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「美しい沖縄料理」教室コミュのおばあのガチマヤー食堂

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「おばあのこんがりマグロカツ」

小さな、おばあの「ガチマヤー食堂」。
手前のテーブル席に客が一人座っている。カウンターの中におばあ。

「ハイタイ。こんにちは。ニーニー、お兄さん、何を食べるさー。チャンプルー、あるかって。もちろん、あるさー。でも、今日のお勧めはマグロカツさ。トンカツのトンのかわりに上等のマグロを使って、カラッと油で揚げた上等なおかずだよ。シニマーサン。ほんとうにおいしいよ。何、やっぱりチャンプルーがいいって。だめだめ、チャンプルーなんていつでも食べられるわけ。マグロカツは今日しか食べられないの。上等でおいしいから、すぐ売り切れて、明日にはなくなるはずさー。何、まだチャンプルーって言ってるか。ウチナーンチュはチャンプルーしか知らないのかって、笑われるだはず。魚、魚、魚、魚を食べると、頭、頭、頭、頭がよくなる。マグロカツ食べて、もっと教養を身に付けないとだめよ。おばあの言うこと、聞きなさい。ね。マグロカツー、いっちょうねー。お願いしまーす。と言っても、この小さな食堂は、このおばあ一人だけなんだけどね。待ってなさい。すぐつくって食べさせてあげるから。」

「はい。お待ちどお様。マグロカツに、ごはんとお汁ね。あちちち。お汁はアチコーコーで熱いから気をつけなさい。やけどするよ。それにしても熱いね。何、あばあの指がお汁の中に入っているって? まあ、ほんとうに。アチコーコーなはずよ。でも、心配いらないさー。指、今、すばやく出したから、やけどしていないよ。何、心配してんじゃないって。薄情なニーニーだね。汚い? 何言ってんの。ぜんぜん汚くなんかないよ。他人の指ならともかく、自分の指だからね。汚くたって、お汁がアチコーコーだから、消毒されてしまうわ。だいいち、おばあの指が汚かったら、おばあのつくる料理はみんな汚いことになる。お客さんはみんな集団食中毒さ。なのに、一人も集団食中毒は出ていない。それに、おばあの手を見てみなさい。こんなにシワだらけよ。手にバイキンが付いていたって、そのバイキンはみんなこのシワの中に入ってかくれんぼ。だから、おばあの手は一番きれいで、衛生第一。手を洗うと、シワの中からバイキンが出てきて汚くなるから、おばあはトイレしても手を洗わない。それより、あんた、長話を聞いてばかりいないで、アチコーコーのうちに食べなさい。」

「あんた、どうしたの。マグロカツ、ひとくち食べただけじゃないの。何、マグロカツ、変な味がするって? だから、それはトンカツではないから、豚の味はしないのさ。ちゃんとマグロの味がするはず。変でも何でもない。何。まだ、文句あるわけ? マグロカツ、くさいって? だから、それはマグロのにおいで、別にくさいわけではないの。腐っているって? ばか言ってるんじゃないよ。そのマグロカツの衣をよーく見てみなさい。こんがりこんがり、色が茶色になるまで、いや、茶色を通り越して、少し焦げ茶色になるまで油で揚げてあるだろ。焦げ茶色を通り越して黒くなっているところもあるくらいさ。だから、大丈夫。何、やっぱり腐っているって言い張るわけ? だっからよー。よく揚げてあるから、たとえ腐っていても大丈夫だと、おばあが何回もくり返して説明しているでしょ。腐るというのは、バイキンがうじゃうじゃたくさんいるってことよ。いくらバイキンがうじゃうじゃで腐っていても、こんがりこんがり揚げてしまえば、そのバイキンはみーんな死んでしまって、全滅するわけ。あばあは、何も考えていないように見えても、ちゃんと考えていて、マグロカツをこんがり揚げているんだから。さあ、安心して食べなさい。ほら、かめー。」

「でも、このマグロカツ、出すのは今日で終わりにしようね。明日はさすがに危ないかも知れないよ。あんたは腐っているって言うし。いくらこんがり揚げても、おばあだって心配さ。腐ってはいないけれど、腐りかけていないかって。腐りかけてはいないけれど、少しだけ悪くなっていないかって。少しも悪くないけれど、においがくさくないかって。においはくさくないけれど、すこしでも味が落ちていたら、まずかったら、お客さんに申し訳ないだろ。だから、今日中に食べ終えるようにお客さんに勧めているわけ。あれ、もう、ごちそうさま? マグロカツ、残しているね。そうか、好き嫌いはよくないが、嫌いなもの勧めたおばあも悪かった。何、嫌いじゃない。そうか、体の調子が悪かったか。悪くないって。じゃー、しま酒でも飲み過ぎたか? それも違うって。言いたいことがわからんニーニーだわ。はいはい。ニフェーデービル、ありがとう。また、いらしてね。」

「ほんとに、マグロカツ残して、もったいないね。お客さん、たった一切れしか食べてないじゃないか。おなかがいっぱいなら、それはそうと言ってくれたらよかったのに。もったいないから、おばあが食べるさー。う・う・う・あ・あ・あ・あきさみよー。まずいなんてもんじゃないわ。腐りかけているなんてもんじゃない。腐っている。さっきのお客さん、よく一切れでも食べられたね。おばあには、とても食べられない。だめだめ、こんなの食べたら、おなかをこわしてしまう。もっとこんがり揚げないと、とてもお客さんに出せないわ。残っているマグロカツを明日も出せるように、完全に腐る前に、急いでこんがり揚げましょうねー。」
(おわり)

コメント(11)

「おばあはチャンプルーの鉄人」

おばあのガチマヤー食堂に、お客が三人入ってくる。
「おばあ、おなかぺこぺこだよ。何つくれる?」
「何でもできるよ。メニューは壁に貼ってあるさー。」
「じゃあトンカツね。」
「おれはポーク玉子。」
「それから、なす味噌炒め。」
「あんたたち何考えてるわけ? そんな違うもの三種類も別々につくったら、最後のができたときには最初のはヒジュルコーコーよ。アチコーコーで食べなさい。それで何にするの? 何でもできるさー。」
「わかったよ、おばあ。早くできるの、なあに?」
「はじめから、そう聞きなさい。早くできるのはチャンプルーさ。何? チャンプルーは昨日も食べたって? おばあはかまわないよ。チャンプルーは毎日食べてもおいしいから、毎日食べても誰も文句言わないから大丈夫。じゃあ、ゴーヤーチャンプルー三つね。」
「ゴーヤーは苦いからいやだよ。」
「あんた、ほんとのウチナーンチュか? 今どきヤマトゥンチュでもゴーヤーチャンプルーは大好きさ。ま、いいか。チャンプルーなら何でもいいから、早く注文しなさい。」
「じゃあ、……。」
「何々、タマナーチャンプルーにマーミナチャンプルーに豆腐チャンプルーだって? どうして違うの注文するわけ?」
……しばらくして。
「お待ちどう様。はい、これ、タマナーチャンプルー。これ、マーミナチャンプルー。これ、豆腐チャンプルーね。」
「おばあ、これ、みんな同じじゃない? どれも、キャベツともやしと豆腐が入っているだけで、何もかわらないよ。」
「いいから、早く食べなさい。急いで食べながら、おばあの言ってること聞きなさい。いいか、チャンプルーというのは豆腐と野菜を油で炒めて、塩と醤油で味付けしたものさ。そして大事なことは、チャンプルーにはひとつひとつみーんな名前がついているわけ。よく聞きなさい。チャンプルーの名前は一番たくさん入っている野菜で決まるの。ゴーヤーがたくさんならゴーヤーチャンプルーで、チキナーがたくさんならチキナーチャンプルーというわけ。豆腐チャンプルーだけは、どうも例外中の例外で、いろんな野菜がごちゃごちゃ入っていて、どれが一番かわからないわけさ。」
「おばあ、もういいから、お勘定して。」
「何だって? おばあは、これから、あんたたち、お皿の中味をよーく見てごらん、どんなに違うかがわかるから、と言おうとしてるときに、なぜ帰る? あーあ、ちゃんと、きれいに食べてしまって、ありがとうね。でも、何も残っていないじゃないか。これ、証拠インメツって言うのよ。いいから、聞きなさい。タマナーチャンプルーにはキャベツがたくさん入っていたはず。マーミナチャンプルーにはもやしがたくさん入っていたはず。豆腐チャンプルーにはキャベツともやしが、どちらがたくさんかわからないように入っていたはずよ。だから、みんな違うチャンプルーだはず。」
「でも、おばあ、三つとも同じ一つの鍋でつくっていたじゃないか。」
「あんたら、のぞき見してたわけ? おばあをのぞき見して嬉しいか? いいか、おばあはもう何十年もチャンプルーつくってきた、チャンプルーの名人で鉄人なわけ。一つの鍋で三つのチャンプルーを同時につくるなんて朝飯前なのさ。それを皿に盛り付けるときに別々のチャンプルーにしてしまうなんて昼飯前さ。素人のお客さんにはみんな同じように見えても、おばあの目はごまかせない。みんな違うわけさー。第一、一緒につくらなかったら一緒に出せないから不公平じゃないか。わかったら、いいから帰りなさい。ニフェーデービル。ありがとう。そうそう、こんどは野菜チャンプルーというのを食べなさい。」
(おわり)
*ほかのトピックに載っていたものを、ここにも載せました。
「ライスにみそ汁の巻」

おばーのガチマヤー食堂に、いかにも観光客らしい若い男女が入ってくる。
「こんにちは。おばー、二人ともおなかぺこぺこなんで、早くできるものは何かなー?」

「ハイタイ。こんにちは。おばーなら、何でも早いさー。メニューは壁に貼ってあるから、好きなものを注文するねー。」

「いろいろあるね。沖縄、初めてなんで、何でも食べてみたいんだ。でも、友だちに聞いたんだけど、沖縄の食堂は定食形式だから気を付けなきゃダメなんだ。ライスと汁が付いてくるから。下手に頼むと食べきれなくなるんだって。でも、その意味がよくわからないや。」
「壁のメニューを見て。ほら、ちゃんとわかりやすく書いてあるわ。ゴーヤーチャンプルー500円の隣に、ゴーヤーチャンプルー定食600円。それに、ライスのみ50円、汁のみ50円というのもあるわね。これなら間違える心配はないでしょ。」
「なるほど。ゴーヤーチャンプルー定食にはライスと汁が付いているわけだな。じゃあ、いろんなおかずを単品で注文することにしよう。」
「えーと、まずゴーヤーチャンプルーね。それから……。」
「ナーベーラーンブシーというのには、へちまのみそ炒めという説明が付いているね。珍しいからこれも注文しよう。」
「おかず500円というのは何かしら。」
「おばーに聞いてみようか。」
「聞かないで注文したほうがおもしろいわ。」
「うん、そうだね。おかずも頼もう。」
「それから、ライス2つに、汁を2つ。」
「ちょっと待って。みそ汁500円というメニューがあるわ。」
「これ、ずいぶん高いね。きっと、エビかカニか何かごちそうが入っているんだよ。せっかくだから、普通の汁ではなくて、このみそ汁にしてみようよ。」
「そうね。何が出てくるか、お楽しみだわ。」
「おばー。決まったよ。」
「ゴーヤーチャンプルーに、ナーベーラーンブシーというのと、おかずをそれぞれ1つずつ。それにライスを2つと、みそ汁も2つ。お願いしますね。」

「ずいぶん食べるねー。でも、若いからだいじょうぶさー。ちょっと待っていてね。」

「全部で2600円になるけど、せっかく沖縄に来たんだからね。」
「ひとり1300円なら安いものよ。」

そして、しばらくして……。
「お待ちどおさま。」
「うっ。」
「えーっ、うっそー。」
「こ、こ、こんなに。」
「何で、こんなことになるの。」

「あんたたち、どうしたの。ごはんは食べるものさー。ながめていてはダメ。冷めないうちに、アチコーコーで食べなさい。何でアキサミヨーって顔してるわけ。」
「おばー、これ、何かのまちがいじゃないの、」
「これでいいだはずよ。まあ、あんたたちが知らないで注文したってこと、おばーはちゃんと知ってたけどね。」
「おばー、じゃー、あのゴーヤーチャンプルー定食って、何なの。」
「ああ、あれは沖縄そばが付いているのさ。」

さて、おばーが食卓に運んできたものは、どんなーだったでしょうか。
2人のお客さんの頭の中にあったのは……
?ゴーヤーチャンプルー、?ナーベーラーンブシー、?何だかわからない「おかず」というもの、?ライス2つ、?高いけれど、豪華なみそ汁2つ……でした。

ところが……。
?ゴーヤーチャンプルー、?ナーベーラーンブシー、?おかず……まではいいんですが、
?ライスは全部で7つ、?ラーメン丼に入った具だくさんのみそ汁が2つ、?普通のみそ汁が3つ、ずらりと並んだのです。なぜかというと……。
?ゴーヤーチャンプルー=ゴーヤーチャンプルー+ライス+汁
?ナーベーラーンブシー=ナーベーラーンブシー+ライス+汁
?おかず=おかず+ライス+汁
?ライス2つ
?みそ汁2つ=みそ汁(大)2つ+ライス2つ

 ところで「おかず」とは、煮付けだったり野菜炒めだったり、その名の通りごはんのおかずになるものです。
 「みそ汁」は正確には「みそじる」と発音します。大きな丼に豚肉・魚・ポーク・豆腐・野菜・海藻などの具がこれでもかとばかり入っていて、最後に落とし玉子で決められることが多い主菜・兼・お汁です。
 「定食」とわざわざうたっているものは、一汁一菜ではなく一汁多菜になっていて、たとえば、おさしみがプラスされたりします。定食とうたっていないものが定食を指しています。
おばーは、

意見・感想(書き込み)を
待っているよ。
こんな長いもの、読んでくれてありがとうございます。



でも、書き込むのも、けっこうたいへんです。
ガチマヤー食堂最高です!!

ぜひ連載して、書籍化してくださいっ!!
懐かしい。思い出しました。
定食は確かに沖縄そば(しっかり1人前)、刺身がついていました。
若狭公園のところにあるがじゅまる食堂さんでは、ポーク卵がついていた覚えがあります。

沖縄へ行き始めの頃は、定食と普通のメニューを見て「なんだこの値段の違いは」と思ったんですがねぇ(笑
京都は「猛暑日」になっています。
沖縄のみなさん、お元気?
全国・全世界のみなさん、お元気ですか?
暑いときには、食べものの管理に気をつけましょう。
出しっぱなしにしないように。
でも、昔は冷蔵庫、なかったんですからね。
おばーの知恵からも学ばないと。
おばーは研究熱心の巻

おばー「食堂を何十年もやってきた、このおばーだけど、年はとっても、気持ちは若い。いつだって、新しい料理を研究し、おばーの皿に取り入れて、お客さんに喜んでもらうのさ。 というわけで、今日は料理教室に勉強に来たわけ。先生、よろしくお願いします。」
先生「今日は、かつお節と昆布を使った出汁の取り方をお勉強します。」
おばー「先生。料理教室だというから、おばーは来たの。だのに、今日は出汁の取り方と言うわけ? 出汁なら、教えてもらわなくても、おばーはわかるさ。知ってるさ。」
先生「これは、失礼。おばあさんなら経験豊富でしょうから、当然、知っていることと思いますが、出汁は料理の基本ですから、最初にみなさんに覚えてもらおうということで…。」
おばー「出汁の取り方に若いも年よりも、わらばーもおばーもないさ。経験も基礎もいらないさ。ただ、出汁の素を使えばいいんだから。箱から袋を出して、パラパラとふりかければいいだけ。」
先生「なるほど。でも、今日はその出汁の素を使わないで、かつお節と昆布を使って本格的な出汁をつくってもらいます。」
おばー「なるほど。出汁の素を使わないで、出汁をつくろうなんて、さすが料理教室であるわけ。出汁の取り方でも、世の中の移り変わりや流行り廃れもあるんだから、いつも自己流でガンコなのは時代遅れ。最先端のテクニックを、おばーも、ぜひ勉強したいだはずよ。」
先生「では、始めましょう。」
……というわけで、出汁の取り方のお勉強が終了。……
おばー「かつお節と昆布の話はわかったさ。で、出汁の素はいつ入れるの?」
先生「だ、だから、出汁の素は入れないんです。」
おばー「出汁の素を入れないで、出汁をつくるわけね。新しいやり方というわけ。つまり、おばーも自己流でガンコではいけない。よーくわかったさ。出汁の素は最後にパラパラとふりかければいい。一番最後に、出汁の素をしっかり使うのが出汁のコツというわけさー。ほんとに、よーくわかる料理教室でした。あ、そうそう、出汁の素ならなんでもいいわけではないよ。マチヤグヮーで昔から売ってる、おばー印アジクーター出汁の素というのが上等なわけさー。」



おばーの話:

みんな、ひさしぶりねー。元気ねぇー。おばーは元気さ。
今日は、おもしろい話を聞いたさー。
「スクガラスは、いつごろ泳いでくるのか」っていう観光の人がいたわけ。
カマボコみたいな話さ。カマボコが泳ぐか。
スクガラスはスクの塩辛だから、泳がない。
だから、おばーは答えたわけ。
「スクガラスは知らないけど、スクガラス豆腐ならもう泳いでるよ」
先日、「mixi」で知ったというお客様が
お店にいらっしゃいました。
そして、このトピックの
[2]を実際に体験したというのです。
こわいですねー。

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