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ヘルバンギーナコミュの連続コミ二ティ小説 「咲ちゃん」

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第3話 「遡る」

 休み時間は大抵机に顔を伏せて寝ている。

 時々クラスメイトの会話が耳に入る。

 最近「Number Girl」というバンドを知った友人が、これって「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のパクリやんかということを言っていたが、順番逆だろ(笑)、そもそも・・・というような話題で盛り上がっている。

 確かに、人気のバンドが影響を受けたバンドのことを知っていると、どこか得意げな気持ちになる。

 この会話を聞いた日の夜、私も家で「Sonic Youth」を聞きながらニヤニヤしてしまった。

 別にノイズに関心があるわけでもないし曲がメチャメチャ好きというわけではない。

 キムの色気と歳をとらないサーストンには多少関心があるが。

 自分は「Sonic Youth」を知っているんだぞというよくわからない優越感に浸るために聞いているようなものだ。

 しかし、とりあえず動機は不純でも耳に入れておけば何かしら糧にはなるはずだ。



 けれども、たまに、ルーツを辿ることや、権威のあるバンドを知っていることを強要されるようなことがある。

 バンドをしようと思うならビートルズは知らないかんとか、ハイスタがどうとか、Xがどうとか。

 強要する側が当たり前にみんな知っとるだろうというバンドに関する知識を問うてきて、それを知らなければ音楽全然聞いてないねと言われることとか。

 私自身ルーツを知らなければやばいと勝手に追い詰められたことがあった。

 
 「OASIS」が大好きだが、「OASIS」が尊敬する「THE BEATLES 」には興味が無かった。

 なんかやるせなくて、無理に「THE BEATLES」を聞こうとした。

 でもピンと来ないものは来ない。

 そんな、良さを感じることができない自分を駄目だと思った。


 しかし、あるとき気づいた。自分が遡りたいときに遡ればいいのだと。


 中学生の頃「ASIAN KUNG-FU GENERATION」をまず知って好きだなと思った。

 このバンドのボーカルが影響を受けたのでは無いかと思われる「Number Girl」は後から聞いて知った。

 なんかボーカルの声が聞き取りづらいし、サビもぼやっとしててイマイチと思った。

 ただ、なんとなく印象に残った。


 しかし、最近再び「Number Girl」を聞いて、すごく好きになった。

 以前聞いたときと違ってすごくしっくりくる。


 この時、今好きなバンドが影響を受けたバンドを知ることは重要だが無理やり知る必要はなくて、

 自分がいいなった思ったときに、自分のペースで、自分の好きなように知っていけばいいのだなと感じた。


 「THE BEATLES 」のことそんな知らんでも、「OASIS」大好きと胸を張ったっていいんだ。

 自分の好きなことに対して、遠慮せずに、まっすぐ向き合い堂々としてていいのだ、ユーレカッ、と感じた。

 自分に自身が持てた。

 女の子のお尻の穴の匂いに興味があることを恥じなくてもいいんだと思った。

 それが高校1年生のときだった。

 
 そして、この自信は、今後の高校生活での私の行動に、悪い方向に影響を与えることになる。

 


 
 

 

 

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