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真説魏志倭人伝研究会メンバーズコミュの水行陸行

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 改めて「水行」「陸行」語について考える。

 投馬國・邪馬台國の叙述に先立ち、「水行」語は「循海岸水行」で、「陸行」語は伊都國の「東南陸行五百里」で使われている。岩元説では「水行」「陸行」語は「行」字が行程区間を意味するため、一つのルートの中で一回しか使用することができないという決まりがあったとする(「このルートでは水上移動はこの区間です」という意味になるため、二度は使用できないという考え方)。

 厳密な用例調査ではないが、差し当たって「電子化計画」(http://ctext.org/pre-qin-and-han/zh?searchu=水行)や「漢字データベース」(http://kanji-database.sourceforge.net/dict/swjz/v22.html)で『説文解字』や他の文献を検索してみる。

 『説文解字』に4例ある。
 〈水部〉 巖А弯緜宗于海皃也。从水行。◆洐」溝行水也。从水行。
 〈沝部〉「水(さんずい)+㐬+水(さんずい)」水行也。从沝、㐬。㐬,突忽也。
 〈木部〉ぁ欙」山行所乘者。从木纍聲。《虞書》曰:「予乘四載。」水行乘舟,陸行乘車,山行乘欙,澤行乘䡅。
 ´△呂箸發暴聾譴箸靴討痢嵜綛圈廚任呂覆、「水」字と「行」字に从(したが)うというだけのもの。
 は「流」字と考えて良い。「流」を「水行」だと言っている。水がその自然の性質によって運動する様子を言うのだろう。「㐬」の解釈を「突忽なり」とする。「突」と「忽」はそれぞれ「突然」「忽然」としてみると分かり易い。いずれも前触れのない唐突さを表現する語だが、「突」は現れる、向かってくる、「忽」は消える、去っていくという意味合いが込められている。水の運動である「流」は、向こうの方からやってきて、そして過ぎ去っていくものであるから、「水」と「㐬」を会意させたのにちがいない。「流」を「水行」とするときの「水行」語は、やはり水の性質に基づく運動を言うだけであって、移動方法に関する熟語ではなさそうだ。
 その点、い呂泙気飽榮以法に関する言葉と思われる。しかも「陸行」もあり一挙両得である。もっとも、この用例は『説文解字』独自のものではなく、『書経』(虞書・夏書・殷書・周書)のうちの「虞書」からの引用であり、『史記』や『漢書』などにも微妙な差異はあるが、同じ箇所が引用されている。「欙」というのは山駕籠のことらしい。「䡅」は橇のようなものらしい。沢や沼地を行くのに乗るためのものだろう。天下を治水した禹の武勇伝なのである。それはともかく、「水行」語はここでは「水を行くに(は)」と読みくだされるのだろうが、倭人伝ではそうは読まない。倭人伝の「水行」はそれ自体が名詞熟語か、一般的にはスル動詞として読まれている。しかしそれは日本人の読み方の問題に過ぎず、移動方法や移動場所(地形)を言うのはいずれも同じである。

 いまひとつ問題となるのは「水」字の意味するところであろう。「川」か「海」か、その両方か、場合によっては陸も含むのか、といった議論はよくなされている。『書経』で言うのは内陸の水域すなわち川や湖のようである。また、陸も含むという解釈が不可能であることは言うまでもない。ここでは「陸行」「山行」「澤行(引用によっては「泥行」)」との差別化のために「水行」と言っているのである。勿論そうかといって、それが倭人伝にも通用するとは限らない。

 『呉越春秋』には、孔子に対する越王の言葉として、「越性脆而愚,水行山處,以船為車,以楫為馬,往若飄然,去則難從,J軸沙燹け枅珪鑢蕁」との用例がある。「水行山處」は「水は行き、山は處し(居し)」と読むか。この越人の在りようは、まさに倭人伝の倭人の在りようと同じだが、いかにも川の多い地域に住む越人らしい。船を車がわりとし、楫を馬がわりとしている。しかしここでいう「水」は、越という地域を考えれば、川だけでなく沿岸部の海も含まれよう。岸に沿うている海域を移動することを「水行」と表現することは許されると思われる。

 「水行」語が「船(舟)」を使用した移動を意味していることは、これらのことから限定してもよいだろう。それに対して「陸行」語は舟の使用はない。まったくないとは言い切れないが、川を渡る程度なら、その目的は陸上移動のためだから「陸行」に含めてよい。同じように、「水行」語も、(水行を継続することを目的として)地峡を渡るために一時的に陸上移動をすること(いわゆる船越)が含まれていてもよい。倭人伝には「船行」語もあるが、これは移動場所(地形)という視点ではなく移動手段を限定した言い方であるということにすぎない。

 「水行」が何を意味するかよりも、「水行」語が『三国志』では倭人伝以外に用例がなく、先行漢籍において禹や越人の物語に多く登場することのほうが重要である。あたかも、倭人伝がそれらの漢籍の続きであるかのごとくである。

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