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戦国関東甲信越城郭研究会コミュのパーツで選ぶ中世古城10選【杉山城】

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技巧の限りを尽くした城郭オーパーツ

私のMost Favoriteなアルバムの一つにアルティ・エ・メスティエリの「ティルト」というのがある。このアルバムは、まさに「そう、そう、そこそうなんだよね」という心地よいパターンの構築が心憎いほどなのである。そして、聞き終わる度に「こいつら、わかってるんだよね」という感慨にふける―。杉山城もまさにそうなのである。
『戦国の堅城』において「土の城の最高傑作」といわしめたこの城の謎は多い。まず、「誰が何の目的で造ったのか」である。位置的には河越〜鉢形ラインを守るべく鎌倉街道上つ道沿いに造られた要衝なのだが、北条家の北上作戦(氏綱〜氏康期)の過程で作られたとしたら、これだけの縄張りを備えるほど、長期にわたりこの辺りで戦線が膠着していない。一方、このライン(都幾川ライン)を死守せんとする扇谷上杉勢力が造ったとした場合、戦略的観点からはうなずける(しかも南が堅固)。ところが扇谷上杉氏の手になるものには、他にこれだけの技巧を凝らした城はない上、扇谷勢力がこの地にまだ根を張っていた16世紀前半、どう考えてもこれだけの縄張りを造れるとは思えない。少なくとも、長い戦乱により、経験が蓄積され、縄張り術が発達した五十年後のものなのである。さらに、東および南東の曲輪群と比して、北側の曲輪群の防御思想があいまいなのである。つまり、せっかく南東部を強化しても、北から攻められたら弱い城ということになる。
と考えれば、この城はまさに城郭オーパーツなのである。そうした観点から、「埋もれた古城」のうも氏が「北条氏の演習用城郭」ではないかとおっしゃっていたが、まさに卓見である(証拠はないけど)。
この城の縄張りの凄さを一言で言えば、「各曲輪が常に上位の曲輪からの射界に収まる(『戦国の堅城』)」点にある。こうした「戦術級の城(同)」は、守備兵力にも限りがあり、その弱点を補うのが「射界」となる。つまり、多数の守備要員による火力の集中がなくても、「狙われている」というだけで、敵を拘束するという効果がある。そのためには、虎口に至るまでの複雑な導入路と横矢がかかるように、随所にクランクを設ける必要が出てくる。それが杉山城の精巧さを際立たせているというわけである。
ちなみに、この「射界」による拘束については、拙著『武田家滅亡』の高天神城攻防場面で、宮下帯刀が単独で数分の時を稼いだことで、城を守りきったというエピソードに使用させてもらった。

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