七月七日、曇り。
何でかな、君までの距離が、うまく掴めないんだ。
目に見えるときは、手を繋いでいるときは安心なのに、
「バイバイ」
って、背を向けると、途端に進むべき道が分からなくなる。
一寸先は闇、重たい空気が足元にからみつく。
僕は真っ黒な手に口を塞がれ、思考回路に絶縁体を植えられる。
足は永遠に地面を踏めない。
僕は僕の影が縛り上げられるのを見ているが、わざと目を背けている。
行くべき道も通った道も分からなくなる。
ただ時間だけが目の前を走馬灯のように駆け抜けていく。
ストップボタンもリセットボタンもないのがこの世の不便なとこ。
目眩がしても、足が棒のようになっても、そんなの知ったこっちゃないらしい。
やっと会える、のに。
こんな曇り空じゃ、君までの道が見えない。
今宵はうまく辿り着けるのだろうか、と僕は不安になる。
でも本当は天気なんか関係ない。
僕の心が曇っていたんだから。
おかしいね、僕の心はいつだってグレイだ。
そして滞った川の流れを打開する策をいつまでも探している。
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