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ショーペンハウアーコミュのショーペンハウアー哲学のエッセンス

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2+3=5という数式は、何を意味するだろうか。

リンゴ2個とリンゴ3個を足し合わせれば合計リンゴ5個である。

鉛筆2本と鉛筆3本を足し合わせれば合計鉛筆5本である。

人間2人と人間3人を足し合わせれば合計人間5人である。

これらの具体的事実に共通の真実を言い表す抽象概念を、我々は、2+3=5と、書き表すのだった。

このように、抽象概念は、目に見えない。

たとえば、三角形は、目に見えない抽象概念である。

だから小学校の先生は算数の授業中に黒板にチョークで三角形を書いて見せることはできない。

純粋な二次元の平面に幅のない直線で書かれた三角形にお目にかかったことがある人なんていないのである。

つまり、頭の中にしかない目に見えない理想的な三角形の概念と照らし合わせて、黒板にチョークで書かれた目に見える現実の三角形の概念の似姿を似姿として判別できるのだ。

概念は、言語と共に発生するのだけど、言語は、目に見える物を、目に見えない抽象概念の具体例として、受け取ることを、可能にするから、現在目の前にある物を、過去や未来という目に見えない時間の概念で補うことによって、変化を貫いて変わらずに保存され続ける物として、捉え直すことを、可能にする。

だから、人語を解さないチンパンジーが高い所にあるバナナを叩き落とすための道具として棒を使用できるのはバナナと棒が一目で見渡せる所にある場合に限るのだけど、人間ならば小さな子供でも、棒が背後の壁に立て掛けてあって見えない場合も、棒という刺激が目の前から過ぎ去った後も、それに代わる代理刺激である棒の概念を頭の中に思い浮かべ続けることができるために、バナナを叩き落とすという課題をやり遂げることができる。

棒という言葉は、現在目の前にある棒だけでなく、過去に見た棒も、未来に見るであろう棒も、指し示しているからだ。

だから、人間だけが、現在目の前にある刺激に対する本能的な反応を抑圧して、言葉という未来への準備刺激に反応する。

つまり、未来に備えて、食料を貯蓄したり、雨露をしのぐ住居を構えたり、できるのだ。

文化や文明を築き上げて、それに適応しながら生きるという生き方こそ、人間を人間たらしめるのだけど、このような、人間存在の存在構造は、過去の記憶に基づく未来の予想として、時間の次元が開けることによって、可能ならしめられる。

現在が過去と未来に向かって地続きになっているような時間こそが自己を自己たらしめる地盤を形成している、という意味で、自己とは時間である、と、哲学者ハイデガーは言った。

統合失調症というのは、このような、言語による過去現在未来の統合が失われて、言語以前の赤子の自他未分状態へ退行する、ということに他ならないのだけど、健常者たちの自己を自己たらしめているのは、母親という他者から言語を教わることを通じて、所与を対象化して捉える知性が発達するにつれて、他者から独立したものとして定立された対象である自己が確立する、という原体験だから、時間の成立に伴って自他の間を隔てる空間が成立する、という意味で、時空は共起する。

時空という形式によって間を隔てられる以前は、数多性を現象させる間隔が成立していないという意味で、全ては、一つだった。

数多性を現象させる個別化のことを、哲学者ショーペンハウアーは「根源的一者を粉々に砕いて時空の中に散布する」という言い方で、表現している。

以上、哲学とはどういう考え方か、解説を試みた次第である。

最後の方の舌足らずだった箇所は、話の飛躍を埋めるために自分でちょっと考えてもらわなければ、読解できないかもしれない。

思考という負担を読み手に強いる文章を、筆の勢いで書いてしまい、すまなかったと思っている。

コメント(2)

とても面白い論述でした。特に終わりのほうが、とても考えさせられるもので良かったです。
>>[1]
人間は、現在目の前にある具体的な環境を、人間以外の動物のように、それしかないものとして受け取るのでなく、現に与えられている環境全体に、過去に与えられた環境全体や、未来に与えられるだろう環境全体を、重なり合う部分に関して重ね合わせて、どの部分をも、おのれの具体例とする、抽象概念を、形成して、過去現在未来という時間的な変化を貫いて変わることなく存在し続けるものとして、世界を、構成することによって、具体から抽象へと身を引き離して、環境を世界として対象化して捉えることを、可能ならしめます。

対象化とは言語によって言い表される指示対象にすることですけど、すべての者を対象として受け取ることができるようになることは、自己を他にもありうる対象たちのうちの一つとして受け取ることができるようになることで、そのことこそ赤子の自他未分状態を乗り越えて他者とは区別されるものとして自己を確立することを可能ならしめる、という意味で、自己と他者との間を隔てる空間の成立が時間の成立と共に行われるわけです。

赤子は、最初に出会う他者である母親に対して、境界性パーソナリティ障害の症状である理想化とこき下ろしを繰り返していて、自分の思い通りになってくれる母親を理想化している間はそれが自分とべったりと一体化していて空間的距離がないという自他未分状態であるのに対して、自分の思い通りになってくれない母親をこき下ろしている間はそれを認識の対象外である空間外のものにしている、という意味で、赤子においては自他の間を隔てる空間が成立していないわけですけど、空間の成立と共に、理想化される母親とこき下ろされる母親が分裂している段階を乗り越えて、自分にとって都合が良い母親と、自分にとって都合が悪い母親を、同一の対象の見せる二つの顔として認識して、許して、母親という対象を空間内に受け入れて距離を置いて付き合う態度を身に付けるようになる、と対象関係論では説かれています。

これこそが現実だと思っている理想が頭の中にあって遭遇する現実がことごとく例外として処理されて認識の対象外になる、というふうに、理想と現実の区別が付いていないことこそ、パーソナリティ障害で、その都度その都度の現在だけを相手にしている段階を超えて、環境から身を引き離して思いやりを持てる距離感を大切にしながら対象と付き合えるようになることこそ、パーソナリティ障害の克服である、つまり、パーソナリティの成熟である、ということです。

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