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言葉の見る夢 worqream コミュのスジなし共作ストーリー romanorum romano 

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コメント(26)

その日、陽子は
激しく窓を叩きつける音で、目が覚めた。

(あぁ…会うにはぴったりかも…傘で顔を隠せる)

すぐに帰る理由ができた。

私は今日、あの人に会う。

※思ったんですが、かぶった場合、書いた人が問題なければ消さないで、次の人が書きやすいほうを選んで書くというのはどうですか?
かぶることも結構あるけど、せっかく書いたものだし消すのは…という理由で。
ちょうど一年前…その日は朝から、アスファルトが匂うほどに太陽が照りつけていた。

少し慌てて支度をしたので、UV対策が完璧でなかったことを後悔したものだ。

多少の苛立ち。

それが少しだけ、いつもより素の自分を押し出していた。
陽子は約束の時間ギリギリに待ち合わせ場所に着いた。

あの人はまだ来ていない。

日差しを避けるように、陽子は日陰を探しそこであの人を待った。
いつもならあの人が先に待っているはずなのに。
陽子は日陰の中、いつも自分を待ってくれているあの人の姿を想う。

付き合って3年が経ち、お互いの環境もめまぐるしく変わった。
だからこそ、陽子はあの人の体温を感じたいと思う。
こんなに暑い日差しの下でも。
慌ててしまったけれど、彼はそんなわたしも可愛いと言って笑ってくれた。
それから、わたし達は毎日を積み重ねて、少しずつ変化していき、
時々不安になりながらも、気持ちはあると信じてきていた。
大人になる、というのはそうことだと理解しているつもりだったから。

ぼんやりと陽子は、3年のところどころをまるで夢でも見ているように思い返していた。
「いつも、晴れてたなぁ。。」

お決まりの約束の場所で、
降りしきる大粒の雨を見上げている。

視界を通り過ぎる一滴一滴が、
地面にたたきつけられ弾け飛ぶ飛沫が、
今までの思い出の一つ一つのように見える。
それは、今日これから味わうであろう喪失感を暗示しているようだった。
朝からスコールのような雨と晴れ間が行き来している。
背中のボディバッグに傘を引っかけ、男はポケットから取りだした際に少し濡れたスマホをハンカチで拭う。
この街を離れなくてはならなくなった昨年、最後に会ったのもこの街角だった。
シンクロしてるみたいに男も、この3年を思い返していた。
日陰へ移ったあと急な雨に足止めされていた陽子は彼に気づいた。
変わらない、と言えば嘘になる。
それは、彼だけではなく陽子の方もそうだった。
昔はつけなかった赤い口紅も伸ばしていたはずの黒い髪を少し染めているのも。

久しぶりに見た少し疲れた彼の姿は、懐かしさと共に仄暗い気持ちを思い返させた。
過去ばかりが覆いかぶさってくる、と思いながらも陽子の口角に力を入れた。
安心、したわけじゃなかった。
けれど無理して笑ったわけではなかった。

陽子はこの1年をどう生きてきたのか、彼に尋ねてみたかった。

「あの店、行こう」
彼は陽子の手を取って、歩き出す。

あの店はもうない。
半年も前に潰れてしまった。

この人は、少なくとも半年間は、
あの店に立ち寄ることも、
私を思い返すこともなかったのかもしれない。
「あんまりこっちには戻ってなかった?」
そう思った陽子が訊ねると、
「うん あの日、最後に会って以来」
男は答えて、
「どこかお酒も飲めるとこに座ろうよ。
お腹は空いてる?」と誘った。
先日 ランチに寄ったイタリアンの食堂を陽子は提案して、二人は足を向けた。
「ここのパスタ、これこれ、美味しいの」
「へえ、よく知ってるんだな」
「この前、ランチで来たんだ」
「1人で?」
「…さあ、わかんない」
男に向けて置かれたメニューを指さしながら、
陽子は上目づかいに、男の表情を盗み見ようとした。
ところが、男の目線は、指さされた料理の写真ではなく、
陽子の顔にじっと向けられていた。

沈黙の中で、
ふたりの目線だけが交錯している。
男は、睨んでいるわけではない。
どちらかと言えば力無くトロンとした眼差し。
なのに、相手を射抜くようなぶれない目の光。

ああ、そうだった。
この人はいつもこうして私を見ていた。
すべてを見透かしながらも、受け止めてくれる目。

ダメ。。
おねがい、早く、なにかしゃべって。。

陽子は腰の力を抜かれたように動けなくなり、
ただただ男の、次の言葉を待つしかなかった。

すると男は、こともなげに、こう言った。
「ルールは守っておかないと」
陽子はポカンとした。
「何、それ」
陽子の言葉にイタズラっぽく笑いながら、
「人間はいつだって理由を知りたがる。悪い癖だ」
と視線を外して、陽子が勧めたパスタとグラスビールを2つ頼んだ。

早く帰りたいと思う。
陽子は自分がどうしてこの場所にいて、この人と向き合って、好きでもないビールを飲まなくてはいけないのだろうと思った。
けれど、ほんの少しだけ、体の奥底でどこか何かを期待している自分が嫌だった。
「俺、仕事辞めたんだ」
春樹は食事中にポソリとそういった。
陽子はパスタが喉につまりそうになった。
これでは会話をすることもできない。
陽子はビールに口をつけた。
気持ちを落ち着かせ、一息つくと
「そうなんだ…」と小さく応えた。

会えなくなり、連絡も途絶えるようになってから
胸に小さな穴があき、そこからあらゆる感情が湧き出ていた。それは、何をもっても塞ぐことはできず、陽子を苦しめていた。

春樹と共にこの街を出るなど、まさか叶うはずもないということは十分に承知していた。

「あなたのことだから、きっと頑張り過ぎたんじゃない?少しゆっくりしよう」
春樹はパスタに目をやり、手をつけずに煙草に火を着けた。
ゆっくり吸い込むと、顔を反らして、さらに口をひねって煙をほぼ後ろに吹き上げた。
「きみとの恋愛もここで辞めて、できれば友情に戻したい」

「お客様、申し訳ございません」
店員の声かけとともに席を立つと、煙草を指に挟んだまま通りに出ていった。
春樹が出て行き、陽子は少しほっとした。
友情に戻したい、その言葉に安心した。
恋愛は、とっくに終わっていたのだ。
しかし、不意に涙が零れた。
この涙の意味は何だろうか、陽子にはわからなかった。
「雨かしら。私の頬が濡れているのは。涙かしら。こんなに熱いのだから」
陽子は誰に言うわけでもなく小さく呟いた。

目の前にあるパスタの湯気は、陽子の皮膚を湿らせる。
出て行こうか、どうしようか。
陽子はグラスに残っていたビールを飲みほした。
パスタはまだ半分以上残っている。
春樹はタバコを吸い終われば戻ってくるだろうと陽子は思った。
そして、ゆっくりとパスタを口にした。
涙なんて出るはずがない、陽子はそう自分に言い聞かせた。

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