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テニプリファンタジー小説コミュの(第6章)(前篇)テニプリファンタジー)「氷の記憶」

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テニプリファンタジー

「氷の記憶」

それは、いつも通りシャッフルマッチが行われていた時だった。

今日はなんだか曇っており、少し肌寒い。

そして、ついには雪が降りだした。

11月の下旬なので、雪が降るのはおかしくないのだが、
この雪は少しおかしい。

普通、雪は白いはずなのに、この雪は少し青いのだ。
「なんだこの雪?」
と、選手の1人が雪に触れると、いきなりその手がカチカチと凍り始めた。
「う、うわあああな、なんだ、これはあああ」
と、辺りを走り回るが、一行にそれは取れず、とうとうその選手は全身が
氷の結晶になり、
何時の間にやら、あちこちで、同じような現象がおき、モニターで見ていた黒部は、すぐさま選手を宿舎に避難させた。
青い雪に触れた物は、すぐさま氷漬けになってしまい、何時の間にやら、コートにいたる全てが、
氷の結晶と化してしまった。

そして、宿舎は、外側だけが凍り、内側は、幸い無事だった。

選手達は全員、レストランに集まっていた。
むろん、跡部達も。

そんな中、橘の耳に、
「お兄ちゃん」
と、幼い子供の声が聞こえて来たのだ。
「なんだ?」
橘桔平が、その声に耳を傾けようとしたその時、相席していた、千歳千里が、
奇妙な顔で彼を見る。
「桔平?桔平!」
友の声に、彼はようやくこちらの世界に戻って来た。
「あ、いや、なんでもない。さっき、妙な声が聞こえて」
「妙な声?」
「ああ。お兄ちゃんって言ってた。明らかに、4〜5歳くらいの青くて、
白い帽子をかぶった、奇妙な子だった。
「でも、橘さん。杏ちゃんがいるじゃないですか?」
後輩の神尾アキラがそう言うと、再び彼は考え込む。
「あの声、何かで聞いた様な」
「何かって?」
「それがわからないんだ」
橘が悩んでいると、神尾がある事を思い出した。
「あ、そう言えば、合宿で、こんな話を聞いた事があります。なんでも、
「青い女の子には気をつけろ」って」
「神尾、その話の内容、分かるか?」
「あ、はい。この合宿所内で、偶然耳にした話なんですけど、ある冬の夜に、
青い小さな女の子が、お兄ちゃん、お兄ちゃんって呼ぶらしいんです。
それで、目が覚めたら、氷の世界にいて、ある小さな女の子がいて、
私と遊んでくれる?って言って、その子と遊んでいたら、
いつの間にか、現実の世界で、自分は死んでて、魂は、
もう二度とその体に帰れないらしいんです」
神尾の話を聞いた、千歳と橘はぞっとする。もしもあの声がこれだとしたらと、一瞬考えてしまう。
「そ、それで神尾。それを防ぐ方法とかはないのか?」
「いや、噂話なんで、そこまでは」
「・・・・」
「大丈夫ばい桔平。そんな女が出たら、自分にはもう妹おるといや〜
その子も納得するたい」
「だと、いいんだが」

その頃、跡部達は、この現象について話し合っていた。
「どう見る?この現象」
「どう見ても普通やあらへんな」
「ああ。明らかに、異常現象ていうか、災いの一つだな」
「それじゃあ、また、誰かが犠牲に」
「と、考えた方がよさそうだな」
「でも、この中の誰かなんでしょ?誰か襲われるかわからないじゃ、
手の着けようがないC〜」
「まずは様子見という事だな」

そして、その日の夜。橘が眠っていると、またあの女の子が現れた。
「お兄ちゃん。お兄ちゃん」
橘が不意に目を覚ますと、青い女の子がいた。
「君はさっきの」
「うん。お兄ちゃん、探しに来たの」
「悪いな。俺には、もう杏という妹がいる。だから、
君のお兄さんにはなれないんだ」
「私の、お兄ちゃんじゃないの?」
「そうだ。だから、君は・・・」
「いや! 私。また1人になっちゃう。もうこれ以上、私を1人にしないで!」
と、言うやいなや、橘の周りが氷始める」
「おい、何をする気だ」
「私のお兄ちゃんになって。私を、ミキを1人ぼっちにして、
いなくならないで!」
「ミキ?それが君の名前か。どうしてこんな冷たい所に1人でいるんだ? 
お前の両親は?」
「いないの。私には、お兄ちゃんしかいない。だから、私の世界で、
一緒に暮らすの!ずっと一緒にいたいの!」
「それは無理だ。俺には、すでに妹がいる。それに、君自身の願いを、
俺は聞いていない」
「私の願いは、お兄ちゃんが欲しいの。私のそばにいてくれる人が欲しい。
だから、貴方は、私のお兄ちゃんになるの!」

そして、ついに橘を覆っていた氷は、外へ漏れだし、橘の部屋ばかりか、他の部屋も凍らし始める。

この異変に気付いたのは、ルシアだった。
「アカン。皆を起さんと」
ルシアはすぐに皆を起し、事の次第を伝え、橘の隣の部屋だった、
慈郎と丸井は、指輪の力で、なんとか脱出してきた。
「なんだと!?橘の部屋が!?」
「せやねん。氷で覆われて近寄られへんのや」
皆が現場に駆け付けると、既に氷は広がり、宿舎内を氷が覆い尽くしていた。

と、そこへ、偶然外にいた神尾と千歳がやって来た。
「これは」
「桔平!」
 千歳はすぐさま才気煥発の極みを使った。
「15分。この氷が広がるまでの時間ばい」
「なら、燃やせばいいだけだ。鳳、お前確か、炎のカードを持っていたよな?」
「そうか。それで氷を」
鳳は炎のカードを使い、氷を溶かした。
そして、神尾が内部に突入すると、橘の身体は既に凍りついていた。
「橘さん!」
「桔平!」
2人はすぐさま助けようとするが、そこにあの女の子が現れた。
「どうして?どうしてお兄ちゃんを取ろうとするの?このお兄ちゃんは、
私のお兄ちゃんなのよ!」
「それは君が思いこんでるだけだ。橘さんには、血の繋がった妹がちゃんと
いる」
「お前の願いは、いなくなった兄貴の、代わりが欲しいと?ばってん。
それはおおきな違いたい」
「なによ!私がどれだけ寂しい思いをしたか知らないくせに! 私はずっと、氷の中から、お兄ちゃんを探していたのに!
それなのに、どうして邪魔するの?」

そこへ鳳が呼びかける
「ねえ。どうして君は氷の中にいたんだい?そんな寒いところじゃ、
風邪ひいちゃうよ。
明るい所へ出て来てごらん。お兄さんも、それを望んでいるはずだよ」
「明るい所?」
「そう。太陽に触れれば、君は元の女の子に戻れる。
何も寂しい事はないんだよ」
だが、鳳の言葉に、女の子のは怯えてばかりだ。

そして、再び橘を氷の結晶体に閉じ込める。
「リズムに乗るぜ」
と神尾は素早く橘を回収しようとしたが、地面が凍っていて、うまく走れない。
「う、うわ、おっとっと」
「なんでお前は桔平ばかり狙うとや?何が、桔平に似てる何かがあると?」
千歳の言葉に、彼女は、眩い光に包まれ、一瞬にして、
どこかへテレポートされた。

コメント(6)

登場人物のセリフ、なんだかいいですね。青い雪も見たいです。
>>[1] 気づかずスイマセン。ありがとうございます。こうしてコメントを頂けるだけでもうれしいです。今最終章まで近づいています。もうすぐ終わりかと思うとちょっと寂しいですが、次の話が頭の中にあります。ただ、今度はドラえもんですが
いえいえ、ドラえもん作ったら。教えて下さい。鬼太郎の青坊主面白かったですよ。なんで物語楽しいのにいつも悩んでおられるのかな .....って。
>>[3] うわ〜そう言ってもらえると嬉しいです。最新章もできましたが、それはここだけにとどめて方がいいですか?それとも一般で公開してもいいですか?
後、なんかかけてる部分とか多くてスイマセン(^^;こんな風に世混んでいただけるとスっごくうれしいです。!(^^)!
>>[4] こういう楽しいものだったら一般公開すべきでしょう。いや実はあまりの長文でプリントアウトしても最後まで読むひまないときとかありましたよ。普段も古本屋なんかで文庫本よく買うんです。物語が」好きで。
>>[5] ありがとうございます。じゃあ、さっそく一般公開してみますね。全体公開のミクシーに
ありがとうございます。

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