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最後まで飽きさせませんよね〜それに合わせて落語の「下げ」のような、切れ味と爽快感を個人的には感じます。毎回、最初のミニドラマとエンディングが楽しみです。
笑
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コメント(34)
マッドサイエンティストの寅さんが便秘の薬を開発する夢に出てくる階段は、寅屋の階段を白くしただけで、寅さんの階段でのコケ方もいつもと一緒です。本作の後半の喫茶店のコーヒーメーカーを見て、夢のシーンのフラスコの並ぶ化学合成装置を思い出しました。爆発シーンは、ワット君が起こす火災のシーンのアンコールのようです。前作でマドンナに会いたくて引き返すために腹痛を起こしたのは、まんざら仮病でもなく、本当に便秘が寅さんの持病だったのかもしれません。目が覚めたのは医者の待合室で、薬がいきなり効いて下痢を起こすのが夢の爆発の意味するところであり、二度目の結婚披露宴の仲人挨拶でのトイレネタの披露にも繋がっています。
朝日印刷の印刷工が結婚したり、寅屋の前を別の花嫁行列が通りかかったりするのは「ジューンブライド」にあやかったものと思われます。大安吉日も二回はあったように見受けられます。満男君が作文で伯父さんの結婚を願うことからも、結婚と幸せが本作の重要なテーマとして展開されるステージを用意しています。
車を運転して登場する初めてのマドンナですが、「わ」ナンバーなのでレンタカー、支笏湖でガス欠になるとは、北海道のガソリン事情を甘くみています。「翔んでる女」と言う言葉は平成時代に死語となりましたが、ひとみさんが「翔んでる女」のなり損ないなのは間違いありません。桃井かおりさんを初めてテレビで見たのは、５か月前のNHK土曜ドラマ「失楽園‘７９」で土地とお金をだまし取られる売れない歌手の役でした。寅さんが宿でひとみさんに語る貧しい娘と金持ちの爺さんの結婚、一途な青年の物語は、すっかり内容と形を変えて現実となっています。
結婚披露宴の会場のニューオータニは、第一作でさくらさんのお見合いが大失敗した場所でした。二代目おいちゃんの松村達夫さんが久々に登場するのは仲人役ですが、型通りの新郎の紹介には誰も耳を傾けず、寅さんに何かと負け通しのキャラクターが確立しています。邦男さんは吉本新喜劇に登場する「あほボン」（内場勝則が良く演じていた）よりはマシですが、たぶん取引先の娘さんに一目ぼれして一方的に好きになっただけで、結婚話を進められてしまったものと思います。「カロ・ミオ・ベン」は披露宴の余興で歌われる定番の曲のようですが、愛する女性への気持ちを歌った歌詞が重すぎて不吉な予感が漂います。
（次のコメントへ続く）
朝日印刷の印刷工が結婚したり、寅屋の前を別の花嫁行列が通りかかったりするのは「ジューンブライド」にあやかったものと思われます。大安吉日も二回はあったように見受けられます。満男君が作文で伯父さんの結婚を願うことからも、結婚と幸せが本作の重要なテーマとして展開されるステージを用意しています。
車を運転して登場する初めてのマドンナですが、「わ」ナンバーなのでレンタカー、支笏湖でガス欠になるとは、北海道のガソリン事情を甘くみています。「翔んでる女」と言う言葉は平成時代に死語となりましたが、ひとみさんが「翔んでる女」のなり損ないなのは間違いありません。桃井かおりさんを初めてテレビで見たのは、５か月前のNHK土曜ドラマ「失楽園‘７９」で土地とお金をだまし取られる売れない歌手の役でした。寅さんが宿でひとみさんに語る貧しい娘と金持ちの爺さんの結婚、一途な青年の物語は、すっかり内容と形を変えて現実となっています。
結婚披露宴の会場のニューオータニは、第一作でさくらさんのお見合いが大失敗した場所でした。二代目おいちゃんの松村達夫さんが久々に登場するのは仲人役ですが、型通りの新郎の紹介には誰も耳を傾けず、寅さんに何かと負け通しのキャラクターが確立しています。邦男さんは吉本新喜劇に登場する「あほボン」（内場勝則が良く演じていた）よりはマシですが、たぶん取引先の娘さんに一目ぼれして一方的に好きになっただけで、結婚話を進められてしまったものと思います。「カロ・ミオ・ベン」は披露宴の余興で歌われる定番の曲のようですが、愛する女性への気持ちを歌った歌詞が重すぎて不吉な予感が漂います。
（次のコメントへ続く）
（続き）
男から一方的に好きになって結婚というパターンは、「ずっとあなたが好きだった」の冬彦さん（佐野史郎）と美和さん（賀来千香子）に近いようです。ひとみさんは、見掛け倒しのエリートと結婚するのに耐えられず、幻でしかない「玉の輿」から必死に降りたものと思われます。結婚式がぶち壊される映画と言えばダスティン・ホフマンの「卒業」が有名ですが、１７年後のドラマの「ロング・バケーション」で山口智子が白無垢から鬘を外したみじめな姿で木村拓哉のところに転がり込んでくるのは、ひとみさんがウエディングドレスで転がり込む姿のパロディーだったのかもしれません。
寅屋にやってきたひとみさんのママに対して、おばちゃんが山の手の敬語を使おうとして失敗するのは、関西だったら京都と大阪の対決という感じでしょうか？ちゃぶ台にメロンを切ったのが並んでいるのはママからの贈り物らしく、今回は寅さんの分も十分にあるので騒動は起きません（「メロン騒動」の時の夕張メロンに比べると薄い色）。ママが後に寅屋にやってきたときはスイカをお返しに御馳走していました。ひとみさんとママさんとの話を庭で窺っている寅さんが飛び跳ねているのは、一度もセリフには登場しないタイトルの「翔んでる」の意味を勝手に誤解して「跳んでる寅次郎」を実践しているようで微笑ましいです。
今回のマドンナのテーマは、桃井かおりさんの退廃的なイメージとは異なる爽やかなメロディーですが、邦男さんの本当の気持ちが伝わりかけた時に新たに登場する「♪ル〜ララ〜」という能天気なメロディーが次第に高まって、ひとみさんが草野球に参加する場面や邦男さんの新しい職場の工場の場面では二つのメロディーが一緒になり、更に「♪ル〜ララ〜」に女声コーラスが加わるところにマドンナの心境の変化が見事に表現されています。
ひとみさんの取り敢えずの仕事らしい英会話教室がどこなのか考えている間、商売している寅さんの仕事場の上のビルのキャバレーはホステス募集の広告を掲げています。「田園地帯」の娘さんには水商売の道はなかろうと思います。寅さんのおなじみの口上で「スケベの始まり」が「小平の義雄」のところを「そこのオバちゃん」と変化球を投げたところは、支笏湖の若旦那（湯原昌幸）のことを思い出したかもしれません。
仕切り直しの結婚披露宴は赤い文字の「結婚おめでとう」など手作り感が良いです。開始直前に響く大音声の結婚行進曲がチリ紙交換の音楽だったのも笑えます。布施明の歌の歌詞に「きらびやかなものに惑わされず」とあるのは、本当にその通りで実感がこもっています。「玉の輿」をいきなりひっくり返されたのも正直な人生に繋がったようで、邦男さんに感情移入しながら本当にめでたいシーンを眺めました。
湯原昌幸は、せんだみつおと並ぶスケベタレントの代表でした。ひとみさんに強姦未遂でしたが、支笏湖で懲りずにナンパを仕掛けた相手は遊び人の男友達が二人いたので、見つかった相手が寅さんで幸いでした。また宿に泊める羽目になった寅さんへの「色懺悔」をじっくり聞いてみたい気がします。
（終わり）
男から一方的に好きになって結婚というパターンは、「ずっとあなたが好きだった」の冬彦さん（佐野史郎）と美和さん（賀来千香子）に近いようです。ひとみさんは、見掛け倒しのエリートと結婚するのに耐えられず、幻でしかない「玉の輿」から必死に降りたものと思われます。結婚式がぶち壊される映画と言えばダスティン・ホフマンの「卒業」が有名ですが、１７年後のドラマの「ロング・バケーション」で山口智子が白無垢から鬘を外したみじめな姿で木村拓哉のところに転がり込んでくるのは、ひとみさんがウエディングドレスで転がり込む姿のパロディーだったのかもしれません。
寅屋にやってきたひとみさんのママに対して、おばちゃんが山の手の敬語を使おうとして失敗するのは、関西だったら京都と大阪の対決という感じでしょうか？ちゃぶ台にメロンを切ったのが並んでいるのはママからの贈り物らしく、今回は寅さんの分も十分にあるので騒動は起きません（「メロン騒動」の時の夕張メロンに比べると薄い色）。ママが後に寅屋にやってきたときはスイカをお返しに御馳走していました。ひとみさんとママさんとの話を庭で窺っている寅さんが飛び跳ねているのは、一度もセリフには登場しないタイトルの「翔んでる」の意味を勝手に誤解して「跳んでる寅次郎」を実践しているようで微笑ましいです。
今回のマドンナのテーマは、桃井かおりさんの退廃的なイメージとは異なる爽やかなメロディーですが、邦男さんの本当の気持ちが伝わりかけた時に新たに登場する「♪ル〜ララ〜」という能天気なメロディーが次第に高まって、ひとみさんが草野球に参加する場面や邦男さんの新しい職場の工場の場面では二つのメロディーが一緒になり、更に「♪ル〜ララ〜」に女声コーラスが加わるところにマドンナの心境の変化が見事に表現されています。
ひとみさんの取り敢えずの仕事らしい英会話教室がどこなのか考えている間、商売している寅さんの仕事場の上のビルのキャバレーはホステス募集の広告を掲げています。「田園地帯」の娘さんには水商売の道はなかろうと思います。寅さんのおなじみの口上で「スケベの始まり」が「小平の義雄」のところを「そこのオバちゃん」と変化球を投げたところは、支笏湖の若旦那（湯原昌幸）のことを思い出したかもしれません。
仕切り直しの結婚披露宴は赤い文字の「結婚おめでとう」など手作り感が良いです。開始直前に響く大音声の結婚行進曲がチリ紙交換の音楽だったのも笑えます。布施明の歌の歌詞に「きらびやかなものに惑わされず」とあるのは、本当にその通りで実感がこもっています。「玉の輿」をいきなりひっくり返されたのも正直な人生に繋がったようで、邦男さんに感情移入しながら本当にめでたいシーンを眺めました。
湯原昌幸は、せんだみつおと並ぶスケベタレントの代表でした。ひとみさんに強姦未遂でしたが、支笏湖で懲りずにナンパを仕掛けた相手は遊び人の男友達が二人いたので、見つかった相手が寅さんで幸いでした。また宿に泊める羽目になった寅さんへの「色懺悔」をじっくり聞いてみたい気がします。
（終わり）
三度目に観たら、マドンナのテーマに込められた「幸せの予感」に胸を打たれて仕方ありませんでした。
結婚お祝い会のやり直しの参加メンバーと花嫁に逃げられた披露宴の出席者を詳細に比較してみた人はいらっしゃいませんか？二回目の披露宴に出席している高齢男性は、自動車修理工場の社長さんでしょうか？邦男さんを勘当したお父様の命令を無視して参加した高校生の妹さん（戸川京子さん）が泣きじゃくっていたのは、うれし涙だと信じますが、戸川京子さんは恐らく「男はつらいよ」主演者で唯一の自殺者となったことに心が痛みます。
親が敷いたレールで楽な人生を送ることを潔しとしなかったカップルの物語。ひとみさんは、たとえ見合いでも「恋愛」を経験してから結婚したいと思っていたので、玉の輿を一旦ひっくり返したのだと思います。お坊ちゃんとお嬢ちゃんが親の家業を安易に受け継いで幸せになれるような時代が終わったことは、今マスコミと世間を騒がしている中古車販売業とタレント事務所の問題でも明らかです。
結婚お祝い会のやり直しの参加メンバーと花嫁に逃げられた披露宴の出席者を詳細に比較してみた人はいらっしゃいませんか？二回目の披露宴に出席している高齢男性は、自動車修理工場の社長さんでしょうか？邦男さんを勘当したお父様の命令を無視して参加した高校生の妹さん（戸川京子さん）が泣きじゃくっていたのは、うれし涙だと信じますが、戸川京子さんは恐らく「男はつらいよ」主演者で唯一の自殺者となったことに心が痛みます。
親が敷いたレールで楽な人生を送ることを潔しとしなかったカップルの物語。ひとみさんは、たとえ見合いでも「恋愛」を経験してから結婚したいと思っていたので、玉の輿を一旦ひっくり返したのだと思います。お坊ちゃんとお嬢ちゃんが親の家業を安易に受け継いで幸せになれるような時代が終わったことは、今マスコミと世間を騒がしている中古車販売業とタレント事務所の問題でも明らかです。
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