針を変えていない」と話している。【高橋龍介】

毎日新聞 2008年4月5日 地方版
+++ココマデ

8月の長野、楽しそうですねw
これはこれで、全日張り付きは無理でも、右翼の妨害がありそうな日だけでも、カメラかついで現場に行ってみようかなと思います。

長野だったら、屋上から 全貌が取れるかも・・?!

コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト http://www.cinema-select.com/
「靖国」上映中止:右翼団体が試写会 「妨害」イメージ解消−都内で18日
http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20080412dde041040053000c.html

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映を中止する映画館が相次いだ問題で、複数の右翼団体の代表者らが発起人となり、東京都内で右翼活動家向けの試写会をすることが分かった。右翼団体の抗議活動が上映中止の原因というイメージの解消を図る狙いとみられる。発起人の一人は「映画を見ていない活動家も多い。冷静な判断のためにも見てほしい」と話している。

 関係者によると、試写会は18日午後、都内の映画館で行う。案内を受けた活動家限定で、対象は約100人。上映後、意見交換の時間も設けるという。

 「靖国」を巡っては一部週刊誌が昨年末、「反日映画に国から助成金が出ている」との趣旨の記事を掲載。警視庁によると、3月下旬に一部右翼団体が上映を予定していた中央区の映画館周辺で街宣活動を行った。同26日以降、都内での抗議活動は確認されていないが、映画館の一部は上映を取りやめていた。

 試写会を準備している別の発起人は「映画を見たが、反日的とは思わない。一部が街宣活動をしたのは事実だが、右翼全体が上映をつぶしたというイメージは事実と違う」と主張している。

毎日新聞 2008年4月12日 東京夕刊

+++

だそうです!なんと!右翼だけ こっそり勝手に見ちゃうのかー!
ずるいーーー!!!

オレにもミセローーー!!!(爆)衝撃

しかし いったい 右翼って・・・ちっちゃい?!
<映画「靖国」>上映中止で抗議 民放労連
(毎日新聞 - 04月07日 18:41)

 ドキュメンタリー映画「靖国」の上映中止問題で、「日本民間放送労働組合連合会」(碓氷和哉委員長)は7日、「一般公開ができない状況を深く憂慮する。映画の上映中止を求めて圧力をかける勢力に対し、強い怒りをもって抗議する」とする談話を発表した。

 民放労連は、「国会議員などが上映前から内容を問題視して試写会を開催させたことは『検閲』に相当するもので、厳しく指弾されるべきだ」と断じている。【若狭毅】

+++++

「靖国」上映中止、新聞労連などが抗議声明
(読売新聞 - 04月07日 20:31)

 靖国神社をテーマにした日中合作ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止が相次いだ問題で、日本新聞労働組合連合と日本民間放送労働組合連合会、日本出版労働組合連合会は7日、「言論を圧殺する動きと徹底的に闘う」などとする声明をそれぞれ出した。

+++++++++++++++

と。抗議が相次いでいるようですね。ニュースが前後してしまっていますが。
最近は、出演者の問題が出てきて、どうも大江裁判と似たような流れになりそうですね。

でネオナチを今調べたら
(といっても安易にウィキですが)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%83%81

やっぱり
「ドイツでは第二次世界大戦後はナチズムを非合法化し、ナチズムの称賛は全面的に禁止された。ナチス時代の軍服や武器を一般市民が手に入れることは原則禁止であり、販売も許されない。また、ナチスのシンボルである鉤十字、あるいはそれを髣髴させるような図柄を公共の場に掲揚するのも禁止されている。」

ですよね?
そっか、だから日の丸と君が代を拒否する人がいるのね?
つまり ナチスのシンボルがカギ十字なら、旧日本帝国のシンボルが「アレ」じゃん!っていう。

ところが日本では、ネオナチ軍国主義が、国家的に守られていて、宗教とまでなっているという。戦没者が神様、って・・。拍手打って、今年こそ嫁が来ます様に!って・・ ちがうだろ、と思いますが。どうして宗教に上り詰めることができたのか、という話も、なんか胡散臭いんですよね。

あと、歴史修正主義も、ヨーロッパ全土で犯罪で、認められていません。公的な場所で、あの虐殺は「なかった」と発言すれば、発言した時点で犯罪ですから。ところが日本は、国家がやっぱり歴史修正主義をやっちゃうという・・ 南京はなかった!慰安婦はいなかった!!沖縄集団自決もなかった!!!国家が歴史修正主義をやっちゃうんですから、欧州の人が聞いたら、仰天しますよね。

なんだかなー
戦後処理がまだできてないという、恐るべし怠慢。
水に流そう、とかいう、うやむや文化がいけないんでしょうか?
それとも戦時中、あまりに天皇を神格化しすぎて、やられちゃってる(一億総洗脳)ために、誰も、その洗脳から立ち直れなかったんでしょうか。日本の奇妙さと、グロテスクさの、エッセンスを解く鍵が、どうも、あの神社の周辺にありそうです。継続的に興味をもって注視します。
17日には、「チャンネル桜」と塩見孝也他複数名が、映画「靖国」や「憲法」で論戦を再開するそうです。
 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=774418228&owner_id=3894679
イベント情報
コチラです>>http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=29592068&comment_count=28&comm_id=3179057

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