孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの米。地上作戦可能の動きとイエーメンにおける米国大使館閉鎖（軍事でのテロ払拭無理、逆効果）

孫崎享のつぶやき
米。地上作戦可能の動きとイエーメンにおける米国大使館閉鎖（軍事でのテロ払拭無理、逆効果）
2015-02-12 07:563

A: 米。地上作戦可能の動き

１：事実関係：米、地上作戦も可能とする決議案提示…期限３年

オバマ米大統領は１１日、イスラム過激派組織「イスラム国」掃討作戦で、限定的な地上作戦を遂行できる武力行使承認決議案を議会に提示した。

オバマ政権は米地上部隊の投入を一貫して否定してきた。今回の決議案でも「長期にわたる攻撃的地上作戦」は認めないものの、方針転換を可能にした。

オバマ氏は議会に宛てた書簡で、「イスラム国を野放しにすれば、中東を越え、米本土を含めた地域に脅威を引き起こす」と指摘。限定的な地上作戦として、有志連合の要員への救援作戦、特殊部隊によるイスラム国指導者を対象とした作戦、空爆支援、情報収集などを例示した。数十人規模の作戦が多いとみられ、本格的な地上部隊投入に慎重な姿勢は変わっていない。

決議案によると、決議の有効期限は「３年」で、作戦の拡大や長期化に歯止めをかける。延長する場合は新たな議会承認が必要となる。武力行使を行う場所に地理的な制約は設けておらず、イスラム国がイラクやシリア以外にも勢力を拡張する事態に備える。

決議案ではまた、イスラム国に「関連する組織」に対しても武力行使を可能とする。これによりシリアを拠点とするアル・カーイダ系過激派組織「ヌスラ戦線」も対象に含める。

オバマ政権のイスラム国掃討作戦は現在、議会が２００１年の米同時テロ後に可決した対テロ戦争を認める決議と、０２年に可決した対イラク武力行使を認める決議に基づいている。昨年１１月の中間選挙で新たな議会承認を求める野党・共和党が大勝したことを受け、オバマ氏が承認を求める方針に転換した（読売新聞）。

２：評価

・オバマ大統領が「地上作戦可能に」に踏み切ったのは米国国内の圧力。

・「イスラム国」に拘束の米国人女性の殺害をうけ、米国国内には「イスラム国」への激しい反発。

・共和党議員などオバマ非難を拡大。現在大統領選挙に名乗りを上げているブッシュ弟（元フロリダ知事）の攻撃。こうした中、民主党としては地上軍派遣に踏み切らざるをえないと判断

・「三年の歯止め」は全く意味がない。次の大統領の動きを拘束するものはない、

　共和党が勝利すれば一段と介入強化。ヒラリー・クリントンもオバマ大統領よりは強硬。

・問題はイスラム国を消滅させてもテロの動きは止まらず、より強化されて世界に拡散。

　「イスラム国」に約２万人の兵士が世界各国から。彼らが自国などに戻って闘争継続、拡大。

・代表例がイエーメン。アルカイダの拠点。勢力拡大。

B: イエメン:米が大使館撤収　米国民にも即時出国求める警告

１：事実関係

イスラム教シーア派武装勢力フシが事実上のクーデターで権力を掌握したイエメンでの治安悪化や流動的な政治情勢を受け、米国務省のサキ報道官は１０日、首都サヌアの米大使館の活動を凍結し職員を退去させたと発表した。米国民にも渡航自粛や即時出国を求める警告を出した。一方で、国際テロ組織アルカイダ系の「アラビア半島のアルカイダ」（ＡＱＡＰ）などを対象にした掃討作戦や地元治安部隊の訓練は今後も継続する見通しだ。

　国務省の声明は、周辺国の仲介や国連安保理決議、国内法などにのっとった政治決着を要求。自宅軟禁状態にあるハディ大統領や閣僚の解放も求めた。国務省はイエメン情勢の悪化を受け、すでに一部職員を退去させるなどの措置を取っていた。また、米軍も非常時に備えた米国民避難態勢を準備していた。

　ＡＰ通信によると英国は１１日、イエメン大使館を閉鎖し、フランスも１３日に閉鎖する。

　フシは６日、議会の強制解散と、暫定統治機構としての大統領評議会開設を発表。ハディ大統領はすでに辞意を表明している。

　対テロ作戦について、サキ報道官は「米国と米国民への脅威には対処し続ける」と発言。国防総省のカービー報道官も、政変による影響は認めながら、米特殊部隊が滞在しており「イエメン治安部隊の訓練を行い、必要であれば単独で対テロ作戦を行う能力を保持している」と述べた。（02月12日毎日新聞）

２：評価

・アルカイダがアフガニスタン戦争で、同地から追われた後、その勢力はパキスタンとイエーメンで増強。

・フランス出版社狙撃事件もこのグループが犯行声明。

・テロとの戦いは逆に過激派を増強させている。その具体的動き。

コメント(6)

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[1] mixiユーザー 02月13日 11:40

テロは、貧困で治安の悪いところで、増殖する。
軍事力で、簡単に掃討出来るとは、思えません。戦争のための戦争、憎悪、報復の応酬をいつまでくりかえすつもりか？

[2] mixiユーザー 02月14日 11:18

>>[1]

ええ。まさにおっしゃるとおりですし、そこを国民が認識を共有化したとはき安倍政権は倒閣されることになるでしょうね。

[3] mixiユーザー 02月14日 14:28

①「日本人人質殺害」
②「イスラム国」への批判高まる
③「アメリカ軍地上部隊派遣」
④「日本が有志国連合」に参加
⑤「自衛隊のイラク派遣」

安倍首相は、こんな展開に持ち込みたいのでしょう。
日本の「国民」や「国会」はそれを許すと考えているのでしょう。

[4] mixiユーザー 02月15日 14:52

アメリカは、ついに、「地上軍の派遣」に踏み切りそうですね。
短期間（3日月）で終わればいいですが、長期化する可能性もありますね。
また、かりに、短期間で終っても、「テロ」が世界中に拡散する恐れもありますね。
そして、なぜか、「ユダヤ教」（イスラエル）と「キリスト教」（アメリカ）を支援する日本も「テロの標的」になりそうです。
安倍首相の「暴走」ははやく止めなくてはなりません。

[5] mixiユーザー 02月17日 10:24

エジプトがリビアを空爆しましたが、こうなると、この戦争は、イスラム国同志の戦いです。

そんなところに、安倍さんがのこのこと・・・出る幕ではない。

テロは、どこでも、いつでも起こる。

日本でも、また、オウム真理教のような狂信団のテロがあるかもしれない。

[6] mixiユーザー 02月17日 12:33

>>[5]
どうやら、安倍の「中東訪問」が、その後の歴史を大きく変える引き金となったということになりそうですね。

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