紅い竜と四天王女コミュのプロローグ

時は国無き時代、大陸には数多の部族が領地拡大の野心を燃やし、戦火を交えていた。
滅びは生まれの連鎖を繰り返し、大陸を統一することが出来なかった。
そんな中、一人の男が立ち上がった。
男の名はユーサー・ペンドラゴン。
彼は部族の長でもない、ただの青年だった。
彼の志が仲間を集め、彼の戦場での勇猛果敢な武勇に敵は次々と降伏していった。
ユーサーは大陸の一部を手に入れることが出来たが、残る半分以上は手に入れることが出来なかった。
彼にも強敵とも言える敵がいた。その強敵の名はマグヌス、イヴァン、
この二人がユーサーの強敵でもあり宿敵でもあった。
彼らの武勇や叡智もさることながら、この三人には大きな力があった。
　遥か昔に神に封じ込められた竜。三人は竜と契約し、契約者を立てた。
　契約者たちは竜の力を使い主のために戦い抜いた。
　赤き竜、白き竜、黒き竜。
　契約者三人が契約した竜。ユーサーの契約者は赤き竜と契約した。
　他の二竜と一騎打ちや、三つ巴の戦いをした。二竜を敵に回し戦った時もある。
決着は着かず、契約者たちは死に、主たるユーサーたちも年老いて亡くなってしまった。
　その後も、何百年も戦は続き、契約者たちも戦った。
　ユーサーは国を創り、その国の名はレユニオンと称した。
　他の二人も国を創った。ザクセン王国、ロマニア王国。
今では三国の戦争は年に一回あるかないか。殆どは、小競り合い。
今のレユニオンの王はユーサーの血を引く、レオス・ペンドラゴン。
　聡明で大らかな人柄でもあり、仁君とも言われている。
　彼には可愛い愛娘が四人いる。
　彼女たちは父たる王に似ていても、性格が実に様々。
　長女ゼノヴィア、次女エレオノーラ、三女ユリアーナ、四女アリエーノール。
　四姉妹は実に王にも劣らない勇壮な姫君たちと言われている。
　特に、長女ゼノヴィアは次の女王候補でもあり、姉妹の中でも英邁な姫君だと将来を嘱望されている。
だが、王と彼女たちの頭上には、今、暗雲が立ち籠めている。
　その雲は大きな陰謀たる灰色の雲であり、紅い雨を降らせることになるだろう。