立岩真也（『私的所有論』など）コミュの喜びを奪う分業仕事という仕組みへの反省

喜びを奪う分業仕事という仕組みへの反省

自然界では当たり前に
命と共に存在するそれぞれの衣食住という自主的環境を
依存という魔術でくつがえして固有の衣食住を奪い取り
その欠片に食い扶持と名付けた餌で飼いならす現代人の社会

一人ひとりを理不尽にカセにはめた仕事システムを
集いという社会に持ち込むことで
人が集い冒険して何かを発見し情報交換する場であった社会に
人が人を支配し合うための権利を持たせるカラクリによって
搾取を企てる悪魔的な依存者が隠れ潜んで個々独特の幸福を盗み出している

なぜ他人の世界に無理やり入り込んでまで鞭打って急がせるのかといえば
視野をすぼめて利益追求を目指す誰かのための社会的価値観に媚びた
利己的な欲とケチから生まれる不安に追い立てられた心の弱い搾取でしかない

自分の成長を楽しむそれぞれが集中する人生という場に外から割り込み
干渉する事は教育にしろ福祉施設にしろ病院にしろ
ましてや事務処理を任されているだけの役人達や職員たちが
給料をとった上に心の中までデシャバッテ良い場ではない
それは血迷った越権行為でありウソで盗みを働く我欲でしかない

同じ立場であるはずの子供のと親の関係や地域社会があるべき姿のように
あるいは物々交換のようにその関わりが対等ならば
そこに損得や利害や利益を発生させるシステムは矛盾している
お互いに発生した遣り取りでイーブンに解決しているはずなのに
その上どちらかが相手から利益をクスネ取る経済システムに
二重取り三重取りのウソとトリックがある

初心に戻って一人ひとりの喜びを大事にすることで
差別だの権利だのと現象的に騒いできたそれぞれの
そして社会的呪縛から開放できるだろう

真っ当な心らば誰にとっても誰の成長であろうとも
その出合いは楽しい喜びとなるはずである
この喜びを実現するためには義務を追わせずに自主性を尊重して
個性的発想と技術的工夫を両立させる環境創りが大事になる
急がば回れでお互いを邪魔せずに程よい距離感をもって
暴力に陥らず工夫をしながら待てる過不足のない余裕が
集いに参加しているすべてに幸福をもたらすだろう
この我欲とムダを発生しないユトリを程よい「距離感」という

幾度と無く福祉施設の工房で得た反省点をもう一度反芻してみる！と
これは社会全般に通用するだろうことだった

しかし余りにも我が身に染み込んでいる故に認められない自分が邪魔をして
もう一人の素直になれない自分を見る