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加藤周一コミュの大江健三郎さんのスピーチ

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大江健三郎さんのスピーチ

2014/6/17
6.12 戦争をさせない全国署名提出集会・国会包囲行動

加藤さんに触れる内容でしたので、ご紹介します。
(私注)正・渡辺一夫  誤・一雄 

以下、すべてコピペ

http://www.anti-war.info/report/1406171/

大江健三郎

私は、小説を書くことを昨年の終わりにやめました。どうしているかと言いますと、ペンで語っています。そしてこの社会でどのように生きているかということを、日記のようにして、特に海外の友人たちに、いまの社会でどのような生き方をしているかということを示すことにしたいと思っているわけです。
それはモデルがありまして、10年前にこのようなことを考えた人がいます。それが加藤周一という人です。素晴らしい文学史を書く文芸批評家で、あの加藤さんが10年前に仕事をお辞めになった。それからどうされたかというと、憲法9条の会というのをつくられたのです。そしてその9条の会の運動に大いに力を注がれた。それが加藤さんの新しい生活となったわけです。
加藤さんがその話を僕にされたとき、いま9条の会の事務局長をして頑張っている、小森さんから電話がかかってきました。そこで、加藤周一さんが君と一緒にやりたいと言っているから引き受けないかと言われた。私は、自分が役に立つと思いませんでしたが、引き受けた。その時に、本当に加藤さんから声をかけていただいたことが嬉しいという気持ちを抱いたのです。
そしてもう一つ思い出深いことがありました。それはノーベル賞をもらったあとで、矢島さんという女性から1通だけ、本当にきれいな立派な手紙が来たのです。その方が言われたのは、ノーベル文学賞おめでとう。しかしあなたのいいところは、ノーベル賞をもらった人間が、天皇からみんな受け取ることになっている文化勲章というものを受けなかったことだ、あなたはフランス文学者の渡辺一雄さんの一番の弟子だと思う、と書いてあり、私はこんなに嬉しいことを、素晴らしいことを言われたことは、しかも手紙をもらったことは初めてでした。そしてこの女性が、あとからわかったことですが、矢島翠という人で、あの加藤周一さんの奥さんでした。
矢島さんの間違っている点はひとつだけ。加藤周一さんこそが、渡辺一雄の最良の弟子でありました。戦争の末期に渡辺一雄さんと知り合われて、そして戦後ずっと、戦前の制度の、戦前の社会の日本とは全く違った文化、文明というものを作ろうという運動をされた人です。同時に日本の伝統的な美しさというものを確実に読み取る人として、しかもそれを外国に向けて発信した方が加藤周一さんでした。
その周一さんと一緒に9条の会をはじめたわけですが、私は加藤さんがそういう仕事をされるのだろうかと心配していました。加藤さんはとってもアカデミックな方です。とても学問的でモダンな人です。いつも本を読んでいます。ところが、そんな加藤さんが一旦始まりますと、もうほとんど毎週のように色んな会場に行って若い人たちに憲法9条について話すということをされたのです。それが加藤さんの晩年のお仕事でした。
先ほど、10年前に憲法9条の会が出来たと言いました。そして加藤さんがその呼びかけ人の中心にあった。そして、4年と6ヶ月くらい経つともう加藤さんは亡くなってしまわれたのです。すなわち加藤周一という人間の生涯最後の仕事がこの9条の会でした。そして憲法とは何かというと、この憲法によってあの悲惨なヒロシマ・ナガサキの経験をして破れてしまった国が、自信を失った日本人が、どのように戦後独自の文化をつくってきたか。平和について考え、芸術的を原則とする原理に従って、どのように日本人が立ち直ってきたか。そしてその文化はどのようなものかということを外国に向けて最も強く発信したのは加藤さんでした。
つまり加藤周一というのは、戦後の憲法のもとでの新しい文化、新しい文明というものをはっきり私たちに示し、しかもその根底に日本の長年の文化、文明というものがある。それを結びつけて新しいイメージを外国人に示した方です。加藤さんの仕事なしでは、わたしはヨーロッパがこれほど日本と関係を持つということはないと思います。しかも加藤さんは日本が平和憲法という、憲法9条というものをはっきり守っていくべきだということを言いました。そしてそのような憲法と民主主義によって、不変の憲法と民主主義によってこの日本の社会ができ上がって、しかも新しい文明を作って皆さんに渡していこうとはっきり外国人に、ヨーロッパの人間に、またメキシコを含めてアメリカの人たちに説き明かしたのが加藤さんでした。
ところがその戦後の新しい日本人のあり方を、どういうわけかその人はフランス語を使うのですが、これは最悪のレジームだと言った人がいるのです。日本人は戦後、最悪のレジーム、制度というものを作った。そのような人間として生きている。その根幹にあるものが憲法だということを言った。そして戦前のレジーム、あのわたしたちが戦争に巻き込まれた、苦しい経験をした、あの戦争前のレジームに戻そうというのがいまの首相のやっていることです。そしていまやっていることは全く日本の憲法を踏みにじることです。
集団的自衛権というものが国会を通れば、それも内閣の決議によって通れば、わたしたちは戦争に巻き込まれるでしょう。まず日本人の青年が人を、恐らくアジアにおいてでしょうが、外国人を殺すでしょう。そして殺した以上に殺されるでしょう。
ところがそれで安倍首相が後悔するかというと、そうじゃないです。わたしたちはあの殺された勇敢な日本人青年のために復讐しようじゃないかと。そしてはっきり戦争を推し進めようではないかと。そういう体制をわたしたちの本当のレジームとしようじゃないかと言い始めるに決まっています。どういう悲惨な事が生じても、それは安倍に反省を強いるものではない。新しい、最悪の方向に向かって彼を駆りたてる。そして恐ろしいのは、この青年が殺された、あなたがたはそれを放っておくのかと、一番単純な論理的にも思想的にも、もっと深いところにあるのではないか。もちろん殺された青年も悲しみますよ。
しかし彼のような人間をもう増やさないようにしようというのが、私どもがあの戦争の後につくった憲法です。それが私どもの平和憲法です。それを守るというのが、次の未来の日本人のレジーム、日本人の国、日本人の文化というものを作り出すことです。そのために力を尽くしたいと思います。

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