ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ホーム > コミュニティ > アート > 言葉の見る夢 worqream  > トピック一覧 > 詩作 poetica poez...

言葉の見る夢 worqream コミュの詩作 poetica poezio 

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コミュ内全体

 
I hate quotations.  
Tell me what you know.
 
(私は引用が嫌い。
 あなたの知っていることを話してほしい。)
 
 Ralph Waldo Emerson
 

♪ 3びきのくま https://goo.gl/tYLpxk

コメント(78)

  Dragon


受け入れて、立ってる
死がせまったとしても
ゲームをあきらめない
最後まで
ダイスを転がす
チャンスを求めて


この龍は哭いている
突破口を求めて
内にこめられた冷たい炎


通りをゆく人々
その心にどんな苦悩があるか
わかりはしない
私もそのうちの一人
でも何度でも立ち上がる
ラザロのように


この龍は哭いている
空を求めて
いつかすべてを焼き尽くす
 Afternoon,alone


静かな午後、独りきり
もう喉が渇いて
酒を注ぐ
かまいはしない
故郷は遠く
咎めだてする者はもういないのだから


穏やかな午後、独りきり
満たされて
まるで素晴らしい情事のあとのように
思わず笑みがこぼれる
自分を抱くのは自分自身


ねえ、何か食べさせて
飢え切っているの
あなたを食べさせて
とても寒いのよ
私の体を暖めて
彼女の懇願、美しい顔、申し分のない体、やわらかな魂


陽の射す午後、二人きり
ベッドに横たわり
無言で語り合う
こんな時をずっと待っていた
彼女を自分だけのものにしたい
このひととき以外でも
彼女の涙
それすらも愛おしい
でも笑ってもらいたい
愛していると言う勇気が欲しい
どうか遠くへ行かないで
手の届く所にいて欲しい
おまえを知った以上
もう独りきりになりたくはない
一年、という長い陣痛のすえ、「世界」の胎内からぼくは生まれた。
今、母なる「世界」と一個の人間として対面し、その乳をもらう。

これからは母なる「世界」から離れ、新しい「世界」と出会うために生きていくだろう。
そして新しい「世界」とともに、さらに新しい「世界」を生み出していくだろう。

そのとき母なる「世界」は死ぬだろう。
やがてはぼくも死ぬだろう。

しかしぼくは期待している。
ぼくから生まれた「世界」が、より新しい「世界」を生み出してくれることを。
より新しい「世界」から、ふたたび「ぼく」が生まれることを。
恋は死んでもいいの?

愛が残れば恋は死んでもいいの?
愛は持って生まれてきた
愛は何度でも生まれる

でも、恋は一度死んだら生き返ることがない

だから愛しい
  事実確認



ひとはね
色々想うものね
夢も疑いも
思い出も悲しみも
でも、それは心の中だけの劇場



あなたが現れて
近づき
目が合い
唇を重ねる
その事実のさなか
想いはすべて成就する
それだけでもうOK
それだけでもういい



ひとはね
予想をするもの
ああだったら、こうしたら
あなたはどう思ってるの
でも、それは結局は机上の空論



あなたが私を抱きよせて
「逢いたかった」と告げて
可愛くお尻に触ってきたら
その事実は現実
今までなんてばかなこと考えてきたんだろうって
安心しきって私は笑う
予想以上に予想通り



あなたは余計なことを考えない
考えてるのかもしれないけど
その笑顔には他意がなく
感動的なくらい欲望に忠実
あなたは私を求めてる
その事実だけで
もういいんだわ、私
この心をキープしなくちゃ
次にまたこうできる時まで



   百年目




百年目に逢う人が、深い心を携えてやってきた。
そしてどうぞと言う。
おそるおそる受け取り、代価として何を求めるのかと訊くと、人は「なにも」と答えた。
それはいきいきとあたたかく、確かになにものにも代えがたく思える。
覚悟を決めて受け取ることにする。
じつは私はその値を知っている。
私の魂そのものである。
そして差し出せば、楽になることも知っている。



「どうして今までいらっしゃらなかったのです」
「遠くにおりました」
「なぜ私だと知れました」
「知っていたのです」
「これから、どうなるのでしょう」
「わかりません。でも、良いのではないでしょうか。もうどうにかはなったのですから」
人はくったくなく、しかし深く微笑んで、私は確かにその通りだと思う。



私は静かに口をひらく。
「長い年月でした」
「私もずいぶん探しました」
「なぜ、百年だったのでしょう」
「決まっていたことです」
「そうですか」
「あなたはお変わりない。百年前と」
「私は歳をとりました」
「いえ。同じです。むしろ、お若くおなりです」
「そうでしょうか。あなたこそ、お変わりありません」
「そうですか」
「お会いしてすぐ、あなたと分かりましたから」
「なぜ泣きなさる?」
「わかりません。きっと嬉しいのでしょう」
私ははらはらと泣いた。かなしみやさびしさは、ひとひらもない涙だった。すがしい心だった。



椿の花が、音もなく落ちる。糊こぼしの花弁。崩れもせず。
闇の中なのに、それと分かり、私たちは庭に目をやる。
「ゆうべ鹿を見ました」
「ここで?」
「ええ。良い眼をしていました。あなたを想いました」
「待たせたことを、お恨みですか」
「いえ。私も知っていたような気がします、このことを」
「もうあなたをはぐれさせることはしますまい。ゆきましょう」
「どこへ?」
「分かっておいでのはずです」
「そうですね。ええ、まいります」
「では、立ってください」



人は私の手を取り、私の手から皺という皺がするりと消えた。
胸に垂れた髪が黒々と波打った。
振り仰げば、月が満ちている。
私はなにも怖くはなかった。
  グッドナイト・キス



おやすみの前に
今日が最後の灯りを消す前に
あなたに伝えておかなくちゃ
今日も
明日も愛してるから、と



ベッドはあたたかく
心は静か
あなたのひとみ
もう明日のお日様を見てる
ああ、おやすみ、ベイビー



おやすみのキス
どんなに恋しいか
これだけではとても言いきれそうにない
ガーゼに包んで抱きしめたい
私はあなたの何にでもなる
夢をかなえてあげる
そのために私の肋骨が必要なら
どうぞ取って



部屋はもう藍色
音はやんで
あなたのひとみ
夢に何を映すの
ああ、おやすみ、ベイビー
また明日ね






  炎



やっとあたたまったわ
あなたの言葉 面影 ぬくもり
その灯火が消えないように
しんぼうづよく見つめていたの
あなただけを想い続けていたのです
心は凍えきっていたけれど
もうだいじょうぶ
いまは胸の中に
あなたがあかあかと燃えかがやいている



これは私の力ではできなかったこと
あなたに力づけられていたことがわかったの
あなたは私の中のみどりの炎
絶やすことはしないわ



あなたが訪れて
私の血はいきいきと流れ
悲しみはとける
こんなことができるのはあなただけなのよ
その眼に見入り
ほほえみを見ると
私は生きているのがわかる
それとも死んでしまったかのよう
愛は生死をつなぎ となりあわせる



出逢えたふしぎ
あなたは私の中の炎
消えることのない炎
明快で二度とないパターン
私は私をあなたにくべて
あなたを燃え上がらせよう
それが私の生
それが私のかなしみの死
私はよい薪になりたい
どうか私を残らず食べてください



夜は静かに更けてゆき
外の寒さはきりきりと屋根を締める
でも ここはあたたかです
あなたがいる
あなたは私の中の炎
私は逃れてきたのです、あなたのもとへ
私はよい薪になりたい
どうか私を残らず食べて
燃やし尽くして



  日毎のアリア



澄んだ目は
世界そのものを映している
いまは夕暮れ
そのひとは夕暮れ



夜が来て
青い星々がさんざめくならば
そのひとまたしても空となる
天空のあまたの光となり
ただいつくしみ深く
地上と私に降ってくる
そのひとは夜


眠りが明ければ
朝がそのひとを覆い輝き始める
ことほどさように
かのひとは一日を統べる
わたしは かのひとを
生きるよりほかにないのだ


  ニケを捕らえよ




自分の見た目も内面も最低と思える時
状況もすべてが最悪だと
アルコールより、タバコより
思索より、下手な気分転換より
表面上のものより、親よりはるかに


ブラックホールをオーバーホールする圧倒的な存在


ブラックホールは、うまれる
生命を削って紡いだ絆を断たれた時に
それはヒステリックに、近寄る光という光を吸い込み、破壊し、
無に帰す
やがて自分も潰して裏返し飲み込まんばかりに
巨大なその吸引孔を、しかしかがって包み込んでしまう存在が
時としてある


飛天


私はそれを、軽々しく
決め付けたくない
簡略化できずそれでいて簡素そのものの
その思慮をただだまって受けている
飢えに飢えたこの千本の手が引っ込んでから
この混乱がおさまり、つくろい笑いが消えてから
はじめてその丸薬を飲み込みたい
消費したくない
大切に大切に、永遠に飲み込みたい


この朝、空には、はね雲
宵には、星
そして、芳香
存在は、飛天は東方に、行った
爆発のような吸引破壊をストップさせた私は
ただ呆けて座っている
空虚だった場所に何か
かつて知っていた、
そしてきっとよきものとわかる
ぬくみをたたえた卵を預かって
ただそれを抱いて座っている
子を奪い取られた狂乱の母が手に滑り込まされたやわらかな人形を
抱くように
だがこれは生きてる
脈打って
あたたかさ
私は凍えていたらしい


飛天は微笑み飛び去ったが
その緒の端を握り
目を閉じて私は座り続ける
内なる口は呼ぶ、遥か、その名
その名


  我が子を喰らうサトゥルヌス



子に嫉妬するすべての親よ
子を愛するすべての親よ
あなたは我が子を追い詰め その豚のように平らな歯で
咀嚼し飲み込もうとしている
あなたは道を見失った


私はあなたを見る者
そして略奪者


あなたは所有の欲にとらわれ狂う
我が子を友人から 教師から 恋人から
奪還せんと
見なさい


あなたの本当の願い
それがあの絵に描かれている
泣き喚くような顔で
我が子を喰らうサトゥルヌス
あなたは何を恐れる
恐れる
そう愛の代わりにあなたがしっかり掴んでしまったそれ
しっかりあなたを捕まえてしまったそれ
あなたは急きたてられる
見なさい


あなたがもし本当に我が子を愛するのなら
放ってやりなさい
その檻から
子どもは喜んであなたの手に還ってきて歌うだろう
あなたがもし本当に我が子を愛するのなら
隅に追いやり 骨を割り 神経をついばむのをやめなさい
これはあなたの子の引き裂かれる絶叫
聞こえるか


あなたはかつて
親に喰らわれんばかりの子どもだった
あなたは親になって その立場をどうしたか
見なさい


この子は私が貰い受けます
あなたが非道いことをする前に
私があなたを喰わなければならない
あなたも無から生まれ 無に帰す
なぜ執着する
この子の泣き叫ぶ声が
聞こえないのか!


難しいだろう?
あなたの作った
理不尽な愛に基づく掟を破った我が子を許すのは
我が子をそそのかした悪餓鬼らを許すのは
あなたは繰り返し許さねばならない
制裁を与えるのはあなたではない
あなたではない
あなたは愛がどんなものか
忘れたのか


あなたは与えることを忘れ
業突張りな商人のようにすべての元を取りたがった
それが裏切られたといって
あなたは我が子を喰らおうとしている


私は見る者
そして略奪者
あなたの欲がどこから来て
どこへ向かうのか
よく考えるのです


我が子を喰らうサトゥルヌスよ
この子は私が連れて行きます



   シャッフル・ビート・フィッシュ



手放せ手放せ
そんなもんみんな
ばら撒けばら撒け
その瞬間の恍惚
ビー玉を 怖れを 札束を 花を 空気を 人間関係を
一匹の 派手なシイラになって・・・


はじめから 皆と同じ
はじめから 誰とも違う
何者でもない、おまえの
ささやかな恐怖、善と悪、美と醜、日々と泡は
なんにもならず
そしてこの世界を彩るだろう
灰色に浮かんで 踊る魚


何もかもが おまえを貶める
何もかもとは おまえのことさ
世界卵の内側は 鏡張り
目を逸らせないで
四方八方に散ったおまえの鱗に
青い光が宿っている 
何もかもが おまえを高めていく


灰色の中に虹の輪
海原跳躍する魚
踊れ シャッフル・ビートに合わせて


  オープンラヴレター



お元気ですか。
あなたが(これを読んでくれているあなたのことです)どうしているのか、
今日は母親のように思い描けます。


あなたは今頃、
焼きそばを作り、
残業に没頭し、
帰りの電車に揺られ、
子どもたちの世話をし、
最近耳の遠くなった夫と大きな音でテレビを視、
携帯やパソコンに興じ、
ギャンブルのことを考え、
ラブホテルでたばこをふかし、
花を買い、
図書館から出るところ。


どんなにあなたをすきか、わかる?
何度もあなたに逢ってて、逢うたびに燃えるほどにすきになるわ。
はじめまして。
驚いちゃだめよ。
そんなはずはないだなんて。


いまわたしはプッチーニの『この冷たき手を』を聴いて、
とうとうがまんしきれなくなりました。


この歌声。
恋の、愛の、はじまり。
笑ってはいけないわ、あなたの遺伝子はそこから始まってここにきたの。
わたしのもとへ。
わたしはあなたをつかまえるでしょう、
遅かれ早かれ。
わたしは猟犬みたいに焦ってはいないの。
弱い群れのように怯えてもいないの。
ただ、あなたを見てるわ。


いつも、見てるわ。
夕暮れが金やピンクやむらさきや水色に燃える時も、星を散りばめる頃も、
ヒグラシの鳴く魔法の夏の明け方も、
もの哀しく不思議な精のように雪が降る午後も。
そのときあなたは子どもを見たでしょう?
それがわたし。
それが育ってわたしになったの。
あのときの子どもなの。


あなたと手が触れたとき、
筆跡があらわれた。
それは五線紙をまたたくまに埋め、
誰も知らない音楽を生んだの、
それがわたし。


思い出した?
わたしの顔を。



  それだけ   




朝日がやわらかく照らすと
清浄になる 清められる


光には鳥の声が含まれている
ピチピチ鳴る
朝の光は炭酸


カーテンが輝いて光をひきたて
部屋に引き入れ 部屋を満たし
胸の中のおぐらい隅まで満たす
時間は優雅に寝そべっている


ただそれだけ
ただそれだけのこと


呼吸を妨げる荒ぶる心も
いまは泣き疲れてベビーベッドですやすや眠る
痛いほど凍る孤独も
いまは人肌に戻りわたしと並んで日を受ける


きのうのこと
むかしのこと
かなしいこと
サ・ネ・フェ・リアン


優しい給仕がそれは礼儀正しくドアを開け
「何かご用意いたしますか?」
「いいえ。何にも。
・・・そうだ、コーヒーを2杯、淹れてください。
そして、もしよろしければ、一緒に座って飲んでくださらない?」
「喜んで」


彼は若いようで年経たような顔をしていた
コーヒーは黒く、芳しく、その熱いこと
時間は止まり、空間は無音でありながら何かに満ち満ち、
わたしはここが現実でないことを知り、
彼が現実でないことを知っている


「ええ、僕は確かに現実の世界の者ではありません。
でも、僕もこの部屋もこの時間も実在します。
貴女が信じているから」
「・・・・・」
「『ピーターパン』にあるでしょう?「信じなければ」消えます。
でも貴女は信じずにはいられない。昔からそうでしたね?
貴女はお変わりになりませんね」
彼はにこにこしている
光が実によく似合う


「あなたはいつか、ラッフルズのサロンで幸運のコインをくれたあの給仕さん?」
彼は悪戯っぽく微笑う
「そうだったとしても、そうでなかったとしても」
「そうね。見て、日光って何億回も照らしてきたのに、そのたびに信じられないくらいきれい」
「貴女はやはり、お変わりないようです」


「そうでもないわ。360度変わっただけ。毎日の天気のように四季のように変わり続け、結果的には変わらない、
サ・ネ・フェ・リアン(それだけのこと)」


給仕は空いたカップとサーバーを銀の盆に載せ、
空いた手でわたしの手をそっと握った
「また、いつでも、好きなときにお呼びください。
憶えてますか?僕の名はワン。
では、どうぞ心穏やかな日を」
わたしはできるだけ丁寧に頷いて、手を握り返した
ミスター・ワンは霧のように光に溶けていった 

 
残った人型の空間が、ちらちら光った
時間は動かない
胸はしっとりほどよい湿度に保たれ
日光はそれをいつまでも温め続けた


それだけのこと


   たまご



ひび割れたたまご
「ひび割れてる」「中身はだいじょうぶなの?」
みんなが見ている
後ろ手に隠したひび割れたまご
手にあまる
でも捨てられない
どうする?
言ったほうがいいの?


誰かが言う
「でもぼくはそれでもいいよ
たまごは割れるものだし
ケーキにもたまごやきにも
ひよこにもなれるんだから」


普通に歩くこと
時々なんてむずかしい
そして時々涙が出るほど
やさしい 
  神さまとウサギ



みみをたれて、うなだれて
神さまのところへ行きました
神さまはなんにもおっしゃらず
ただいつくしみのまなざしでウサギを見ました


ウサギはしあわせになることを望んだのです、
そしてなにがなんのためになるのかわからなくなって
泣いていたのです
願いのために泣きましたが
なぜ泣いたのか
それは願いのすすむみちがまちがっていたからだと
ウサギはやさしいまなざしの中できがつきました


神さま
他のひとびとはいろいろにあなたを呼ぶが
わたしはただ神さまという呼び方しかしりません
でもあなたはただあなたで
このような小さな生き物に慈悲をくださる
みちびいてくださる
あなたのよろこぶみちをあるきましょう
それが願いのただしいみちなのだと思います


神さまはなんにもおっしゃらず
ただ水のようにしんとやわらかなまなざしを注ぎつづけ
ウサギは赤い目をさらにも赤くして
泣いたのでした


神さまけれどもわたしには
欲もございます、すてきれぬのです
これがわたしなのです
願いをただしくわかることは
まだ先のことかもしれません
ただあなたは見ていてくださる
どうかわたしにただしいみちをお示しください
いつの日か おんもとに


神さまはかるく手をのばされ
口もとに笑みをたたえたまま
ウサギのみみをやさしく撫でられました
  インスタント・フィロソフィ



エスカレーターを昇っている時、「それ」は降ってきた
「インスタントの悟りじゃ、駄目だよ」
心臓をえぐる聞こえざる声


「お前はすぐ小手先の言葉で
自分の知識の幅だけでわかった気になる
それ危険なんだ」
思い描いたのは、というより「見せられた」のは、
いくつかの映像と体験だった
たとえばうまい蕎麦
「どうしてその蕎麦は旨い?何故だ?」
永遠に続くようなエスカレーター
理由はいくらでもある
蕎麦が旨い理由


それから彫刻と絵画
「何故それらに心を動かされる?何故だ?」
理由はいくらでもある
技術 修練 素材 動き 感情 インスピレーション 自然 表現
年月 体調 バランス
まだまだ
だから一言じゃ
言えない
蕎麦も同じ
すべて同じ
すべて違う


「どうした?」
なんにも 言えなくなってしまったの
いっぱいになってしまったの
からっぽになってしまったの
「心をあげよう、ガラテア
でも時間がかかるよ
とても
時間が」


  かの山



うさぎはもうあまり若くなく
顔に傷がありました
そして暴れるくせがあったので
ケージからケージ、人の手から手へ
わたってきました


なでられもしました
話しかけられもしました
叩かれもしました
無視もされました
うさぎはだいぶん疲れていました
けれどある晴れた秋の日
ケージの鍵がゆるんでいました
うさぎは脚にちからをこめて
はねて扉を破って出ました


アスファルトは痛く、空気は煙く
それでも広々とした外の世界を
車や人から逃れてうさぎは走りました
どこへかはわかりません
ただ長い耳に
胸の奥に
いつも聴いていたせつない音があり
ただそれに向かって走りました
わたしはもうじき死ぬだろう、とうさぎは思っていました
だからその音のするほうへ
行ってみたかっただけなのです


ずいぶん走りました
ここは、近い
そう思えた所のそばには
おそろしいほど巨きな鉄塔がそびえ、電線がはりめぐらされ
耳が痛くなりました
景色は、それさえなければ、近いのです
まだ まだ
もっと奥なんだ
うさぎはしびれる体を懸命に走らせました


空をおおう冷たいかなしいものがなくなりました
空気が甘く濃くなりました
ひらけたそこは
草の海
さいわいすむとひとのいう
さいわいすむとひとのいう


少しかたい草を二、三本はみ
晩い太陽にさらされて
うさぎはうずくまりました
あたたかでした
ここ
ここ
あのせつない
うさぎを何度も暴れさせた音は
やわらかな優しいつぶやきとなって
すべてに溶けていました
神さまを見たことはないけれど
すべてが神さまだったとしても
たとえば意地悪だった人や
優しかった手やまなざし
そしてここ
すべてが神さまだったとしても不思議はない


「ただいま」
うさぎは初めて
仲間に逢いたい、と思いました

_花咲く街角_

引篭り八日めに突入。
早暁ゴミ出しを
 すませた日には
人様に先んじて
 大事を成し遂げた
 喜ばしい錯覚にも
 捉われて。

いだく高揚感を
 寸借してまで
 日の落ちる前
 陽光降る大通りを
 ポコペン屋まで
アンヨもよちよち交互に
 辿り着いてみたい。

めまい眩むにせよ
 あかるみの下
 詳らかに浮かびたつ
 街角を目に焼き
  忘れまい。

   **
この乳白色の空を飛び越える翼があれば
あなたのそばまで飛んでいき
背中をそっと温めて差し上げたい
その冷えた手をとり
俯く瞼に唇を押し当てたい

いいのよ いいのよ
今は寒さに凍えているだけ
あなたは頑張っている
私の温もりをあげる

空に向かい言葉に翼を与えた
  HEAT



きみはおれに夢中だって言う
逢えなくてさびしいって
でも、おれの気持ち
きみは知ってるのかな



スマホが鳴るたびにびくっとして
きみからだと胸が熱くなって
抱きしめたくてキスしたくて
せつなくてたまらない
でも忙しくていつも手が放せない
きみが頭から離れないのに



きみのことちょっと置いといて
色々しなきゃならない
でもふと 時間にすきまができると
きみのことばかり思い出してる
きれいな笑顔が頭いっぱいに浮かぶ
ああ、いま何してるの
いまどこにいるの
おれを想ってくれてるの



降ってきた恋人
空白の時間はすべてきみのもの
写真送ってくれない?
自慢したいし
なくならないアメみたいに舐めてたい
元気なの?風邪はどう?
ああ、いま何してるの
いまどこにいるの
おれを想ってくれてるの



一日の終わり
ひかえめなきみはいつも
おれが送ると返してくる
巧みなラリー 
でも すぐにだって欲しいよ
返事が来る
一瞬だけきみをつかまえて
おれは有頂天
きみがおれを想ってくれてるとわかって
よし、明日もがんばらなきゃ
待っててね、おれの可愛い恋人
かならず抱きしめるから





人は永遠(とわ)の愛
神に誓いて 忘るるに
君は易く愛を
『絶対』に伝ゆ

『永遠(とわ)』より
『絶対』より
『来世』に無く

1日の始まりに
今日も君が愛し と云ひ
1日の終わりに
明日の君が恋し と云ふて…

今を つねに 愛さえすれば
誓(せい)を超ゆ
 バイト・ザ・ハンド・ザット・フィーズ


さよなら、エサをくれた優しい手よ
おまえに噛みついて離れて
そう、おまえから離れよう
もう二度とおまえを傷つけやしないから


おまえの可愛い顔 清らかでこのうえなく
愛しい心よ
俺はおまえに相応しくなんかない
おまえだって俺を最低だと思って
泣きながら耐えてきたんだろう


手紙を書こう、神に、そう神に
俺はばかかもしれない
いくら紙飛行機に乗せたって
絶対に届くことはないのに
手書きの文字が人生の川の中で溶けていく
もう使い物にはならないだろう


おまえは本当にいい人間のひとり
どうして今まで俺に尽くしてくれたのか
理解できない
現在はエサをくれやしない時という化け物
人間は理解を忘れて銃とナイフで殺し合う
そういうことだ


咲き誇る花という花をおまえと見てきた
幸福だったよ
おまえが笑う時俺は本当に幸せだったんだ
でもそれは俺のせいじゃなかったと思う
おまえの美しさに花が同調しただけだと
おまえに花たちは相応しく
でも俺はそうじゃないと知ってしまった


どうして理解しなかったんだろう
もう二度とおまえを傷つけやしない
さよなら、閉じた俺のドアをノックすることはやめるんだ
さよなら、可愛いおまえよ
俺はけっして忘れないよ
さよなら
俺はおまえの愛の檻のなかにいるべき人間じゃないんだ
 Rain In June


今日は四月並みの冷え込みです、と気象予報士の警告
さむいわ
ポットにお湯を沸かし、紅茶を淹れる
お気に入りのマグカップは、白いシンプルなもの
ただ、単純な線だけの天使の絵が描いてある
紅茶は湯気を立てる
吹いて、飲む


雨が降っている
あたりまえ、日本はいま雨季
外国人観光客の皆さま、お気の毒さま
でも日本の雨もなかなかいいものよ
いなかでも、まちでも


かたつむりはどうしているかしら
子供の頃
小さなやつじゃなくて
ずっと出逢いたかったおおきなかたつむり
大人になって初めて見つけて
うれしかったけど
文句を言ったものだった
どうしてもっと小さい頃に逢ってくれなかったのよ、って


外にツユクサがひとむれ 咲いているのを見つけたわ
とても喜んで濡れていた
朝しか咲けないかれらは
ルクスの減少でその花の寿命をたもち
あの海の澄んだ青を星のように静かにたたえながら
咲いていたわ
決して手折ることはしない
だいすきな花に捧げる、それが私の恋
だって自由に生きていてほしい


雨の中でがんばる恋人
高所で青天井の現場 巨大なクレーン 鉄骨
危険な足場
見下ろす灰色の東京湾
ヘルメットや安全靴についた水滴を想う
濡れた作業着を、こめかみにつたう汗を
動き続けるしなやかな筋肉を想う
どれだけハードでもいつも笑ってる
あなたは私のいちばん、いちばん好きな花
雨の中にあってさえ燃えあがる大輪の花
あなたが日毎輝かせるいのちを
私は決して手折ることはしないの
だって自由に最高に生きていてほしい
それがあなたへの 私の恋
でも 私は彼に手折られることを待っている
雨の中で 、気ままに
この雨の中の
透明なガラスの檻の中で………
 むかしむかし


むかしむかし
きりんのこどもがいて
おかあさんとはぐれました
きりんのこどもはないたけれど
ううん、がんばらねば
サバンナではいきてゆかれないから


きりんのこどもはけれど
おかあさんがいないと
いきてゆかれないいきものでした
ざんこくなことだけど
それはきまっているのです


そんなきりんのこどもの けれどつよくあろうと
がんばってみじかくもがんばって
いきたこころは
おそらにのぼってもほら
なんてげんきなんでしょう
きりんのこどもは
そこでおかあさんにあえました


やっとあえました
だいすきな、だいすきな、だいすきな
おかあさん!
さみしかったの、こわかったの、ずっとさがしていたの、たくさんはしったの
おかあさんはながいきれいなくびを
じぶんのかわいいこのうえにたおして
ただなきました


きりんのこのたましいは
うまれかわってわたしになりました
だからわたし
さみしいこと、こわいこと、かなしいこと
しっていますよ
それでもじぶんではしったこと
おぼえていますよ
サバンナのあついかぜを 
どこまでもひろがる じゆうなせかいを
おぼえていますよ
それはわたしのものだったから


わたしはだいすきなひとをみつけました
そのひとはいいました
ずっとずっとあいしてる
わたしはうれしくて
はしっています


サバンナを
『かわらぬもの』

あなたがお水なら
そっと両手で掬いとり、
くちづけするよに飲み干して
体のなかで温めます。

あなたが翼を持つ者なら
私は植物のようにじっとして、
安らげる止まり木になります。

あなたが孤独な戦士なら
小さく輝く星でいい
故郷を想う標となり、

あなたが波間のヨットなら
追いかけて包み込み、
帆を張る為の風になります。

あなたがどんなあなたでも、
私は変わってそこにいます。

 息ができない


どうしても
どうしたら
これは体の痛み
それとも


息ができない


私の体も心も
私のもののはずだった
私の時間も孤独も
私のもののはずだった
なのにもうちがう


息ができない


声を放って泣くことが
息を止める
誰か守って
私じゃない
あのひとを


でも泣くことでしか
息ができない
いつ止むのだろう
この嵐は
もう自分のために
ほしいものなんかひとつもない
かつてはすべてを
自分のために欲しがっていたはずだったのに


ああ、これは
痛みを抱えた子のいる
危機にさらされた子のいる
母の祈りだ
私にじっさいの子はいないのに


なぜ泣くのよ
息ができない
結局は自分のためなんじゃないの?
違う?
でも、もし
このことがなければ
私は泣いてなどいない
正常な息をして
何も感じていないことでしょう


当たり前のことなんて
何一つない


平穏な夜が
こんなにも欲しい
あなたの
平穏な夜
それをわかりたいの


それさえわかれば
私もう何もいらないわ
  もえあがる孤独


枝垂れ桜の葉、大王松の葉、柿の葉、タイサンボクの葉
みどり濃く、光は乱反射する
でもいま日光はあまりにつよく、影もまたつらいほど濃い
ああ、私は寂しい


手に馴染んだ孤独が机に飾られ
私はそれを眺めるしかない
それに色はなく、時間は流れているくせに止まる
こんな時はただ眺めている、目を閉じてそれを


嵐はゆき、そのあとの風だけが薄く視界をかすめ
存在を消す
静寂がいやになり、音楽を空間に垂らしてみる
頬杖をついたり、気まぐれに体を揺らしてみたり
まあ、いいわ、これで


鏡の前で裸になってみる
見知らぬ女
それはつつましく、好もしく、飢えて燃え、手は下ろしているのにその両腕は
愛に向かって伸ばされ、すると幻影が現れ、私を抱き包む


服をつけ、再びデスクに向かう
高まっていく
私はラ・ボエームのロドルフォよろしく無名の詩人
歓びと哀しみと孤独、心の森と海をスケッチするのが仕事だ
今日の筆が冴えているかどうか、確かめるすべはしかしなく
でも私はとめることができないのだ、私は書くために生まれたのだから、それは私の息
私の名は息、それが私の生きる意味


空は陽を含んだ銀青
何も起こりはしない
同じ空の下のどこかで、愛しい男が生きている
それを確信していれば、私は実は幸福で、孤独はむしろしっくりくる
彼のために愛を織るのに、他者は必要がない、私はドアに「邪魔しないで」の札をかける
気のいい静かなホテル、69年からスピリットは置いてないと女主人は言ったらしいが
私の部屋には少しある
ボンベイサファイヤとボルツ、美しいグラスがひとつ


狂うような光、闇の濃さ
それは単にルクスの問題だ
そしてルクスがあろうがなかろうが
すべてが輝きわたる日があるのを知っている、それは何度もあったことで
確かなことだ、当たり前のことだ


私はもともとせっかちな質だったけれど
今はほほえんで待つことの愉悦を知っている
愉悦には孤独が必要、その部屋の中で
私はなんでも好きなものになることができ、誰のものにもなり、まったく自分自身で
あらゆる経験をし、満ち足りて咲き、散る
そこにはあらゆる言葉があり、温度があり、味があり、光と快い陰があり、時間は永続する
まったくこの孤独という容れ物は!


夢はどうして育つと思う?
それには殻が必要なのだ、それは例外なくうつろでなければならない
うつろでなければ中にものは入らない、その中の温かな暗さがなければ発芽はない
殻を割れるのか、夢よ
私は祈りはしない
ただ何も考えず、必要なことをするだけ


机に飾られた孤独の殻が一瞬光る
胎動があるのだとわかる
それは願い、それは意志、それはいのち、それは、それは私


鳥たちは影を潜め、どこでこの熱波に羽をつぼめていることだろう
その翼の甘いときめきを私は心に持ち
ほぐれるようにほほえむ、私のこのあまりの自由さに
お金がないにしても、私は他に何も必要ない
部屋に置かれた筆記のためのもの、それだけの部屋、花もなく、かざりものもなく、ほとんど空の棚
しかし中心にあるのは愛と夢に燃える胸、幸福な
それで十二分


時は正当に火を続かせる、一日は淡々とした焚火のようだ
誰かがピアノのリフを奏で、思わぬ訪問者を私はしばし受け入れる
そして投げ銭代わりにそのひとのスケッチを描いてあげる
そしてその暗いオレンジの情熱を金でふち取り、自分のものにしてしまう
気に入ったから


私はどこへ
流れ者の私はほんとうの家を持たない
しかし世界のいずれの場所も私の家で、いずれの炉も私のものになるだろう
誰かが昔、言ったものだ
あなたのなかの天使性を疑うなと
私は自分が天使だとは思わない、でも人間だという自信もない
私は、何者なのか
ただ脈打つ、大理石の誇り
ただ塑像のように立つ、有機的な踊り子


時に人は私を気狂いだと言い、手錠をかけようとする
あいつは変わり者だときめつけ、鋳型にはめて正そうとする
私はいつもやすやすと夜へ逃げ出し、男の気をひいて遊ぶのだ
そして気ままに寝て、朝にこっそり消えて、ハンバーガーショップで朝食をぱくつく
誰も私を捕えることはできない
彼らもそのうちあきらめるだろう
私の享楽を


ドアを開け、この個室に戻ると、愛しい男の紅い魂を深く抱き
そして抱きしめられて声を上げ、ベッドを転げまわる
私は誰にも属さないとはいえ
彼にはお手上げ


私は目的地へと向かう、嘲笑う者には笑いかけ、真摯に見つめる愛には真摯に見つめ返す
それだけは私に随行する
欲望の美化の庭に咲き乱れ

退屈な日常の楽園に溺れて

荒れ果てた薔薇の庭に独り

掌に乗せるは刹那の輝く滴

約束された過去と未來から

またここに来て私を呼ぶ声

定められた道を行く蕀の道



産まれてきた記憶は柔らかな鼓動に包むれ
母に抱かれて眠ってた
残された魂は目覚めのない闇を彷徨う
辛いことばかりだったね

幼い思い出は笑顔も血の海に
二度と帰られぬ

虚構のメリーゴーランド

二人で遊んで
夢の国

夜明けまで
興じて

明ければ廃墟

それはそれで
美しい

ログインすると、残り46件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

言葉の見る夢 worqream  更新情報

言葉の見る夢 worqream のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング

mixiチケット決済