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バトンでボケましょう。コミュのアホ空高校野球部 〜新入部員はラテンの香り〜

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オレはアホ空高校の野球部エース。 有中真治。 一年からエースとして、甲子園を目指し、ひたすら白球を追っている。

憧れの甲子園に行きたい。
だが、残念ながら、今のチームは、完全なオレのワンマンチームだ。

もちろん、オレ一人の力では、この2年間、甲子園には、一度も行けなかった。
地方予選では、必ずベスト16には残るものの、朝から晩まで、野球漬けのエリートを揃えた強豪校の一つに当たり、敗退する。2年夏の、ベスト8が、アホ空高校野球部の、過去最高成績だ。
いくら140キロ超の剛速球と、するどく落ちるフォーク、ブレーキの効いたカーブ、チョップスティックがあっても、ピッチャーひとりでは、勝ちあがれない。

それでもオレは、今年も、甲子園を目指す。
3年になったオレには、最後の夏しか、チャンスが残されていなかった。今年も、中途半端なレギュラーに、微妙に足を引っ張られて、甲子園に行けないのか。。。  
キャプテンになり、「絶対に甲子園に行くぞ!」と強気に言っていてオレも、内心は、ベスト4くらいが、限界だろうと思っていた。


そんなアホ空高校野球部に、転機が訪れたのは、5月だった。
いつも通り、寝るために授業を受けに来たオレは、クラスの雰囲気の異変に気づいた。
クラスの全員がザワザワと、教室の片隅に集まっている。教室の面積の、4分の3ががら空きで、残りの4分の1に、満員電車のように、人が寄り集まっていたのだ。
なぜだかは、すぐに分かった。満員電車の中のような人ごみの中で、一つ頭抜き出た。男前のハーフがいたのだ。

「きゃぁぁ!!! トニ〜ニョくぅ〜ん!!!」
クラスの女子が、珍しい転校生に、黄色い悲鳴を上げている。
それもそうだ、堂々たる体格。見たところ、確実に185以上は上背がある。
そして、鼻筋の通った、ラテン系の顔立ち。
みんなが、珍しくって、寄り集まるのも無理はない。

だが、オレは、そんな転校生に興味が無かった。聞くところによると、そいつは、ブラジル出身の日系人らしい。

しかし、
ブラジル = サッカー。この図式が、オレの中に、固定観念としてあって、その時点でオレの中では、そいつは、すでに「戦力外」だったのだ。

放課後、いつも通り、野球部の部室のドアを開けると、何か、巨石のようなものにぶつかった。
思わず、1メートルくらい後ずさりして、上を見上げると、高校生にして、胸毛全開なトニーにょ が、上半身裸、そして野球の練習パンツを着て、驚きで目を見開いていた。

「オオ〜、ゴメン〜ナサ〜イ。」 
さすが日系ブラジル人、流暢な日本語だ。そして、胸毛が凄い。
「キョウカラ、ヨロシク。ワタシ、この部に入ることにナリマシタ。」

「ナニぃ???」
一瞬、戸惑ったが、こんなに体格のいいやつが入ってきてくれたなら、バンバンザイだ。
「ああ、ヨロシク。」
オレは、あわててギコチない笑顔を作り、トニーニョの入部を歓迎した。

「コウミエテモ、ワタシ、球歴14年ヨ。フフフ。」
トニーニョは、自信満々の笑顔とともに、そういい残して、巨体をいとも軽く操り、颯爽とグラウンドへ出て行った。

早速、トニーニョの実力を確かめてみることにした。
練習が開始して5分、トニーニョは既に、日本の野球に、素朴な疑問を抱いていた。

「ボール、小さいデスネ。」
トニーニョが、野球ボールを手にとって、眉間にシワを寄せて、不思議そうな顔でなめるように見つめている。
「日本人は、器用だから、こんな小さい球で、サッカーするんデスネ。」

その時、オレは、重大な事実に気づいた。トニーニョは、ただ胸毛が濃いだけではない。きっと、その胸毛の濃さと同じくらいのヒドさで、アホなのだ。
きっと、野球部と蹴球部を、間違えて、「球」だけで判断して、ノリで野球部の部室に入ってきたのだろう。
そうか、確かに、サッカー(蹴球)でも、球歴と言わんでもない。ラテンのノリに不可能はないのだ。

ちょうどオレたち野球部は、内野の守備連携練習をしていた。
送球が行き交うなかで、
トニーニョは
「オー、マイ、ガ!! ハンドばっかり、ダメ、ダメ!!」
両耳に手を当てて、天を仰ぎながら、と叫んでいる。
トニーニョは、まだ野球を「日本式サッカー」と思い込んでいる。
文化の違いがあるから、サッカーのルールも、国それぞれ、日本なりのやり方があると思っているのだろう。
トニーーにょは、文化の受け入れに、寛容なハーフなのだ。

オレは、トニーニョのアホさに賭けて、徹底的にダマし続けることにした。

「ああ、トニーニョ、それは違うよ。みんな前足を使ってるんだよ。 日本人は、生物の進化にとても敏感なんだ。人間だって、ちょっと前までは猿で、4本足をフルに使って、移動していたんだ。日本人は、その進化の歴史を、こよなく愛している。だから、今でも、手を前足だとみなして、いるんだよ。だから、あれはハンドじゃない。」

「ナルホド!! マエアシ、マエ〜アーーシ〜!!」
トニーニョは、うれしそうに、飛び上がりながら、「マエアーーシー!!」
を連発した。
痛い。。。 イタスギル。
彼の堂々たる巨体に、そんなリアクションは似合わない。ああ、バカのハーフが、オレの横で小刻みに跳ねている。最高に幸せそうな顔で、「マエアシ!!」
を連発しながら・・・・。オレは、逃げ出したい。恥ずかしい。
彼は、今、(でっちあげの)日本の文化を、少しでも理解できたので、うれしいのだ。テンションが上がっているのだ。

筋金入りのアホに違いない。

オレは、テンションが上がっているトニーにょに、「日本式サッカー」のルールを、叩き込んでいった。

トニーニョの口からは、次々と疑問が飛び出した。

「あの金属の棒はナンデスカ??」

「日本式のサッカーでは、前足を使って、鉄の棒を持ってボールを打つんだ。ちなみに、ゴールマウスの一部を切り取って、加工したものが、この鉄の棒なのだよ。名前は、バットっていうんだけどね。
使い古したゴールマウスを、リサイクルするために、この棒が生み出された。日本人は、エコ意識が高いのだよ。だから、使い古したゴールマウスに、敬意を表し続けるために、これを、使い、前足で打つんだ。」

トニーにょの疑問は止まらない。
「ゴールは、どこデスカ?」

オレは、ホームベースを指差して言う。
「ゴールは、この白い四角い板だ。ゴールマウスを、ブラジルから日本に輸入する時に、ひどく海の水がかかって、こんなにまで変形してしまったのだよ。化学の力って、凄いよね。」


「ボールは、どうして小さく固いんですか?」

「気圧の違いだよ。なんせ、ブラジルは、地球の裏側だからね、気候が全然違う。日本は、ブラジルの気圧の500倍はあるんだ。だから、同じサッカーボールでも、高い気圧のせいで、あんなに小さく、そして密度が大きく、固くなるんだ。日本ではあんな固さを大きさだけど、ブラジルの大気のなかでは、ちょうどサッカーボール大の大きさになるのだよ。
化学の力ってやっぱりすごいよね。」



〜 つづく ??? 〜

コメント(3)

第二話   〜 新監督は昭和の香り 〜

そんなオレ達野球部は、甲子園を目指して猛練習に励んでいた。

しかし、練習試合でいい結果を出せず、監督が解任になって
しまった。 ・・・高校野球なのにw

そして新しい監督が来た!

すさまじい風貌だ。
エルビス・プレスリーを彷彿とさせる、たくましいもみ上げ。
現代っ子はまずかけない、茶色でクソでかいサングラス。
30センチはあると思われる、リーゼント。
下駄。学ラン。

こいつは完全にビーバップハイスクールにやられていると
思った。

しかし、それよりもっと凄かったのは練習メニューだった。。。
第三話・1   〜 マネージャは男性ホルモンの香り 〜

新監督は、確かにヘンタイだった。
野球部の紅一点である、マネージャの女の子・さゆたんに、常に
セクハラ未遂をしては、部員達にリンチされてボコボコになっていた。

「わしは絶対に触ったる!!いつか触ったる!!」
が口グセだった。

ブロックサインには陰部を使ったアクションを多用し、
他のチームから気持ち悪がられていた。

まさか、その監督のヘンタイっぷりが、野球部にとってプラスの材料になるとは、思ってもいないことだった。

春の練習試合が解禁になり、我らアホ空高校は、春の陽気の下、ある強豪チームと熱戦を繰り広げていた。

その日、オレのピッチングは冴えに冴え、決め球のフォークは
すばすばと低めに決まる。
普段はエ○パー伊藤くらいしか曲がらないスプーンも、その日はユリ・ゲラー級に曲がったのだ。

終盤まで息のつまる投手戦で、9回までスコアレス。
そして、とうとう、9回裏ツーアウトで自軍の攻撃だった。

ホームランで決めてやろうと思い、意気揚々と打席に入った
オレを、監督が呼び止めたのだ。

「代打・さゆたん!」

監督が叫んだ。
監督はベンチで笑っていた。
いや、ニヤニヤしていたという表現の方が正しいだろう。

チームで随一のバッティングを誇るオレになぜ代打を!?

答えは明確だった。

普段から監督は、普段からこう公言していた。

『オレはバッティングより、ペッティ○グの方が大事だと思っている。
 選手のモチベーションより、オレのマスターべー○ョンの方が大事だ。
 オレは、そういう野球をしていく。』

監督は、萌えたいのだ。

女の子を代打に使って、可愛く三振する姿を、一度だけ見たかったに違いない。
監督は、自らの欲望を満たすべく、この最高に切羽詰った場面を選んだのだ。

初球。
案の定さゆたんは、打席の外側いっぱいに立って、
『キャーーー(><)』 っと可愛く空振りした。

監督は満足そうに笑っていた。

これが監督の野球なのだ。

だが2球目、信じられないことが起こった。

さゆたんがとらえた速球は、高々と空に舞い上がり、そのまま場外に消えていったのだ。

サヨナラホームラン!!

さゆたんは、ゆっくりとダイヤモンドを回って帰ってきた。
そして、こうつぶやいたのだ。

『ちょっと詰まったけど、良い感じに下からしばきあげられたかな』

〜続く〜








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