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『心の中の大切な日記』-完結-コミュの遠い記憶/2

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コミュ内全体

ゆりは学校が終わると
必ずおばさんの家に向かった。

もちろん部活には行きたかった。

しかし、私がそばにいると香織が
辛い思いをする・・
という思いから行かなかった。


ゆりにとって癒しの場所は
おばさんの家だった。


部活で香織さんの帰りが遅い時は
ゆりが料理を作り、二人で食べた。

香織さんと二人で料理本を
見ながら作った事もあった。

三人で食べる食事は最高の時間だった。

二人は学校では会話する事は減ったが
ここではいろんなことをおもいっきり喋った。

ゆりは高校に行かずに働こうと思っていたが
香織さんの説得で高校に行こうと決めた。

二人で受験勉強もした。

互いに別々の高校に合格し
手をとりあい喜んだ。

高校生になり二人の会える時間は
この場所だけだった。

香織さんに好きな人ができ
相談にのったこともあった。



俺は香織さんの恋愛の話を聞いているうちに
電車の中で泣いていたあの涙の意味が
なんとなくわかった。



ゆりの話は続いた。


香織さんには同じ高校に通う
ずっと好きな人がいた。

幼なじみでゆりも知っている人だ。

保育園の時は一緒に
遊ぶこともあった。

香織さんはずっと片想いのままだった。

ゆりに中学3年になって
初めてそのことを伝えた。

香織さんは亡くなる1週間前に
告白したが振られた。

『ごめん、お前・・・なんか重いんだわ〜。
 地味で寂しいっていうか。。
 親父が死んでばあさんと二人。
 なんか重いんだよな〜
 あんなに仲のよかったゆりのことも
 いじめてたよなッ!
 まぁ、ゆりがあの日…
 あんなことしたからそれはわかる。
 まぁ、俺もゆりをあれ以来
 無視していたしなッ!
 お前たちとは関わりたくないし。。
 俺は、どっちかと究極の選択をされたら
 ゆりのほうがいいかなッ。
 地味なお前と付き合うって
 俺にとって重すぎるッ!
 もしかして、罰ゲーム…
 俺、急いでるからッ』

こんな言葉と共に断られた。


あまりにも冷たい言葉に
香織さんはうつむくだけだった。


香織さんは泣いてゆりに伝えた。


ゆりも泣いた。
悲しい夜だった。


ゆりは高校の門前で
この幼なじみをずっと待った。

香織さんに伝えた言葉に腹が立ち
悔しくて眠れなかった。

とうとう会えた・・・。

顔を見たと同時に怒りの気持ちが
爆発しそうになった。

ここは門前で人目もある。
近くの公園まで彼に来てもらった。

『純也、香織に何を言ったの。。』
ゆりは落ち着いて聞いた。

『いや!別に・・・。
 あいつが俺のことを
 好きか嫌いか俺にとってどうでもいい。
 ただあいつなんかに興味がないから
 断っただけッ。何が悪いッ!』

素っ気無い表情で彼は答えた。

ゆりは怒った。

『だったらッ!!
 お前が香織と付き合えばいいだろッ!!』

彼も少し苛立ち
ゆりに再び言葉を返した。

ゆりの目からは気づかない間に
涙が溢れていた。

『あんたにあの子の何がわかるの!!
 なんで家族のことを・・・。
 香織に興味がないならそれはしょうがない。
 だけど・・なんで・・・
 昔のことを思い出させることを言うのッ。
 なんで!!なんで!!
 香織はずっと苦しんでいたのよ。。
 なんで!!なんで。。。』

彼は耳をほじりながら
めんどくさそうに聞いている。

『お前に言われたくないよ。
 お前こそ母ちゃんが死んで
 寂しかったんだろ。
 それであんなひどいことして・・・。
 近所の人も言っていたわ。
 最低だなぁ。。
 お前ともう話したくないし!
 関わりたくもないッ!!
 じゃあなッ。』 


ゆりは何も言えなかった。


彼はゆりの肩を叩き、帰っていった。

彼は変わった。
昔はゆりと一緒に香織を
いじめから助けた時もあった。
だけど、今はその面影もない。

彼の背中を見て、ゆりは地面に
しゃがみこみ泣いた。


・・・・・・・・・・・


『健ちゃん!そんなことがあったんだ。。』


俺はゆりの目をじっと見て聞いていた。


『こんな私でいいの。。』
ゆりは心配そうに聞いた。

『もちろんいいに決まってる。。
 何もゆりは間違ってない!!
 こんな私とか言ったらだめだ。。
 世間がなんて言おうと俺にとってゆりはゆり。
 俺たちは俺たち。これからもよろしくなっ!!』



『・・・・ありがとう。。』


ゆりはそっと微笑んだ。


俺は迷ったがゆりに
あの日のことを伝えた。

『あのなッ。
 電車の中で香織さん見た時、泣いてたんだ。。』

『香織さんは告白してから
 しばらく辛い気持ちだったと思う。。
 香織さんの涙も
 ゆりの涙も悲しい涙だった。。
 でも・・・二人の友情で悲しい涙が
 温かい涙になったと思う!!』

『そうかなぁ。。
 香織も天国でそう思ってくれてるといいな。。』

『きっとそう思ってる。。
 俺も今、温かい気持ちになったから!!』

ゆりは微笑み少しホッとした感じにみえた。

『健ちゃん、このりんご甘いねぇ。。
 八百屋のおじさん2個も
 おまけしてくれたんだッ!!』

『得したなぁ〜
 もしかしてッ
 あそこの八百屋のおじさん・・・。』

二人は何気ない話に盛り上がった。


第6章 思い出の場所へ
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